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第二章 目覚め
第77話 クウェイの声
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短くなったロウソクの火が、ちらちらと消えそうになっている。
小さな灯りのもとで、ケリーとセロは向き合うようにしてテーブルに突っ伏していた。目覚める気配のない彼らの周りでは、開かれたままの本が読み手が戻ってくるのを待っている。
セロは眠りに落ちる瞬間まで、日記を読んでいたのだろう。彼の指は文字を指さしたまま、力なく置かれていた。
眠る二人を見守っていたロウソクの火が、溶けたロウにゆっくりと沈んでいく。光の粒がジュッと吐息を残して消えると、部屋はたちまち闇一色に染まった。
あんなに煌々と輝いていた月も雲に隠れてしまったのか、窓の外は微かに明るいだけだ。
『どうかな……少し落ち着いた?』
見渡す限りの闇の中。
セロは懐かしい声を聞いて、そっとまぶたを開いた。まるで、水に溶かした絵の具が一枚の絵を描いていくように、かすんだ視界が見慣れた景色を捉えていく。
ここは……橋の階段か。
どうして、こんな所にいるんだ?
ここで、何をしているんだ?
ぼんやりとした頭で状況を整理していたセロは、ふと誰かに肩をつかまれているのを感じて、顔を左に向けた。
彼の肩に腕を回しているその人は、前を見つめたまま静かな声で話している。
「セロはお兄さんの後継者として、学舎に連れて来られた。それは紛れもない事実だよ。……だけど、これだけは言わせてほしい。セロは魔界軍と戦うために生きているんじゃないんだ。お兄さんの敵討ちに命を懸ける……そんなのは、君の生き方じゃないんだよ」
日の沈んだ藍色の空を見上げる、クウェイの横顔。
『ああ、そうか……。僕は、第一回大草原遠征の話を聞いていたんだ……』
既視感のある、この光景は。
第二回大草原遠征の前日の記憶だ。
「長い話になってしまったけれど、僕はそれが言いたかっただけなんだ」
セロは何か返そうとしたが、口を開くことはできなかった。言葉を口にする前に、目の前にいるクウェイの姿が滲んで、歪んでしまったのだ。
セロが頬を伝う涙に動揺していても、クウェイは彼の流す涙に気がついていないのか、優しく微笑むだけだった。
あの、額縁に閉じ込められた英雄たちのように。
青い瞳の、遠い所を見据えて笑っている。
どうして、涙が止まらないのか。
なぜ、こんなにもクウェイを懐かしく感じてしまうのか。
……だめだ、思い出せない。
クウェイとの会話は、一言一句はっきりと覚えているのに。その先の記憶が、グシャグシャに塗り潰されたみたいに無くなっている。
すべて、消えているのだ。
『これは……夢なのか?』
記憶通りに流れて行く景色に、セロは物語を読んでいる感覚になった。目の前にいるクウェイは、人形劇の操り人形のように、決められた台詞しか話さない。
「独り言に付き合わせてしまって、ごめんね」
沈黙のあと、クウェイは話題を変えた。
『もう、この話はおしまいにしよう。』
対峙していたときと同じだ。
声なき言葉でそう伝えているんだ。
「こうして話をするのは、本当に久しぶりだね。長い間、会っていなかったけれど……変わりはなかったかい?」
「ええ、僕は……元気です」
セロの口が、勝手に動き出す。
「でも……僕たちは、ずっと会っていなかった訳ではないと思います。だって……いつも、僕のことを見守ってくれていましたよね」
クウェイは驚いた顔をしているが、本当に驚いていたのは紛れもない、セロ自身だった。
口も、体も、指一本すら動かすことができない。
『どうなっているんだ……っ!』
今、ここに存在しているのは、セロの意識だけ。
彼は過去の目を通して、過ぎた記憶を眺めていることしかできなかった。
「クウェイが見守っていてくれたから、独りじゃないって思えた。どんな壁も乗り越えることができた。僕が学舎で生き残れたのは、クウェイのおかげなんです」
「そんなこと……だって、僕は君を見捨ててしまったんだよ。それも、何の説明もなく突然に――」
弱気なクウェイの言葉を遮って、セロは首を横に振る。
「違う、クウェイは僕を見捨てたんじゃない!」
クウェイは苦しそうに顔を背けた。
