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第一章 聖女と竜
第3話 覚醒しちゃった?
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まだもう少し先だと思うのに、ぶわっと広がる瘴気の気配。
毎日戦っていた相手だ。城での日々を思い出し、あの時の嫌な言葉も浮かび上がった。
『醜く……肥え太った……』
心臓が苦しくなって、私は胸の前で手を握りここにあの人はいない、と心の中で何度も自分に言い聞かせた。
そんな私の様子が気になったのかブレイドがちらりとこちらを見た。けれどすぐ視線を前に戻した。
「今日はここか」
ブレイドとシルの足が止まった。どうやらついたみたいだ。
重い空気がまとわりつく。これはもうすぐ噴き出す時間だ。
「あたりにいる者たちの避難は済んでる?」
こくこくと頷いてシルは肯定する。
「わかった。シルも二人を連れて離れてくれ。この姿なら上手くやれる」
「え、見せてくれるって」
「念の為、離れておいて。ボクのせいで瘴気にあたってしまってはこまるからな」
私は大丈夫だけれど……、と言う前にシルとルニアに手を引っ張られる。待って、ブレイドは? 彼はどうするつもりなの?
瘴気の気配が濃くなる。もうすぐ出る。なのに、彼はその場に立ち尽くしている。
「ねぇ、危ないよっ!?」
そう言った時、ブレイドに向かって瘴気が噴き出した。
「あぁぁぁっ!!」
目の前で、瘴気が容赦なく彼を包みこんでいく。赤い瞳の私達にしか消せない恐ろしいモノ。触れれば死んでしまうか人の姿ではなくなってしまう。
「まだ間に合うかもしれない!!」
私は手を振りほどき彼に向かう。今すぐ消せば、まだ!!
「くるなっ!!」
低い声で怒られ体がびくりとはね上がる。ドラゴンの時に聞いたとても響く低い声。瘴気の向こうで金色に輝く二つの光があった。
「すぐ終わる」
声の主はそれだけ言った。
そして、その通りになった。瘴気が消えていく。
――食べている。
薄れて見えるようになった。そう、ブレイドは瘴気を食べていた。腕と顔が竜のように変化している。あの赤い竜だった。
姿を消した、伝説の竜?
私の頭の中で浮かんだその言葉は外に出る事はなかった。
ちょうどすべて飲み込んだ後、ブレイドが倒れたのだ。
「ちょっと!?」
すぐ終わるって言ったじゃない。どうなってるのよ!?
先程の続きを踏み出したがブレイドのところに先についたのはシルだった。
心配そうに体に手を置き揺する。目には涙が溢れている。
――心配してくれる相手がいるんだね。
私はどうだったんだろう。お疲れ様ですと言ってくれる世話人はいた。私は王子の為に国の為にと毎日頑張っていた。私の心配をしてくれてた人はいるのかな。
彼はここを守ろうと毎日頑張ってる? シルと。
王に置いていかれたのに、今までずっと……?
あー、もう!!
「大丈夫って言ったじゃない!! 心配させてるんじゃないわよ!!」
私は祈る。
彼の中にある瘴気のせいで倒れたなら、私の浄化が効きますようにと。
「エマ!!」
ルニアの声がしてはっと目を開く。
ブレイドと隣にいたシルがきらきらと輝いていた。なんだか、いつもと違うような……?
いつものような感じもあるけれど、なんだか違う。
でも、いける気がする!!
私はそのまま続けた。すぐに変化があった。
「ん、あー。久しぶりにこっちだったから消化にてまどった……って、シル!?」
ブレイドがのんきに伸びをする横に可憐な男の子がいた。
そう、緑色の少し長い髪で女の子にも見える彼。さっきまで魔物みたいだったシルが人の姿になっていた。
「良かった……。ブレイド様、目が覚めてぇぇぇぇ」
「シル!? 言葉も」
「え、あれ? あれ?」
二人ともめちゃくちゃ驚いてる。うん、私だってびっくりしてる。なんで、シルは人の姿になっちゃったの?
