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一、蕾
一、蕾 ⑭
しおりを挟む竜仁さんが僕の髪を撫でながら、ゆっくり挿入してくる。
「あっあぁっ」
身体を左右に引き裂かれるように固く熱い棘が、ゆっくり挿入されていく。
乱暴にされた方がまだましだ。暴かれながら、輪郭をなぞられ時間をかけて分からされていく。
僕は今、この人に支配されていくのだと。
全身が熱に侵されていく。そして同時にお腹の中を掻きまわされ吐き気もしてきた。
彼が動く度、手で口を必死に抑えて隠した。ギリギリまで抜き、じわじわと中を穿つとさらに奥を暴かれ、引き裂かれそうだった。
気持ちいいというよりは怖い。快楽というよりは、支配されていく恐怖が襲ってくる。
でも痛いのに熱く、穿つたびに吐き気がするのに体が反応していく。
気持ちがいいのか怖いのか、わからない。
体の中で受け止めようとする本能と、拒絶する何かが争っているようだ。自分の体なのに、自分では制御できない。
ただ体の奥から溢れてくる蜜が、摩擦を緩めて段々と痛みを緩和させていく。
かわりに彼の尖った先端が、内襞をなぞるたびに足の指がシーツを掴んだまままがってしまう。
爪を立てて、流れようとしているのは未知の快楽だ。
「やめっ気持ち悪い」
やめて。知りたくない。感じたくない。
こんな、今日会ったばかりの人に簡単に身体を奪われるなんて、屈辱だ。
「我慢して。吐いていいから。君の中の毒を薄めてるんだ。怖いよね」
目じりを拭ってくれるが、再び身体をベットに押し付けると、腰を遠慮なく穿っていく。ベットが大きく軋むの僕の視界が連動して揺れるので、脳が揺らいで感じた。
シーツに押さえつけられた僕の熱棒は、何度も精を放ち、痛みさえ感じてしまう。
「君はお利口だから。一度、受け止めて」
「え、あ、ひゃああっ」
腰を掴まれた瞬間、両腕を使って逃げようとしたが力が敵わなかった。何度も何度も奥へ当たり、中で大きく熱が膨らんでいくのが分かる。
「やだ、こわい、こわっ」
必死で足掻く僕の中に、数回痙攣しながら熱が放たれた。
どくどくと注がれ、満たされ身体が熱くなっていく。
唯一の策が、彼の放たれる精で薄まっていく。出会いたくなかった。出会ってしまった。
「可愛い、私の番」
泣きわめく僕のうなじに口づけたあと、「私が助けますから」と噛みつかれた。
「あ、嗚呼――っ」
項を噛まれる。
その行為の重たさを、よく知っている。知っていたのに。
首筋の痛みを感じながら、意識がどんどん遠くなっていった。
何度も悲鳴をあげながら、その痛みに大粒の涙がこぼれた。
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