「クウェイが何も言わずに立ち去ったのは、そうしなければならない理由があったからだと、十四歳の僕は考えました。クウェイが不自然な行動を取るのは、学長命令に従うときだけだ。だから、きっと本人の意思ではないはずだって思ったんです」
クウェイは顔を上げると、力なく笑った。
「どうやら……君には、僕の本性がお見通しだったみたいだね。実は、僕はね……」
小さく息を吸い、クウェイは心に押し隠していた本音を吐き出した。
「僕は……怖かったんだ。学長から君との接触を避けるように言われたとき、命令を破ってしまったら、君の努力を水の泡にしてしまうかも知れないって思った。だけど……君を見捨てるなんて、できなかった。でも、僕にできることと言えば、遠くから様子を見るだけ。ずっと見守ってきたつもりだったけど、いつしか自分が、監視者と化している気がして……苦しかった」
クウェイはセロを見つめて、小さく笑った。
「でも、まさか。セロがそんな風に思ってくれていたなんて、知らなかったよ。もっと早く話ができればよかったんだけど……君も知っての通り、僕は臆病者だから……。ごめんね、セロ。結果的に、こんなことになってしまって」
セロは何度も首をふった。
「クウェイは何も悪くない。それに、臆病者なんかじゃない。臆病者には、自分の積み上げて来た信用を危険にさらしてまで、他人の心配をすることはできないと思います」
かつて、一緒に森へ出かけたときのように、セロは一生懸命に話している。
クウェイは成長したセロのなかに眠る、幼い彼の姿を懐かしむように目を細めた。
「最後の最後に、誤解を解くことができて本当によかったよ。これで、何の心残りもなく出陣できそうだ」
「何を言っているんですか。これで最後な訳がない。クウェイには、無事に帰還してもらわないと困ります。もちろん、ケリーもエダナも。それに……」
セロはちょっとだけ意地悪な笑みを浮かべた。
「誤解していたのは、クウェイだけだよ。僕はずっと、クウェイのことを信じていましたから」
「……ははっ!たしかに、そうだね。今まで悩んでいた自分を捕まえて言ってやりたいよ。『学舎の犬になる暇があるなら、ちゃんとセロに向き合ってやれ!』って」
二人は顔を見合わせて笑った。
気がつくと、随分と長い間、話し込んでいたらしい。
遠くに見える騎士の宿舎には明かりが灯り、そのうちの数部屋はもう既に消灯しているようだった。
「……そろそろ寝ないと、明日の出陣に支障が出ます。ゆっくり休んで下さい。僕はこれで失礼します」
「もう、こんな時間か……。セロも、ちゃんと休息を取るんだよ。君は頑張りすぎるから、心配なんだ」
セロはにこりと微笑んだ。
「わかっています。それは昔から、クウェイが僕に言ってくれていたことですからね」
「あれ、そうだったかな?」
おかしいな、というように首を傾げたクウェイは、ふいに首の後ろに手を回して眉をしかめた。
一見すると不快感を顕にした表情に見えるが、口角が上がっているところを見ると、そうではないようだ。
「あのね……さっきからずっと、首の裏がくすぐったいんだ。セロが僕に敬語で話しかけてくるのは、やっぱり変な感じがしてね。だから、今度話すときは、さっき一瞬だけそうしてくれたみたいに、君らしく話して欲しいな」
セロは内心では驚いていたが、しっかりと頷いてみせた。
久しぶりにクウェイと話す緊張感と、いつもの癖で堅苦しくなってしまっていたようだ。
だが、次に話すときはきっと、あのときのように分け隔てなく話せるはずだ。
「セロ……僕たちが遠征から帰ったら、また、こうやって話してくれるかな?」
「うん、もちろん。必ず会いに来るよ」
小さな灯りのもとで、ケリーとセロは向き合うようにしてテーブルに突っ伏していた。目覚める気配のない彼らの周りでは、開かれたままの本が読み手が戻ってくるのを待っている。
セロは眠りに落ちる瞬間まで、日記を読んでいたのだろう。彼の指は文字を指さしたまま、力なく置かれていた。
眠る二人を見守っていたロウソクの火が、溶けたロウにゆっくりと沈んでいく。光の粒がジュッと吐息を残して消えると、部屋はたちまち闇一色に染まった。
あんなに煌々と輝いていた月も雲に隠れてしまったのか、窓の外は微かに明るいだけだ。
『どうかな……少し落ち着いた?』
見渡す限りの闇の中。
セロは懐かしい声を聞いて、そっとまぶたを開いた。まるで、水に溶かした絵の具が一枚の絵を描いていくように、かすんだ視界が見慣れた景色を捉えていく。
ここは……橋の階段か。
どうして、こんな所にいるんだ?
ここで、何をしているんだ?
ぼんやりとした頭で状況を整理していたセロは、ふと誰かに肩をつかまれているのを感じて、顔を左に向けた。
彼の肩に腕を回しているその人は、前を見つめたまま静かな声で話している。
「セロはお兄さんの後継者として、学舎に連れて来られた。それは紛れもない事実だよ。……だけど、これだけは言わせてほしい。セロは魔界軍と戦うために生きているんじゃないんだ。お兄さんの敵討ちに命を懸ける……そんなのは、君の生き方じゃないんだよ」
日の沈んだ藍色の空を見上げる、クウェイの横顔。
『ああ、そうか……。僕は、第一回大草原遠征の話を聞いていたんだ……』
既視感のある、この光景は。
第二回大草原遠征の前日の記憶だ。
「長い話になってしまったけれど、僕はそれが言いたかっただけなんだ」
セロは何か返そうとしたが、口を開くことはできなかった。言葉を口にする前に、目の前にいるクウェイの姿が滲んで、歪んでしまったのだ。
セロが頬を伝う涙に動揺していても、クウェイは彼の流す涙に気がついていないのか、優しく微笑むだけだった。
あの、額縁に閉じ込められた英雄たちのように。
青い瞳の、遠い所を見据えて笑っている。
どうして、涙が止まらないのか。
なぜ、こんなにもクウェイを懐かしく感じてしまうのか。
……だめだ、思い出せない。
クウェイとの会話は、一言一句はっきりと覚えているのに。その先の記憶が、グシャグシャに塗り潰されたみたいに無くなっている。
すべて、消えているのだ。
『これは……夢なのか?』
記憶通りに流れて行く景色に、セロは物語を読んでいる感覚になった。目の前にいるクウェイは、人形劇の操り人形のように、決められた台詞しか話さない。
「独り言に付き合わせてしまって、ごめんね」
沈黙のあと、クウェイは話題を変えた。
『もう、この話はおしまいにしよう。』
対峙していたときと同じだ。
声なき言葉でそう伝えているんだ。
「こうして話をするのは、本当に久しぶりだね。長い間、会っていなかったけれど……変わりはなかったかい?」
「ええ、僕は……元気です」
セロの口が、勝手に動き出す。
「でも……僕たちは、ずっと会っていなかった訳ではないと思います。だって……いつも、僕のことを見守ってくれていましたよね」
クウェイは驚いた顔をしているが、本当に驚いていたのは紛れもない、セロ自身だった。
口も、体も、指一本すら動かすことができない。
『どうなっているんだ……っ!』
今、ここに存在しているのは、セロの意識だけ。
彼は過去の目を通して、過ぎた記憶を眺めていることしかできなかった。
「クウェイが見守っていてくれたから、独りじゃないって思えた。どんな壁も乗り越えることができた。僕が学舎で生き残れたのは、クウェイのおかげなんです」
「そんなこと……だって、僕は君を見捨ててしまったんだよ。それも、何の説明もなく突然に――」
弱気なクウェイの言葉を遮って、セロは首を横に振る。
「違う、クウェイは僕を見捨てたんじゃない!」
クウェイは苦しそうに顔を背けた。
「クウェイが何も言わずに立ち去ったのは、そうしなければならない理由があったからだと、十四歳の僕は考えました。クウェイが不自然な行動を取るのは、学長命令に従うときだけだ。だから、きっと本人の意思ではないはずだって思ったんです」
クウェイは顔を上げると、力なく笑った。
「どうやら……君には、僕の本性がお見通しだったみたいだね。実は、僕はね……」
小さく息を吸い、クウェイは心に押し隠していた本音を吐き出した。
「僕は……怖かったんだ。学長から君との接触を避けるように言われたとき、命令を破ってしまったら、君の努力を水の泡にしてしまうかも知れないって思った。だけど……君を見捨てるなんて、できなかった。でも、僕にできることと言えば、遠くから様子を見るだけ。ずっと見守ってきたつもりだったけど、いつしか自分が、監視者と化している気がして……苦しかった」
クウェイはセロを見つめて、小さく笑った。
「でも、まさか。セロがそんな風に思ってくれていたなんて、知らなかったよ。もっと早く話ができればよかったんだけど……君も知っての通り、僕は臆病者だから……。ごめんね、セロ。結果的に、こんなことになってしまって」
セロは何度も首をふった。
「クウェイは何も悪くない。それに、臆病者なんかじゃない。臆病者には、自分の積み上げて来た信用を危険にさらしてまで、他人の心配をすることはできないと思います」
かつて、一緒に森へ出かけたときのように、セロは一生懸命に話している。
クウェイは成長したセロのなかに眠る、幼い彼の姿を懐かしむように目を細めた。
「最後の最後に、誤解を解くことができて本当によかったよ。これで、何の心残りもなく出陣できそうだ」
「何を言っているんですか。これで最後な訳がない。クウェイには、無事に帰還してもらわないと困ります。もちろん、ケリーもエダナも。それに……」
セロはちょっとだけ意地悪な笑みを浮かべた。
「誤解していたのは、クウェイだけだよ。僕はずっと、クウェイのことを信じていましたから」
「……ははっ!たしかに、そうだね。今まで悩んでいた自分を捕まえて言ってやりたいよ。『学舎の犬になる暇があるなら、ちゃんとセロに向き合ってやれ!』って」
二人は顔を見合わせて笑った。
気がつくと、随分と長い間、話し込んでいたらしい。
遠くに見える騎士の宿舎には明かりが灯り、そのうちの数部屋はもう既に消灯しているようだった。
「……そろそろ寝ないと、明日の出陣に支障が出ます。ゆっくり休んで下さい。僕はこれで失礼します」
「もう、こんな時間か……。セロも、ちゃんと休息を取るんだよ。君は頑張りすぎるから、心配なんだ」
セロはにこりと微笑んだ。
「わかっています。それは昔から、クウェイが僕に言ってくれていたことですからね」
「あれ、そうだったかな?」
おかしいな、というように首を傾げたクウェイは、ふいに首の後ろに手を回して眉をしかめた。
一見すると不快感を顕にした表情に見えるが、口角が上がっているところを見ると、そうではないようだ。
「あのね……さっきからずっと、首の裏がくすぐったいんだ。セロが僕に敬語で話しかけてくるのは、やっぱり変な感じがしてね。だから、今度話すときは、さっき一瞬だけそうしてくれたみたいに、君らしく話して欲しいな」
セロは内心では驚いていたが、しっかりと頷いてみせた。
久しぶりにクウェイと話す緊張感と、いつもの癖で堅苦しくなってしまっていたようだ。
だが、次に話すときはきっと、あのときのように分け隔てなく話せるはずだ。
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