72 / 97
信頼という名の、首輪
しおりを挟む
その日の午後、リリスはギルドの厨房で、黙々と野菜の皮を剥いていた。
レストランでの一件以来、彼女は意識的に、より一層仕事に没頭するようになった。
思考を停止させ、手を動かし続けることだけが、胸の内に渦巻く黒い霧から逃れる唯一の方法だったからだ。
フィオナの冷たい視線、メルの謎めいた言葉、そして何よりも、日に日に近づくエヴァとの別離。
それらの不安から目を背けるように、彼女はただひたすらに、ジャガイモの皮を薄く、均一に剥き続けた。
ギルド内の空気が、ここ数日で微妙に変化していることには、彼女も薄々気づいてはいた。
仲間であるはずの冒険者たちが、時折向ける、探るような視線。
以前は気さくに交わされていた会話が、彼女が近づくと不自然に途切れること。
それは、かつて煤の底で、誰もが互いを警戒し、値踏みしあっていた頃の空気に、どこか似ていた。
その予感は、彼女の心を冷たく締め付けたが、リリスはそれを顔には出さなかった。
彼女には、もう嘆く権利などない。
エヴァとの残された時間を、穏やかに過ごすこと。
それが、今の彼女に課せられた、唯一にして絶対の目標だった。
「リリス」
不意に、背後から低い声がかかった。
オーギュストだった。
「少し、いいか。執務室まで来てくれ」
その声は、いつもと変わらぬ、厳格で、しかしどこか父性を感じさせる響きを持っていた。
リリスは、手にしていた包丁を置くと、エプロンで手を拭いながら立ち上がった。
「はい、ギルドマスター」
きっと、次の任務の話だろう。
あるいは、先日提出した討伐報告書の不備についての叱責かもしれない。
彼女は、何の疑いも抱かずに、オーギュストの背中に続いて、厨房を後にした。
廊下を歩く彼の背中は、いつものように広く、頼もしかった。
それが、これから彼女を待ち受ける審判の場の、入り口であることなど、知る由もなかった。
執務室の重厚な扉を開けた瞬間、リリスの全身に、見えない氷の針が突き刺さるような緊張が走った。
部屋の中には、オーギュストだけではなかった。
窓際に立つギルダは、腕を組み、苦虫を噛み潰したような顔で、窓の外の灰色の空を眺めている。
そして、その隣には、エヴァがいた。
彼女は、椅子に座り、血の気の失せた顔で俯いている。
その手は、膝の上で固く、固く握りしめられていた。
部屋の空気は、まるで嵐の前の静けさのように、重く、張り詰めていた。
誰も、一言も発しない。
ただ、魔石灯が時折ぱちりと音を立てるのだけが、この異常な静寂を破っていた。
何かが、おかしい。
リリスの生存本能が、けたたましく警鐘を鳴らす。
これは、ただの業務報告ではない。
これは、尋問だ。
彼女は、ゆっくりと扉を閉めると、まるで被告人のように、部屋の中央に立った。
部屋の中には、三人の人物がいた。
机の向こうに、厳しい表情で腕を組むオーギュスト。
その隣には、苦虫を噛み潰したような顔で、忌々しげに髭を捻るギルダ。
そして、部屋の隅の椅子に、顔を青ざめさせ、固く唇を結んで座っているエヴァ。
誰も、口を開かない。
ただ、三対の視線が、まるで罪人を審問するかのように、リリスの一挙手一投足に突き刺さる。
それは、今まで彼女がこのギルドで感じたことのない、冷たく、査定するような空気だった。
エヴァは、リリスと目が合うと、苦しげに視線を逸らした。
その仕草が、リリスの心臓を鷲掴みにした。
何かが、おかしい。
何かが、決定的に、壊れてしまった。
「……リリス」
長い沈黙を破り、オーギュストが口を開いた。
その声は、いつもよりも低く、重く響いた。
「単刀直入に聞く。貴様の血について、このギルドで噂が立っている。……お前は、魔族の血を引いているというのは、真か?」
その言葉は、雷鳴のようにリリスの頭上で轟いた。
噂。
レストランでの、フィオナとの一件。
あれが、原因か。
彼女は、初めて、自分が仲間たちからどのような目で見られていたのかを、理解した。
受付の男の、あの視線の意味を。
エヴァの、あの苦しげな表情の意味を。
信頼が、音を立てて崩れていく。
自分が積み上げてきた、ささやかな居場所が、足元から崩壊していく感覚。
絶望が、冷たい水のように、足元から這い上がってきた。
*ああ、やはり。どこへ行っても、私は……。*
リリスは、ゆっくりと顔を上げた。
そのガラス玉のような瞳には、もはや何の感情も浮かんでいなかった。
諦観と、そして、全てを投げ出すような、空虚な静寂だけがあった。
「……はい。その通りです」
彼女の答えは、静かだったが、部屋の隅々まで、明瞭に響き渡った。
その言葉を聞いた瞬間、ギルダは忌々しげに舌打ちをし、エヴァは「ああ……」と、か細い呻きを漏らして、手で顔を覆った。
オーギュストだけが、表情を変えずに、リリスをじっと見つめ続けていた。
「全て、話せ。貴様の出自、そして、なぜそれを隠していたのかを」
それは命令だった。
拒否権など、最初から存在しない、絶対的な命令。
リリスは、観念したように、静かに息を吸った。
そして、まるで遠い昔の物語を語るかのように、その唇を開いた。
「私の母は……アイリスは、人間と魔族の間に生まれた、いわゆる雑種でした。彼女自身も、自分の父親が誰なのかは知らなかったと聞いています」
彼女は、感情を排した、淡々とした口調で語り始めた。
「先の大戦で、母が住んでいた村が神聖ルミナール帝国軍に焼かれ、彼女は戦争捕虜として捕らえられました。そして……商品として、ドラコニア共和国の花街に在る、バラ園という娼館に売り飛ばされたのです」
「……」
「そこで、母は、客の一人との間に、私を身籠りました。父が誰なのかは、分かりません。母も、知らなかったでしょう。私は、娼館の片隅で、名も知らぬ男の血と、忌み嫌われる魔族の血を受け継いで、生まれました」
彼女の告白は、衝撃的な内容であったにもかかわらず、その語り口は、まるで他人の歴史を読み上げているかのように、平坦だった。
それは、あまりにも過酷な過去を語るために、彼女自身が編み出した、心を守るための唯一の方法だった。
彼女は続けた。
バーンズ子爵に買われ、性奴隷となったこと。
祝賀会での絶望。
そして、母と共に、法も秩序もない最下層の貧民窟「煤の底」へと売り飛ばされたこと。
その地獄の中で、母を守るために、自らの身体と心を、男たちの暴力に差し出し続けた日々を。
その全てを、涙一つ見せず、声の調子一つ変えずに、語り終えた。
しかし、彼女は一つのことだけを、その心の最も深い場所に隠した。
メル。
あの路地裏で出会った、孤独な少女のことだけは、一言も口にしなかった。
フィオナの冷たい瞳と、メルが一人で膝を抱えていた姿が、脳裏で重なる。
この厄介事に、あの無垢な魂を巻き込むわけにはいかない。
それは、彼女に残された、最後の、そして唯一の意地だった。
リリスが語り終えた後、執務室は、墓場のような沈黙に支配された。
エヴァは、もう声を殺すこともせず、両手で顔を覆い、肩を震わせて泣いていた。
彼女の慈愛に満ちた心は、リリスが背負わされてきた、あまりにも過酷な運命に耐えきれなかった。
ギルダは、目を固く閉じ、その頑強な顔を苦渋に歪ませていた。
魔族への憎悪。
しかし、目の前で全てを告白した少女への、同情と憐れみ。
二つの相反する感情が、彼女の中で激しくせめぎ合っていた。
やがて、オーギュストが、重々しく口を開いた。
「……分かった。貴様の過去は、理解した」
彼は、一度言葉を切り、厳しい視線で、リリス、ギルダ、エヴァの三人を順に見回した。
「この件、ギルドマスターとして、私が裁定を下す」
オーギュストは立ち上がり、ゆっくりとリリスの前まで歩いてきた。
そして、その歴戦の武人の、大きな手を、彼女の肩に置いた。
「リリス。お前は、これからも鉄槌と坩堝の一員だ。それは変わらない」
その言葉に、リリスは僅かに目を見開いた。
追放される。
あるいは、殺される。
その覚悟さえしていた彼女にとって、それは予想外の言葉だった。
「我々は、お前を信じる。お前が、その血に抗い、人間として生きようとしていることを、信じる」
オーギュストの言葉は、温かかった。
だが、その次に続いた言葉は、その温もりを、一瞬で凍てつかせた。
「――だが、それは無条件の信頼ではない。お前は、今日この時から、我々の監視下に置かれる」
「……え?」
「お前の行動は、全て我々が管理する。単独での長期任務は禁止。定期的に、魔力と精神状態のチェックも受けてもらう。これは、お前を信じるからこその、我々が仲間たちに示す、誠意だ」
