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魔法祭。そして…
予定 その後
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ガゼリオはふわふわのベッドの上で目覚めた。
(……幸せだ)
目覚めた途端、猛烈な安心感と多幸感を覚えたガゼリオは自然と笑みを溢した。
貞操帯が無い。
あれほど怒りガゼリオを困らせていた雄の勲章は大人しくぶら下がっており、ボールのようだった陰嚢は座布団のように平たくなっている。
雌の器官は未だに何かで穿たれた感覚が残っており、(もう熱は感じないが)あの純粋な男の愛が腹に注がれたままなのだ。
「ん、おはようガゼリオ」
既に目を覚ましており、今までガゼリオの寝顔を観察していたらしい上半身裸のレオは、彼に軽く挨拶した。
「おはよう。レオ」
裸のままガゼリオはむくりとベッドから起き上がりレオを抱き締める。
「おはようっつってももう昼なんだけどな。あの後朝方までセックスし続けたから」
「なぁ。結局俺ら、何回イったんだ? 最後の方の記憶ねーんだよ」
ガゼリオの問いにレオは熱い夜の事を思い出す。
「俺が3回。で、ガゼリオがところてん含めて6。いや7回だったかな? メスイキは……俺が数えられたんで十数回だから、多分その倍はイってると思うんだ」
「そっか……めちゃくちゃヤったんだな、俺ら」
「そうだぞ。ガゼリオめっちゃ可愛かった」
「ハッ! ……そうかよ」
目覚めのキスを落とされ、ガゼリオは恍惚の表情を浮かべる。
「なぁ。ガゼリオの呪いは解けたけど、俺らの関係もこれで解消なんて言わねーよな?」
「言わねーよ。言えねーよ」
「ならさ。やっぱ俺ら付き合わねーか? ガゼリオの想い人って、チンコデカいだけでガゼリオの事笑わせもできねー男なんだぜ? やめとけって。俺にしとけって。俺の方がガゼリオを大事にできるって」
「う~ん……」
それでもなお難色を示すガゼリオに、遂にレオは痺れを切らす。
「俺、そんなアイツに負けてるかな」
「勝ってる負けてるじゃねーんだよ」
一考した後、「あのさ」とガゼリオは言葉を紡ぎ始める。
「俺がレオとああいう仲になったのって、俺が夢魔の呪いをかけられた後だったからさ。自分の気持ちが純粋なものなのか、ただの性欲なのか区別できねーんだ」
「あのなガゼリオ。恋愛なんてもんはな? 大体の場合、性欲から始まるもんなんだぜ? ……白状するとさ。俺が初めてガゼリオを家に連れ込んだのも、ガゼリオがやけに色っぽく見えたからだったんだよ」
だけどさ。とレオは更に続ける。
「ガゼリオと一緒にいるとさ。楽しいし、落ち着くんだよ。俺がボケたら必ずツッコんでくれるし、俺の事嘲笑ったりしないし。否定しないし、優しいし。それに笑った顔がめっちゃ可愛いんだよ、癒されんだよ! だから……ずっと、俺の側で笑っててほしい。ガゼリオの笑顔の為なら俺、何でも頑張れる気がすんだ」
熱烈なラブコールだった。
あまりにも真っ直ぐで。
あまりにも純粋で。
ヴェルトへの想いを10年以上引きずった心には。ある男に穢された体には、あまりにも眩しかった。……いや、眩し過ぎた。
「……ごめん。もう少し返事待っててもらえねーか。色々整理できてから返事したい」
「……分かった」
ハッキリとしないガゼリオに苛立つ様子など一切無く、レオはただただガゼリオを抱き締めた。
「さてと。じゃあ準備したら軽めの昼飯食いに行くか。そしたら……どうする? そのまま解散する?」
このままずっと一緒にいたい。あの養父の所へなんか帰りたくない。
これらの想いは全てただの我儘だと、ガゼリオは封をした。
「うん。そうするか」
いつも通りの微笑みを仮面のように顔に貼り付け、ガゼリオはレオを見上げてそう答えたのだった。
(……幸せだ)
目覚めた途端、猛烈な安心感と多幸感を覚えたガゼリオは自然と笑みを溢した。
貞操帯が無い。
あれほど怒りガゼリオを困らせていた雄の勲章は大人しくぶら下がっており、ボールのようだった陰嚢は座布団のように平たくなっている。
雌の器官は未だに何かで穿たれた感覚が残っており、(もう熱は感じないが)あの純粋な男の愛が腹に注がれたままなのだ。
「ん、おはようガゼリオ」
既に目を覚ましており、今までガゼリオの寝顔を観察していたらしい上半身裸のレオは、彼に軽く挨拶した。
「おはよう。レオ」
裸のままガゼリオはむくりとベッドから起き上がりレオを抱き締める。
「おはようっつってももう昼なんだけどな。あの後朝方までセックスし続けたから」
「なぁ。結局俺ら、何回イったんだ? 最後の方の記憶ねーんだよ」
ガゼリオの問いにレオは熱い夜の事を思い出す。
「俺が3回。で、ガゼリオがところてん含めて6。いや7回だったかな? メスイキは……俺が数えられたんで十数回だから、多分その倍はイってると思うんだ」
「そっか……めちゃくちゃヤったんだな、俺ら」
「そうだぞ。ガゼリオめっちゃ可愛かった」
「ハッ! ……そうかよ」
目覚めのキスを落とされ、ガゼリオは恍惚の表情を浮かべる。
「なぁ。ガゼリオの呪いは解けたけど、俺らの関係もこれで解消なんて言わねーよな?」
「言わねーよ。言えねーよ」
「ならさ。やっぱ俺ら付き合わねーか? ガゼリオの想い人って、チンコデカいだけでガゼリオの事笑わせもできねー男なんだぜ? やめとけって。俺にしとけって。俺の方がガゼリオを大事にできるって」
「う~ん……」
それでもなお難色を示すガゼリオに、遂にレオは痺れを切らす。
「俺、そんなアイツに負けてるかな」
「勝ってる負けてるじゃねーんだよ」
一考した後、「あのさ」とガゼリオは言葉を紡ぎ始める。
「俺がレオとああいう仲になったのって、俺が夢魔の呪いをかけられた後だったからさ。自分の気持ちが純粋なものなのか、ただの性欲なのか区別できねーんだ」
「あのなガゼリオ。恋愛なんてもんはな? 大体の場合、性欲から始まるもんなんだぜ? ……白状するとさ。俺が初めてガゼリオを家に連れ込んだのも、ガゼリオがやけに色っぽく見えたからだったんだよ」
だけどさ。とレオは更に続ける。
「ガゼリオと一緒にいるとさ。楽しいし、落ち着くんだよ。俺がボケたら必ずツッコんでくれるし、俺の事嘲笑ったりしないし。否定しないし、優しいし。それに笑った顔がめっちゃ可愛いんだよ、癒されんだよ! だから……ずっと、俺の側で笑っててほしい。ガゼリオの笑顔の為なら俺、何でも頑張れる気がすんだ」
熱烈なラブコールだった。
あまりにも真っ直ぐで。
あまりにも純粋で。
ヴェルトへの想いを10年以上引きずった心には。ある男に穢された体には、あまりにも眩しかった。……いや、眩し過ぎた。
「……ごめん。もう少し返事待っててもらえねーか。色々整理できてから返事したい」
「……分かった」
ハッキリとしないガゼリオに苛立つ様子など一切無く、レオはただただガゼリオを抱き締めた。
「さてと。じゃあ準備したら軽めの昼飯食いに行くか。そしたら……どうする? そのまま解散する?」
このままずっと一緒にいたい。あの養父の所へなんか帰りたくない。
これらの想いは全てただの我儘だと、ガゼリオは封をした。
「うん。そうするか」
いつも通りの微笑みを仮面のように顔に貼り付け、ガゼリオはレオを見上げてそう答えたのだった。
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