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第二草
5・共通言語
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「✕△□✕△✕○」
「○✕○○○✕○」
……何でチャミちゃんは話せるんだ。ぽつんと後ろで会話を聞いてるオレは無力だった。
「あの、入ってもいいけど、今は流行り病のせいでどこも閉めきってるみたいです」
チャミちゃんが話の内容を教えてくれる。
「え、流行り病?」
「はい、ロイスさんのうちもその病で動けないそうです。あ、泊まる場所は病で亡くなった人の家なら使ってもいいって……」
「……うーん、そっか」
なんかすごいことになってるな。なんだよ、流行り病って。
オレは門番二人の姿を見る。彼らは特に防疫してる様子はないけれど。
「なぁ、どんな病気か聞いてくれるか?」
「聞いてみます」
チャミちゃんがもう一度聞きに言ってくれた。
オレはその間、街の中を見てみた。家の中にはいる。けれど外に出ている者は少ないようだ。
チャミちゃんの話を聞いてみるが、やはり理解できなかった。チャミちゃんの使ってた言語とかなのだろうか?
考えていると、またあの声がした。
「違うよ。あれはここで使える共通言語」
「はっ?」
いきなり頭の中に響いた女の声に焦る。
「誰だ?」
「あの言語使えないの?」
不思議そうに問いかけてくる。オレが聞いたのはお前が誰か、なんだが。
「いや、答えろよ……。まあ、そうだ。わからない」
「あー、ちょっと頭の中整理したほうがいいの」
「はっ?」
「えいっ!!」
なんか気合いをいれた声がすると頭の中をスコーンと何かに蹴られたような気がした。なんか、中から飛んでったぞ? いやいやいや。
「そうですか、ありがとうございます」
「はいよっ。美味しそうな嬢ちゃん」
突然、狼の言ってる言葉が理解できた。
おい、待て。なんだ美味しそうな嬢ちゃんって。チャミちゃんはオレの相棒だぞ。
帰ってきたチャミちゃんはオレの目付きに驚いたのかなかなか近寄ってこなかった。
「あの、聞いてきました」
「あ、ごめん。オレなんか近寄りがたい?」
チャミちゃん、なんかちょっと遠いよー。
「大丈夫です。ちょっと顔が怖かっただけで」
あ、やっぱり怖いんですね。
オレは額をぐりぐりと指で押さえて、表情をほぐす。
「ね? これで言葉理解できるでしょなの」
あの声が、笑ってる。いや、お前誰だよ。
「ユーリ?」
「チャミちゃん、声聞こえる?」
「声ですか? 誰の」
「ほら、あの時、光に触れろって言ってきたヤツ」
耳を動かしているがチャミちゃんには聞こえていないようだ。
「浮気者のあなたに見せる姿はないのっ」
「誰が浮気者だ! オレはチャミちゃん一筋だ」
「あ、あのぉ……」
オレの一人芝居でチャミちゃんがかなり引いていた。
「ごめん、話聞いてもいい?」
「はい、あの、大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫」
いったい、誰なんだ。あの声は――。
街の中に入りながら、彼女はここの話を話し始めた。
「○✕○○○✕○」
……何でチャミちゃんは話せるんだ。ぽつんと後ろで会話を聞いてるオレは無力だった。
「あの、入ってもいいけど、今は流行り病のせいでどこも閉めきってるみたいです」
チャミちゃんが話の内容を教えてくれる。
「え、流行り病?」
「はい、ロイスさんのうちもその病で動けないそうです。あ、泊まる場所は病で亡くなった人の家なら使ってもいいって……」
「……うーん、そっか」
なんかすごいことになってるな。なんだよ、流行り病って。
オレは門番二人の姿を見る。彼らは特に防疫してる様子はないけれど。
「なぁ、どんな病気か聞いてくれるか?」
「聞いてみます」
チャミちゃんがもう一度聞きに言ってくれた。
オレはその間、街の中を見てみた。家の中にはいる。けれど外に出ている者は少ないようだ。
チャミちゃんの話を聞いてみるが、やはり理解できなかった。チャミちゃんの使ってた言語とかなのだろうか?
考えていると、またあの声がした。
「違うよ。あれはここで使える共通言語」
「はっ?」
いきなり頭の中に響いた女の声に焦る。
「誰だ?」
「あの言語使えないの?」
不思議そうに問いかけてくる。オレが聞いたのはお前が誰か、なんだが。
「いや、答えろよ……。まあ、そうだ。わからない」
「あー、ちょっと頭の中整理したほうがいいの」
「はっ?」
「えいっ!!」
なんか気合いをいれた声がすると頭の中をスコーンと何かに蹴られたような気がした。なんか、中から飛んでったぞ? いやいやいや。
「そうですか、ありがとうございます」
「はいよっ。美味しそうな嬢ちゃん」
突然、狼の言ってる言葉が理解できた。
おい、待て。なんだ美味しそうな嬢ちゃんって。チャミちゃんはオレの相棒だぞ。
帰ってきたチャミちゃんはオレの目付きに驚いたのかなかなか近寄ってこなかった。
「あの、聞いてきました」
「あ、ごめん。オレなんか近寄りがたい?」
チャミちゃん、なんかちょっと遠いよー。
「大丈夫です。ちょっと顔が怖かっただけで」
あ、やっぱり怖いんですね。
オレは額をぐりぐりと指で押さえて、表情をほぐす。
「ね? これで言葉理解できるでしょなの」
あの声が、笑ってる。いや、お前誰だよ。
「ユーリ?」
「チャミちゃん、声聞こえる?」
「声ですか? 誰の」
「ほら、あの時、光に触れろって言ってきたヤツ」
耳を動かしているがチャミちゃんには聞こえていないようだ。
「浮気者のあなたに見せる姿はないのっ」
「誰が浮気者だ! オレはチャミちゃん一筋だ」
「あ、あのぉ……」
オレの一人芝居でチャミちゃんがかなり引いていた。
「ごめん、話聞いてもいい?」
「はい、あの、大丈夫ですか?」
「大丈夫、大丈夫」
いったい、誰なんだ。あの声は――。
街の中に入りながら、彼女はここの話を話し始めた。
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