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第7話:人類の頂点、バイトは苦手
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西天がまとめる学校だけあって、ソフィアの穂野ノ坂学校への入学はスムーズだった。穂野ノ坂学校は小中高一貫校の一部だ。Dマンのみならず、一般の生徒も普通に通っている。学校の生徒数自体は、都内の中では少ない方だが、学ぶ環境としては十分な設備が整っていた。
ソフィアは高校一年生として入学することになった。小中学校には通っていないけれど、一応勉強はしていてある程度の教養はある。だが、抜けが多いのも確かで、人一倍の努力が必要なのは間違いない。夢を叶えるために頑張ってほしいと、最上は密かに応援していた。
朝、ソフィアを学校まで送った後に、最上は朧火に呼び出された。事務室前の廊下で朧火と合わせたくもない顔を合わせる。
「バックアップするって約束だからな。とりあえず、一人で働けるようになるまでは面倒見てやるよ」
完全に上から目線の朧火に、悪態の一つくらい言い返したいところだったが、今日はぐっと我慢した。最上は仕事の経験が乏しすぎた。ゲームセンターの下にある隠れ家を提供してくれた日ノ出キキから、『いかにもやばそうなバイト』を一件受けた限りだ。
「とりあえず、日雇いバイト行ってこい」
チラシを一枚、朧火から渡される。
「まずは一回働いてみろ」
言われるがままに日雇いバイトの会場へ行く。仕事の内容としてはライブのイベントの会場設営だ。最上が働くための手続きは朧火がすでにすましていた。着くなり仕事をすることになり、八時間みっちり働いた。肉体的には、元々体が丈夫で、体力も半端なくある最上にとってはまったく苦ではなかった。ただ、多くの人間がいて意思伝達が必要になり、一度に多くの知らない人間と連携を取った経験のない最上にとって、そちらの方が疲れた。気質が似ている人間とはあっさり打ち解けるところまでいったが、中にはそう、最上と朧火みたいに合わない人間もいた。
「あのハゲじじぃは絶対に許さない」
なんてつぶやいたのも事実だ。手渡しでもらった茶封筒に入ったバイト代を握りしめて、最上は伊吹荘にまで帰る。
「おう、お帰り」
「おかえりなさいです! 最上お兄ちゃん!」
玄関前で猫の遺伝子が組み込まれたDマンの花野と、朧火が戯れていた。小学生を高い高いする朧火の笑顔は、完全に犯罪者のそれだ。
「ただいま」とは言わずに、黙って今日のバイト代が入った茶封筒を朧火に差し出した。
「なんだ? いらねぇよ。自分で稼いだんだから貯めとけ」
「けど、今までの飯代とかあるでしょう」
「そんなの取ってたらファミコン何個分になるかわかんねぇぞ。そもそも家族養うのに金なんて取るか」
「……」
ありがとう、と言えばいいのだろうか。けれど、朧火にそんなことを言いたくないと思う気持ちがあり、最上の喉の部分でつっかえてしまった。代わりの言葉を探す。
「朧火と西天さんは、どこでお金を稼いでるんだ?」
ファミリーの組織運営には、大勢の子供を養うお金がいるはずだ。朧火も西天も、外に出て働いている様子はなく、最上にはお金の出所がわからなかった。
「心はスポンサー集めで、俺は資産運用……いわゆる株やらFXやら土地転がしで稼いでる」
「資産運用って、リスク大きくないの」
「まぁなぁ。さすがに今は一度や二度の失敗で破産するようなことはしてないな。長い間世の中見てると、金の流れが掴めてくるから利益は出せてる。残念ながら、バブル景気の時ほど大きくは稼げないが、今はオリンピックのおかげで景気いいから稼ぎ時だな」
花野を高い高いしながら朧火は答える。
「ま、とにかくファミリーを運営するのにも、子供に食わせるのにも困ってないから安心しろ。その金は貯めとけ」
見ず知らずの子供を多く養えるだけの稼ぎを出している。
その部分だけ見ればきっと朧火は立派な大人なのだ。
けれど、踏み込んでみてみたら嫌な奴だし、とんでもないロリコン野郎だ。
(外から見える部分が大事なのかな、この世界ってのは)
