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第4話
しおりを挟む「お、王宮からの使いというのは・・・。」
「それ嘘です」
「だ、騙しましたのね!?」
あっけらかんとしたアーサー。
私の方はまだどんな顔をしてアーサーの事を見ればいいのか分かりませんのに。
「探したよ。どうして僕の前から姿を消したの?」
「それは、聖女の仕事があったので・・・、でも・・・。」
聖女の力は発動できなかった。
それはつまり・・・。
「僕が言ってたこと、信じてくれた?」
「はい・・・。」
私は酔っぱらって、男性と関係を持つような女でした。
きっと今回の事が無くてもいつかボロの出る出来損ないの聖女だったのですわ。
「私、自分が恥ずかしい・・・!」
「そんなに自分を責めないで。その、聖女の仕事の件は僕にも責任があるわけだし。」
「聖女の仕事は辞めなくてはいけません。これから一体どうすればいいのか・・・。」
「なら僕と一緒になればいい」
「へ?」
良いことを思いついたと言わんばかりのアーサーの明るい表情。
「聖女の仕事を辞めるのは僕の責任でもあるのだし、責任を取らせてほしい。君を一生大切にする。結婚しよう、ケイ!」
「えぇっ!急にそんな!?」
「二人ならあ大丈夫さ!身体の相性もばっちりなんだから!」
「な、なに言って・・・!」
なんてことまで口にされるのでしょう!周りに人がいたらどうしますの!?
「まだ出会って1日程度なのにそんな大事なことすぐに決められませんわ!」
「僕はこの出会いに運命を感じているよ。それに決められないってことは嫌いではないということだろう?」
アーサーに両肩を掴まれて、笑顔で顔を覗き込まれる。
きゃあああ、近いですわ!
なんで結婚なんて大事なことを即決できるんですの!?
ですが、記憶が無いといえども一度契った相手と添い遂げるのは道理というもの。
実際に私は仕事を失うわけですし、一人で生きていくには困難が多いはずですわ。
ですがですが、契りを交わす感情も、契った時の記憶もないのに、結婚なんて無理ですわ!
それにアーサーの気持ちだって本当かどうか分かりませんもの。
行きずりの女を口先だけで口説いてるだけかもしれませんし。
「返事は?イエス?それとも・・・」
アーサーはすぐに返事を求めてきましたわ。
なら、私の答えは・・・。
「ほ、本当に私の事を想ってくださっているのなら、私が許すまで私に触れないで待っていてくださいますか?」
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