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第二話
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それから数日後。
朝、教室に入ると異変に気付く。
「さーや!転校するってホント?」
(ー…え?)
“転校”の二文字が、黒い鉛の様にアタシの心臓を重くして行った。
息が苦しくて仕方無いけど、涙が溢れそうだったけど。
『そんな事する訳無いじゃない』
そう言ってくれると信じて、縋る様に杏菜を見つめた。
「転校は、しないよ」
たっぷりと10を数えた頃、杏菜の口から願った通りの言葉が出た。
(ほら、やっぱり!)
思わず満面の笑みになる。
ー…でも。
その後のエツコと杏菜の会話で、その安心は一瞬で絶望に変化した。
「でも、職員室で聞いたって、ミカが…!」
「…。転校はしないよ。卒業式はこっちでする。でも、高校は…」
言いかけていた口が止まる。
視線の先には、当然アタシがいて。
「あん…」
「さーや、どういう事?この間の吉岡先生との話って、まさか…」
逸らされた視線が、無言の肯定を現していた。
次の瞬間、アタシは踵を返し教室を飛び出していた。
「杏菜!」
背後から、さーやの声が響いても、足は止まらなかった。
それから数日後。
朝、教室に入ると異変に気付く。
「さーや!転校するってホント?」
(ー…え?)
“転校”の二文字が、黒い鉛の様にアタシの心臓を重くして行った。
息が苦しくて仕方無いけど、涙が溢れそうだったけど。
『そんな事する訳無いじゃない』
そう言ってくれると信じて、縋る様に杏菜を見つめた。
「転校は、しないよ」
たっぷりと10を数えた頃、杏菜の口から願った通りの言葉が出た。
(ほら、やっぱり!)
思わず満面の笑みになる。
ー…でも。
その後のエツコと杏菜の会話で、その安心は一瞬で絶望に変化した。
「でも、職員室で聞いたって、ミカが…!」
「…。転校はしないよ。卒業式はこっちでする。でも、高校は…」
言いかけていた口が止まる。
視線の先には、当然アタシがいて。
「あん…」
「さーや、どういう事?この間の吉岡先生との話って、まさか…」
逸らされた視線が、無言の肯定を現していた。
次の瞬間、アタシは踵を返し教室を飛び出していた。
「杏菜!」
背後から、さーやの声が響いても、足は止まらなかった。
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