などと考えながら最上は伊吹荘の中に入っていった。
最上とソフィアが進路を決めて、一週間がたった。頻繁に東京の都心に出ている最上には、東京オリンピックが近づいてきている影響で、外国人が増えてきているのがよくわかった。
第三次世界大戦を終えた後の、『世界平和を象徴するオリンピック』を謳っているだけあって、日本政府だけならず世界からも手厚い支援を受け、今回のオリンピックは成り立っている。
日本政府は、絶対に成功させなければいけないというプレッシャーがあるだろう。
連日国会でオリンピックをテーマに話し合いが行われている。
マスメディアは、視聴率を稼ぐいい機会であり、血気盛んに東京オリンピックについて取り上げている。
建築業の人間は、競技場の仕上げを行っている。
電光掲示板を見れば、オリンピックがほとんど必ず入っている。
東京全体が東京オリンピックに向かって一丸となっているのだ。余談だが、次回の東京オリンピックには間に合わないが、Dマン達が競える種目の用意が行われているらしい。
東京で土木工事のバイトを終えた最上は、夕方、いつものように朧火の稽古に付き合っていた。
「働くのには慣れてきたか?」
「はじめっから楽勝だよ」
実際のところ、五日前にはとある店舗の店長と、昨日は工事現場の責任者と喧嘩した。
五日前は、やけに上から目線で物を言う奴がいて、聞く必要もないグチまで言われ、最上の高くもない沸点に達してしまった。昨日はいわゆるパシリ扱いされ、それだけならまだいいのだが、頼まれたジュースを買ってきたはずなのに文句を言われ、ぶち切れた。
最上は童顔で、さらに身長がぎりぎりソフィアよりは高いくらいなので、舐められやすいというのを数日間で学んだ。
向かってくる朧火に対して肩に体重を乗せた一撃を入れ、彼が怯えんだところで下の方から鼻へ掌底を叩き込む。これは寸止めだが。今日はこの繰り返しだった。
「最上、今は稼ぎ時だぞー。企業が潤ってる時期で、仕事を探しやすい。短期バイトに精を出すのと一緒に、割の良い固定バイトも探しとけ。できれば正社員に繋がるやつのな。候補はいくつか探してるが、自分でも探してみろ」
「わかった」
「固定バイトは同じ人と一緒に居続けるわけだから、喧嘩してたら長くはもたないぞ」
「喧嘩なんてしないよ」
「五日前と昨日したろ」
ばれていた。
「……向こうが悪いんだよ」
「俺のとこにも電話きたから、事情は大体わかってる。相手が悪いのはわかったが、そういう時はむかついても笑顔浮かべて心の中で罵っとけ」
「なにそれ。なんで僕が我慢しないといけないの」
「嫌な奴とどーしても一緒にいなければいけない時の対処法だ。相手が立場的に上の場合のな。大体、どこにでも、むかつくやつは一人や二人はいるもんだよ」
マフラーからわずかにのぞく口角で朧火がへらへらと笑っているのがわかる。
「まったくその通りだね」
「おい、誰を見て言ってるんだ」
十五分で稽古を終えて、伊吹荘の中に入ると朧火に束ねられた十枚ほどのコピー用紙を渡された。そこには正社員にもつながるバイトを募集している物がピックアップされていた。
「それとこれだ」
名刺の束を渡された。そこにはリストに載っている会社の重役の名前が連なっている。
「話しはその名刺に書かれてるやつから聞け。明日は興味あるとこ回ってこい」
翌日、最上は言われた通り、バイト探しのために東京を回ることにした。
うだるような暑さのコンクリートジャングルを歩き回る。ファミリーに入ってからは、ファミリーと虚構科学研究所が取り交わした条約が効いているらしく、虚構科学研究所からの襲撃は一度もなかった。
(組織の力も馬鹿にできないね)
リストにあった仕事場を、適当に選んで回っていく。半分を回っても、取り立ててやりたいと思えるバイトはなかった。
(しかし、バイトの見学ごときに重役がわざわざ出て仕事の内容を説明してくれるって、朧火はどんなパイプ持ってるんだろう)
見た目では二十才前半に見える朧火だが、その歳でこんなに多くもの人と関係を築けるのだろうか? それとも組織の運営をやっていれば、人間関係なんて勝手に形成されていくのか?
(見た目より歳を取ってるのかもしれないね。まぁ、今は朧火のことはいいや。……次は、テレビ局の下働きか)
朧火のリストに載っていたのは、『青空テレビ局』という、知名度で言えば上位に位置するテレビ局だ。テレビをめったに見ない最上でも知っており、昨年、ソフィアがここのドラマが面白かったと言っていた。
品川区にあるそのテレビ局の本部のビルは、どっしりとした四角形でありながらガラス張りで繊細さが伝わってくる。そのガラスには名前の象徴である青空が全面に映り込んでいた。海沿いにあるので、しょっぱいにおいがする。海風を浴びながら、最上はその建物の入り口をくぐる。
忙しそうに歩き回る関係者や、取材を受けている最中の人も見て取れた。有名人もいるのだろうが、最上にはあまりわからない。ソフィアがいたら指差しで解説してくれそうだ。
(名刺に書かれてる人の名前は……秋月綾乃さんか)
テレビ局関係者の休憩中らしき人を見つけ出し、名刺を見せて秋月がどこにいるかを聞き出す。
三十歳手前にして売れっ子プロデューサーで、もしかしたら忙しくて話を聞いてもらえないかもしれない。と、言われた。
もうすぐ始まる生放送の料理番組の会場へと最上は向かった。その番組を秋月は担当しているらしい。
バーチャルスタジオ化が完全に終わったこのご時世でも、生放送では普通の器具を準備し、配置しなくてはいけない。
(休憩になるまで待った方がいいよね)
せめて秋月がどんな人物かはあてを付けておこうとスタジオに向かう。
目的のスタジオに繋がるドアは開きっぱなしになっていた。ばたばたと人が出入りする様子を、最上は廊下の邪魔にならない場所から観察する。指示を出している偉そうな女性を探す。
が、スタジオでそのような人は見当たらなかった。指示を飛ばしているのは、全てが男だ。
「秋月さんはどこだ!?」
なんて声が会場から怒声として聞こえてきて、最上は彼女が来ていないのを知った。
(遅刻かよ……)
なら、焦って入ってきた人物が秋月ということになるか。
「なぁ坊や。あのスタジオに何か用があるのか?」
観察を再開しようとしたら、一人の女性に話しかけられた。青空テレビ局に属する女優だろうか? と思えるほどぱっと見スタイルがよかった。けれど、最上はすぐにそれを否定する。目の下に半月状のクマができており、たばこをくわえ、よれたワイシャツを着ている。さらには、たばこのせいで焦げがついたジーンズを履いていた。とても風貌を気にする女優とは思えなかった。顔立ちはずる賢い狐を思わせるが良い部類に入るだろう。
「秋月さんを探してるんです」
「そいつぁ奇遇だねぇ。私が秋月だぜ」
「……秋月違いじゃないですかね」
最上は遅刻してて急いでる人間を探していたわけだが、この秋月はまったく焦る様子がない。
「朧火のやつがガキが一人行くかもしれないって言ってたから、声かけて正解だったぜ。で、バイトの話しか?」
「本当に、プロデューサーなのに遅刻した秋月さんなんですか?」
「そうだぜ。遅刻した秋月さんだ」
この人も大人失格ではなかろうか。
