魔導士カイラは許されない〜インキュバスの呪いで貞操帯をかけられた少年〜

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歌劇場と遠征前夜

最後の…

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 初めての遠征2日前の夜。

 明日はしっかり休まねばならないので、今日が遠征前最後に自由に過ごせる夜。

 愛し合う者同士、同じ屋根の下で過ごせば起こる事はただひとつ。

 そうなるべきであるかのように。

 どちらが誘う訳でもなく。

「ヴェルトさん、あの……」

「ん?」

「コレ、外してください……」

 裸に剥かれたカイラが、忌わしい呪いをコツコツと爪で軽く突いた。

「えぇ? まだダメだよ」

 願いを最も容易く蹴られたカイラは口元を苦しみと喜びで引き攣らせる。

「お願いします♡ 中で勃っちゃって、ティニー辛いんです♡」

「だからダメだってば。今夜はこれからできない分、とことん可愛がってあげるんだから。とことん焦らしてあげないと」

 ヴェルトはカイラの鎖骨あたりに口付けを落とす。

「あっ、また……!」

 皮膚が引っ張られる軽い痛みを感じ、カイラはヴェルトへ向けて咎めるような声を上げる。

 よほど他人にカイラを渡したくないらしい。よく見ると既にいくつか愛情の証をヴェルトに残されているようだ。

 肩に、首筋に、手の甲に。

「だって明後日から男4人で旅するんだよ? 今のうちにカイラ君が僕のだって証を残しておかないと」

「もう……こんな事しなくても、僕はヴェルトさんのものですよぉ」

「へぇ? なかなか可愛い事言ってくれるじゃない?」

 第2の弱点を指で摘み捏ね回され、カイラは更にティニーを膨らませた。

「ところでさ」

 快楽を逃すように呼吸をするカイラに、ヴェルトは呼びかける。

「カイラ君、すんなりと僕のを受け入れられるようになったでしょ? だからさ。いつか作ってた偽物、もういらないよね? 処分して良いかい」

「だ、ダメです! まだ使ってるんですからっ!」

「使ってる? ……って、カイラ君自分じゃソレ外せないでしょ? 一体何に使ってるのさ」

 しまった。と口を滑らせた事に気付いたがもう遅い。

「使ってます……けど! な、なんだって良いじゃないですか!」

 水を得た魚の如く目を泳がせるカイラの視界を埋め尽くさんばかりに、ヴェルトは顔を近付けた。

「話さないつもりかい? なら僕にも考えがあるよ。話さない限り貞操帯外してあげない」

 カイラは目を丸くして驚いたが、取り乱したのは一瞬だけであった。

「良いんですか? ヴェルトさんだって僕とエッチできなくて辛いんじゃないですか?」

 貞操帯は下着状なので、カイラの尻を全て包み込んでしまっている。

 つまりこれをヴェルトの意思で外さねば、ヴェルト自身も快楽に浸れないのだ。

「別に? 正直言って性欲くらい1人で解消できるし」

 嘘だ。

 このタイミングでカイラの心身を愛せぬなど信じられない。そのうえ己の体は手淫で抑えられぬほど昂っている。

 しかし、人間は意地を張る生き物である。

 例に漏れず意地を張り、ヴェルトは大嘘を吐いたのだった。

 しかし、あまりにも素直で、あまりにも性欲が強く、無情にもそれを発散できないカイラは、すんなり騙されて……

「わ、わかりました……」

 と頬をこれ以上なく赤くしながら答えたカイラ。

 ヴェルトは「良い子だね」とご褒美の口付けを落とした後、クローゼット奥にしまっていた例のブツを取り出した。

 いつか作った、ピンク色の逸物。

 本物の型をとって作った為、ところどころに血管が浮き出ており実に生々しい。

「ほら、これで実演してごらん」

「じ、実演ですか……!?」

「セックスしたくないのかい?」

「したいです」

 光の速さで答えるカイラにヴェルトは苦笑を浮かべた。

「ならやってごらんよ。早くしないと僕の気が変わっちゃうかもよ?」

「わ、分かりましたよぉ!」

 カイラは張形を奪い取った。

 ヴェルトは彼の痴態を見やすいようにベッドの上に座り込む。

「ええと、そのぉ……バカにしないでくださいね?」

 カイラもヴェルトと向かい合うようベッドに座り直した。

「僕がカイラ君をバカにした事なんてあるかい?」

「何度もありますよ」

「そうだったっけ?」

 とぼけているのか本当に忘れているのか判断できず、カイラは大きな溜息を吐いた。

「えっと……これを」

 カイラは偽物を己の欲望と見立てるように、貞操帯のチューブ部分より上の位置にオモチャの根元を押し付ける。

 そして、カイラはそそり立つモノを片手で押さえつつ、空いている片手で慰め始めた。

「……んっ♡」

 ディルドを使用した擬似オナニー。

 カイラがヴェルトから射精禁止を言い渡された時によくやっている、何とも虚しく残念なオナニーの仕方である。

「あのさぁ……それ、気持ち良いのかい?」

 小さく鳴いたカイラを見下ろしながら、ヴェルトは呆れの籠った声で訊ねた。

「気持ち良くないけど気持ち良いんです。こうして偽物ちんちん触ってると、ティニー感じちゃうんです……」

 ゴシゴシと扱かれる偽物の下にいる可哀想なティニー。しかし本当に感じているらしく、貞操帯から雫がトロリと溢れた。

「あっ、でも……せっかく本物がここにあるんだから、触っても良いですよね……♡」

 カイラは偽物をベッドに放り投げて身を伏せると、承諾を得ぬままヴェルトの凶器に顔を近付ける。

 そしてそのまま小さな口を開け、赤い舌の先で肉棒を撫ぜ始めたのだ。

「ちょっと……カイラ君」

「僕、おちんちんに触れませんから……だから、おちんちんに触りたくて仕方ないんです。僕のじゃなくても良いんです。偽物でも、他の人のでも……」

 カイラが(恐らく無意識で)尻を左右にフリフリと振ると、ぶら下がる2つの完熟した果実がプルンプルンと揺れた。

「それに、いつも僕のおちんちんをヴェルトさんに気持ち良くさせてもらってますから。僕もヴェルトさんのおちんちんを気持ち良くさせたいです」

 彼のモノに相応しい玉を1つ口に含み飴玉のように転がす。

 手で鈴口をこしょこしょとくすぐりながら、根元を焦らすように弄ぶ。

 硬直しきった裏筋を、下から上に向かってなぞるように何度も舌を這わせる。

「カイラ君」

 悩ましげな声に「はい?」とカイラは未だ牢屋に囚われているモノを更に濡らしながら顔を上げた。

「どこでそんな舐め方覚えたのさ」

「小説です。借金のカタに売られた男の子が、悪徳貴族を悦ばせるようにイケないご奉仕をするという」

「近いうちにこの屋敷の本、全部処分しようか」

「ダメです! 僕の楽しみを奪わないでください!!」

 珍しく怒声を上げたカイラは、ヴェルトの亀頭を小さな口で包み込んだ。

「……っ」

 奉仕される事には慣れていないらしく、ヴェルトは小さく唸った。

「フーッ♡ フーッ♡」

 息を吸うたびに雄の香りに鼻腔をくすぐられ、カイラは更に劣情を高める。

 ギチギチと金属が音を立てるほど欲望を膨らませる。

 排泄用の穴から、ヒクヒクと物欲しそうに震える蕾が顔を覗かせている。

「カイラ君」

「ほぁい?」

 咥えたまま「はい」と返事するカイラの頭を軽く撫でた。

「そろそろ口離さないと大変な事になるよ?」

 大変な事が何を指しているのかすぐに察したカイラ。しかし口淫を決してやめようとしない。

「……言ったからね?」

 やや苦しそうに目を細めた後、ヴェルトは体をビクッと震わせた。

「ん゛っ♡♡」

 それと同時にカイラの口内を濁流が襲う。

 歯に、舌に、口蓋こうがいに。雄々しい匂いを纏いながら絡み付く。

「っ……ふ、カイラ君、吐き出した方が良いよ」

 雄としての鋭い感覚が静まったのと同時に、ヴェルトは紙を数枚手に取りそれに吐かせようとする。

 しかしカイラはヴェルトが差し伸べた手からプイッと顔を逸らし、涙目になりながらもゆっくり、ゆっくりと愛する人の体液を飲み込む。

「……ふぁ♡」

 全てを胃に流し込み、カイラは目をとろけさせた。

「ヴェルトさんの精子、飲んじゃいました」

「不味かったでしょ?」

「いいえ。美味しかったです」

 強がりにヴェルトはクスッと笑うと、カイラの体勢を直しやった。

 横向けに寝かせ、ヴェルトは彼と向かい合うように寝転がる。

「そろそろカイラ君も気持ち良くしてあげようか」

 カチャリ____

 外れた貞操帯を取り払ってやると、湿り気を帯びたお粗末なモノを恥ずかしげもなく硬直させた。

「あぁっ、勃起きもちい、きもちいっ♡」

 腰をカクカクと動かし、恐らく女の味を知らず終わるであろう肉棒で虚空を突っついた。

「ほら、触ってあげるよ」

 一時的に解放されたに過ぎない若茎を、ヴェルトはそおっと手で包み慰める。

「ひぁ♡ あぁ……♡ 射精♡ しゃせえ……♡」

 ほんの少し擦っただけで自前のローションで全体を濡らしてしまう。

「射精したいのかい?」

「はい♡ したいです♡ ……その後、お尻も可愛がってほしいです♡」

「わがままだね? ……ねぇカイラ君。もし、どっちかでしかイかせてもらえないって言われたら、カイラ君ならどっちを選ぶ?」

 カイラの体に腕を回し、これまた若々しい尻の頬を押し広げる。

「ひぁんっ♡」

 体の中に何かが挿入る感覚にカイラは小動物のように鳴いた。

「ティニーから何も出なくなるまで扱いて欲しい? それとも頭の中真っ白になるまで突いて欲しい?」

   ***

 これは、初めてカイラが雌の悦びを知った後の会話である。

「射精とどっちが気持ち良い?」

「ん? んーと……まだ射精の方が」

「いつか逆転させてみせるよ。これからもたくさん女の子みたいにイけるように頑張ろうね」

   ***

「どっちが良い? 射精とお尻、どっちが好き?」

 2つの快楽を同時に味わされ、カイラは悶えながらも口を開いた。

「お……お尻♡ おっ♡ お尻が良いです♡♡ 体ふわふわするの気持ち良いし……何より、ヴェルトさんと繋がれる事が嬉しくて……♡」

「そっか、じゃあ____」

 満足気に口角を上げたヴェルトは、カイラの体を転がしうつ伏せにさせると、

「泣いちゃうまで可愛がってあげようか」

 カイラの艶姿に当てられ再び猛ったモノを、彼の1番良い部分へ一気に挿入したのだった。

「ああぁあぁっ……♡♡♡」

 下半身から、幸福と快楽がマグマのように競り上がりカイラの体を悦ばせる。

 指先から爪先まで性の悦びに支配され、カイラは両手でシーツを握りしめた。

「後ろからは初めてだね?」

 腕立て伏せのように両手をベッドに突きながら、カイラの頭へ父親のような優しい眼差しを落とした。

 しかしそれと対照的に腰の動きは激しく、淫蕩いんとうな音色を奏でる楽器を掻き鳴らす。

「ふか……あ゛っ♡♡♡ ふがいっ♡♡ ヴェルトさっ♡♡ 深いぃいっ♡♡♡」

 責め立てられる悦びに身を任せ、ただひたすら快楽を声で体外へ逃すだけの機械となったカイラは、足をフルフルと震わせながら喘ぐ。

「あー、確かにいつもより挿入りやすくて奥に届きやすいかも」

 ヴェルトはカイラの体を己の体で包み込むように密着させ、今度は優しく愛でるような腰遣いで、優しくゆっくりと後孔を掻き回す。

「はぁ……♡ はぁ……ん♡ はぁ……♡」

 動きに合わせてハチミツのように甘ったるい鳴き声を上げるカイラ。

「こういう優しいのも好きでしょ?」

「はい♡ 好き♡ 好きです♡」

 ヴェルトは腕立て伏せの体勢に戻して激しく腰を打ち付ける。

「いやぁあっ♡♡ お゛っ♡♡ んぅゔぅ~~ッッ♡♡」

 内臓を激しく掻き回される感覚にカイラは、つい涎を垂らしながら鳴き叫ぶ。

「こういう激しいのも好きだよね?」

「はあ゛っ♡♡ しゅき♡ す……ゔっ♡ すきですぅ……んゔぅうっ♡♡」

「もう全部好きじゃん」

「相手が……あ゛っ♡♡♡  は~~……♡ はぁ~~……♡ ヴェルトさんだから……」

 ヴェルトは再び体を密着させて優しく恋人を愛で始めた。

「ダメだよそんな可愛い事ポンポン言っちゃあ。もっと甘やかしたくなっちゃう」

「良いですよ……もっと♡ もっと甘いのください♡♡」

「後悔しても知らないよ?」

「はい……あっ♡ あぁあ~~ッッ♡♡」
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