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マミューラと生徒達
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【クラスマッチ・先生と生徒のバトルイベント】
「注目度が高かった大成君VSランドニー先生の戦いは、まさかの驚きの大成君の圧勝という結末になりましたが、まだまだイベントは見どころ満載なので皆さん最後まで観戦して下さい。さぁ、続いて行きましょう!優勝クラスのルネルさん、マルチス君、ユニさんはマミューラ先生を指命していますが、他の生徒達全員もマミューラ先生を指名してます。マミューラ先生どうしますか?一人ずつ順番に闘いますか?それとも、恒例行事みたいに生徒達全員を纏めて相手にしますか?」
ミクがマミューラに尋ねる。
「フン、纏めてきても構わんさ。それより、とっとと進めろ」
興味がないような態度で答えるマミューラ。
「それでは、マミューラ先生。それに、マミューラ先生を指名した生徒の皆さん、リングに上がって下さい」
ルネル、マルチス、ユニ以外の他の生徒は、勝利を確信しておりニタニタと笑いながらリングに集まった。
「ん?お前達は、そんな端で何を企んでいる?」
1組のギシマムは、ルネル達3人がリングの端に移動したので怪訝な顔で怪しんだ。
「別に何も企んでないわ。私達はマミューラ先生と一騎打ちがしたいの。だから、邪魔にならないように端に移動しただけだから気にしないで頂戴」
真剣な表情でルネルが説明し、ルネル達の瞳には力強さが宿っていた。
「フ、フン…。だが、一騎打ちは無理だな。なぜなら、俺達が倒して終わるからだ」
ルネル達の気迫に、ギシマム達はたじろいだ。
「どうでもいいが、さっさと始めろミク」
言葉とは裏腹にルネル達を見て、頬緩めるマミューラ。
「それでは、試合開始です!」
ミクが試合開始の合図をした瞬間、生徒の皆は身体強化をした。
マミューラは身体強化をしないまま、生徒達に向かって走る。
「作戦通りに行くぞ!」
「「了解!」」
「「アイス・ボール」」
「「ファイア・ボール」」
「「エア・ショット」」
「「アース・ショット」」
ギシマムの掛け声と共に、生徒達は魔法を唱える。
「撃てぇ~っ!」
ギシマムの掛け声とともに、魔法を放つ生徒達。
生徒達は、人数が多いので仲間に当てない様に魔法は上空から地上を走るマミューラに目掛けて放った。
マミューラはニヤリと口元を緩め、スピードを一気に上げて加速することで魔法は全てマミューラが通り過ぎた後方に着弾していく。
「う、嘘だろ!」
「つ、次の指示は何?」
「は、早く指示を!」
マミューラが目の前まで接近してきている中、生徒達は自分で判断できずパニックに陥る。
日頃、自分で考えず人の言う通りにしか動かないのが仇となったのだった。
「「ぐぁっ」」
「「がはっ」」
「「きゃっ」」
生徒達はマミューラに接近され、次々と殴られたり蹴られたりし倒れて気絶していく。
「こ、こんな筈じゃ…。ぐぉっ…」
ギシマムは予定外の現状に狼狽え、何もできずにマミューラに鳩尾を殴られ倒れた。
そして、端にいるルネル達以外の生徒達は、その場で倒れて気絶しており全滅したのだった。
気絶した生徒を他の先生達が担ぎ上げ、邪魔にならないようにリングの上から運び出した。
マミューラは一息つき、ルネル達の方を向く。
「待たせたか?お前達」
「いえ、予想していたよりも随分と早かったですよ」
ルネル達は、マミューラの闘いを間近で見て笑顔を浮かべていたが武者震いで体が震えていた。
ルネル達の震えは怯えではなく、武者震いだとマミューラも気付き興味が湧いた。
「ククク…そうか。で、誰からだ?」
「私から行きます!」
「ユニか。良いだろう」
ユニは手を挙げ、リングの中央へと向かう。
「いつでも、掛かってきていいぞ」
「じゃあ、行きます!アイス・ミサイル」
ユニは氷魔法アイス・ミサイルを唱えて氷の矢12本を放ったが、狙いは直接マミューラを狙わず自分の少し離れているリングに放ちながらマミューラに向かって放つ。
氷の矢は、リングに突き刺さり周囲を凍らせていく。
「アイス・ミサイル」
ユニは、何度も連続でアイス・ミサイルを連射する。
「チッ、大和の入知恵か?」
マミューラは、舌打ちしながら回避する。
ユニには、狙いがあった。
【過去・クラスマッチ練習・グランド】
クラスマッチ練習中…。
「はぁはぁ、大和君が相手だと全く勝てる気がしない。っていうより、そもそも攻撃を当てれる気がしないよ」
「くっ、同感だぜ。流石、師匠だぜ…」
ユニとマルチスは疲弊しており、グランドでへたり込んで呼吸が乱れていた。
「少し休憩しようか?」
ルネルはバルーンの練習していたので、2対1でペア戦の練習相手をしていた大成。