信頼という名の、首輪。
仲間であるという証明のための、枷。
リリスは、何も言えなかった。
オーギュストの肩に置かれた手の重みが、彼女の未来そのものの重さのように感じられた。
彼女は、地獄から抜け出したはずだった。
居場所を見つけ、仲間を得たはずだった。
しかし、今、彼女はその仲間たちによって、透明な檻の中へと入れられたのだ。
絶望の色が、再び、彼女の瞳の奥深くに、静かに沈んでいった。
レストランでの一件以来、彼女は意識的に、より一層仕事に没頭するようになった。
思考を停止させ、手を動かし続けることだけが、胸の内に渦巻く黒い霧から逃れる唯一の方法だったからだ。
フィオナの冷たい視線、メルの謎めいた言葉、そして何よりも、日に日に近づくエヴァとの別離。
それらの不安から目を背けるように、彼女はただひたすらに、ジャガイモの皮を薄く、均一に剥き続けた。
ギルド内の空気が、ここ数日で微妙に変化していることには、彼女も薄々気づいてはいた。
仲間であるはずの冒険者たちが、時折向ける、探るような視線。
以前は気さくに交わされていた会話が、彼女が近づくと不自然に途切れること。
それは、かつて煤の底で、誰もが互いを警戒し、値踏みしあっていた頃の空気に、どこか似ていた。
その予感は、彼女の心を冷たく締め付けたが、リリスはそれを顔には出さなかった。
彼女には、もう嘆く権利などない。
エヴァとの残された時間を、穏やかに過ごすこと。
それが、今の彼女に課せられた、唯一にして絶対の目標だった。
「リリス」
不意に、背後から低い声がかかった。
オーギュストだった。
「少し、いいか。執務室まで来てくれ」
その声は、いつもと変わらぬ、厳格で、しかしどこか父性を感じさせる響きを持っていた。
リリスは、手にしていた包丁を置くと、エプロンで手を拭いながら立ち上がった。
「はい、ギルドマスター」
きっと、次の任務の話だろう。
あるいは、先日提出した討伐報告書の不備についての叱責かもしれない。
彼女は、何の疑いも抱かずに、オーギュストの背中に続いて、厨房を後にした。
廊下を歩く彼の背中は、いつものように広く、頼もしかった。
それが、これから彼女を待ち受ける審判の場の、入り口であることなど、知る由もなかった。
執務室の重厚な扉を開けた瞬間、リリスの全身に、見えない氷の針が突き刺さるような緊張が走った。
部屋の中には、オーギュストだけではなかった。
窓際に立つギルダは、腕を組み、苦虫を噛み潰したような顔で、窓の外の灰色の空を眺めている。
そして、その隣には、エヴァがいた。
彼女は、椅子に座り、血の気の失せた顔で俯いている。
その手は、膝の上で固く、固く握りしめられていた。
部屋の空気は、まるで嵐の前の静けさのように、重く、張り詰めていた。
誰も、一言も発しない。
ただ、魔石灯が時折ぱちりと音を立てるのだけが、この異常な静寂を破っていた。
何かが、おかしい。
リリスの生存本能が、けたたましく警鐘を鳴らす。
これは、ただの業務報告ではない。
これは、尋問だ。
彼女は、ゆっくりと扉を閉めると、まるで被告人のように、部屋の中央に立った。
部屋の中には、三人の人物がいた。
机の向こうに、厳しい表情で腕を組むオーギュスト。
その隣には、苦虫を噛み潰したような顔で、忌々しげに髭を捻るギルダ。
そして、部屋の隅の椅子に、顔を青ざめさせ、固く唇を結んで座っているエヴァ。
誰も、口を開かない。
ただ、三対の視線が、まるで罪人を審問するかのように、リリスの一挙手一投足に突き刺さる。
それは、今まで彼女がこのギルドで感じたことのない、冷たく、査定するような空気だった。
エヴァは、リリスと目が合うと、苦しげに視線を逸らした。
その仕草が、リリスの心臓を鷲掴みにした。
何かが、おかしい。
何かが、決定的に、壊れてしまった。
「……リリス」
長い沈黙を破り、オーギュストが口を開いた。
その声は、いつもよりも低く、重く響いた。
「単刀直入に聞く。貴様の血について、このギルドで噂が立っている。……お前は、魔族の血を引いているというのは、真か?」
その言葉は、雷鳴のようにリリスの頭上で轟いた。
噂。
レストランでの、フィオナとの一件。
あれが、原因か。
彼女は、初めて、自分が仲間たちからどのような目で見られていたのかを、理解した。