類は友を呼ぶとはこのことか。
話を進めていいものか悩んでいると、スタッフの一人が秋月を見つけたらしく、
「秋月さん! 子供をナンパしてないでさっさと来てくださいよ! あと建物内禁煙です!」
「ちっ、うるさい奴だぜ。私がいなくてもできる企画だろうに。私はほかにやりたい企画があるんだよ。坊や、話しは放送終わってからになるけど、見ていくかい? 特等席だぜ」
断る理由もなかったので最上は秋月が担当する番組を見ていくことにした。
表の舞台には客席があり、その前に調理台が備え付けられたスタジオがある。最上がいるのは、ロボットアームの先端にカメラが付いた物がいくつもあり、配線コードが至る所に敷かれた裏の部分だ。
番組が始まる直前、秋月がいくつか指示を飛ばす。その様子を見る限り、彼女はプロデューサーだけでなくディレクターも兼任しているようだ。
テレビ関係者目線で見る番組は新鮮だった。番組はその新鮮さだけでは終わらず、秋月が企画した料理番組自体も内容がとっぴで面白く、最上の目を引いた。
途中で十五分ほど、外の食べ歩き中継へと番組が移行する。その間が休憩時間としてスタッフにあてがわれた。最上と秋月はいったん廊下に出る。
「どうだい、坊や」
「面白かったです。やっぱり生で見ると違いますね。テレビでみると、紙芝居みたいにつぎはぎになってだめですから」
「はっはっは、面白い事を言う坊やだ」
ソフィアには縁のない、大きな胸を揺らしながら秋月は笑った。
「時間もないし本題に移るか。ここの仕事だが……」
つらつらと秋月が仕事の内容を説明し始める。
「……まとめると、私の下働きだぜ。ま、中途半端な意思でやろうとするならやめときな。正直言って、普通の仕事よりきつい。長続きしないぜ」
この時だけは、クマに乗った眠そうな目が、真剣な色を灯していた。戦車砲を前にしてもひるまない最上だが、一歩足を引いてしまう迫力があった。
最上はソフィアのように夢があって、テレビ局の下働きの見学に来たわけでもない。ソフィアが夢見ている仕事の一端だから見学しに来た。
動機で言えば、浅すぎる。
「考えさせてください」
今まで回ってきたバイト先で言ってきたセリフを繰り返す。よくよく考えれば、バイト探しでも就職活動でも採用するかしないかを選ぶのは向こう側なのに『考えさせてください』なんて贅沢だ。
「ん、わかった。……お?」
「秋月さん!」
ばたばたと一人のスタッフ駆け寄ってくる。
「どうしたんだ? 失敗はないはずだぜ」
「違います! 緊急で番組を入れ替えると!」
「なに? なんかあったのか?」
「テロです! 穂野ノ坂学校がテロ組織に占領されてると! 急遽番組を切り替えるべきだと上から」
穂野ノ坂学校? テロ? 一瞬、最上の頭の中で上手く単語がかみ合わなかった。
「待って、穂野ノ坂学校!? その話はッッ嘘じゃないだろうね!?」
「ひっ」と、スタッフが最上の迫力におののいた。
「坊や、どうしたんだ? この類の情報に嘘はない」
穂野ノ坂学校は一番安全な高校ではなかったのか。
(そこにはソフィアが……ソフィアがいるんだぞ!)
「おい、坊や、なにしてるんだ!?」
手近にあった窓を開け、最上は身を乗り出す。きっと朧火は最上がDマンであるのは隠しているだろう。高校生以上のDマンはまだ存在しない。世間の上では。
が、今は最上が存在しないはずのDマンであることがばれるよりも、ソフィアの身の方が問題だった。
人がいない地点めがけて最上は地上十三階から飛びだした。呆然とした表情の秋月とスタッフが見えたが、事情を説明している場合ではない。
コンクリートを抉りながら最上は着地した。
「痛ゥッ!」
傷一つ負ってはないけれど、足にジーンとした痛みが走った。
「どうなってるんだよクソ!」
穂野ノ坂学校に向けて、最上は全速力で走り出した。
ソフィアは高校一年生として入学することになった。小中学校には通っていないけれど、一応勉強はしていてある程度の教養はある。だが、抜けが多いのも確かで、人一倍の努力が必要なのは間違いない。夢を叶えるために頑張ってほしいと、最上は密かに応援していた。
朝、ソフィアを学校まで送った後に、最上は朧火に呼び出された。事務室前の廊下で朧火と合わせたくもない顔を合わせる。
「バックアップするって約束だからな。とりあえず、一人で働けるようになるまでは面倒見てやるよ」
完全に上から目線の朧火に、悪態の一つくらい言い返したいところだったが、今日はぐっと我慢した。最上は仕事の経験が乏しすぎた。ゲームセンターの下にある隠れ家を提供してくれた日ノ出キキから、『いかにもやばそうなバイト』を一件受けた限りだ。
「とりあえず、日雇いバイト行ってこい」
チラシを一枚、朧火から渡される。
「まずは一回働いてみろ」
言われるがままに日雇いバイトの会場へ行く。仕事の内容としてはライブのイベントの会場設営だ。最上が働くための手続きは朧火がすでにすましていた。着くなり仕事をすることになり、八時間みっちり働いた。肉体的には、元々体が丈夫で、体力も半端なくある最上にとってはまったく苦ではなかった。ただ、多くの人間がいて意思伝達が必要になり、一度に多くの知らない人間と連携を取った経験のない最上にとって、そちらの方が疲れた。気質が似ている人間とはあっさり打ち解けるところまでいったが、中にはそう、最上と朧火みたいに合わない人間もいた。
「あのハゲじじぃは絶対に許さない」
なんてつぶやいたのも事実だ。手渡しでもらった茶封筒に入ったバイト代を握りしめて、最上は伊吹荘にまで帰る。
「おう、お帰り」
「おかえりなさいです! 最上お兄ちゃん!」
玄関前で猫の遺伝子が組み込まれたDマンの花野と、朧火が戯れていた。小学生を高い高いする朧火の笑顔は、完全に犯罪者のそれだ。
「ただいま」とは言わずに、黙って今日のバイト代が入った茶封筒を朧火に差し出した。
「なんだ? いらねぇよ。自分で稼いだんだから貯めとけ」
「けど、今までの飯代とかあるでしょう」
「そんなの取ってたらファミコン何個分になるかわかんねぇぞ。そもそも家族養うのに金なんて取るか」
「……」
ありがとう、と言えばいいのだろうか。けれど、朧火にそんなことを言いたくないと思う気持ちがあり、最上の喉の部分でつっかえてしまった。代わりの言葉を探す。
「朧火と西天さんは、どこでお金を稼いでるんだ?」
ファミリーの組織運営には、大勢の子供を養うお金がいるはずだ。朧火も西天も、外に出て働いている様子はなく、最上にはお金の出所がわからなかった。
「心はスポンサー集めで、俺は資産運用……いわゆる株やらFXやら土地転がしで稼いでる」
「資産運用って、リスク大きくないの」
「まぁなぁ。さすがに今は一度や二度の失敗で破産するようなことはしてないな。長い間世の中見てると、金の流れが掴めてくるから利益は出せてる。残念ながら、バブル景気の時ほど大きくは稼げないが、今はオリンピックのおかげで景気いいから稼ぎ時だな」
花野を高い高いしながら朧火は答える。
「ま、とにかくファミリーを運営するのにも、子供に食わせるのにも困ってないから安心しろ。その金は貯めとけ」
見ず知らずの子供を多く養えるだけの稼ぎを出している。
その部分だけ見ればきっと朧火は立派な大人なのだ。
けれど、踏み込んでみてみたら嫌な奴だし、とんでもないロリコン野郎だ。
(外から見える部分が大事なのかな、この世界ってのは)
などと考えながら最上は伊吹荘の中に入っていった。
最上とソフィアが進路を決めて、一週間がたった。頻繁に東京の都心に出ている最上には、東京オリンピックが近づいてきている影響で、外国人が増えてきているのがよくわかった。
第三次世界大戦を終えた後の、『世界平和を象徴するオリンピック』を謳っているだけあって、日本政府だけならず世界からも手厚い支援を受け、今回のオリンピックは成り立っている。
日本政府は、絶対に成功させなければいけないというプレッシャーがあるだろう。
連日国会でオリンピックをテーマに話し合いが行われている。
マスメディアは、視聴率を稼ぐいい機会であり、血気盛んに東京オリンピックについて取り上げている。
建築業の人間は、競技場の仕上げを行っている。
電光掲示板を見れば、オリンピックがほとんど必ず入っている。
東京全体が東京オリンピックに向かって一丸となっているのだ。余談だが、次回の東京オリンピックには間に合わないが、Dマン達が競える種目の用意が行われているらしい。
東京で土木工事のバイトを終えた最上は、夕方、いつものように朧火の稽古に付き合っていた。
「働くのには慣れてきたか?」
「はじめっから楽勝だよ」
実際のところ、五日前にはとある店舗の店長と、昨日は工事現場の責任者と喧嘩した。
五日前は、やけに上から目線で物を言う奴がいて、聞く必要もないグチまで言われ、最上の高くもない沸点に達してしまった。昨日はいわゆるパシリ扱いされ、それだけならまだいいのだが、頼まれたジュースを買ってきたはずなのに文句を言われ、ぶち切れた。
最上は童顔で、さらに身長がぎりぎりソフィアよりは高いくらいなので、舐められやすいというのを数日間で学んだ。
向かってくる朧火に対して肩に体重を乗せた一撃を入れ、彼が怯えんだところで下の方から鼻へ掌底を叩き込む。これは寸止めだが。今日はこの繰り返しだった。
「最上、今は稼ぎ時だぞー。企業が潤ってる時期で、仕事を探しやすい。短期バイトに精を出すのと一緒に、割の良い固定バイトも探しとけ。できれば正社員に繋がるやつのな。候補はいくつか探してるが、自分でも探してみろ」
「わかった」
「固定バイトは同じ人と一緒に居続けるわけだから、喧嘩してたら長くはもたないぞ」
「喧嘩なんてしないよ」
「五日前と昨日したろ」
ばれていた。
「……向こうが悪いんだよ」
「俺のとこにも電話きたから、事情は大体わかってる。相手が悪いのはわかったが、そういう時はむかついても笑顔浮かべて心の中で罵っとけ」
「なにそれ。なんで僕が我慢しないといけないの」
「嫌な奴とどーしても一緒にいなければいけない時の対処法だ。相手が立場的に上の場合のな。大体、どこにでも、むかつくやつは一人や二人はいるもんだよ」
マフラーからわずかにのぞく口角で朧火がへらへらと笑っているのがわかる。
「まったくその通りだね」
「おい、誰を見て言ってるんだ」
十五分で稽古を終えて、伊吹荘の中に入ると朧火に束ねられた十枚ほどのコピー用紙を渡された。そこには正社員にもつながるバイトを募集している物がピックアップされていた。
「それとこれだ」
名刺の束を渡された。そこにはリストに載っている会社の重役の名前が連なっている。
「話しはその名刺に書かれてるやつから聞け。明日は興味あるとこ回ってこい」
翌日、最上は言われた通り、バイト探しのために東京を回ることにした。
うだるような暑さのコンクリートジャングルを歩き回る。ファミリーに入ってからは、ファミリーと虚構科学研究所が取り交わした条約が効いているらしく、虚構科学研究所からの襲撃は一度もなかった。
(組織の力も馬鹿にできないね)
リストにあった仕事場を、適当に選んで回っていく。半分を回っても、取り立ててやりたいと思えるバイトはなかった。
(しかし、バイトの見学ごときに重役がわざわざ出て仕事の内容を説明してくれるって、朧火はどんなパイプ持ってるんだろう)
見た目では二十才前半に見える朧火だが、その歳でこんなに多くもの人と関係を築けるのだろうか? それとも組織の運営をやっていれば、人間関係なんて勝手に形成されていくのか?
(見た目より歳を取ってるのかもしれないね。まぁ、今は朧火のことはいいや。……次は、テレビ局の下働きか)
朧火のリストに載っていたのは、『青空テレビ局』という、知名度で言えば上位に位置するテレビ局だ。テレビをめったに見ない最上でも知っており、昨年、ソフィアがここのドラマが面白かったと言っていた。
品川区にあるそのテレビ局の本部のビルは、どっしりとした四角形でありながらガラス張りで繊細さが伝わってくる。そのガラスには名前の象徴である青空が全面に映り込んでいた。海沿いにあるので、しょっぱいにおいがする。海風を浴びながら、最上はその建物の入り口をくぐる。
忙しそうに歩き回る関係者や、取材を受けている最中の人も見て取れた。有名人もいるのだろうが、最上にはあまりわからない。ソフィアがいたら指差しで解説してくれそうだ。
(名刺に書かれてる人の名前は……秋月綾乃さんか)
テレビ局関係者の休憩中らしき人を見つけ出し、名刺を見せて秋月がどこにいるかを聞き出す。
三十歳手前にして売れっ子プロデューサーで、もしかしたら忙しくて話を聞いてもらえないかもしれない。と、言われた。
もうすぐ始まる生放送の料理番組の会場へと最上は向かった。その番組を秋月は担当しているらしい。
バーチャルスタジオ化が完全に終わったこのご時世でも、生放送では普通の器具を準備し、配置しなくてはいけない。
(休憩になるまで待った方がいいよね)
せめて秋月がどんな人物かはあてを付けておこうとスタジオに向かう。
目的のスタジオに繋がるドアは開きっぱなしになっていた。ばたばたと人が出入りする様子を、最上は廊下の邪魔にならない場所から観察する。指示を出している偉そうな女性を探す。
が、スタジオでそのような人は見当たらなかった。指示を飛ばしているのは、全てが男だ。
「秋月さんはどこだ!?」
なんて声が会場から怒声として聞こえてきて、最上は彼女が来ていないのを知った。
(遅刻かよ……)
なら、焦って入ってきた人物が秋月ということになるか。
「なぁ坊や。あのスタジオに何か用があるのか?」
観察を再開しようとしたら、一人の女性に話しかけられた。青空テレビ局に属する女優だろうか? と思えるほどぱっと見スタイルがよかった。けれど、最上はすぐにそれを否定する。目の下に半月状のクマができており、たばこをくわえ、よれたワイシャツを着ている。さらには、たばこのせいで焦げがついたジーンズを履いていた。とても風貌を気にする女優とは思えなかった。顔立ちはずる賢い狐を思わせるが良い部類に入るだろう。
「秋月さんを探してるんです」
「そいつぁ奇遇だねぇ。私が秋月だぜ」
「……秋月違いじゃないですかね」
最上は遅刻してて急いでる人間を探していたわけだが、この秋月はまったく焦る様子がない。
「朧火のやつがガキが一人行くかもしれないって言ってたから、声かけて正解だったぜ。で、バイトの話しか?」
「本当に、プロデューサーなのに遅刻した秋月さんなんですか?」
「そうだぜ。遅刻した秋月さんだ」
この人も大人失格ではなかろうか。
類は友を呼ぶとはこのことか。
話を進めていいものか悩んでいると、スタッフの一人が秋月を見つけたらしく、
「秋月さん! 子供をナンパしてないでさっさと来てくださいよ! あと建物内禁煙です!」
「ちっ、うるさい奴だぜ。私がいなくてもできる企画だろうに。私はほかにやりたい企画があるんだよ。坊や、話しは放送終わってからになるけど、見ていくかい? 特等席だぜ」
断る理由もなかったので最上は秋月が担当する番組を見ていくことにした。
表の舞台には客席があり、その前に調理台が備え付けられたスタジオがある。最上がいるのは、ロボットアームの先端にカメラが付いた物がいくつもあり、配線コードが至る所に敷かれた裏の部分だ。
番組が始まる直前、秋月がいくつか指示を飛ばす。その様子を見る限り、彼女はプロデューサーだけでなくディレクターも兼任しているようだ。
テレビ関係者目線で見る番組は新鮮だった。番組はその新鮮さだけでは終わらず、秋月が企画した料理番組自体も内容がとっぴで面白く、最上の目を引いた。
途中で十五分ほど、外の食べ歩き中継へと番組が移行する。その間が休憩時間としてスタッフにあてがわれた。最上と秋月はいったん廊下に出る。