ユニとマルチスが疲れていたので、大成は休憩を提案した。
「ねぇ、大和君。大和君みたいに回避のすごい人と闘う場合はどうすれば攻撃を当てれるの?あっ、流石に教えれないよね…。自分の対策を教えるようなものだもの」
「ん?いや、別に気にしていないから教えるよ。回避が高い人が相手なら直接狙うより、アイス・ミサイルを自分の少し離れている地面から相手に向かって放ちながら狙う。そうしたら、接近されても上手くいけば、アイス・ミサイルで地面が凍っているから、足を滑らせて体勢を崩す可能性があるし、攻撃を防がれたとしても足元が凍っているから相手を後ろへ下がらせて距離を取ることができるよ」
まさか大成が答えてくれるとは思わず、呆然と身動きできずにいるユニとマルチス。
「え、えっと、地面を凍らすならフリーズでも良いと思うけど」
「フリーズは魔力消費が大きい割りに範囲が狭いのと自分の足元も凍る。だけど、アイス・ミサイルは自分で凍らせたい場所を決めることもできて離れている場所を凍らせたり相手の牽制もできる」
「そうか」
「流石、師匠だぜ」
「取り敢えず、試してみると良いと思う」
大成の説明を聞いて納得するユニとマルチス。
【リング】
リングはユニのアイス・ミサイルで、ユニの周り以外の場所はほぼ凍りついていた。
「逃げ場が、もう、ありませんよ。マミューラ先生」
「まぁな。しかし、凍らす場所や距離の取り方が巧いな」
マミューラは、ユニの凍らせているリングとそのままの地面の間隔を見てユニを褒めた。
ユニの間合いだけは、凍っていないからだ。
そして、ユニは順調よく進んでいるかのように思えたがマミューラも下準備をしていた。
マミューラは、今まで通りにユニに向かって走って接近を試みる。
「アイス・ミサイル」
再びユニがアイス・ミサイルを唱えた瞬間、発動する前にマミューラは一気にスピードを上げて右斜め前に跳び、つま先ぐらいの広さだけ凍ってない場所に右足のつま先をつけて地面を蹴って一気に接近しようとする。
今までマミューラはわざと7割のスピードで逃げ回り、ユニに自分の速さを誤解させたので一瞬だけの全力のスピードを出すことで普通の対戦相手なら反応が遅れる。
しかも、不意打ちまでした。
そのユニの反応の遅れで、マミューラはユニの範囲の凍ってないリングに移動できた。
マミューラは、そのまま攻撃してユニを倒す予定だった。
だが、ユニは待っていましたと言わんばかりのタイミングで握っている木の剣を構えて待ち構えていた。
「なっ!?」
反応されたことと攻撃を誘われたことに驚愕したマミューラは目を見開いた。
(大和君の言っていた通りになった!?)
「ここですっ!」
ユニは、驚きながらも木の剣で横に凪ぎ払った。
「チッ」
「ぐっ…」
「私に身体強化を使わせるとはな。強くなったものだユニ」
「あ、ありがとうございま…」
マミューラは身体強化をして左腕を上げ防いで右手でユニの鳩尾を殴り気絶させ、倒れるユニの体を支えた。
リングの氷は、ユニが気絶したことにより無数のヒビが入り砕けて解除された。
マミューラは、気絶したユニを抱えてリングの外に寝かした。
マミューラは身体強化を解除し、ルネルとマルチスに振り返り尋ねる。
「次は誰だ?」
「次は、俺です」
今度はマルチスが返事をして、リングの中央へと移動した。
「ほう…。今度はマルチスか」
少し興味が沸いたマミューラ。
なぜなら、大成を師匠と呼ぶようになり、マルチスは激変していた。
「行きますよ、マミューラ先生」
「いつでも、いいぞ」
「エア・ショット」
マルチスは、風魔法エア・ショットを唱えて圧縮した空気弾15発をユニと同じ様に自分の少し離れた場所に放ちながらマミューラを狙った。
「マルチス、ユニと同じ手しかないならガッカリだ。ん?」
少し不機嫌になったマミューラ。
だが、エア・ショットの目的は、一気に接近されることを回避するためだけではなく、ボロボロになっていくリングに石粉の粉塵をたてることだった。
しかも、マルチスはエア・ショットを放った瞬間、気配を薄めた。
「ほう、今度は粉塵で視界を封じるか…。しかも、気配まで薄めるとはな。考えたものだ」
(今までのマルチスなら直線的な攻めしかしなかったはずだ。随分と変わったな。いや、成長したと言うべきか)
マルチスの評価を改め、マミューラは嬉しそうに口元を緩める。
マミューラは粉塵の不自然な揺れとマルチスの魔力を感知して真横からのエア・ショットを難なく回避し、エア・ショットが飛んできた方向に走る。
だが、接近する前に再びマルチスの気配が消えたので、マミューラは周囲の粉塵の変化を見ようと思い首を横に動かした瞬間、真正面にマルチスが現れた。
「ヤッ!」
マルチスは木の短剣を振り下ろしたが、マミューラは体を横に傾けて避ける。
「エア・ブロウ」
マルチスは、空いている左手をマミューラに向けて風魔法エア・ブロウを唱えて突風を巻き起こした。
「チッ」
間近だったので、マミューラは避けることはできなかった。
「くっ」
このままだと、吹き飛ばされリングアウトになると判断したマミューラは身体強化して踏ん張った。
それと同時に、マルチスは木の短剣で凪ぎ払う。
マミューラは左腕を上げ短剣を防ぎ、右手で殴りにいった。
マルチスは少し大袈裟にマミューラの拳を避け、持っている短剣を捨てマミューラの右手首と右肩を掴んで大成から習った一本背負いをしようとする。
「何!?短剣を捨てただと!?」
(あれほど短剣に拘っていたマルチスが…)
「ぐはっ」
「まさか、あそこから投げにくるとは思わなかったぞ。今のタイミングはとても良かったぞ。私以外の殆どの奴ならば投げられていたはずだ。それにしても、強くなったなマルチス」
「ありがとうござ…」
驚愕したマミューラだったが、投げられる前に左手でマルチスの横腹を殴り気絶させた。
ユニ同様に倒れる前に、マルチス支えリングの端に運んだマミューラ。
マルチスを寝かし、身体強化を解除したマミューラ。
そして、最後の一人のルネルに振り向いた。
「最後は、お前だな。ルネル」
「はい、よろしくお願いします。マミューラ」
「いいだろう」
ルネルの意気込みが気に入り、マミューラは笑った。
「いつでも、かかってこい」
「では、行きます。アース・クラクッレ」
ルネルは身体強化をし、土魔法アース・クラクッレを唱え、リングに木の剣を突き立てて地割れを起こした。
「ほう。その歳で、アース・クラクッレを使えるとは驚きだな」
マミューラは、避けながら感心した。
「アース・ウォール」
今度は土魔法アース・ウォールを唱え、ボロボロになっているリングを抉り壁を出現させたルネル。
壁の出現場所は、マミューラを動きを封じるかのような感じに出現させた。
「アース・ショット」
ルネルは、土魔法アース・ショットを唱えて土の塊を15発放つ。
「チッ」
マミューラは、避けようとしたがルネルが作り出した壁が行動範囲が限られ掠り傷を負った。
そして、マミューラは接近しようと試みるがルネルはマミューラの戦いを観戦していたので動きの速さを把握しており的確な土の壁やアース・ショットでマミューラの接近を封じていく。
「チッ、このままだと接近は無理そうだ。ジリ貧になるな」
マミューラは魔力で身体強化をし、飛んでくる土の塊を殴ったり蹴ったりして接近する。
そして、右手でルネルの鳩尾を殴りにいった。
しかし…。
「何だと!?」
ルネルの鳩尾に当たる瞬間に右手で受け止められ、マミューラは驚愕した。
なぜなら、ルネルの右手ではなく、リングの地面から大きな右手が現れ受け止められたのだ。
そして、リングの地面が大きく膨れ上がりガーディアンが現れた。
ガーディアンは右手で掴んだマミューラを投げようとしたが、マミューラはガーディアンの右手首を魔力を込めた左足で蹴り粉砕してリングに着地した。
ガーディアンは右手が粉砕したが、すぐに元通りに復元する。
それを見たマミューラは、右手の掌を自身の顔面を覆い小さく笑った。
「ククク…おいおい。まさか、ゴーレムじゃなく上位種のガーディアンとはな。しかも、ガーディアンはガーディアンでもガーディアン・コアを召喚するとは正直に驚いたぞ。それと同じぐらいに、とても嬉しいぞ」
マミューラは、不敵な笑みを浮かべる。
ガーディアンとガーディアン・コアの違いは、ガーディアンは復元はしいのである程度のダメージを与えたら破壊される。
だが、ガーディアン・コアの場合は頭にあるコアを破壊されなければどんなダメージを受けても復元し戦い続けることが可能。
ちなみに大成が幼い頃に戦った美咲のユニークスキルのドール・マスターとの違いは、ガーディアンは材料があれば召喚可能だが、それに見会う魔力の消費も多い。
そして、自動操作(オート)なので命令は敵を倒すことや対象を守ることなどアバウトな命令しか聞かないので術者本人もガーディアンの動きがわからない。
要するにガーディアンとの共闘は難しいのだ。
ガーディアンは召喚する際に、魔力を込めるだけ込めると性能だけ上がり判断力は変わらない。
一方、美咲のドール・マスターは、媒介の人形がないと発動できないが手動操作(マニュアル操作)もできる。
人形が壊れれば再生はできずに終わるが、その代わり、媒介があるので魔力消費が少なくて済み自身の魔力だけでなく自然の魔力も使用でき自動操作と思考操作が可能なので共闘もできる。
媒体となる人形に魔力を込めるだけ込めると、性能と自動操作した時の判断力が飛躍的に向上する。
そんな中、すぐにマミューラは怪訝な表情になっていた。
なぜなら、ルネルは魔法を唱えていないにも掛からず巨大なガーディアンを召喚したからだった。
「待てよ…。もしかして、まさか…」
「お気付きになりましたかマミューラ先生。さすがです。そうですよ」
ルネルは、アース・クラクッレ、アース・ウォール、アース・ショットで、リングを削り魔法陣を描いていたのだ。
「おいおい、すごい発想だな」
「大和君の発想ですよ」
「また、大和か…」
リングの外に居る大成に目を向けるマミューラ。
大成は両腕を組んでおり、マミューラがどう闘うのか興味深く静観していた。
ガーディアンは、マミューラに接近して大きな右拳で殴りに掛かる。
マミューラはジャンプしてガーディアンの拳を回避し、ガーディアンの右腕の上に着地してそのまま走り膨大な魔力を込めた右拳でガーディアンの頭部を殴って粉砕した。
「間合いの取り方、ガーディアンの召喚の仕方は褒めるが、残念なことに私はガーディアンとの闘いには馴れてい…ぐっ!」
マミューラは話している時に隙ができ、壊したはずのガーディアンに殴られて吹き飛ばされる。
普通は、ガーディアンはコアがある頭部を粉砕すれば破壊され土塊になるはずだが今回はそうならなかった。
「くっ、どういうことだ!?」
リングの上を転がったマミューラは立ち上がり、口元から血が流れている血を左手の甲で拭う。
「言い忘れましたが、このガーディアンも大和君オリジナル魔法でコアがガーディアンの体内でランダム移動しています」
「は!?コアがランダム移動だと!?」
ルネルの説明に、マミューラは一瞬理解できなかった。
マミューラが驚いている間に、ルネルとガーディアンが襲う。
接近したルネルが上から木の剣を振り下ろし、ガーディアンは右拳を振り下ろしてきたので、マミューラはバックステップで一度距離を取る。
ルネルはガーディアンを召喚したので、もう魔力が枯渇寸前で追い打ちに魔法が使えなかった。
(武術だけでなく、教え方、作戦、オリジナル魔法の開発、これほど優秀とは。本当に、とんでもない奴だな。大和…)
「仕方ない。あのガーディアンを一瞬で無にするしかないな。ファイア・バーニング・ソレイユ・バースト」
「止めんか!」
マミューラは両手を前に出し、炎魔法禁術ファイア・バーニング・ソレイユ・バーストを唱える。
マミューラの両手の前に膨大な魔力と猛烈な熱を放っている小さな太陽みたいな紅蓮の火球が出現する。
会場の気温が一気に上昇し、離れているにも関わらずジリジリと暑く、肌が焼けるような痛みが感じがした。
校長は、大声でマミューラを止めようとしたが止まらなかった。
「ウォーター・アーマー、ウォーター・ウォール」
リングの外から大成が水魔法ウォーター・アーマーとウォーター・ウォールと唱える。
ウォーター・アーマーでルネルを水の鎧で覆い、ウォーター・ウォールで水の壁でリングの周囲を覆った。
「マミューラめっ!先生方、我々も」
校長は、舌打ちしながら先生達に指示を出す。
「「はっ、ハイッ!」」
先生達はマミューラの禁術を目の辺りにして呆然としていたが、校長に指示をされ我に返った。
「「ウォーター・アーマー、ウォーター・ウォール」」
校長達も大成に続き、何重にもルネルにはウォーター・アーマーをリングの周囲にはウォーター・ウォールを唱える。
マミューラは、それを見て小さな太陽の様な紅蓮の火球をガーディアンに放った。
ガーディアンはマミューラに接近して殴り掛かるが、その前に火球が直撃した。
ガーディアンは巨大な炎柱に飲まれ、周囲の熱でウォーター・アーマーとウォーター・ウォールは一瞬で蒸発し、会場は蒸気に飲まれた。
会場がどよめきが起きる。
「お、おい、ルネルは大丈夫なのか?」
「どうだろう…」
「ってか、生徒を相手にやりすぎだろ」
「いや、あのガーディアンを倒すには仕方ないと思うけど…」
「だからと言って…」
観客達も意見が割れていたが、ルネルの心配していることだけは一緒だった。
蒸気が風に流され、リングが見えてきた。
リングは赤黒く焼きついていたが、へたり込んでいるルネルの場所だけは何もなかったようになっていた。
そんなルネルに話ながら近づくマミューラ。
「どうする?まだ、やるか?ルネル」
「い、いえ、残念ですがガーディアンも消滅し、もう残りの魔力もありません。わ、私の敗けです…」
ルネルは、制服のスカートの裾を両手で握り締めて悔しくて瞳から涙が零れ落ちる。
「ルネル、泣くな。誰もがお前達を認めたはずだ。お前達の戦術、お前のガーディアンの馬鹿げた性能。それに、この私に身体強化を使わせたのだ胸を張れ。それに、お前は身体強化だけでなく、この私に禁術まで使わせたのだからな。お前達は若い、もっと強くなれるさ。お前達との闘いは、久しぶりに楽しかった。また、いつか闘ってやるさ」
「あ、ありがとうごさいます。マミューラ先生」
マミューラは、優しくルネルの頭を撫でた。
一時、会場に静寂が訪れた。
「勝者、マミューラ先生!とても見所がある良い試合でした。皆さん盛大な拍手を!」
ミクのアナウンスで、会場に拍手が巻き起こった。
「注目度が高かった大成君VSランドニー先生の戦いは、まさかの驚きの大成君の圧勝という結末になりましたが、まだまだイベントは見どころ満載なので皆さん最後まで観戦して下さい。さぁ、続いて行きましょう!優勝クラスのルネルさん、マルチス君、ユニさんはマミューラ先生を指命していますが、他の生徒達全員もマミューラ先生を指名してます。マミューラ先生どうしますか?一人ずつ順番に闘いますか?それとも、恒例行事みたいに生徒達全員を纏めて相手にしますか?」
ミクがマミューラに尋ねる。
「フン、纏めてきても構わんさ。それより、とっとと進めろ」
興味がないような態度で答えるマミューラ。
「それでは、マミューラ先生。それに、マミューラ先生を指名した生徒の皆さん、リングに上がって下さい」
ルネル、マルチス、ユニ以外の他の生徒は、勝利を確信しておりニタニタと笑いながらリングに集まった。
「ん?お前達は、そんな端で何を企んでいる?」
1組のギシマムは、ルネル達3人がリングの端に移動したので怪訝な顔で怪しんだ。
「別に何も企んでないわ。私達はマミューラ先生と一騎打ちがしたいの。だから、邪魔にならないように端に移動しただけだから気にしないで頂戴」
真剣な表情でルネルが説明し、ルネル達の瞳には力強さが宿っていた。
「フ、フン…。だが、一騎打ちは無理だな。なぜなら、俺達が倒して終わるからだ」
ルネル達の気迫に、ギシマム達はたじろいだ。
「どうでもいいが、さっさと始めろミク」
言葉とは裏腹にルネル達を見て、頬緩めるマミューラ。
「それでは、試合開始です!」
ミクが試合開始の合図をした瞬間、生徒の皆は身体強化をした。
マミューラは身体強化をしないまま、生徒達に向かって走る。
「作戦通りに行くぞ!」
「「了解!」」
「「アイス・ボール」」
「「ファイア・ボール」」
「「エア・ショット」」
「「アース・ショット」」
ギシマムの掛け声と共に、生徒達は魔法を唱える。
「撃てぇ~っ!」
ギシマムの掛け声とともに、魔法を放つ生徒達。
生徒達は、人数が多いので仲間に当てない様に魔法は上空から地上を走るマミューラに目掛けて放った。
マミューラはニヤリと口元を緩め、スピードを一気に上げて加速することで魔法は全てマミューラが通り過ぎた後方に着弾していく。
「う、嘘だろ!」
「つ、次の指示は何?」
「は、早く指示を!」
マミューラが目の前まで接近してきている中、生徒達は自分で判断できずパニックに陥る。
日頃、自分で考えず人の言う通りにしか動かないのが仇となったのだった。
「「ぐぁっ」」
「「がはっ」」
「「きゃっ」」
生徒達はマミューラに接近され、次々と殴られたり蹴られたりし倒れて気絶していく。
「こ、こんな筈じゃ…。ぐぉっ…」
ギシマムは予定外の現状に狼狽え、何もできずにマミューラに鳩尾を殴られ倒れた。
そして、端にいるルネル達以外の生徒達は、その場で倒れて気絶しており全滅したのだった。
気絶した生徒を他の先生達が担ぎ上げ、邪魔にならないようにリングの上から運び出した。
マミューラは一息つき、ルネル達の方を向く。
「待たせたか?お前達」
「いえ、予想していたよりも随分と早かったですよ」
ルネル達は、マミューラの闘いを間近で見て笑顔を浮かべていたが武者震いで体が震えていた。
ルネル達の震えは怯えではなく、武者震いだとマミューラも気付き興味が湧いた。
「ククク…そうか。で、誰からだ?」
「私から行きます!」
「ユニか。良いだろう」
ユニは手を挙げ、リングの中央へと向かう。
「いつでも、掛かってきていいぞ」
「じゃあ、行きます!アイス・ミサイル」
ユニは氷魔法アイス・ミサイルを唱えて氷の矢12本を放ったが、狙いは直接マミューラを狙わず自分の少し離れているリングに放ちながらマミューラに向かって放つ。
氷の矢は、リングに突き刺さり周囲を凍らせていく。
「アイス・ミサイル」
ユニは、何度も連続でアイス・ミサイルを連射する。
「チッ、大和の入知恵か?」
マミューラは、舌打ちしながら回避する。
ユニには、狙いがあった。
【過去・クラスマッチ練習・グランド】
クラスマッチ練習中…。
「はぁはぁ、大和君が相手だと全く勝てる気がしない。っていうより、そもそも攻撃を当てれる気がしないよ」
「くっ、同感だぜ。流石、師匠だぜ…」
ユニとマルチスは疲弊しており、グランドでへたり込んで呼吸が乱れていた。
「少し休憩しようか?」
ルネルはバルーンの練習していたので、2対1でペア戦の練習相手をしていた大成。
ユニとマルチスが疲れていたので、大成は休憩を提案した。
「ねぇ、大和君。大和君みたいに回避のすごい人と闘う場合はどうすれば攻撃を当てれるの?あっ、流石に教えれないよね…。自分の対策を教えるようなものだもの」
「ん?いや、別に気にしていないから教えるよ。回避が高い人が相手なら直接狙うより、アイス・ミサイルを自分の少し離れている地面から相手に向かって放ちながら狙う。そうしたら、接近されても上手くいけば、アイス・ミサイルで地面が凍っているから、足を滑らせて体勢を崩す可能性があるし、攻撃を防がれたとしても足元が凍っているから相手を後ろへ下がらせて距離を取ることができるよ」
まさか大成が答えてくれるとは思わず、呆然と身動きできずにいるユニとマルチス。
「え、えっと、地面を凍らすならフリーズでも良いと思うけど」
「フリーズは魔力消費が大きい割りに範囲が狭いのと自分の足元も凍る。だけど、アイス・ミサイルは自分で凍らせたい場所を決めることもできて離れている場所を凍らせたり相手の牽制もできる」
「そうか」
「流石、師匠だぜ」
「取り敢えず、試してみると良いと思う」
大成の説明を聞いて納得するユニとマルチス。
【リング】
リングはユニのアイス・ミサイルで、ユニの周り以外の場所はほぼ凍りついていた。
「逃げ場が、もう、ありませんよ。マミューラ先生」
「まぁな。しかし、凍らす場所や距離の取り方が巧いな」
マミューラは、ユニの凍らせているリングとそのままの地面の間隔を見てユニを褒めた。
ユニの間合いだけは、凍っていないからだ。
そして、ユニは順調よく進んでいるかのように思えたがマミューラも下準備をしていた。
マミューラは、今まで通りにユニに向かって走って接近を試みる。
「アイス・ミサイル」
再びユニがアイス・ミサイルを唱えた瞬間、発動する前にマミューラは一気にスピードを上げて右斜め前に跳び、つま先ぐらいの広さだけ凍ってない場所に右足のつま先をつけて地面を蹴って一気に接近しようとする。
今までマミューラはわざと7割のスピードで逃げ回り、ユニに自分の速さを誤解させたので一瞬だけの全力のスピードを出すことで普通の対戦相手なら反応が遅れる。
しかも、不意打ちまでした。
そのユニの反応の遅れで、マミューラはユニの範囲の凍ってないリングに移動できた。
マミューラは、そのまま攻撃してユニを倒す予定だった。
だが、ユニは待っていましたと言わんばかりのタイミングで握っている木の剣を構えて待ち構えていた。
「なっ!?」
反応されたことと攻撃を誘われたことに驚愕したマミューラは目を見開いた。
(大和君の言っていた通りになった!?)
「ここですっ!」
ユニは、驚きながらも木の剣で横に凪ぎ払った。
「チッ」
「ぐっ…」
「私に身体強化を使わせるとはな。強くなったものだユニ」
「あ、ありがとうございま…」
マミューラは身体強化をして左腕を上げ防いで右手でユニの鳩尾を殴り気絶させ、倒れるユニの体を支えた。
リングの氷は、ユニが気絶したことにより無数のヒビが入り砕けて解除された。
マミューラは、気絶したユニを抱えてリングの外に寝かした。
マミューラは身体強化を解除し、ルネルとマルチスに振り返り尋ねる。
「次は誰だ?」
「次は、俺です」
今度はマルチスが返事をして、リングの中央へと移動した。
「ほう…。今度はマルチスか」
少し興味が沸いたマミューラ。
なぜなら、大成を師匠と呼ぶようになり、マルチスは激変していた。
「行きますよ、マミューラ先生」
「いつでも、いいぞ」
「エア・ショット」
マルチスは、風魔法エア・ショットを唱えて圧縮した空気弾15発をユニと同じ様に自分の少し離れた場所に放ちながらマミューラを狙った。
「マルチス、ユニと同じ手しかないならガッカリだ。ん?」
少し不機嫌になったマミューラ。
だが、エア・ショットの目的は、一気に接近されることを回避するためだけではなく、ボロボロになっていくリングに石粉の粉塵をたてることだった。
しかも、マルチスはエア・ショットを放った瞬間、気配を薄めた。
「ほう、今度は粉塵で視界を封じるか…。しかも、気配まで薄めるとはな。考えたものだ」
(今までのマルチスなら直線的な攻めしかしなかったはずだ。随分と変わったな。いや、成長したと言うべきか)
マルチスの評価を改め、マミューラは嬉しそうに口元を緩める。
マミューラは粉塵の不自然な揺れとマルチスの魔力を感知して真横からのエア・ショットを難なく回避し、エア・ショットが飛んできた方向に走る。
だが、接近する前に再びマルチスの気配が消えたので、マミューラは周囲の粉塵の変化を見ようと思い首を横に動かした瞬間、真正面にマルチスが現れた。
「ヤッ!」
マルチスは木の短剣を振り下ろしたが、マミューラは体を横に傾けて避ける。
「エア・ブロウ」
マルチスは、空いている左手をマミューラに向けて風魔法エア・ブロウを唱えて突風を巻き起こした。
「チッ」
間近だったので、マミューラは避けることはできなかった。
「くっ」
このままだと、吹き飛ばされリングアウトになると判断したマミューラは身体強化して踏ん張った。
それと同時に、マルチスは木の短剣で凪ぎ払う。
マミューラは左腕を上げ短剣を防ぎ、右手で殴りにいった。
マルチスは少し大袈裟にマミューラの拳を避け、持っている短剣を捨てマミューラの右手首と右肩を掴んで大成から習った一本背負いをしようとする。
「何!?短剣を捨てただと!?」
(あれほど短剣に拘っていたマルチスが…)
「ぐはっ」
「まさか、あそこから投げにくるとは思わなかったぞ。今のタイミングはとても良かったぞ。私以外の殆どの奴ならば投げられていたはずだ。それにしても、強くなったなマルチス」
「ありがとうござ…」
驚愕したマミューラだったが、投げられる前に左手でマルチスの横腹を殴り気絶させた。
ユニ同様に倒れる前に、マルチス支えリングの端に運んだマミューラ。
マルチスを寝かし、身体強化を解除したマミューラ。
そして、最後の一人のルネルに振り向いた。
「最後は、お前だな。ルネル」
「はい、よろしくお願いします。マミューラ」
「いいだろう」
ルネルの意気込みが気に入り、マミューラは笑った。
「いつでも、かかってこい」
「では、行きます。アース・クラクッレ」
ルネルは身体強化をし、土魔法アース・クラクッレを唱え、リングに木の剣を突き立てて地割れを起こした。
「ほう。その歳で、アース・クラクッレを使えるとは驚きだな」
マミューラは、避けながら感心した。
「アース・ウォール」
今度は土魔法アース・ウォールを唱え、ボロボロになっているリングを抉り壁を出現させたルネル。
壁の出現場所は、マミューラを動きを封じるかのような感じに出現させた。
「アース・ショット」
ルネルは、土魔法アース・ショットを唱えて土の塊を15発放つ。
「チッ」
マミューラは、避けようとしたがルネルが作り出した壁が行動範囲が限られ掠り傷を負った。
そして、マミューラは接近しようと試みるがルネルはマミューラの戦いを観戦していたので動きの速さを把握しており的確な土の壁やアース・ショットでマミューラの接近を封じていく。
「チッ、このままだと接近は無理そうだ。ジリ貧になるな」
マミューラは魔力で身体強化をし、飛んでくる土の塊を殴ったり蹴ったりして接近する。
そして、右手でルネルの鳩尾を殴りにいった。
しかし…。
「何だと!?」
ルネルの鳩尾に当たる瞬間に右手で受け止められ、マミューラは驚愕した。
なぜなら、ルネルの右手ではなく、リングの地面から大きな右手が現れ受け止められたのだ。
そして、リングの地面が大きく膨れ上がりガーディアンが現れた。
ガーディアンは右手で掴んだマミューラを投げようとしたが、マミューラはガーディアンの右手首を魔力を込めた左足で蹴り粉砕してリングに着地した。
ガーディアンは右手が粉砕したが、すぐに元通りに復元する。
それを見たマミューラは、右手の掌を自身の顔面を覆い小さく笑った。
「ククク…おいおい。まさか、ゴーレムじゃなく上位種のガーディアンとはな。しかも、ガーディアンはガーディアンでもガーディアン・コアを召喚するとは正直に驚いたぞ。それと同じぐらいに、とても嬉しいぞ」
マミューラは、不敵な笑みを浮かべる。
ガーディアンとガーディアン・コアの違いは、ガーディアンは復元はしいのである程度のダメージを与えたら破壊される。
だが、ガーディアン・コアの場合は頭にあるコアを破壊されなければどんなダメージを受けても復元し戦い続けることが可能。
ちなみに大成が幼い頃に戦った美咲のユニークスキルのドール・マスターとの違いは、ガーディアンは材料があれば召喚可能だが、それに見会う魔力の消費も多い。
そして、自動操作(オート)なので命令は敵を倒すことや対象を守ることなどアバウトな命令しか聞かないので術者本人もガーディアンの動きがわからない。
要するにガーディアンとの共闘は難しいのだ。
ガーディアンは召喚する際に、魔力を込めるだけ込めると性能だけ上がり判断力は変わらない。
一方、美咲のドール・マスターは、媒介の人形がないと発動できないが手動操作(マニュアル操作)もできる。
人形が壊れれば再生はできずに終わるが、その代わり、媒介があるので魔力消費が少なくて済み自身の魔力だけでなく自然の魔力も使用でき自動操作と思考操作が可能なので共闘もできる。
媒体となる人形に魔力を込めるだけ込めると、性能と自動操作した時の判断力が飛躍的に向上する。
そんな中、すぐにマミューラは怪訝な表情になっていた。
なぜなら、ルネルは魔法を唱えていないにも掛からず巨大なガーディアンを召喚したからだった。
「待てよ…。もしかして、まさか…」
「お気付きになりましたかマミューラ先生。さすがです。そうですよ」
ルネルは、アース・クラクッレ、アース・ウォール、アース・ショットで、リングを削り魔法陣を描いていたのだ。
