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初めての遠征 その2
翌朝
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「おはよう」
既に支度を済ませホテルのロビーで待機していたダーティが、ヴェルトとカイラの姿を見つけ爽やかに微笑んだ。
「良い夜だったか?」
ダーティの問いかけに答えたのはヴェルトである。
「うん。良い夜だったよ」
「良い夜……? っ!」
ようやく良い夜の本当の意味に気付いたらしいカイラが顔をカアッと赤らめダーティから目を逸らした。
「それは何よりだ」
恥ずかしがるカイラにダーティは口角を上げる。
「さて、ヴェルトにカイラ少年、外を見て見ろ。昨日の雨が嘘のようだ」
確かにダーティの言う通り、曇天は消え去り太陽が暖かな光を人間界へ降らせている。
「出発するぞ。いよいよ東地方を抜け、北地方に足を踏み入れる事となる」
「遂にですね!」
恥ずかしさを振り払うように、カイラはにっこりと笑いホテルの窓から空を見上げた。
まるでこれからの旅路が明るいものであると示唆しているかのような空に、カイラは心を弾ませた。
しかし……
ここにいる全員が知らなかった。
これからの旅で最悪な目に遭う事を……
既に支度を済ませホテルのロビーで待機していたダーティが、ヴェルトとカイラの姿を見つけ爽やかに微笑んだ。
「良い夜だったか?」
ダーティの問いかけに答えたのはヴェルトである。
「うん。良い夜だったよ」
「良い夜……? っ!」
ようやく良い夜の本当の意味に気付いたらしいカイラが顔をカアッと赤らめダーティから目を逸らした。
「それは何よりだ」
恥ずかしがるカイラにダーティは口角を上げる。
「さて、ヴェルトにカイラ少年、外を見て見ろ。昨日の雨が嘘のようだ」
確かにダーティの言う通り、曇天は消え去り太陽が暖かな光を人間界へ降らせている。
「出発するぞ。いよいよ東地方を抜け、北地方に足を踏み入れる事となる」
「遂にですね!」
恥ずかしさを振り払うように、カイラはにっこりと笑いホテルの窓から空を見上げた。
まるでこれからの旅路が明るいものであると示唆しているかのような空に、カイラは心を弾ませた。
しかし……
ここにいる全員が知らなかった。
これからの旅で最悪な目に遭う事を……
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