「どうだい、坊や」
「面白かったです。やっぱり生で見ると違いますね。テレビでみると、紙芝居みたいにつぎはぎになってだめですから」
「はっはっは、面白い事を言う坊やだ」
ソフィアには縁のない、大きな胸を揺らしながら秋月は笑った。
「時間もないし本題に移るか。ここの仕事だが……」
つらつらと秋月が仕事の内容を説明し始める。
「……まとめると、私の下働きだぜ。ま、中途半端な意思でやろうとするならやめときな。正直言って、普通の仕事よりきつい。長続きしないぜ」
この時だけは、クマに乗った眠そうな目が、真剣な色を灯していた。戦車砲を前にしてもひるまない最上だが、一歩足を引いてしまう迫力があった。
最上はソフィアのように夢があって、テレビ局の下働きの見学に来たわけでもない。ソフィアが夢見ている仕事の一端だから見学しに来た。
動機で言えば、浅すぎる。
「考えさせてください」
今まで回ってきたバイト先で言ってきたセリフを繰り返す。よくよく考えれば、バイト探しでも就職活動でも採用するかしないかを選ぶのは向こう側なのに『考えさせてください』なんて贅沢だ。
「ん、わかった。……お?」
「秋月さん!」
ばたばたと一人のスタッフ駆け寄ってくる。
「どうしたんだ? 失敗はないはずだぜ」
「違います! 緊急で番組を入れ替えると!」
「なに? なんかあったのか?」
「テロです! 穂野ノ坂学校がテロ組織に占領されてると! 急遽番組を切り替えるべきだと上から」
穂野ノ坂学校? テロ? 一瞬、最上の頭の中で上手く単語がかみ合わなかった。
「待って、穂野ノ坂学校!? その話はッッ嘘じゃないだろうね!?」
「ひっ」と、スタッフが最上の迫力におののいた。
「坊や、どうしたんだ? この類の情報に嘘はない」
穂野ノ坂学校は一番安全な高校ではなかったのか。
(そこにはソフィアが……ソフィアがいるんだぞ!)
「おい、坊や、なにしてるんだ!?」
手近にあった窓を開け、最上は身を乗り出す。きっと朧火は最上がDマンであるのは隠しているだろう。高校生以上のDマンはまだ存在しない。世間の上では。
が、今は最上が存在しないはずのDマンであることがばれるよりも、ソフィアの身の方が問題だった。
人がいない地点めがけて最上は地上十三階から飛びだした。呆然とした表情の秋月とスタッフが見えたが、事情を説明している場合ではない。
コンクリートを抉りながら最上は着地した。
「痛ゥッ!」
傷一つ負ってはないけれど、足にジーンとした痛みが走った。
「どうなってるんだよクソ!」
穂野ノ坂学校に向けて、最上は全速力で走り出した。
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「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
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勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
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世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
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そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
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彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
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4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
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