105 / 135
第二章 赤の瞳と金の瞳
第105話 見て欲しいものは
しおりを挟む
火が燃える。パチパチと音がする。部屋の中は暑いくらいに暖められている。
「ねぇ、もういい?」
そろそろ限界だった。
「まだダメだ」
「でも、……私もう……大丈夫だよ」
「あとであらわれるかもしてないだろ」
それでも、そろそろ恥ずかしいが限界突破しそう。体中を確かめられるのはそろそろ限界ですっ――。
しかも、私だけ肌を見せてるのはずるいよ。
あ、でもえっと、ブレイドのをみたいとか、そういうのでは――ないです。……たぶん。
「もう大丈夫だって……」
お腹いっぱい食べたあと、部屋にもどってすぐ体中再確認された。どこにも出てないのに、なかなか納得してもらえなかった。
私は捲くっていた服や袖を戻し、肌を隠す。熱っぽい目にじっと見られているだけでこんなに恥ずかしいなんて、そこまで考えて少し前にもっと恥ずかしい事をしてた事まで思い出してしまう。
座ってたベッドから慌てて立ち上がり、火照る顔を冷やそうと外にむかった。
だけど、それはブレイドによって阻止される。
「行かないで」
ブレイドの腕の中で私は彼と向かい合った。
「あっ、暑いから涼んでくるだけだよ……」
涼むというか、外にでれば一気に冷えるけれど。今はとにかく冷やしたい。
「行かないで――」
いろんな過去の話を聞いて弱気になってるのだろうか。
ブレイドも他の竜みたいに過去の話と今を一緒に見ているのかな。
「行かないよ。大丈夫。ブレイドも約束してくれてるじゃない。私を食べてくれるのはあなたでしょう? どんな……」
彼がビクッとした。
「ボクは――、ボクはもう食べたく……」
そこまで言って、手で口を覆っていた。食べたくないと言うつもりだったのかな。
それは私にとって、逃げ出さなくてすむ言葉。だけど、どんな私でも食べてくれるって言っていた言葉を取り消す言葉。
もう、私はあなたにとって……。
「ブレイド、もしかして記憶が?」
ブレイドは目を少し泳がせたあと、ゆっくり頷いた。
「たまに夢で見ていた。スピアーが言ってた話にとても似た夢。これが、竜の記憶というならアメリアを食べたのは間違いなくボクだ」
「でも、私は怖くないって言ったよ」
「アメリアの記憶が戻ったら……、ボクより他の竜の方がいいって言われたら……」
「私はエマ……だよ」
そう、私はエマ。アメリアじゃない。皆、エマじゃなくてアメリアを見てる。私は、私の気持ちは――。
「ブレイドもアメリアが私の中にいるから、そう言うの?」
口に出てしまった。ブレイドの顔を見れない。
「ごめんね、ちょっと外の風に当たってくる。すぐ戻るから」
今度は止められなかった。私は外に向かって早足に進む。
途中、大きな影が後ろから伸びてきた。
追いかけてきたのかな? そう思い私は振り返った。
「ねぇ、もういい?」
そろそろ限界だった。
「まだダメだ」
「でも、……私もう……大丈夫だよ」
「あとであらわれるかもしてないだろ」
それでも、そろそろ恥ずかしいが限界突破しそう。体中を確かめられるのはそろそろ限界ですっ――。
しかも、私だけ肌を見せてるのはずるいよ。
あ、でもえっと、ブレイドのをみたいとか、そういうのでは――ないです。……たぶん。
「もう大丈夫だって……」
お腹いっぱい食べたあと、部屋にもどってすぐ体中再確認された。どこにも出てないのに、なかなか納得してもらえなかった。
私は捲くっていた服や袖を戻し、肌を隠す。熱っぽい目にじっと見られているだけでこんなに恥ずかしいなんて、そこまで考えて少し前にもっと恥ずかしい事をしてた事まで思い出してしまう。
座ってたベッドから慌てて立ち上がり、火照る顔を冷やそうと外にむかった。
だけど、それはブレイドによって阻止される。
「行かないで」
ブレイドの腕の中で私は彼と向かい合った。
「あっ、暑いから涼んでくるだけだよ……」
涼むというか、外にでれば一気に冷えるけれど。今はとにかく冷やしたい。
「行かないで――」
いろんな過去の話を聞いて弱気になってるのだろうか。
ブレイドも他の竜みたいに過去の話と今を一緒に見ているのかな。
「行かないよ。大丈夫。ブレイドも約束してくれてるじゃない。私を食べてくれるのはあなたでしょう? どんな……」
彼がビクッとした。
「ボクは――、ボクはもう食べたく……」
そこまで言って、手で口を覆っていた。食べたくないと言うつもりだったのかな。
それは私にとって、逃げ出さなくてすむ言葉。だけど、どんな私でも食べてくれるって言っていた言葉を取り消す言葉。
もう、私はあなたにとって……。
「ブレイド、もしかして記憶が?」
ブレイドは目を少し泳がせたあと、ゆっくり頷いた。
「たまに夢で見ていた。スピアーが言ってた話にとても似た夢。これが、竜の記憶というならアメリアを食べたのは間違いなくボクだ」
「でも、私は怖くないって言ったよ」
「アメリアの記憶が戻ったら……、ボクより他の竜の方がいいって言われたら……」
「私はエマ……だよ」
そう、私はエマ。アメリアじゃない。皆、エマじゃなくてアメリアを見てる。私は、私の気持ちは――。
「ブレイドもアメリアが私の中にいるから、そう言うの?」
口に出てしまった。ブレイドの顔を見れない。
「ごめんね、ちょっと外の風に当たってくる。すぐ戻るから」
今度は止められなかった。私は外に向かって早足に進む。
途中、大きな影が後ろから伸びてきた。
追いかけてきたのかな? そう思い私は振り返った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
44
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる