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第二章
城下町と贈り物
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翌日。
朝食を終えるやいなや、アレク様は待ちきれないとばかりに私の部屋へ迎えに来た。
「行くぞ!今日は中心街だ!王都で一番栄えてるぞ!」
開口一番、そう宣言すると同時に私の手をぐいっと掴む。
「ちょ、ちょっと、アレク様……!」
「ん?なに遠慮してんだ。いい店は朝から混むんだぞ。急げ」
彼の足取りは迷いがなく、廊下をずんずん進んでいく。私の返事などお構いなしだ。
慌ててついていくと、少し後ろで肩を竦める声が聞こえた。
「殿下、もう少し淑女の歩調を考えてください」
カイル様が少しやつれた顔で、諫めるように言う。昨日、王城に到着してからお姿をお見かけしてなかったけど、忙しかったんだろう。
「大丈夫だ、俺が手を引いてる」
「その理屈はおかしいと思いますがね」
そう言いながらも、カイル様の声色はどこか楽しげだった。
「そういえば、お前も来たのか」
「側近ですから。昨日は急に誰かさんが荷解きも執務もせずに街に行ったせいで大変でしたよ。」
「今日もこもってればいいのに…」
「……何か言いましたか?馬車に書類を山のように積み上げて差し上げましょうか」
久しぶりの2人の息の合う掛け合いに、声をあげて笑ってしまった。なんて素敵な一日のスタートだろう。
街へ降り立つと、昨日以上の賑わいに包まれる。香辛料の刺激的な香り、楽器の陽気な音、行き交う人々の明るい声。
目移りして思わず立ち止まった瞬間――。
「危ねぇ」
押し寄せる人波に肩を押されそうになったところを、アレク様の腕が引き寄せた。
気づけば、彼の大きな手が私の手をぎゅっと握っている。しばらく人並みが途絶えることはなく、温もりが離れることはなかった。
広い大通りに出た時には、ゆったりと歩けるだけの空間ができたが、アレク様は素知らぬ顔で手を握って案内をしてくれる。気恥ずかしさで、顔を覆いたくなった。
「あ、あの……もう大丈夫です」
「だめだ」
「え?」
「俺が嫌だ。放したら危ないだろ」
短い言葉。けれど、それだけで胸が熱くなる。強引なのに、不思議と安心できてしまうのはなぜだろう。
「……殿下、口説き方が直球すぎます」
カイル様が呆れたように眉をひそめる。
「リシェル様が困っているではありませんか」
「困らせてるんじゃねぇ。惚れさせてんだ!」
「……開き直りましたね」
そのやりとりに、思わず笑いそうになる。だがアレク様は気にする様子もなく、私の手を離さないまま宝飾品の露店に足を止めた。
棚には色とりどりの指輪や髪飾りが並んでいる。
私がうっとりと眺めていると、アレク様がひとつを手に取った。
「これだな。お前に似合う」
「えっ……」
金細工に小さな宝石が嵌め込まれた髪飾りを、ためらいもなく私の髪に差し込む。
陽光を浴びてきらめく光が、頬まで熱を帯びさせる。
「買うか。」
「ま、待ってください!こんな高価なもの……!」
「高価とか関係ない。俺がやりたいからやる」
即答する彼に、言葉を失った。
髪に触れる指先が優しくて、心臓が跳ねる。
「そ、それでも簡単に受け取れませんわ……」
「友達だから?“恋人”だったら受け取ってくれるのか?」
まっすぐな瞳が射抜くように見つめてくる。
「本当は……友達としてじゃなく、お前を飾りたい。でも、まだこの生活も始まったばっかだからな。心が追いつくまで待つよ。」
逃げ道を残してくれている。
それが分かるからこそ、余計に胸が揺れる。
「……ありがとうございます。ではお言葉に甘えさせていただきます…」
小さく呟くと、アレク様の口元に満足げな笑みが浮かんだ。
「はぁ……リシェル様もなんだかんだ殿下には甘いですね」
カイル様が溜息をつきながら、代金を支払うアレク様を横目で見る。
「財布の紐まで握られたら、国庫が危うい」
「やかましい。これは俺の小遣いだ!」
「……いっそう危険ですね」
さらに歩を進めた先で、アレク様は一軒の店の前に足を止めた。
大きな窓越しに見えるのは、壁一面に吊るされた絹やサテンのドレス。鮮やかな色合いと繊細な刺繍が目を奪い、店先に立つだけで息が詰まるような豪奢さがあった。
「ここだな」
そう言って当然のように扉を押し開ける。
私は思わず足を止めた。
「わ、私には場違いでは……」
「なに言ってんだ。お前にドレスを贈るためのための店だろ」
ぐいと手を引かれて店内に足を踏み入れた。
柔らかな絨毯が敷き詰められ、天井からは細やかなシャンデリアが光を落としていた。
奥では数人の仕立て職人が手を動かしており、入口に立った瞬間、店員らしき女性が慇懃に頭を下げた。
「殿下!お待ちしておりました」
彼女の視線が自然と私へと移る。
好奇の色と、わずかな驚き。
――私が、アレク様の隣に立っていることへの。
「こいつに似合う一着を用意する。歓迎パーティーで着るやつだ」
即座に言い切るアレク様に、私は慌てて袖を引いた。
「ちょ、ちょっとお待ちください!私はまだ……」
「黙ってろ。俺が選ぶ」
「アレク様!」
必死の抗議も届かない。彼はもう、並ぶドレスの中を迷いなく歩き出していた。
紅、蒼、白、翡翠――目も眩むほどの色彩の中から、彼が立ち止まったのは深紅のドレス。
「これだ」
その声には一切の迷いがない。
アレク様の髪色と同じ深い赤の布地には、虹彩を模した細やかな金糸が織り込まれ、動くたびに炎のように光を反射する。裾には小花を模した刺繍が連なり、華やかさと気品を兼ね備えていた。
「隣に並ぶんだ。俺の色に合わせた方が映える」
あまりに真っ直ぐな言葉に、息が詰まった。
――隣に並ぶ。
今まで、そんなふうに言われたことはなかった。
婚約者として立つことはあったが、それは“義務”であって“望まれた隣”ではなかった。
けれど今、アレク様は当然のようにそう言う。
胸が熱くなり、視界がかすむ。
「殿下……もう少し、リシェル嬢の意思を尊重された方が」
後ろからカイル様の冷静な声が落ちる。
「尊重してるぞ。あいつが望むのは俺が隣にいることで、俺が望むのは、こいつが俺の隣に立つことだ」
「それを世間では“尊重”とは言わないのですが」
皮肉げなやり取りが背後で交わされる。けれど私は、もう抗う言葉を失っていた。
「……気に入らない?」
私の沈黙に、アレク様が覗き込んでくる。
「……いえ。とても……素敵です」
声は震え、頬は熱に染まっていた。
その様子に彼は満足げに口元を吊り上げる。
「決まりだな!」
店員が慌ただしく寸法を測りに近づいてくる。メジャーが肩や腰をなぞるたび、胸がどきどきと騒がしくなる。
アレク様は腕を組み、まるで戦場で部下を見守るかのように私を眺めていた。
「殿下、そんなに睨まれては仕立て職人も手が震えますよ」
カイル様の苦言に、彼は不満げに眉をひそめる。
「……だって、他の奴に触らせたくない」
「っ――」
思わず息を呑む。
嫉妬だと分かるのに、嫌悪感よりも胸を締めつける甘さが広がっていく。
――どうして私は、こんなにも彼の言葉一つで揺れてしまうのだろう。
やがて採寸が終わり、店員が深く頭を下げた。
「近日中に仕立てを終え、お届けいたします」
「頼んだ」
アレク様は当然のように支払いを済ませ、私の手をまた取った。
「よし。靴とアクセサリーも揃えるぞ」
「ま、まだ買うのですか……?」
「当たり前だ。お前を飾るのは口説き中の俺の役目だろ」
「……殿下、少しは淑女の心臓の耐久度を考えてください」
カイル様の冷静な声に、思わず顔が熱くなる。
強引で、子供っぽいのに。
そんな彼に引っ張られるたび、胸の奥が温かく満たされていく。
夕暮れ、今日一日で胸に抱えきれないほどのまっすぐな想いを受け取って広場に立ったとき。
赤く染まる空を仰ぎながら、私は小さく呟いた。
「……幸せ、ですわ」
「だろ?これからもっと幸せにしてやる。覚悟しとけよ、リシェル」
加速する鼓動が、もう止まらなかった。
朝食を終えるやいなや、アレク様は待ちきれないとばかりに私の部屋へ迎えに来た。
「行くぞ!今日は中心街だ!王都で一番栄えてるぞ!」
開口一番、そう宣言すると同時に私の手をぐいっと掴む。
「ちょ、ちょっと、アレク様……!」
「ん?なに遠慮してんだ。いい店は朝から混むんだぞ。急げ」
彼の足取りは迷いがなく、廊下をずんずん進んでいく。私の返事などお構いなしだ。
慌ててついていくと、少し後ろで肩を竦める声が聞こえた。
「殿下、もう少し淑女の歩調を考えてください」
カイル様が少しやつれた顔で、諫めるように言う。昨日、王城に到着してからお姿をお見かけしてなかったけど、忙しかったんだろう。
「大丈夫だ、俺が手を引いてる」
「その理屈はおかしいと思いますがね」
そう言いながらも、カイル様の声色はどこか楽しげだった。
「そういえば、お前も来たのか」
「側近ですから。昨日は急に誰かさんが荷解きも執務もせずに街に行ったせいで大変でしたよ。」
「今日もこもってればいいのに…」
「……何か言いましたか?馬車に書類を山のように積み上げて差し上げましょうか」
久しぶりの2人の息の合う掛け合いに、声をあげて笑ってしまった。なんて素敵な一日のスタートだろう。
街へ降り立つと、昨日以上の賑わいに包まれる。香辛料の刺激的な香り、楽器の陽気な音、行き交う人々の明るい声。
目移りして思わず立ち止まった瞬間――。
「危ねぇ」
押し寄せる人波に肩を押されそうになったところを、アレク様の腕が引き寄せた。
気づけば、彼の大きな手が私の手をぎゅっと握っている。しばらく人並みが途絶えることはなく、温もりが離れることはなかった。
広い大通りに出た時には、ゆったりと歩けるだけの空間ができたが、アレク様は素知らぬ顔で手を握って案内をしてくれる。気恥ずかしさで、顔を覆いたくなった。
「あ、あの……もう大丈夫です」
「だめだ」
「え?」
「俺が嫌だ。放したら危ないだろ」
短い言葉。けれど、それだけで胸が熱くなる。強引なのに、不思議と安心できてしまうのはなぜだろう。
「……殿下、口説き方が直球すぎます」
カイル様が呆れたように眉をひそめる。
「リシェル様が困っているではありませんか」
「困らせてるんじゃねぇ。惚れさせてんだ!」
「……開き直りましたね」
そのやりとりに、思わず笑いそうになる。だがアレク様は気にする様子もなく、私の手を離さないまま宝飾品の露店に足を止めた。
棚には色とりどりの指輪や髪飾りが並んでいる。
私がうっとりと眺めていると、アレク様がひとつを手に取った。
「これだな。お前に似合う」
「えっ……」
金細工に小さな宝石が嵌め込まれた髪飾りを、ためらいもなく私の髪に差し込む。
陽光を浴びてきらめく光が、頬まで熱を帯びさせる。
「買うか。」
「ま、待ってください!こんな高価なもの……!」
「高価とか関係ない。俺がやりたいからやる」
即答する彼に、言葉を失った。
髪に触れる指先が優しくて、心臓が跳ねる。
「そ、それでも簡単に受け取れませんわ……」
「友達だから?“恋人”だったら受け取ってくれるのか?」
まっすぐな瞳が射抜くように見つめてくる。
「本当は……友達としてじゃなく、お前を飾りたい。でも、まだこの生活も始まったばっかだからな。心が追いつくまで待つよ。」
逃げ道を残してくれている。
それが分かるからこそ、余計に胸が揺れる。
「……ありがとうございます。ではお言葉に甘えさせていただきます…」
小さく呟くと、アレク様の口元に満足げな笑みが浮かんだ。
「はぁ……リシェル様もなんだかんだ殿下には甘いですね」
カイル様が溜息をつきながら、代金を支払うアレク様を横目で見る。
「財布の紐まで握られたら、国庫が危うい」
「やかましい。これは俺の小遣いだ!」
「……いっそう危険ですね」
さらに歩を進めた先で、アレク様は一軒の店の前に足を止めた。
