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二章 宝探し
44 宝探し
しおりを挟む遠くで聞こえるのは、誰かの声
何を言ってるの?
「 」
聞こえない。
だけど、何故だろう。
僕に話しかけている、声はするんだ。
「 」
あと少し、意識を集中したら、なんて言ってるのか…分かりそうなのに。
夢だからか、思い通りにならなくて歯痒くて。
◆◇
「………………ぁ。」
目が覚めると、いつもの寮部屋だった。
(変な夢……。言葉じゃない、何かで話しかけられてたような……気持ち悪い感覚………。)
重たく感じる身体を起こして、大きく深呼吸。
背伸びと共に、一気に吸って、吐くとほんの少し楽になった。
リリリ♪
デンワが鳴る。魔核から発する光の板には、登録した相手の名前が浮かぶようになってるんだけど、そこにはエディオの名前。
エディオとフェリクスさんにも、便利だからって渡しといたんだ。
だけど、滅多に電話なんてしてこない彼が、こんなに朝はやくに…何だろう?
「エディオ?どうしたんだよ。」
『ティルエリー!起きてたか。あのさ、フェリクスが昨日面白いモン見つけてさ。』
「面白い、もの?」
『あぁ!例の宝探しだ。アールベル王子と、あのピンクの嬢ちゃんとお前の友人連れて、工房に集合な。』
「ん?わ、わかった!」
ピンクの嬢ちゃんって、シャルルだよね?
ヴォルカー様は、僕が行くところはいつも一緒だし。ふふっ。もう、ブロディアになるために、練習してるんだよ。
護衛騎士って、神殿騎士とは違うから、どちらかというとフェリクスさんがやっていた近衛の役割に近いんだって。
だから、エディオの側に居るフェリクスさんから色々教わってくださってる。
僕は二人を誘い、工房に赴くとエディオとフェリクスさんが既に扉の前で待っていた。
「おはよ!宝探しの情報だって?」
「あぁ!フェリクスから話を聞いたら、居ても立っても居られなくなってさ!」
お?なんだか楽しそうだな。
僕も自然と頬が緩んだ。
宝探し、っていうのは、以前シャルルから教わった、ハウザー様のアーティファクトのこと。
あれから工房に出入りしてるみんなで、島のいろんなところを探していたんだ。
特に、僕とギーヴやシャルル、ヴォルカー様はは学園内を。
ツインタワー周辺や街の方はエディオとフェリクスさん、勿論アールベル様も。
そして、ツインタワー周辺で、見つけたみたいなんだけど。
「ティル様ぁ!おはようございます~!朝からその笑顔!素敵すぎます!あぁっ眩しい……グフッ……」
最後の方、何か変な音がしたけど……何だろう。
「……おお…。安定の変態ぶりだな、マルローズ…。」
ギーヴも引き攣ってるな。
「推しの笑顔こそが私の生きるエキスなのよ。ティル様が笑顔でいられることこそ私の至福!」
ここで言う推しってのは、つまり僕のこと?ふわ、僕が笑顔だと、シャルルも元気。僕が元気でいられるのは、彼女のおかげでもあるのにね。ほんと、いい子だよなぁ。
「ふふっ。妬けてしまうなぁ。私もシャルル嬢推しなのだけどね。」
「もー!アル様は黙って!」
…………ぁ、アル様っ!?えぇっ?愛称呼び!?
なんで!?そしてシャルル、どんどん絆されてるぞ。もう、アールベル様の好い人になっちゃってるぞ!
二人の距離の縮まりように吃驚していると、今度は僕の好い人の声。
「おはようございます、エリィ、皆様も。」
ふわり、と薫る、甘く痺れるような香り。
香水かな?何使ってるの?
僕も同じものにしたい…。
「ヴォルカー様、おはようございます…。」
テレ。
すすす、と音もなく寄り添って、もう一度ヴォルカー様の匂いをスンスンと嗅いで肺に含む。
しあわせ………。
「…エリィ?」
「ふにゃっ?……す、すみませんっ!!!」
「あぁ、揃ったな。フェリクス、案内してくれ!」
「はい。」
フェリクスさんは何処か嬉しそうに先導し歩き出した。
「何処へ行くの?」
「シャルル嬢が言ってた、ツインタワーの裏の森だよ。フェリクスが探索して、見つけたんだ。」
「うわー!!!やった!!」
◆◇
ってなわけで、ここは、ツインタワーの裏手にある森の入口なんだけど。
「まさか、フェリクスさんが一番はじめに見つけるなんて思わなかったなー。」
「私は、いざというときの退路だとか、抜け道などを探すのが得意でして。一見、獣道のように見えたこちらの森の入口も、よく見たら…ほら。」
フェリクスさんが、苔を足で削ると、丸い敷石が現れた。
「え、石畳……?」
石畳、と呼ぶには剥がれすぎていて、そう思わなければ信じられないくらい。
「大昔は、ここは神殿に続く回廊…だったのかもしれませんね。」
「神殿?」
神殿、という単語に反応したのは、ヴォルカー様。
「えぇ。、ですが、やはりヴォルカー様の方が詳しいかもしれません。」
創造神を祀る神殿かな?
「実際に見たほうが良い。行きましょう!」
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