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☆5スキルを持った少年
☆5スキルの子が産まれちゃった!
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「おぎゃあぁぁぁ!!」
「あなた!見て!私達の子よ。」
「おお!綺麗な稲妻の様な水色っぽい髪の色…よし!名前は『ライ』だ!!
今日からお前は『ライ・エネルジェア』だ!」
◇
そういって元気に産まれたライは、5歳となった。
「緊張するわね…」
そう言って緊張しているのはライの母、アイナだ。
「大丈夫さ。
私達の子だよ。」
そう言ってアイナを鼓舞するのはライの父、フォルクだ。
今日は5歳の誕生日、此の国の決まりとして5歳の誕生日には教会へ行き、『神託』と言う神からの贈り物(スキル)が何なのかを確かめる日である。
「パパーママー何すゆの?」
まだ滑舌も良くない2人の子、ライが尋ねた。
「それでは、此の水晶に触れて下さい。」
答えたのは此の協会の司祭だった。
「えい!」
“ピカァァァ!!”
水晶が光った。
「うわぁぁぁ!何これ~!?」
ライはビックリして尻餅をついた。
「結果が出ました。
えーっと…こ…此れは!」
「どっどうしました!!」
アイナとフォルクが司祭の元へ寄って来た。
「こ…此れは…」
2人も腰を抜かした。
「パパーママーどうちたの~?」
ライの言葉は誰の耳にも入らず、水晶の結果だけを見ていた。
「ほ…☆5スキル…」
不意に司書が口に出した。
「奥さん奥さん!!貴方の息子さん何千年に一度と言われている☆5のスキルを2つも持っていますよ!!」
「えーっと、料理人☆5、食材鑑定☆5か、アイナ!
測り直したか?」
「さっきからやってるわ。
けど何度やっても此の結果なの!」
「…………………」
少しだけ沈黙が走った。
アイナとフォルクは目を見合わせた。
「………っライ!!」
「何?パパー。」
「☆5スキルを持ってるのか!
凄いなぁ流石私達の子だよ!!」
「ええ、そうよ!
凄いわ!ライ。」
2人が喜ぶ中で、司祭は暗い表情をしていた。
「どうしたのですか?」
それに気が付いたアイナは声を掛けた。
「奥さん。☆5スキルを持った子が産まれた事は大変喜ばしい事です。
ですが、料理人。このままでは恐らく死ぬまで王宮の厨房で働かされるでしょう。」
「そ…そんな…」
「そんな事は絶対にさせません!」
フォルクがきっぱりと言った。
ライ達が住んでいるのは王国の外れにある小さな村、『コリニア村』だ。
村から☆5スキルを持った少年が出たとなれば忽ち評判になるだろうが、自分の子を差し出してまで村を活気づける気は無かったようだ。
「では、此の事は隠蔽させていただきます。」
「え?良いんですか?」
本来、司祭は計測した結果を書きしるさなければいけない。
「はい。こんな幼い子を王宮に連れて行けませんから。」
「…はい。本当に有難う御座います。」
2人は涙目になりながら言った。
「あなた!見て!私達の子よ。」
「おお!綺麗な稲妻の様な水色っぽい髪の色…よし!名前は『ライ』だ!!
今日からお前は『ライ・エネルジェア』だ!」
◇
そういって元気に産まれたライは、5歳となった。
「緊張するわね…」
そう言って緊張しているのはライの母、アイナだ。
「大丈夫さ。
私達の子だよ。」
そう言ってアイナを鼓舞するのはライの父、フォルクだ。
今日は5歳の誕生日、此の国の決まりとして5歳の誕生日には教会へ行き、『神託』と言う神からの贈り物(スキル)が何なのかを確かめる日である。
「パパーママー何すゆの?」
まだ滑舌も良くない2人の子、ライが尋ねた。
「それでは、此の水晶に触れて下さい。」
答えたのは此の協会の司祭だった。
「えい!」
“ピカァァァ!!”
水晶が光った。
「うわぁぁぁ!何これ~!?」
ライはビックリして尻餅をついた。
「結果が出ました。
えーっと…こ…此れは!」
「どっどうしました!!」
アイナとフォルクが司祭の元へ寄って来た。
「こ…此れは…」
2人も腰を抜かした。
「パパーママーどうちたの~?」
ライの言葉は誰の耳にも入らず、水晶の結果だけを見ていた。
「ほ…☆5スキル…」
不意に司書が口に出した。
「奥さん奥さん!!貴方の息子さん何千年に一度と言われている☆5のスキルを2つも持っていますよ!!」
「えーっと、料理人☆5、食材鑑定☆5か、アイナ!
測り直したか?」
「さっきからやってるわ。
けど何度やっても此の結果なの!」
「…………………」
少しだけ沈黙が走った。
アイナとフォルクは目を見合わせた。
「………っライ!!」
「何?パパー。」
「☆5スキルを持ってるのか!
凄いなぁ流石私達の子だよ!!」
「ええ、そうよ!
凄いわ!ライ。」
2人が喜ぶ中で、司祭は暗い表情をしていた。
「どうしたのですか?」
それに気が付いたアイナは声を掛けた。
「奥さん。☆5スキルを持った子が産まれた事は大変喜ばしい事です。
ですが、料理人。このままでは恐らく死ぬまで王宮の厨房で働かされるでしょう。」
「そ…そんな…」
「そんな事は絶対にさせません!」
フォルクがきっぱりと言った。
ライ達が住んでいるのは王国の外れにある小さな村、『コリニア村』だ。
村から☆5スキルを持った少年が出たとなれば忽ち評判になるだろうが、自分の子を差し出してまで村を活気づける気は無かったようだ。
「では、此の事は隠蔽させていただきます。」
「え?良いんですか?」
本来、司祭は計測した結果を書きしるさなければいけない。
「はい。こんな幼い子を王宮に連れて行けませんから。」
「…はい。本当に有難う御座います。」
2人は涙目になりながら言った。
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