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第二章 赤の瞳と金の瞳

第118話 帰ったらダイエット

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 リアはリリーの作った料理を美味しそうに食べていく。私も食べたいけど、今はがまんがまん。これはリアの分。
 あぁ、そんな物欲しそうに見てたのかしら。リアはそっと大きなパンを私に差し出してくれる。優しい。

「ありがとう。でも、これはリアの分だよ」

 そう伝えると、リアは手を引っ込め再び食べ始めた。
 こんな小さな子にまで心配させるなんて駄目だ。食欲をちゃんとコントロールしないとね。
 私はルニアに視線を向ける。やり取りを見ていたルニアは少し笑いながら話し出した。

「で、どうだった?」
「うん、お父さんお母さんには会えたの。ただ、連れてはこれなかった。フレイルは別行動になってしまって今どうしてるかわからないのと、ごめんなさい。この姿をミリアとクロウに見られてしまったの」
「そうか。謝らないで。レイが無理に連れて行ったんだろ」
「あ、えっと」
「例えエマが頼んだとしても何も言わずに勝手に飛んで行ったんだ。ちょうどエマがどうしようもないときにさ。だからレイが悪い。後できっちり落とし前をつけさせる」

 ルニアの中でもうフレイルに対してどうするかは決めているみたいだ。私は頷いておいた。姉弟だし、そんなにひどい事にはならないよね。

「ミリア達はこれからどう動くのかな」
「うーん。赤い瞳の聖女を隠している国はこれからずっと聖女に頼る事は出来なくなるけど――」
「ここは今、国として機能していないし瘴気ならボクがいる。だから、エマが何か気にしなくても大丈夫だろう」

 ブレイドはそう言って立ち上がる。

「少しまわりを確認してくる。ルニア、……スピアー。任せていいか」

 スピアーが驚いた顔でブレイドを見たあと、鼻をフンッとならし頷いてみせた。

「しゃーないな。でも、は絶対譲らんで」
「任せとけ。エマはがっちり捕まえてダイエットさせとくからさ」
「え゛っ」

 帰って速攻ダイエットですか。確かに久しぶりに変身薬が切れてるからちょっと丸いけど……。フレイル、はやく戻ってきて、……じゃないか。頑張ろう……。
 二人の返事を聞いた後、シルと一緒にブレイドは食堂から出ていった。

「さぁ、行くか!」
「待って、まだリアが食べてる……って、はや!?」

 あれだけいっぱい並んでたお皿の上の料理は全部きれいになくなっていた。この子が全部食べてしまったの? この小さな体のどこに入ったの……?

「あはは、ほんまアメリアみたいやな。よう食べる。大きくなるぞー」

 スピアーに撫でられ嬉しそうに笑うリア。彼女も赤い瞳の聖女ならどこかでアメリアと血は繋がっているんだろう。

「よし、リアも食べ終わってるみたいだな」
「あ、えっと、私の分は……」
「体を動かした後だ!! もう太る必要はなくなったんだろ」
「え、えぇー。確かに、お父さんと会えたし、もう必要はないけど。あぁぁぁぁぁ――――」

 ミリアやクロウが来るかもしれないのに、ダイエットしてていいのかなぁ。ずるずると連れていかれながら私は考えていた。
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