2 / 15
第一章:黒い子猫と転生面接
第2話 大事だったもの
しおりを挟む
下手な蓋。まだ燃えている。
ふと、冬の夕方の空気を思い出した。
白い息と、信号の赤い光と、足もとを横切る小さな影。
「……最近、よく見ていて、気になっている子なら……います」
自分でも少し変な答え方だと思いながら、篝は口を開いた。
「あの、通学路の途中に、黒い子猫がいて。
誰かが飼っているわけじゃないみたいなんですけど、近所の女の子がよく撫でていて」
毛並みの手触りがはっきり蘇りかけて、篝は呼吸の速さを意識して整えた。
向かいの存在は、淡々とした声のまま続ける。
「その子のこと、よかったらもう少し教えてもらってもいいですか」
篝は小さくうなずいた。
「公園の、角の電柱のところに、よくいるんです。
最初は、ただの黒い影がいるな、くらいで。
でも、何回か見てるうちに、だいたいの時間と場所が分かってきて」
公園。電柱。曲がり角。
頭の中の地図の、その一点だけが急にくっきりする。
「その、近所の小さい女の子が、たまに学校の帰りにいて。
ランドセルのまま座りこんで、ずっと撫でてて。
ネコのほうも、そこにいるときはあんまり逃げなくて」
女の子の顔は、正直ほとんど覚えていない。
ただ、ちいさな手と、黒い毛の組み合わせだけは、妙にはっきり残っている。
「名前とかは知らないんですけど……。
心の中では、ずっと『黒いネコ』って呼んでました」
わざわざ名前をつけるほど距離を詰めるのは、どこかこそばゆかった。
それでも、あの垣根にいてほしいと思うくらいには、気になっていた。
「いつもは、公園の垣根のあたりでうろうろしてるんです。
歩道のほうで、人が通っても、ちょっと離れてじっと見てるだけで」
「でも、その日だけ……」
言いかけて、喉が少しだけ重くなる。
「その日だけ、車道に出てて」
篝の足がアスファルトの上を歩いていたときの感覚が、鮮明に戻ってくる。
「ライトが見えて。
音も聞こえてて。
それでも、ネコは、車道の真ん中あたりで、貼りついたみたいに動かなくて」
たぶん轢かれる、って、一目でわかった。
気づいたときには、もう走り出していた。
縁石ブロックを乗り越える。
白い線も視界には入っていたはずだが、「重要じゃない」と脳が即座に切り捨てた。
冷たい空気を切りぬけた感覚だけが、やけに鮮明に残っている――
足もとにあった小さな重さだけが、一段とはっきりしている。
思っていた通りの、ふわふわだった。
そこまで思い出したところで、篝は一度まぶたを強く閉じた。
さっきまで整えていた呼吸が、少しだけ乱れる。
「……あのあと、黒いネコが、どうなったのかって」
自分の声が、思っていたよりも速く出た。
「ここで、分かりますか」
向かいの存在は、短く間を置いた。
「……一番、そこが気になりますよね」
「ごめんなさい。今ここからは、『生きている/生きていない』を、
はっきりと言い切ることができないんです」
ネコの生死を伝えられないと、きっぱりと言われた。
――やっぱり、私が飛び出しても、結果は変わらなかったということなのだろう。
「……どうして言い切ることができないんですか」
声がかすれる。
その薄い輪郭の内側から、何かがあふれ出してしまいそうだ。
胸の奥で、この息苦しさに似た状態をどこかで経験したことがある気がした。
それがいつだったのか思い出す前に、言葉が続く。
「……その子が今どうなってしまったのか、それだけをどうか……」
向かいの存在は、少しだけ目を伏せた。
「“ここから先のこと”って、いろいろな要素が絡んでいて……
今この場所で、はっきり『こうです』って言い切れる形には、まだなっていないんです」
ただ、「はっきりさせること」を避けられたという事実だけは分かった。
白い部屋の空気が、じわじわと重くなる。
「……あの黒いネコだけは、って思ってたんです」
篝は、自分でも驚くくらい落ち着いた声で言った。
「ちゃんと守れれば、あとはどうでもいい、って」
向かいの存在は、しばらく篝を見つめていた。
机の縁を握りしめている指先と、わずかに早まった呼吸を確認するように、視線が一度だけ往復する。
「……呼吸が速くなってきていますね。ちょっとだけ、こちらから手を入れます。失礼します」
そう告げた次の瞬間、白い部屋の光が、ほんのわずかに落ちた。
