魔導士カイラは許されない〜dark〜

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くじ引き

ディックが人間化 その3

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 湯に浸した布巾で体を清められ、ガーゼや包帯で傷の手当てをしてもらったディックは、満足気にベッドに寝転がっている主人の隣に、甘えん坊モードの猫のように寝転がった。

「なぁ……さっきの、チンポ切るって話なんだが」

「冗談だ」

「やっぱりか」

「……なんだ? 切って欲しいのか?」

「……ん」

 それは肯定の返事だった。被虐性の塊にダーティは鼻白む。

「だが……なぁ、ダーティ。タマ取ったら声って変わんのか?」

「さぁ……? 私は医学には暗いのでね。まぁ、少し高くなるんじゃないか?」

「ならタマは残してくれ。サオはいらねえ」

「おい、そんな事をしたら……もっと惨めな姿になるんだぞ? タマだけぶら下げて、サオがないのに射精を強請る事になる。それにもう私以外とセックスできなくなるぞ?」

「良い。アンタ以外眼中にねえ」

 頼む。とディックはダーティと顔を見合わせた。

 体を恐怖で震わせながらも、表情をとろけさせている様はもはや正気の沙汰ではない。

「チンポもういらないから。切っ……っ!」

 突然ディックは身を震わせた。

 体を密着させていたダーティは、己の太腿に温かな液体が掛けられた事に気付く。

「まさか……まさか。今、ナニが切られる事を想像しただけで射精したのか?」

 流石のダーティも驚き目を見開きながら訊ねると、ディックは少々目を逸らしながら頷いた。

「悪い。今、掃除するから」

 布団を捲り、ダーティに掛かった少量の精を舐めて清め始める。

「……しょうがない奴め」

 ダーティは口角を上げ、ディックの頭を愛おしげに撫でた。

「じゃあ、北地方での公演が終わったら王都へ行こう。手術して、サオだけ取って貰おうか」

「…………っ!」

 男の勲章の実質的な死刑宣告にディックは愛しい人に抱き付いた。

「落ち着け。全力で抱き付かれると苦しいんだ」

 そう命じても更にぎゅうぎゅうと締め付け柔らかな肉茎を擦り付けてくるネコに、ダーティはやれやれと溜息を吐いた。

「切った後に備えて新しい貞操具を用意しなければならないな」

「あ……う……!」

 陰茎を失ってもなお貞操具での射精管理を続けると宣言されたディックは体を火照らせる。

「サオを全て押し込むタイプの貞操具があるんだ。フラット貞操具というんだが。惨めだぞ? 完全にサオに触れられなくなって、まるで無くなったような感覚に陥る。……まぁ、お前の場合、その時には既に本当に無くなってる訳だが」

 ディックは説明だけで更に昂り、呼吸を荒くする。

「それまで貞操具は着けない事にしようか? くらい楽にさせてやろう」

「いや……頼む、着けてくれ。俺にとってソレはダーティの飼いネコだって事を証明する首輪なんだ。……首輪が無えと不安なんだよ。だから……着けてくれ」

 弱々しく願うディックを愛おしく思い、ダーティは身を起こした。

 丁寧に洗浄した貞操具を、仰向けに寝転がるディックに装着させる。

 固定させる為のリングを睾丸に通し、肉茎を閉じ込める檻をリングに押し込む。

 檻とリングの接合部に南京錠を掛け、施錠した。

 カチン。という施錠の音にディックは切なそうに唸り主人にキスを強請った。

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