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理不尽ってさ
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アルクス本部。
ここには、世界中から質のいい砡の欠片が集められ、日々役に立つ機械導具が造られている。
一方、教会の協力により、人々が幼い頃に行われるようになった『審査』により、展開率が高い子供たちの砡に対する力の使い方を覚える初等部と、それをパスした後、若い世代の砡術士を本格的に目指す者が学ぶ、養成部がある。
故に、外観は広大な学園のような佇まいで、中央の総括塔を軸に、左側が学舎、右側が開発棟となっている。
総括塔には、アルクス所属の砡術士が日頃から勤務しており、学生の憧れの職場でもある。
そして、今ディランとアシュトが居るのは、総括塔の地下。だだっ広いそこは、砡術士たちの修練場である。
「ディラン様ー、なーんでいきなり、オレらここに居るっすか。理不尽すぎやしませんか」
精気を失いかけた目で、アシュトはぼやく。
「知らねぇよ。ルシオ様に面会頼んだら、ここに来いって言われただけだし。」
ディランも納得いかない!といった表情で苛立ちを隠さない。
「やぁ、お二人さん。僕に用事だって?ちょうど良かった。今ね、新しい機械導具を試してくれる被験者が必要だったんだよ~。付き合ってくれてら用件を聞こう。ほら、そこ立って。全力で防いでみてね~、あ、風の君は避ける専門でいいよってことでいくよ!!!!!」
ツカツカと革靴の良い音をたてながら、相変わらずの早口で言いたいことを述べる。
美しい銀髪を腰のあたりまで伸ばしている線の細い男。アイスブルーの瞳は冷たく光っていた。
アルクスの創立者の一人。
砡の力に魅せられ、あらゆる機械導具を世に生み出してきた立役者。
砡術士が砡術士として生けていけるのは全てこの人のお陰。
だから、だれも強く言えないのだ。
彼の横暴に逆らえないのだ。
理不尽だ。
「はぁっ?何で話聞くだけなのにソレに付き合うっ!?
って、わぁあああっ!!!!?」
ドゴォッ!!!!
アシュトの文句も受け付けず、突然の攻撃。白煙がおさまると、衝撃のあった床は二メートル程のクレーターが出来上がっていた。凄まじい《力》の発現。
この度作成したのは緋色のグローブ、らしい。
ヒョロっとした体型の彼でさえ、軽く殴っただけでこの威力。
「えっげつねぇ!!!ヒドイ!!!」
衝撃が当たる瞬間、ほぼ同時に翼を展開し、眷属の加護を得た機械導具を扱うアシュトの翼は金の光を纏い、美しく飛翔する。
「・・・。」
ルシオは、その一瞬の発動と、翼が纏う金の光を見て、眉を歪めた。
「次は、君だよ。」
「ッ!・・・ちっ。」
次の標的はディラン。大剣を抜き、すべての攻撃を剣で受け止める。
「細い体して、なんでそんな武闘派な動きできんだよっ!!」
「はぁ?何言ってるんだい。僕はエルフだよ?何年生きてるとお思いで?何でもできて当たり前だろうさッ!!
たかが百年で老いぼれるヒト族程度と比べられてもねぇ?」
ガキン、キンッ!!
「ちっ!
似合わねぇんだよッ!!!クソエルフがぁーー!!」
ディランが、高く跳び上がったルシオを目で捕らえ、素早く剣を突き上げる。
狙いは、機械導具と砡の欠片の接続部分。あれさえ壊せば、使い手の意思は砡から離れる。
キィン!!
ディランの狙いどおり、接続されたコードが切れた。
すとん、と軽やかに着地すると、
「ふぅーむ。やはりここを狙われると弱いなぁ。だとしたら薄い膜で覆う?いやそれでは美しいディテールが失われてしまう美学に反するならば・・・」
試作の機械が壊れたとたん、攻撃をやめてブツブツと改善策について呟きだした。
(・・・も、イヤ。)
いつも、このエルフに襲われて、ボコボコにされる術士も多い。
回避力抜群のアシュトや、攻撃力随一のディランだから、無傷で凌げるけれど、何か、こう、疲弊する。何とかしてほしい。
「・・・よし、改善策も浮かんだことだし。あー、そこな風の君。その砡の欠片は何?もしかして最近神様にお会いした?それって眷属の色だよねぇ何があったの説明してくれない?
あと皇弟殿下もその色、何?見たこと無い色してるよね。僕が作った時より性能が上がっているように見えるねぇ?」
今の動きで見抜かれるあたり、このエルフはやはり凄い人なのだろう。
そして。
「僕のディーテ様に、お・あ・い・し・た・の?」
この世で彼ほどの神様フリークはいない。
ここには、世界中から質のいい砡の欠片が集められ、日々役に立つ機械導具が造られている。
一方、教会の協力により、人々が幼い頃に行われるようになった『審査』により、展開率が高い子供たちの砡に対する力の使い方を覚える初等部と、それをパスした後、若い世代の砡術士を本格的に目指す者が学ぶ、養成部がある。
故に、外観は広大な学園のような佇まいで、中央の総括塔を軸に、左側が学舎、右側が開発棟となっている。
総括塔には、アルクス所属の砡術士が日頃から勤務しており、学生の憧れの職場でもある。
そして、今ディランとアシュトが居るのは、総括塔の地下。だだっ広いそこは、砡術士たちの修練場である。
「ディラン様ー、なーんでいきなり、オレらここに居るっすか。理不尽すぎやしませんか」
精気を失いかけた目で、アシュトはぼやく。
「知らねぇよ。ルシオ様に面会頼んだら、ここに来いって言われただけだし。」
ディランも納得いかない!といった表情で苛立ちを隠さない。
「やぁ、お二人さん。僕に用事だって?ちょうど良かった。今ね、新しい機械導具を試してくれる被験者が必要だったんだよ~。付き合ってくれてら用件を聞こう。ほら、そこ立って。全力で防いでみてね~、あ、風の君は避ける専門でいいよってことでいくよ!!!!!」
ツカツカと革靴の良い音をたてながら、相変わらずの早口で言いたいことを述べる。
美しい銀髪を腰のあたりまで伸ばしている線の細い男。アイスブルーの瞳は冷たく光っていた。
アルクスの創立者の一人。
砡の力に魅せられ、あらゆる機械導具を世に生み出してきた立役者。
砡術士が砡術士として生けていけるのは全てこの人のお陰。
だから、だれも強く言えないのだ。
彼の横暴に逆らえないのだ。
理不尽だ。
「はぁっ?何で話聞くだけなのにソレに付き合うっ!?
って、わぁあああっ!!!!?」
ドゴォッ!!!!
アシュトの文句も受け付けず、突然の攻撃。白煙がおさまると、衝撃のあった床は二メートル程のクレーターが出来上がっていた。凄まじい《力》の発現。
この度作成したのは緋色のグローブ、らしい。
ヒョロっとした体型の彼でさえ、軽く殴っただけでこの威力。
「えっげつねぇ!!!ヒドイ!!!」
衝撃が当たる瞬間、ほぼ同時に翼を展開し、眷属の加護を得た機械導具を扱うアシュトの翼は金の光を纏い、美しく飛翔する。
「・・・。」
ルシオは、その一瞬の発動と、翼が纏う金の光を見て、眉を歪めた。
「次は、君だよ。」
「ッ!・・・ちっ。」
次の標的はディラン。大剣を抜き、すべての攻撃を剣で受け止める。
「細い体して、なんでそんな武闘派な動きできんだよっ!!」
「はぁ?何言ってるんだい。僕はエルフだよ?何年生きてるとお思いで?何でもできて当たり前だろうさッ!!
たかが百年で老いぼれるヒト族程度と比べられてもねぇ?」
ガキン、キンッ!!
「ちっ!
似合わねぇんだよッ!!!クソエルフがぁーー!!」
ディランが、高く跳び上がったルシオを目で捕らえ、素早く剣を突き上げる。
狙いは、機械導具と砡の欠片の接続部分。あれさえ壊せば、使い手の意思は砡から離れる。
キィン!!
ディランの狙いどおり、接続されたコードが切れた。
すとん、と軽やかに着地すると、
「ふぅーむ。やはりここを狙われると弱いなぁ。だとしたら薄い膜で覆う?いやそれでは美しいディテールが失われてしまう美学に反するならば・・・」
試作の機械が壊れたとたん、攻撃をやめてブツブツと改善策について呟きだした。
(・・・も、イヤ。)
いつも、このエルフに襲われて、ボコボコにされる術士も多い。
回避力抜群のアシュトや、攻撃力随一のディランだから、無傷で凌げるけれど、何か、こう、疲弊する。何とかしてほしい。
「・・・よし、改善策も浮かんだことだし。あー、そこな風の君。その砡の欠片は何?もしかして最近神様にお会いした?それって眷属の色だよねぇ何があったの説明してくれない?
あと皇弟殿下もその色、何?見たこと無い色してるよね。僕が作った時より性能が上がっているように見えるねぇ?」
今の動きで見抜かれるあたり、このエルフはやはり凄い人なのだろう。
そして。
「僕のディーテ様に、お・あ・い・し・た・の?」
この世で彼ほどの神様フリークはいない。
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