代わりに、胸のあたりを撫でるような、ぬるい風の感覚が通り抜ける。
実際に風が吹いたわけではない。
耳の奥で脈打っていた自分の心音が、一段遠のいた。
指先にこびりついていたしびれも、すこしだけほどけていく。
「この部屋だと、気持ちに負担がかかりすぎているときに、
感情の振れを少しだけ抑える仕組みを使うことができます。
“無理に落ち着いてください”っていう話じゃなくて、
このあとお話を続けられるくらいまで、ちょっとブレーキをかける……そのくらいだと思ってください」
説明だけ聞けば、勝手に心をいじられているようにも思える。
けれど、胸の奥にたまっていた刺々しさが、ほんの少しだけ水で薄められたような感覚があった。
「……ありがとうございます」
完全に落ち着いたわけではない。
それでも、さっきの衝動めいた感情は、どこかへ押し戻された。
向かいの存在は、篝の視線がもう一度こちらへ戻ってきたのを確かめてから、静かに続けた。
「『守りたい』って思える相手がいること自体、とても大事なことです。
あの場面みたいな状況で、実際に足を踏み出せる人は、そう多くありません」
「そのうえで──」
向かいの存在は、言葉を区切り、篝のほうをまっすぐ見た。
「周防さんの、あの場面での『あの子を守ろうとした』という動き方と、よく噛み合う“役目”が、いくつかあります」
役目、という単語に、さっきとは違う種類のざわつきが走る。
「……あの交差点のことが、何か関係あるということですか」
自分で問いながら、胸の奥がきゅっと縮む。
「はい。あの場面で周防さんが何を守ろうとしたのか、その点については、こちらとしても軽くは見ていません」
黒いネコの、柔らかい重さだけが、はっきりと浮かび上がる。
「……どういう、役目ですか」
問いかけた自分の声が、少しだけ上ずっていた。
交差点の景色と、白い部屋の光が、ごちゃごちゃに重なっていく。
ふと、冬の夕方の空気を思い出した。
白い息と、信号の赤い光と、足もとを横切る小さな影。
「……最近、よく見ていて、気になっている子なら……います」
自分でも少し変な答え方だと思いながら、篝は口を開いた。
「あの、通学路の途中に、黒い子猫がいて。
誰かが飼っているわけじゃないみたいなんですけど、近所の女の子がよく撫でていて」
毛並みの手触りがはっきり蘇りかけて、篝は呼吸の速さを意識して整えた。
向かいの存在は、淡々とした声のまま続ける。
「その子のこと、よかったらもう少し教えてもらってもいいですか」
篝は小さくうなずいた。
「公園の、角の電柱のところに、よくいるんです。
最初は、ただの黒い影がいるな、くらいで。
でも、何回か見てるうちに、だいたいの時間と場所が分かってきて」
公園。電柱。曲がり角。
頭の中の地図の、その一点だけが急にくっきりする。
「その、近所の小さい女の子が、たまに学校の帰りにいて。
ランドセルのまま座りこんで、ずっと撫でてて。
ネコのほうも、そこにいるときはあんまり逃げなくて」
女の子の顔は、正直ほとんど覚えていない。
ただ、ちいさな手と、黒い毛の組み合わせだけは、妙にはっきり残っている。
「名前とかは知らないんですけど……。
心の中では、ずっと『黒いネコ』って呼んでました」
わざわざ名前をつけるほど距離を詰めるのは、どこかこそばゆかった。
それでも、あの垣根にいてほしいと思うくらいには、気になっていた。
「いつもは、公園の垣根のあたりでうろうろしてるんです。
歩道のほうで、人が通っても、ちょっと離れてじっと見てるだけで」
「でも、その日だけ……」
言いかけて、喉が少しだけ重くなる。
「その日だけ、車道に出てて」
篝の足がアスファルトの上を歩いていたときの感覚が、鮮明に戻ってくる。
「ライトが見えて。
音も聞こえてて。
それでも、ネコは、車道の真ん中あたりで、貼りついたみたいに動かなくて」
たぶん轢かれる、って、一目でわかった。
気づいたときには、もう走り出していた。
縁石ブロックを乗り越える。
白い線も視界には入っていたはずだが、「重要じゃない」と脳が即座に切り捨てた。
冷たい空気を切りぬけた感覚だけが、やけに鮮明に残っている――
足もとにあった小さな重さだけが、一段とはっきりしている。
思っていた通りの、ふわふわだった。
