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第一章
第35話 ふわふわと頭を撫でるのは何?
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「ありがとうな。予備の予備まで作ってくれて」
「はい。一個で半分くらいみたいなのでいつでも立ち寄って下さい」
ごはんを食べ終わった後、イツキさんは魔素だけ作ってくれないかとお願いしてきた。
一緒に行く話は一旦無かったことにしてくれと告げられた。
魔素玉は魔力を砕いて作るからか、四つ作ったところでイツキがストップをかけた。魔力が無くなりそうなのを本能で感じとったのだろうか。視診で確かめるとけっこうぎりぎりだった。魔力回復薬を渡したほうがよかったかな。
「ちょっと一休みしてくる。オレは明日ここをたつ」
仕事が残ってる。イツキはそう言ってオークとともに村の外に出た。
「そうそう、カナタ。とりあえず着替えだけだったでしょう。髪の土埃しっかり落としてきなさい。血の匂いもついてるわよ」
「げっ、そうだった! ごめん。ハルカ臭くなかったか?」
「え、何が?」
「いや、俺の匂い」
「カナ兄、怪我してたの? 全然見えないけど」
「そう、服はなかなか悲惨な状態なのに。もしかしてまたハルカちゃんにお世話になったの?」
ドキッと心臓が跳ねる。回復魔法がバレたら、連れて行かれちゃう。
「そう、またハルカにお礼する分が増えちゃったんだ。ハルカ、お風呂行こう。ハルカも汗かいただろ」
「うん」
カナタが手を引っ張って家の外に出る。もしかして、言わないでいてくれるのかな……。
「血の匂いかぁ。なかなかとれないんだよなぁ」
「そっか……。そうだ、ちょっとだけまってて!」
私はついてきたライムの中に入り、医療道具作成をする。
「やった、出来た!」
そうだよね。病気予防で大事だし出来ると思ったんだ。
外に出て、カナタに見せる。
「カナタ、これ! 石鹸。魔力? で出来てるから使い終わったら自然にとけて消えちゃうみたいだけど」
前に作ったマスクや白衣も消えろと願えば消えた。どういう仕組みなんだろう。魔素を固めるみたいにこっちは魔力を固めてるのかな?
「あー、前に言ってた石鹸か。へー、どうやって使うんだ?」
「うんとね、こうやって水を少しかけて手で泡立てて」
「お、何だこれ。羊獣人の毛みたいだな」
「羊獣人さんもいるんだ」
「ハルカは見た事ない?」
「うん、ない。それで、こうやって出来た泡を汚れたところにつけてふわふわ洗うの」
「おぉ、なんかすげーいい匂い」
そういえばどことなくオレンジの香りがする。
私の魔力ってみかんなのかな。出来た石鹸の匂いを確かめながら私は小さく笑った。
「背中側、洗うの難しいよね。私がやってあげる」
「ん、じゃあ俺もあとでやってやる」
「え、いいよ。私は自分で出来るし」
けど、確かにずっとお母さんや看護師さんに手伝ってもらって洗ってた。
「俺じゃあ、任せられないか?」
「ううん。違うよ。うーん、じゃあお願いします」
そう約束して、カナタの髪の毛にふわふわと泡をのせた。
◇◇◇
草のベッドの上で少し横になる。
夜中からずっと起きててさすがに眠くなってきた。
お日様はまだ天高い。明るいのに寝てしまうのはもったいない。そう思うけど、体は言う事をきかなそうだ。
『ハルカ眠いラム?』
『眠いモャ』
「そうだね。ちょっと眠いかも……」
石鹸で洗うのが楽しすぎたカナタは今度はミラを泡で洗ってやるんだとウキウキしてた。今頃ミラは泡まみれだろう。
その次のターゲットはウルズさんかな、スクさんかな。
考えながら、うとうとしていると誰かが部屋に入ってくる気配があった。
「ハルカ? 寝たのか?」
この声はカナタだ。
まだ私は寝てないけどそろそろ限界かもしれない。返事をしたいのに、目が開かない。
首をくいくいっと動かした。と、思う。
カナタからはオレンジとお日様の匂いがする。
「ハルカ、もしかしてだけど――」
私は首を、んー? と伸ばした。――たぶん。
「いや、何でもない」
横にきて、座ったのかな。オレンジの香りが強くなった。
「俺、ハルカの事守るから」
今日カナタは私を守ってくれたよ?
