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第6章 変化と成長と新たな旅
彼の強みは?
しおりを挟む「雷魔法!………………」
「……………………」
『……………………』
リーブは手を前に出してそう唱えるものの、雷どころか魔力すら込められてない。壊滅すぎて私だけではなくドゥルグレまで黙っちゃってる。
リーブのお願いを聞いて、私は自分の雷の魔力を渡した。けど、渡したからといってイコール使える、とはならないようだ。この実験をする前に、現在使える魔法を使ってもらって基本的な魔力を確認した時おもったけど、やっぱり………………………
『才能がねえな』
「……………………!」
ドゥルグレはつまらなげに言った。いや!そんなはっきりいっちゃだめでしょ!ほら!リーブが涙目になってる!
けれども、流石幼稚な太陽神。これだけでは終わるわけもなく。
『基本的な魔法は平均的に全部使えるが威力は中の上、おまけに範囲が狭い。いかにも模範解答通りの魔力だ。他の人間よりもちょこっとだけ上程度か?まあはっきり言っちゃえば凡人だよな。
クソ女の魔力をなんの身体的抵抗もなしに受け入れられるのは少し特殊だが、それを使えないようじゃ宝の持ち腐れだな。よくもまあ龍神に教えてくれなんて言えるもんだ。
クソ女は認めたくないが魔力が化け物だ。正確には魔力じゃねえがそれでも魔法と同等かそれ以上の代物だ。人間がそれを使おうとすること時点が厚顔無恥だな。いや、不敬と言ってもいい』
「…………………………」
この通りのマシンガントークだ。でもガチレスのアドバイスをするんだから面倒見良すぎない?実は良い奴なんじゃないのコイツ?
とまあそれはさておき。概ねドゥルグレの言う通りのことを思った。でもあまりに可哀想すぎて意気消沈しているリーブに話しかける。
「そ、そんなに落ち込むことないよ!魔法じゃなくても色々あるじゃない?ほら、剣術とか!」
「私はレイヴ様を持ったアルティア様に敵いません…………」
「じゃあ!体術とか!」
「ラフェエル様が…………」
「げ、幻獣は!?私、力を貸すよ!」
『やー、そいつにゃ無理だろうよ、あのリーファが契約した女は特殊例だしな。そもそも、雷の魔力を渡したのに使えないのにそんな特殊能力使えないだろうよ』
「…………………」
「………………」
………………これは詰んではいないか?この世の終わりみたいな顔をしているリーブが痛々しい。なんか、他にもなんか得意なことがあれば………………………
「アル」
「あ、ラフェー」
必死にどうすればいいか考えていると、ラフェーが来た。ドゥルグレを見て嫌な顔をしていたけど、すぐにリーブの存在に気づいた。
「……………何をしているんだ?リーブ 」
「も、申し訳ございませんラフェエル様!」
「謝らなくていい。何をしているのか聞いているんだ」
ぎろ、と睨むラフェエル。リーブは今日厄日なのかな?流石にこれでラフェエルに怒られたら泣いちゃうわ。
「あー、えー…………リーブの得意なことを探してたの!私、リーブに強くなって欲しいから、強み探しというか…………」
「な、アルティア様___「ね?リーブ」…………はい」
これで一件落着、問題は解決してないけど悲惨な結果はない………はず。1人自己完結していると、ラフェエルはさも当然だと言わんばかりに言った。
「リーブの強みは"解除魔法"だが?」
「え?」
『は?』
「……………?」
予想外の答えに、私とドゥルグレ、リーブまでも首を傾げた。
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