え、私がしたアレのせい?
毎日戦っていた相手だ。城での日々を思い出し、あの時の嫌な言葉も浮かび上がった。
『醜く……肥え太った……』
心臓が苦しくなって、私は胸の前で手を握りここにあの人はいない、と心の中で何度も自分に言い聞かせた。
そんな私の様子が気になったのかブレイドがちらりとこちらを見た。けれどすぐ視線を前に戻した。
「今日はここか」
ブレイドとシルの足が止まった。どうやらついたみたいだ。
重い空気がまとわりつく。これはもうすぐ噴き出す時間だ。
「あたりにいる者たちの避難は済んでる?」
こくこくと頷いてシルは肯定する。
「わかった。シルも二人を連れて離れてくれ。この姿なら上手くやれる」
「え、見せてくれるって」
「念の為、離れておいて。ボクのせいで瘴気にあたってしまってはこまるからな」
私は大丈夫だけれど……、と言う前にシルとルニアに手を引っ張られる。待って、ブレイドは? 彼はどうするつもりなの?
瘴気の気配が濃くなる。もうすぐ出る。なのに、彼はその場に立ち尽くしている。
「ねぇ、危ないよっ!?」
そう言った時、ブレイドに向かって瘴気が噴き出した。
「あぁぁぁっ!!」
目の前で、瘴気が容赦なく彼を包みこんでいく。赤い瞳の私達にしか消せない恐ろしいモノ。触れれば死んでしまうか人の姿ではなくなってしまう。
「まだ間に合うかもしれない!!」
私は手を振りほどき彼に向かう。今すぐ消せば、まだ!!
「くるなっ!!」
低い声で怒られ体がびくりとはね上がる。ドラゴンの時に聞いたとても響く低い声。瘴気の向こうで金色に輝く二つの光があった。
「すぐ終わる」
声の主はそれだけ言った。
そして、その通りになった。瘴気が消えていく。
――食べている。
薄れて見えるようになった。そう、ブレイドは瘴気を食べていた。腕と顔が竜のように変化している。あの赤い竜だった。
姿を消した、伝説の竜?
私の頭の中で浮かんだその言葉は外に出る事はなかった。
ちょうどすべて飲み込んだ後、ブレイドが倒れたのだ。
「ちょっと!?」
すぐ終わるって言ったじゃない。どうなってるのよ!?
先程の続きを踏み出したがブレイドのところに先についたのはシルだった。
心配そうに体に手を置き揺する。目には涙が溢れている。
――心配してくれる相手がいるんだね。
私はどうだったんだろう。お疲れ様ですと言ってくれる世話人はいた。私は王子の為に国の為にと毎日頑張っていた。私の心配をしてくれてた人はいるのかな。
彼はここを守ろうと毎日頑張ってる? シルと。
王に置いていかれたのに、今までずっと……?
あー、もう!!
「大丈夫って言ったじゃない!! 心配させてるんじゃないわよ!!」
私は祈る。
彼の中にある瘴気のせいで倒れたなら、私の浄化が効きますようにと。
「エマ!!」
ルニアの声がしてはっと目を開く。
ブレイドと隣にいたシルがきらきらと輝いていた。なんだか、いつもと違うような……?
いつものような感じもあるけれど、なんだか違う。
でも、いける気がする!!
私はそのまま続けた。すぐに変化があった。
「ん、あー。久しぶりにこっちだったから消化にてまどった……って、シル!?」
ブレイドがのんきに伸びをする横に可憐な男の子がいた。
そう、緑色の少し長い髪で女の子にも見える彼。さっきまで魔物みたいだったシルが人の姿になっていた。
「良かった……。ブレイド様、目が覚めてぇぇぇぇ」
「シル!? 言葉も」
「え、あれ? あれ?」
二人ともめちゃくちゃ驚いてる。うん、私だってびっくりしてる。なんで、シルは人の姿になっちゃったの?
え、私がしたアレのせい?
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