口に出して言ってあげれたかな。
オレンジとお日様の香りに髪の毛をふわふわと撫でられ少しくすぐったかった。
「はい。一個で半分くらいみたいなのでいつでも立ち寄って下さい」
ごはんを食べ終わった後、イツキさんは魔素だけ作ってくれないかとお願いしてきた。
一緒に行く話は一旦無かったことにしてくれと告げられた。
魔素玉は魔力を砕いて作るからか、四つ作ったところでイツキがストップをかけた。魔力が無くなりそうなのを本能で感じとったのだろうか。視診で確かめるとけっこうぎりぎりだった。魔力回復薬を渡したほうがよかったかな。
「ちょっと一休みしてくる。オレは明日ここをたつ」
仕事が残ってる。イツキはそう言ってオークとともに村の外に出た。
「そうそう、カナタ。とりあえず着替えだけだったでしょう。髪の土埃しっかり落としてきなさい。血の匂いもついてるわよ」
「げっ、そうだった! ごめん。ハルカ臭くなかったか?」
「え、何が?」
「いや、俺の匂い」
「カナ兄、怪我してたの? 全然見えないけど」
「そう、服はなかなか悲惨な状態なのに。もしかしてまたハルカちゃんにお世話になったの?」
ドキッと心臓が跳ねる。回復魔法がバレたら、連れて行かれちゃう。
「そう、またハルカにお礼する分が増えちゃったんだ。ハルカ、お風呂行こう。ハルカも汗かいただろ」
「うん」
カナタが手を引っ張って家の外に出る。もしかして、言わないでいてくれるのかな……。
「血の匂いかぁ。なかなかとれないんだよなぁ」
「そっか……。そうだ、ちょっとだけまってて!」
私はついてきたライムの中に入り、医療道具作成をする。
「やった、出来た!」
そうだよね。病気予防で大事だし出来ると思ったんだ。
外に出て、カナタに見せる。
「カナタ、これ! 石鹸。魔力? で出来てるから使い終わったら自然にとけて消えちゃうみたいだけど」
前に作ったマスクや白衣も消えろと願えば消えた。どういう仕組みなんだろう。魔素を固めるみたいにこっちは魔力を固めてるのかな?
「あー、前に言ってた石鹸か。へー、どうやって使うんだ?」
「うんとね、こうやって水を少しかけて手で泡立てて」
「お、何だこれ。羊獣人の毛みたいだな」
「羊獣人さんもいるんだ」
「ハルカは見た事ない?」
「うん、ない。それで、こうやって出来た泡を汚れたところにつけてふわふわ洗うの」
「おぉ、なんかすげーいい匂い」
そういえばどことなくオレンジの香りがする。
私の魔力ってみかんなのかな。出来た石鹸の匂いを確かめながら私は小さく笑った。
「背中側、洗うの難しいよね。私がやってあげる」
「ん、じゃあ俺もあとでやってやる」
「え、いいよ。私は自分で出来るし」
けど、確かにずっとお母さんや看護師さんに手伝ってもらって洗ってた。
「俺じゃあ、任せられないか?」
「ううん。違うよ。うーん、じゃあお願いします」
そう約束して、カナタの髪の毛にふわふわと泡をのせた。
◇◇◇
草のベッドの上で少し横になる。
夜中からずっと起きててさすがに眠くなってきた。
お日様はまだ天高い。明るいのに寝てしまうのはもったいない。そう思うけど、体は言う事をきかなそうだ。
『ハルカ眠いラム?』
『眠いモャ』
「そうだね。ちょっと眠いかも……」
石鹸で洗うのが楽しすぎたカナタは今度はミラを泡で洗ってやるんだとウキウキしてた。今頃ミラは泡まみれだろう。
その次のターゲットはウルズさんかな、スクさんかな。
考えながら、うとうとしていると誰かが部屋に入ってくる気配があった。
「ハルカ? 寝たのか?」
この声はカナタだ。
まだ私は寝てないけどそろそろ限界かもしれない。返事をしたいのに、目が開かない。
首をくいくいっと動かした。と、思う。
カナタからはオレンジとお日様の匂いがする。
「ハルカ、もしかしてだけど――」
私は首を、んー? と伸ばした。――たぶん。
「いや、何でもない」
横にきて、座ったのかな。オレンジの香りが強くなった。
「俺、ハルカの事守るから」
今日カナタは私を守ってくれたよ?
口に出して言ってあげれたかな。
オレンジとお日様の香りに髪の毛をふわふわと撫でられ少しくすぐったかった。
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