そこまで思い出したところで、篝は一度まぶたを強く閉じた。
さっきまで整えていた呼吸が、少しだけ乱れる。
「……あのあと、黒いネコが、どうなったのかって」
自分の声が、思っていたよりも速く出た。
「ここで、分かりますか」
向かいの存在は、短く間を置いた。
「……一番、そこが気になりますよね」
「ごめんなさい。今ここからは、『生きている/生きていない』を、
はっきりと言い切ることができないんです」
ネコの生死を伝えられないと、きっぱりと言われた。
――やっぱり、私が飛び出しても、結果は変わらなかったということなのだろう。
「……どうして言い切ることができないんですか」
声がかすれる。
その薄い輪郭の内側から、何かがあふれ出してしまいそうだ。
胸の奥で、この息苦しさに似た状態をどこかで経験したことがある気がした。
それがいつだったのか思い出す前に、言葉が続く。
「……その子が今どうなってしまったのか、それだけをどうか……」
向かいの存在は、少しだけ目を伏せた。
「“ここから先のこと”って、いろいろな要素が絡んでいて……
今この場所で、はっきり『こうです』って言い切れる形には、まだなっていないんです」
ただ、「はっきりさせること」を避けられたという事実だけは分かった。
白い部屋の空気が、じわじわと重くなる。
「……あの黒いネコだけは、って思ってたんです」
篝は、自分でも驚くくらい落ち着いた声で言った。
「ちゃんと守れれば、あとはどうでもいい、って」
向かいの存在は、しばらく篝を見つめていた。
机の縁を握りしめている指先と、わずかに早まった呼吸を確認するように、視線が一度だけ往復する。
「……呼吸が速くなってきていますね。ちょっとだけ、こちらから手を入れます。失礼します」
そう告げた次の瞬間、白い部屋の光が、ほんのわずかに落ちた。
代わりに、胸のあたりを撫でるような、ぬるい風の感覚が通り抜ける。
実際に風が吹いたわけではない。
耳の奥で脈打っていた自分の心音が、一段遠のいた。
指先にこびりついていたしびれも、すこしだけほどけていく。
「この部屋だと、気持ちに負担がかかりすぎているときに、
感情の振れを少しだけ抑える仕組みを使うことができます。
“無理に落ち着いてください”っていう話じゃなくて、
このあとお話を続けられるくらいまで、ちょっとブレーキをかける……そのくらいだと思ってください」
説明だけ聞けば、勝手に心をいじられているようにも思える。
けれど、胸の奥にたまっていた刺々しさが、ほんの少しだけ水で薄められたような感覚があった。
「……ありがとうございます」
完全に落ち着いたわけではない。
それでも、さっきの衝動めいた感情は、どこかへ押し戻された。
向かいの存在は、篝の視線がもう一度こちらへ戻ってきたのを確かめてから、静かに続けた。
「『守りたい』って思える相手がいること自体、とても大事なことです。
あの場面みたいな状況で、実際に足を踏み出せる人は、そう多くありません」
「そのうえで──」
向かいの存在は、言葉を区切り、篝のほうをまっすぐ見た。
「周防さんの、あの場面での『あの子を守ろうとした』という動き方と、よく噛み合う“役目”が、いくつかあります」
役目、という単語に、さっきとは違う種類のざわつきが走る。
「……あの交差点のことが、何か関係あるということですか」
自分で問いながら、胸の奥がきゅっと縮む。
「はい。あの場面で周防さんが何を守ろうとしたのか、その点については、こちらとしても軽くは見ていません」
黒いネコの、柔らかい重さだけが、はっきりと浮かび上がる。
「……どういう、役目ですか」
問いかけた自分の声が、少しだけ上ずっていた。
交差点の景色と、白い部屋の光が、ごちゃごちゃに重なっていく。
0
あなたにおすすめの小説
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
アワセワザ! ~異世界乳幼女と父は、二人で強く生きていく~
eggy
ファンタジー
もと魔狩人《まかりびと》ライナルトは大雪の中、乳飲み子を抱いて村に入った。
村では魔獣や獣に被害を受けることが多く、村人たちが生活と育児に協力する代わりとして、害獣狩りを依頼される。
ライナルトは村人たちの威力の低い攻撃魔法と協力して大剣を振るうことで、害獣狩りに挑む。