「おいおい、すごい発想だな」
「大和君の発想ですよ」
「また、大和か…」
リングの外に居る大成に目を向けるマミューラ。
大成は両腕を組んでおり、マミューラがどう闘うのか興味深く静観していた。
ガーディアンは、マミューラに接近して大きな右拳で殴りに掛かる。
マミューラはジャンプしてガーディアンの拳を回避し、ガーディアンの右腕の上に着地してそのまま走り膨大な魔力を込めた右拳でガーディアンの頭部を殴って粉砕した。
「間合いの取り方、ガーディアンの召喚の仕方は褒めるが、残念なことに私はガーディアンとの闘いには馴れてい…ぐっ!」
マミューラは話している時に隙ができ、壊したはずのガーディアンに殴られて吹き飛ばされる。
普通は、ガーディアンはコアがある頭部を粉砕すれば破壊され土塊になるはずだが今回はそうならなかった。
「くっ、どういうことだ!?」
リングの上を転がったマミューラは立ち上がり、口元から血が流れている血を左手の甲で拭う。
「言い忘れましたが、このガーディアンも大和君オリジナル魔法でコアがガーディアンの体内でランダム移動しています」
「は!?コアがランダム移動だと!?」
ルネルの説明に、マミューラは一瞬理解できなかった。
マミューラが驚いている間に、ルネルとガーディアンが襲う。
接近したルネルが上から木の剣を振り下ろし、ガーディアンは右拳を振り下ろしてきたので、マミューラはバックステップで一度距離を取る。
ルネルはガーディアンを召喚したので、もう魔力が枯渇寸前で追い打ちに魔法が使えなかった。
(武術だけでなく、教え方、作戦、オリジナル魔法の開発、これほど優秀とは。本当に、とんでもない奴だな。大和…)
「仕方ない。あのガーディアンを一瞬で無にするしかないな。ファイア・バーニング・ソレイユ・バースト」
「止めんか!」
マミューラは両手を前に出し、炎魔法禁術ファイア・バーニング・ソレイユ・バーストを唱える。
マミューラの両手の前に膨大な魔力と猛烈な熱を放っている小さな太陽みたいな紅蓮の火球が出現する。
会場の気温が一気に上昇し、離れているにも関わらずジリジリと暑く、肌が焼けるような痛みが感じがした。
校長は、大声でマミューラを止めようとしたが止まらなかった。
「ウォーター・アーマー、ウォーター・ウォール」
リングの外から大成が水魔法ウォーター・アーマーとウォーター・ウォールと唱える。
ウォーター・アーマーでルネルを水の鎧で覆い、ウォーター・ウォールで水の壁でリングの周囲を覆った。
「マミューラめっ!先生方、我々も」
校長は、舌打ちしながら先生達に指示を出す。
「「はっ、ハイッ!」」
先生達はマミューラの禁術を目の辺りにして呆然としていたが、校長に指示をされ我に返った。
「「ウォーター・アーマー、ウォーター・ウォール」」
校長達も大成に続き、何重にもルネルにはウォーター・アーマーをリングの周囲にはウォーター・ウォールを唱える。
マミューラは、それを見て小さな太陽の様な紅蓮の火球をガーディアンに放った。
ガーディアンはマミューラに接近して殴り掛かるが、その前に火球が直撃した。
ガーディアンは巨大な炎柱に飲まれ、周囲の熱でウォーター・アーマーとウォーター・ウォールは一瞬で蒸発し、会場は蒸気に飲まれた。
会場がどよめきが起きる。
「お、おい、ルネルは大丈夫なのか?」
「どうだろう…」
「ってか、生徒を相手にやりすぎだろ」
「いや、あのガーディアンを倒すには仕方ないと思うけど…」
「だからと言って…」
観客達も意見が割れていたが、ルネルの心配していることだけは一緒だった。
蒸気が風に流され、リングが見えてきた。
リングは赤黒く焼きついていたが、へたり込んでいるルネルの場所だけは何もなかったようになっていた。
そんなルネルに話ながら近づくマミューラ。
「どうする?まだ、やるか?ルネル」
「い、いえ、残念ですがガーディアンも消滅し、もう残りの魔力もありません。わ、私の敗けです…」
ルネルは、制服のスカートの裾を両手で握り締めて悔しくて瞳から涙が零れ落ちる。
「ルネル、泣くな。誰もがお前達を認めたはずだ。お前達の戦術、お前のガーディアンの馬鹿げた性能。それに、この私に身体強化を使わせたのだ胸を張れ。それに、お前は身体強化だけでなく、この私に禁術まで使わせたのだからな。お前達は若い、もっと強くなれるさ。お前達との闘いは、久しぶりに楽しかった。また、いつか闘ってやるさ」
「あ、ありがとうごさいます。マミューラ先生」
マミューラは、優しくルネルの頭を撫でた。
一時、会場に静寂が訪れた。
「勝者、マミューラ先生!とても見所がある良い試合でした。皆さん盛大な拍手を!」
ミクのアナウンスで、会場に拍手が巻き起こった。
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