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第3話
しおりを挟む聖女としての誇りが揺らいだケイは居ても立ってもいられず部屋を飛び出した。
部屋を出た瞬間、表示などから察するにここは騎士団の寮であるようだった。
出口を探すまでに数人の騎士に驚いた顔をされつつも、何とか外に出られたケイは一目散に大聖堂へと向かって走った。
「何処へ行っていたのです!皆あなたを探していたのですよ!?」
「申し訳ございません!」
祈りの時間になっても現れず、寝所にもいなかったケイを探して大聖堂は大騒ぎであった。
聖女の自覚が足りないと司教に窘められつつも、ケイには確かめたいことがあった。
その為に祭壇にひざまづき、いつもよりも遅くなった神へ祈りを捧げる。
祈りを捧げたのだが・・・。
「う、嘘・・・。」
ケイは愕然とした。
いつも神に祈りを捧げると、心の中心に得も言われぬ多幸感と静かな安心感に包まれ神への感謝で満たされるというのに、今朝は全くそのような気配がなかったのだ。
これで確定してしまった。ケイは聖女の資格を失ってしまったことを。
その後の事はあまり覚えていない。
泣きながら司教に聖女の資格を失ったことを告げ、気が付いたら自室のベッドの上で茫然としていた。
これからどうしよう。
聖女でないならこの大聖堂から追い出されるかもしれない。
幼いころから教会で過ごし、外の世界を知らないケイ。
これからどうやって生きていけばいいのか、皆目見当もつかなかった。
雑用でもいい。大聖堂で、いや神の近くで働けるのならなんだってできると思えた。
「ケイ様、王宮からの使いの方がお見えです。」
夕刻、修道女がケイに訪問客が来たことをドア越しに告げた。
王宮からの使いなど、滅多にないこと。
急ぎ身なりを整えながら、王宮にはまだ聖女をやめたことは伝わっていないのだと理解した。
と同時に聖女ではなくなった自分が王宮の使いの相手をしていいものかとも思った。
「これはこれは我が姫よ。朝方振りで」
「アーサー・・・!」
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