しかし年々増加、凶暴化してくる害獣に、低威力の魔法では対処しきれなくなってくる。
まだ赤ん坊の娘イェッタは何処からか降りてくる『知識』に従い、魔法の威力増加、複数合わせた使用法を工夫して、父親を援助しようと考えた。
幼い娘と父親が力を合わせて害獣や強敵に挑む、冒険ファンタジー。
「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています。
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
転生『悪役』公爵令嬢はやり直し人生で楽隠居を目指す
RINFAM
ファンタジー
なんの罰ゲームだ、これ!!!!
あああああ!!!
本当ならあと数年で年金ライフが送れたはずなのに!!
そのために国民年金の他に利率のいい個人年金も掛け、さらに少ない給料の中からちまちまと老後の生活費を貯めてきたと言うのに!!!!
一銭も貰えないまま人生終わるだなんて、あんまりです神様仏様あああ!!
かくなる上はこのやり直し転生人生で、前世以上に楽して暮らせる隠居生活を手に入れなければ。
年金受給前に死んでしまった『心は常に18歳』な享年62歳の初老女『成瀬裕子』はある日突然死しファンタジー世界で公爵令嬢に転生!!しかし、数年後に待っていた年金生活を夢見ていた彼女は、やり直し人生で再び若いままでの楽隠居生活を目指すことに。
4コマ漫画版もあります。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
望まぬ結婚をさせられた私のもとに、死んだはずの護衛騎士が帰ってきました~不遇令嬢が世界一幸せな花嫁になるまで
越智屋ノマ
恋愛
「君を愛することはない」で始まった不遇な結婚――。
国王の命令でクラーヴァル公爵家へと嫁いだ伯爵令嬢ヴィオラ。しかし夫のルシウスに愛されることはなく、毎日つらい仕打ちを受けていた。
孤独に耐えるヴィオラにとって唯一の救いは、護衛騎士エデン・アーヴィスと過ごした日々の思い出だった。エデンは強くて誠実で、いつもヴィオラを守ってくれた……でも、彼はもういない。この国を襲った『災禍の竜』と相打ちになって、3年前に戦死してしまったのだから。
ある日、参加した夜会の席でヴィオラは窮地に立たされる。その夜会は夫の愛人が主催するもので、夫と結託してヴィオラを陥れようとしていたのだ。誰に救いを求めることもできず、絶体絶命の彼女を救ったのは――?
(……私の体が、勝手に動いている!?)
「地獄で悔いろ、下郎が。このエデン・アーヴィスの目の黒いうちは、ヴィオラ様に指一本触れさせはしない!」
死んだはずのエデンの魂が、ヴィオラの体に乗り移っていた!?
――これは、望まぬ結婚をさせられた伯爵令嬢ヴィオラと、死んだはずの護衛騎士エデンのふしぎな恋の物語。理不尽な夫になんて、もう絶対に負けません!!
【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません
ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。
文化が違う? 慣れてます。
命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。
NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。
いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。
スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。
今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。
「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」
ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。
そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる