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第44話 夜と話す魔王
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「やぁ、こんばんは。深井さん。大間のやつ、話してる途中で何かがツボにハマったらしく笑い出したんだよ」
ふふっと口を押さえながら池照が言う。
いや、何言ってるんだよ。お前がけしかけたんだろと言いたいが、小鬼は夜の目にはうつっていないから説明しようがない。というか、前世の話なんてもっと説明しようがない……。
オレは池照の話に乗っかり頷くしかなかった。
「そうだよ……。池照、オレまだケルベロスの散歩の途中なんだ。そろそろ行くわ」
砂だらけになった体をぱんぱんっと手で払い立ち上がる。
「え、本当かよ。どう見てもただ笑ってるだけには見えなかっ――。ケルベロスくん、離そう。たっくん痛いよ?」
夜の指示にケルベロスが反応し口を開ける。すぐに足を引っ込め、やっと自由になった。
「さんきゅーな。じゃあ池照、また明日な」
「そうだな。大間、また」
急いで公園の外に向かう。その後を、池照のいる場所を何度も確かめながら夜がついてきた。
「なんか、やな感じだね。たっくん喧嘩でもした?」
一瞬ドキリとするが、冷静に答える。
「してないぞ。体育祭頑張ろうなって話してただけだ」
「ふぅん。そっか」
夜は腑に落ちないといった顔をしていたが、そのまま何も言わずについてきてくれた。夜が後ろにいてくれるのがまるでミッドナイトに後ろを任せているみたいで心強く感じられた。
「それで、魔王がどうとか言ってたけれど何だったの?」
家につく前に夜に聞かれ、オレは危なく吹き出すところだった。
「な、何の話だよ」
「え、池照くんとたっくんが話してただろ。途中からだけど聞いててさ」
「大間の聞き間違えだろ。ほら似てる……」
「ううん、魔王っていってた。たっくんに魔王になれっていってた」
めちゃくちゃ聞かれている。どこだ、どこからなんだ?
「見てたのか? どこから」
「たぶん全部、最初から……。遠くからだったけど。池照くんが突然違う人になったのは驚いたけど……。あれ、何?」
話すべきなのだろうか。だが、オレは中二病の疑いで入院はしたくないッッ!!
「何だろうな。体育祭の演し物で早着替えなんじゃねーの。ずいぶん熱が入ってたな。練習も兼ねてたんじゃねーか」
「……そっか」
「たぶんだぞ? たぶん――」
夜の表情が読めなかった。いつもなら少し見えているのに今は完全に目を隠している。
「なぁ、あの話……」
夜は口を開けようとしたりつぐんだり悩むように動かした。意を決したのだろうか。両拳をぎゅっと握りしめ声を上げた。
「前にボクも似たような事があった。大事な人を取り戻したいっていうのはなんとなくわかる。だけど、もしそんな状況でも戻ってほしくないな。大変だったことをボクは知ってるから……」
「ん、おお?」
「でも、きっとダー君は選んじゃうんだろうな。うん、わかってる。ボクはその後ろから支えるだけだから。ボクはダー君の味方だから。じゃあ、先に帰るね!! また明日」
「ん、おぉ? また明日」
走っていく夜をオレは見送る。妹には力になると言われ夜に味方だと言われた。なんだか前世の時のようでくすぐったいな。
ん? 前に同じような……? まさか――。
「前に住んでたとこで何か複雑な状況だったのか……。戻りたくない、オレがその嫌な人物みたいな動きをするなって事か。大丈夫だぞ、夜」
どんな状況だったか、オレは想像出来ない。
実際に魔王に戻るつもりはないし、夜が嫌がるような状況を作る様な人物になるつもりもない。
オレも拳を握りしめ心を決めた。
あれ、なんか、……んー?
違和感がある気がしたがたぶんオレの気のせいだろう。
ふふっと口を押さえながら池照が言う。
いや、何言ってるんだよ。お前がけしかけたんだろと言いたいが、小鬼は夜の目にはうつっていないから説明しようがない。というか、前世の話なんてもっと説明しようがない……。
オレは池照の話に乗っかり頷くしかなかった。
「そうだよ……。池照、オレまだケルベロスの散歩の途中なんだ。そろそろ行くわ」
砂だらけになった体をぱんぱんっと手で払い立ち上がる。
「え、本当かよ。どう見てもただ笑ってるだけには見えなかっ――。ケルベロスくん、離そう。たっくん痛いよ?」
夜の指示にケルベロスが反応し口を開ける。すぐに足を引っ込め、やっと自由になった。
「さんきゅーな。じゃあ池照、また明日な」
「そうだな。大間、また」
急いで公園の外に向かう。その後を、池照のいる場所を何度も確かめながら夜がついてきた。
「なんか、やな感じだね。たっくん喧嘩でもした?」
一瞬ドキリとするが、冷静に答える。
「してないぞ。体育祭頑張ろうなって話してただけだ」
「ふぅん。そっか」
夜は腑に落ちないといった顔をしていたが、そのまま何も言わずについてきてくれた。夜が後ろにいてくれるのがまるでミッドナイトに後ろを任せているみたいで心強く感じられた。
「それで、魔王がどうとか言ってたけれど何だったの?」
家につく前に夜に聞かれ、オレは危なく吹き出すところだった。
「な、何の話だよ」
「え、池照くんとたっくんが話してただろ。途中からだけど聞いててさ」
「大間の聞き間違えだろ。ほら似てる……」
「ううん、魔王っていってた。たっくんに魔王になれっていってた」
めちゃくちゃ聞かれている。どこだ、どこからなんだ?
「見てたのか? どこから」
「たぶん全部、最初から……。遠くからだったけど。池照くんが突然違う人になったのは驚いたけど……。あれ、何?」
話すべきなのだろうか。だが、オレは中二病の疑いで入院はしたくないッッ!!
「何だろうな。体育祭の演し物で早着替えなんじゃねーの。ずいぶん熱が入ってたな。練習も兼ねてたんじゃねーか」
「……そっか」
「たぶんだぞ? たぶん――」
夜の表情が読めなかった。いつもなら少し見えているのに今は完全に目を隠している。
「なぁ、あの話……」
夜は口を開けようとしたりつぐんだり悩むように動かした。意を決したのだろうか。両拳をぎゅっと握りしめ声を上げた。
「前にボクも似たような事があった。大事な人を取り戻したいっていうのはなんとなくわかる。だけど、もしそんな状況でも戻ってほしくないな。大変だったことをボクは知ってるから……」
「ん、おお?」
「でも、きっとダー君は選んじゃうんだろうな。うん、わかってる。ボクはその後ろから支えるだけだから。ボクはダー君の味方だから。じゃあ、先に帰るね!! また明日」
「ん、おぉ? また明日」
走っていく夜をオレは見送る。妹には力になると言われ夜に味方だと言われた。なんだか前世の時のようでくすぐったいな。
ん? 前に同じような……? まさか――。
「前に住んでたとこで何か複雑な状況だったのか……。戻りたくない、オレがその嫌な人物みたいな動きをするなって事か。大丈夫だぞ、夜」
どんな状況だったか、オレは想像出来ない。
実際に魔王に戻るつもりはないし、夜が嫌がるような状況を作る様な人物になるつもりもない。
オレも拳を握りしめ心を決めた。
あれ、なんか、……んー?
違和感がある気がしたがたぶんオレの気のせいだろう。
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