受付の男の、あの視線の意味を。
エヴァの、あの苦しげな表情の意味を。
信頼が、音を立てて崩れていく。
自分が積み上げてきた、ささやかな居場所が、足元から崩壊していく感覚。
絶望が、冷たい水のように、足元から這い上がってきた。
*ああ、やはり。どこへ行っても、私は……。*
リリスは、ゆっくりと顔を上げた。
そのガラス玉のような瞳には、もはや何の感情も浮かんでいなかった。
諦観と、そして、全てを投げ出すような、空虚な静寂だけがあった。
「……はい。その通りです」
彼女の答えは、静かだったが、部屋の隅々まで、明瞭に響き渡った。
その言葉を聞いた瞬間、ギルダは忌々しげに舌打ちをし、エヴァは「ああ……」と、か細い呻きを漏らして、手で顔を覆った。
オーギュストだけが、表情を変えずに、リリスをじっと見つめ続けていた。
「全て、話せ。貴様の出自、そして、なぜそれを隠していたのかを」
それは命令だった。
拒否権など、最初から存在しない、絶対的な命令。
リリスは、観念したように、静かに息を吸った。
そして、まるで遠い昔の物語を語るかのように、その唇を開いた。
「私の母は……アイリスは、人間と魔族の間に生まれた、いわゆる雑種でした。彼女自身も、自分の父親が誰なのかは知らなかったと聞いています」
彼女は、感情を排した、淡々とした口調で語り始めた。
「先の大戦で、母が住んでいた村が神聖ルミナール帝国軍に焼かれ、彼女は戦争捕虜として捕らえられました。そして……商品として、ドラコニア共和国の花街に在る、バラ園という娼館に売り飛ばされたのです」
「……」
「そこで、母は、客の一人との間に、私を身籠りました。父が誰なのかは、分かりません。母も、知らなかったでしょう。私は、娼館の片隅で、名も知らぬ男の血と、忌み嫌われる魔族の血を受け継いで、生まれました」
彼女の告白は、衝撃的な内容であったにもかかわらず、その語り口は、まるで他人の歴史を読み上げているかのように、平坦だった。
それは、あまりにも過酷な過去を語るために、彼女自身が編み出した、心を守るための唯一の方法だった。
彼女は続けた。
バーンズ子爵に買われ、性奴隷となったこと。
祝賀会での絶望。
そして、母と共に、法も秩序もない最下層の貧民窟「煤の底」へと売り飛ばされたこと。
その地獄の中で、母を守るために、自らの身体と心を、男たちの暴力に差し出し続けた日々を。
その全てを、涙一つ見せず、声の調子一つ変えずに、語り終えた。
しかし、彼女は一つのことだけを、その心の最も深い場所に隠した。
メル。
あの路地裏で出会った、孤独な少女のことだけは、一言も口にしなかった。
フィオナの冷たい瞳と、メルが一人で膝を抱えていた姿が、脳裏で重なる。
この厄介事に、あの無垢な魂を巻き込むわけにはいかない。
それは、彼女に残された、最後の、そして唯一の意地だった。
リリスが語り終えた後、執務室は、墓場のような沈黙に支配された。
エヴァは、もう声を殺すこともせず、両手で顔を覆い、肩を震わせて泣いていた。
彼女の慈愛に満ちた心は、リリスが背負わされてきた、あまりにも過酷な運命に耐えきれなかった。
ギルダは、目を固く閉じ、その頑強な顔を苦渋に歪ませていた。
魔族への憎悪。
しかし、目の前で全てを告白した少女への、同情と憐れみ。
二つの相反する感情が、彼女の中で激しくせめぎ合っていた。
やがて、オーギュストが、重々しく口を開いた。
「……分かった。貴様の過去は、理解した」
彼は、一度言葉を切り、厳しい視線で、リリス、ギルダ、エヴァの三人を順に見回した。
「この件、ギルドマスターとして、私が裁定を下す」
オーギュストは立ち上がり、ゆっくりとリリスの前まで歩いてきた。
そして、その歴戦の武人の、大きな手を、彼女の肩に置いた。
「リリス。お前は、これからも鉄槌と坩堝の一員だ。それは変わらない」
その言葉に、リリスは僅かに目を見開いた。
追放される。
あるいは、殺される。
その覚悟さえしていた彼女にとって、それは予想外の言葉だった。
「我々は、お前を信じる。お前が、その血に抗い、人間として生きようとしていることを、信じる」
オーギュストの言葉は、温かかった。
だが、その次に続いた言葉は、その温もりを、一瞬で凍てつかせた。
