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第五草
39・合流へ
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「あ、ユーリ? どこにいるの?」
ヨキの呑気な声がした。オレの手元には先ほど放ったものと同じ小動物がいる。声はここからだ。
「オレは地下だ。ヨキはチャミちゃんと一緒か?」
「んーん。なんか、部屋変えられたの。チャミちゃんじゃなくて、ウィルがいる」
「おい、誰と話してる?」
確かに、少し遠いがウィルの声もした。
「ウィル!? そこにいるのか?」
「姉さん! どこにいる?」
「落ち着け、声だけ魔術で運んでるんだ」
「……声だけ?」
良くしゃべる草、眠る草、音に反応する草。口、目、耳の機能を持たせた魔術だ。
三つの草を食べると、それぞれ意思が繋がっていたのがわかった。
この小動物は伝言の魔術に草パワーの重ねがけで出来ている。ついでに視覚も同期させられる。
「チャミちゃんは外か?」
オレはもう一匹を鳥型にして空に向かわせる。
すぐに見つける事が出来た。彼女は人の姿だった。
「チャミちゃん、聞こえるか?」
「っ!! ユーリ? 待ってて下さい。すぐに数を揃えますから」
チャミちゃんはすでに何か言われているのだろう。
数を揃えると言って、いくつか手に持っているのは集めろと言われていた草だ。
「チャミちゃん。何を言われた? オレもヨキも無事だから、無理はしないでくれ」
「でも、急がないとあなたが……」
「チャミちゃん! いいから聞いてくれ」
「でも。あの人達は明日までに揃えないとユーリが変わってしまうって」
怪物になるのはいつどこでなるかはわからない。もしかしたらそれがわかる人がいるのかもしれないが、たぶん嘘だろう。
オレの為に走ってくれている。だけど、オレはそれでチャミちゃんがつらい目にあうのは嫌だった。
「オレもそっちに行くから」
「え、でも」
オレは意識をヨキの方に切り替える。
「ヨキ」
「うわぁ!! 黙ったと思ったらまた喋った」
「外に出るぞ」
「え、でもどうやって?」
オレの前に三眼の女の子が、鍵らしきものを持って立っている。
「どこ行ってたんだ? でもちょうど良かった」
フェリは何も言わず、扉の鍵を外した。
「ついでに向こうもあけられるといいんだけどな」
少し離れた場所に彼女はいた。
「ウィナも一緒に行くか? 今から弟のいる場所に行くけど」
ついてくるかどうかの判断は任せよう。
「ついて行く…………? 弟に会えるのか…………?」
少し考えて、ウィナはこくりと頷いた。
「決まりだな。よろしく、ウィナ」
「あぁ、ユーリ。……私が死んだ時は弟を頼む」
「いや、まだ今から向かうのにそういうのはナシだろ」
もう死人の家族の面倒は増やしたくないんでね。二人とも一緒に助けて見せるさ。
オレはヨキの母親だったであろう怪物の落とした物に触れながら前に進みだした。
ヨキの呑気な声がした。オレの手元には先ほど放ったものと同じ小動物がいる。声はここからだ。
「オレは地下だ。ヨキはチャミちゃんと一緒か?」
「んーん。なんか、部屋変えられたの。チャミちゃんじゃなくて、ウィルがいる」
「おい、誰と話してる?」
確かに、少し遠いがウィルの声もした。
「ウィル!? そこにいるのか?」
「姉さん! どこにいる?」
「落ち着け、声だけ魔術で運んでるんだ」
「……声だけ?」
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三つの草を食べると、それぞれ意思が繋がっていたのがわかった。
この小動物は伝言の魔術に草パワーの重ねがけで出来ている。ついでに視覚も同期させられる。
「チャミちゃんは外か?」
オレはもう一匹を鳥型にして空に向かわせる。
すぐに見つける事が出来た。彼女は人の姿だった。
「チャミちゃん、聞こえるか?」
「っ!! ユーリ? 待ってて下さい。すぐに数を揃えますから」
チャミちゃんはすでに何か言われているのだろう。
数を揃えると言って、いくつか手に持っているのは集めろと言われていた草だ。
「チャミちゃん。何を言われた? オレもヨキも無事だから、無理はしないでくれ」
「でも、急がないとあなたが……」
「チャミちゃん! いいから聞いてくれ」
「でも。あの人達は明日までに揃えないとユーリが変わってしまうって」
怪物になるのはいつどこでなるかはわからない。もしかしたらそれがわかる人がいるのかもしれないが、たぶん嘘だろう。
オレの為に走ってくれている。だけど、オレはそれでチャミちゃんがつらい目にあうのは嫌だった。
「オレもそっちに行くから」
「え、でも」
オレは意識をヨキの方に切り替える。
「ヨキ」
「うわぁ!! 黙ったと思ったらまた喋った」
「外に出るぞ」
「え、でもどうやって?」
オレの前に三眼の女の子が、鍵らしきものを持って立っている。
「どこ行ってたんだ? でもちょうど良かった」
フェリは何も言わず、扉の鍵を外した。
「ついでに向こうもあけられるといいんだけどな」
少し離れた場所に彼女はいた。
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ついてくるかどうかの判断は任せよう。
「ついて行く…………? 弟に会えるのか…………?」
少し考えて、ウィナはこくりと頷いた。
「決まりだな。よろしく、ウィナ」
「あぁ、ユーリ。……私が死んだ時は弟を頼む」
「いや、まだ今から向かうのにそういうのはナシだろ」
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オレはヨキの母親だったであろう怪物の落とした物に触れながら前に進みだした。
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