大きな窓越しに見えるのは、壁一面に吊るされた絹やサテンのドレス。鮮やかな色合いと繊細な刺繍が目を奪い、店先に立つだけで息が詰まるような豪奢さがあった。
「ここだな」
そう言って当然のように扉を押し開ける。
私は思わず足を止めた。
「わ、私には場違いでは……」
「なに言ってんだ。お前にドレスを贈るためのための店だろ」
ぐいと手を引かれて店内に足を踏み入れた。
柔らかな絨毯が敷き詰められ、天井からは細やかなシャンデリアが光を落としていた。
奥では数人の仕立て職人が手を動かしており、入口に立った瞬間、店員らしき女性が慇懃に頭を下げた。
「殿下!お待ちしておりました」
彼女の視線が自然と私へと移る。
好奇の色と、わずかな驚き。
――私が、アレク様の隣に立っていることへの。
「こいつに似合う一着を用意する。歓迎パーティーで着るやつだ」
即座に言い切るアレク様に、私は慌てて袖を引いた。
「ちょ、ちょっとお待ちください!私はまだ……」
「黙ってろ。俺が選ぶ」
「アレク様!」
必死の抗議も届かない。彼はもう、並ぶドレスの中を迷いなく歩き出していた。
紅、蒼、白、翡翠――目も眩むほどの色彩の中から、彼が立ち止まったのは深紅のドレス。
「これだ」
その声には一切の迷いがない。
アレク様の髪色と同じ深い赤の布地には、虹彩を模した細やかな金糸が織り込まれ、動くたびに炎のように光を反射する。裾には小花を模した刺繍が連なり、華やかさと気品を兼ね備えていた。
「隣に並ぶんだ。俺の色に合わせた方が映える」
あまりに真っ直ぐな言葉に、息が詰まった。
――隣に並ぶ。
今まで、そんなふうに言われたことはなかった。
婚約者として立つことはあったが、それは“義務”であって“望まれた隣”ではなかった。
けれど今、アレク様は当然のようにそう言う。
胸が熱くなり、視界がかすむ。
「殿下……もう少し、リシェル嬢の意思を尊重された方が」
後ろからカイル様の冷静な声が落ちる。
「尊重してるぞ。あいつが望むのは俺が隣にいることで、俺が望むのは、こいつが俺の隣に立つことだ」
「それを世間では“尊重”とは言わないのですが」
皮肉げなやり取りが背後で交わされる。けれど私は、もう抗う言葉を失っていた。
「……気に入らない?」
私の沈黙に、アレク様が覗き込んでくる。
「……いえ。とても……素敵です」
声は震え、頬は熱に染まっていた。
その様子に彼は満足げに口元を吊り上げる。
「決まりだな!」
店員が慌ただしく寸法を測りに近づいてくる。メジャーが肩や腰をなぞるたび、胸がどきどきと騒がしくなる。
アレク様は腕を組み、まるで戦場で部下を見守るかのように私を眺めていた。
「殿下、そんなに睨まれては仕立て職人も手が震えますよ」
カイル様の苦言に、彼は不満げに眉をひそめる。
「……だって、他の奴に触らせたくない」
「っ――」
思わず息を呑む。
嫉妬だと分かるのに、嫌悪感よりも胸を締めつける甘さが広がっていく。
――どうして私は、こんなにも彼の言葉一つで揺れてしまうのだろう。
やがて採寸が終わり、店員が深く頭を下げた。
「近日中に仕立てを終え、お届けいたします」
「頼んだ」
アレク様は当然のように支払いを済ませ、私の手をまた取った。
「よし。靴とアクセサリーも揃えるぞ」
「ま、まだ買うのですか……?」
「当たり前だ。お前を飾るのは口説き中の俺の役目だろ」
「……殿下、少しは淑女の心臓の耐久度を考えてください」
カイル様の冷静な声に、思わず顔が熱くなる。
強引で、子供っぽいのに。
そんな彼に引っ張られるたび、胸の奥が温かく満たされていく。
夕暮れ、今日一日で胸に抱えきれないほどのまっすぐな想いを受け取って広場に立ったとき。
赤く染まる空を仰ぎながら、私は小さく呟いた。
「……幸せ、ですわ」
「だろ?これからもっと幸せにしてやる。覚悟しとけよ、リシェル」
加速する鼓動が、もう止まらなかった。
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