「――だが、それは無条件の信頼ではない。お前は、今日この時から、我々の監視下に置かれる」
「……え?」
「お前の行動は、全て我々が管理する。単独での長期任務は禁止。定期的に、魔力と精神状態のチェックも受けてもらう。これは、お前を信じるからこその、我々が仲間たちに示す、誠意だ」
信頼という名の、首輪。
仲間であるという証明のための、枷。
リリスは、何も言えなかった。
オーギュストの肩に置かれた手の重みが、彼女の未来そのものの重さのように感じられた。
彼女は、地獄から抜け出したはずだった。
居場所を見つけ、仲間を得たはずだった。
しかし、今、彼女はその仲間たちによって、透明な檻の中へと入れられたのだ。
絶望の色が、再び、彼女の瞳の奥深くに、静かに沈んでいった。
0
あなたにおすすめの小説
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
忘れ去られた婚約者
かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』
甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。
レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。
恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。
サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!?
※他のサイトにも掲載しています。
毎日更新です。
夫と愛し合った翌朝、一方的に離縁されました【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
美しい公爵夫人マルグリートは、冷徹な夫ディートリヒと共に、王国の裏で密かに任務をこなす“悪女”。
だがある日、突然夫から離婚を言い渡される。しかもその裏には、平民の愛人の存在が──。
失意の中、王命で新たな婚約者・エルンストと結ばれることに。
どうやら今回の離婚再婚は、王家の陰謀があるよう。
「悪女に、遠慮はいらない」
そう決意した彼女は、華やかな舞踏会で王に真っ向から言い放つ。
「わたくし、人の家庭を壊しておきながら悪びれない方に、下げる頭は持っていませんの。
王族であられる前に、人におなりくださいませ。……失礼」
愛も、誇りも奪われたなら──
今度はこの手で、すべてを取り戻すだけ。
裏切りに燃える、痛快リベンジ・ロマンス!
⚠️本作は AI の生成した文章を一部に使っています。タイトル変えました。コメディーです。主人公は悪女です。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
復讐の悪女になるはずが、天使系義兄からピュアな執着と溺愛で邪魔されてます!
鈴宮(すずみや)
恋愛
サウジェリアンナ王国の王女エルシャは、不幸だった前世の記憶を持って生まれてきた。現世ではみんなから愛され、幸せになれると信じていたエルシャだったが、生後五ヶ月で城が襲撃されてしまう。
絶体絶命かと思いきや、エルシャは魔術師の男性から救出された上『リビー』という新たな名前を与えられ、養女として生きることに。
襲撃がジルヴィロスキー王国によるものと気づいたリビーは、復讐のため王太子妃になることを思いつく。けれど、義理の兄であるゼリックがあまりにもリビーを溺愛するため、せっかく王太子アインハードに近づくことに成功しても、無邪気に邪魔され計画がうまく進まない。
ゼリックの干渉を減らすためリビーは彼の婚約者を探したり、ゼリック抜きでアインハードとお茶をして復讐を成功させようと画策する。
そんな中、十六歳に成長したリビーはアインハードと同じ学園に入学し、本格的なアプローチを開始する。しかし、ゼリックが講師として学園へ来てしまい、チャンスをことごとく潰されてしまう。
(わたしは復讐がしたいのに!)
そう思うリビーだったが、ゼリックから溺愛される日々はとても幸せで……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる