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36 兵庫の罪と罰
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「まったく取調で言うことじゃあないよな」
兄は笑ってみせたが、目が笑っていなかった。
「そういう話はやめてくれない?」
母上の顔がいつになく剣呑なものに変わっていた。
「これは失礼を」
兄は真面目な顔になった。
「実の兄なんだから津由子さんの気持ちを考えたらいかが。兵庫の気持ちなんぞ今更知る必要はない。一番知りたいのは左京のこと。兵庫なんてついでよ、つ・い・で!」
母上の言葉の後半は私の気持ちそのままだった。でも、前半は少し違う。こじれた初恋がどうしてああなったのか、過程が知りたかった。と同時に、芙二子さんのことを思い返していた。川村竹之助少年のかなわぬ初恋がこじれたらどうなってしまうのか。芙二子さんを素直に諦めてくれるものだろうか。もし兵庫のようになったら……。相談に対してもっと別の答えがあったのではないか。頭の中をぐるぐると色々なことが駆け巡った。
兄は母上の剣幕に押されたのか、少ししょんぼりしていた。
「ごめん、津由子」
「大丈夫。なんとも思ってないから。それより、他に死罪になる方がいるの?」
兄がそこまで知っているとは思えないが、尋ねてみた。
「ああ。まず、目付の鈴木様が調べている件は、兵庫の親戚の奥祐筆の職権濫用と兵庫の公務員法度違反。こちらは死罪相当の罪ではないので、二人は恐らく免職・蟄居謹慎になるかと。謹慎期間が明けても小普請入りとなりお役にはつけない。問題は火付盗賊改が捜査している件」
よほどの重大事件なのだろう。兄の顔が曇った。
「実はその件で私も火付盗賊改から調べられました」
「え!」
私と母上は同時に叫んでいた。
「あ、心配はいりません。調べるといっても被害を受けた側としてですから」
「被害を受けたって、何されたの? 嫌がらせ?」
母上と同じことを私も考えていた。
「昌平黌の不正入試です」
兄の言葉に私も母上も耳を疑った。ありえない。町人にも聴講を許している朱子学の殿堂で一体何があったというのか。
「二十年ほど前に学頭と理事の一部が変わってから、入学する学生に政府高官や名門旗本、豪商の子弟の割合が増え、模擬試験で合格確実の者がかなり不合格になっているのです。不審を覚える者はいましたが、はっきりと口にするのは憚られていました。というのも前の上様に仕えていたお琴の方様の弟も理事を務めていたからです」
お琴の方の名前は聞いたことがあった。御台所様付の中臈で前の上様から一番の寵愛を受けていた方である。子どもは女子一人、男子一人で姉は京の公家に嫁ぎ、弟は御三家の養子に入っている。
「ああ、あの方ね。今も大奥にいるのかしら」
「いえ、亡き上様の菩提を弔うために寺に入られました」
「つまり、それで捜査が始まったということか」
「はい。なんでも上様から、馳川様に直々の命があったとか」
それは相当のことである。
「火付盗賊改方の調べで政府高官、名門旗本、豪商の子弟を入学させるために、故意に弱小旗本や御家人、町人の子弟の答案を根拠もなく減点していたということが判明しました」
それでは兄も減点されていたのではないか。でなければ直前の模擬試験で合格間違いなしと言われていた兄が落ちるはずがない。
「では、兄上も」
「答案がすでに廃棄されているので、それはわからない。わかっているのは兵庫がその恩恵を受けていたということ。不正の首謀者は理事を務めていた兵庫の叔父です。金がかなり動いている。恐らく兵庫の叔父は死罪かと。お琴の方の弟が金を管理していたようで、こちらも恐らく」
さすがに母上も沈黙した。
弟が死罪ということになったらお琴の方は寺で軟禁状態になるだろう。娘と息子が離縁される恐れもある。
「上様、ホントにお琴の方がお嫌いだったのね」
しばらくして母上は言った。
「淑女スタイルを出している出版社は週刊江戸春秋出してるから、いろいろと噂が入ってくる。中には記事にしたら発売禁止命令が出るような話もあってね。御台所様の血を引く今の上様に対して不敬の振舞があったとかね」
「お琴の方様がですか」
「まだ子どもだった上様が飼っていた犬に玉ねぎの入った肉団子を食べさせて獣医を呼ぶ騒ぎになったとかはまだ序の口、口に出せないような話があってね」
母上の語る話はテレビの「今日の上様」や「将軍様御一家」では絶対に出て来ない話だった。
「上様はよく我慢なさったのですね。将軍になる日がいつか来るとはいえ、子どもにはつらいことだったでしょうね」
それまで黙って聞いていた兄は言った。
「鳴かぬなら鳴くまで待とう、さ」
遺伝の力というものだろうか。
「待っている間に、虎視眈々と狙っていたわけね」
母上はうなずいた。
「兵庫はこっちの件ではさほど大きな役割を果たしていませんでしたが、鬼勘は兵庫の口を割らせて不正入試の関係者の名前を吐き出させたんです。火付盗賊改の捜査の裏付けがとれたので、理事を逮捕し、昌平黌や関係者宅の家宅捜索ができたのです。明日の朝のニュースはこれ一色になるはずです」
「学頭はどうなるの?」
「ここ数年体調を崩して入退院を繰り返していて特にここ一か月は悪化していて取調ができないが、解雇は確実だろう。一部理事たちの専横を止められなかった責任はあるから蟄居閉門、悪くすれば改易だな」
「不正で入学した人たちはどうなるの」
私の疑問に兄はあっさりと答えた。
「氏名が公表される。現在の役はそのままだ」
それは軽いように見えてかなり重い罰だった。名前を日本中に晒されるが、仕事はそのまま。降格されることはない。つまり、名門の学校を卒業して出世した者達の学歴は偽りだったということになるのだ。部下達の蔑みの目、世間の冷たい目に彼らは耐えられるだろうか。たぶん耐えられまい。辞職して隠居ができればいい。中にはそれでは済まない話も出て来るのではあるまいか。
「それじゃ兵庫は入試の不正で名前を晒された上に、公務員法度違反てわけ?」
「いえ、もう一つあります。不義密通未遂です」
兄の声は冷たい。当然のことだろう。
兄は真面目に勉強していたのだ。兵庫に勉強を教えてもらいながら。兵庫は貧しい御家人の子の兄が合格するはずがないと思っていながら教えていたのではないか。
私ははっとした。母上は内職で得た金銭を兵庫への謝礼として、兵庫の親に毎月支払っていたのだ。だが、母の苦労は報われなかった。その上、病に倒れ・・・・・・。
そういうことだったのだ。兵庫は母の命を間接的に奪った仇。
刃を交えずに兄は仇を討ったのだ。
馬鹿な兵庫。自分を仇と思っている男の妹に初めての恋心を抱くなんて。挙句にこじらせて不義密通の誘いをかけるとは。
「不義密通未遂って、何それ。笑いものになるだけよ。その上不正入学で公務員法度違反だし」
母上の笑いがリビングにこだまする。
たぶん兵庫はこの何百倍、何千倍もの哄笑を聞くことになるのだ、生きている限り。
兄は笑ってみせたが、目が笑っていなかった。
「そういう話はやめてくれない?」
母上の顔がいつになく剣呑なものに変わっていた。
「これは失礼を」
兄は真面目な顔になった。
「実の兄なんだから津由子さんの気持ちを考えたらいかが。兵庫の気持ちなんぞ今更知る必要はない。一番知りたいのは左京のこと。兵庫なんてついでよ、つ・い・で!」
母上の言葉の後半は私の気持ちそのままだった。でも、前半は少し違う。こじれた初恋がどうしてああなったのか、過程が知りたかった。と同時に、芙二子さんのことを思い返していた。川村竹之助少年のかなわぬ初恋がこじれたらどうなってしまうのか。芙二子さんを素直に諦めてくれるものだろうか。もし兵庫のようになったら……。相談に対してもっと別の答えがあったのではないか。頭の中をぐるぐると色々なことが駆け巡った。
兄は母上の剣幕に押されたのか、少ししょんぼりしていた。
「ごめん、津由子」
「大丈夫。なんとも思ってないから。それより、他に死罪になる方がいるの?」
兄がそこまで知っているとは思えないが、尋ねてみた。
「ああ。まず、目付の鈴木様が調べている件は、兵庫の親戚の奥祐筆の職権濫用と兵庫の公務員法度違反。こちらは死罪相当の罪ではないので、二人は恐らく免職・蟄居謹慎になるかと。謹慎期間が明けても小普請入りとなりお役にはつけない。問題は火付盗賊改が捜査している件」
よほどの重大事件なのだろう。兄の顔が曇った。
「実はその件で私も火付盗賊改から調べられました」
「え!」
私と母上は同時に叫んでいた。
「あ、心配はいりません。調べるといっても被害を受けた側としてですから」
「被害を受けたって、何されたの? 嫌がらせ?」
母上と同じことを私も考えていた。
「昌平黌の不正入試です」
兄の言葉に私も母上も耳を疑った。ありえない。町人にも聴講を許している朱子学の殿堂で一体何があったというのか。
「二十年ほど前に学頭と理事の一部が変わってから、入学する学生に政府高官や名門旗本、豪商の子弟の割合が増え、模擬試験で合格確実の者がかなり不合格になっているのです。不審を覚える者はいましたが、はっきりと口にするのは憚られていました。というのも前の上様に仕えていたお琴の方様の弟も理事を務めていたからです」
お琴の方の名前は聞いたことがあった。御台所様付の中臈で前の上様から一番の寵愛を受けていた方である。子どもは女子一人、男子一人で姉は京の公家に嫁ぎ、弟は御三家の養子に入っている。
「ああ、あの方ね。今も大奥にいるのかしら」
「いえ、亡き上様の菩提を弔うために寺に入られました」
「つまり、それで捜査が始まったということか」
「はい。なんでも上様から、馳川様に直々の命があったとか」
それは相当のことである。
「火付盗賊改方の調べで政府高官、名門旗本、豪商の子弟を入学させるために、故意に弱小旗本や御家人、町人の子弟の答案を根拠もなく減点していたということが判明しました」
それでは兄も減点されていたのではないか。でなければ直前の模擬試験で合格間違いなしと言われていた兄が落ちるはずがない。
「では、兄上も」
「答案がすでに廃棄されているので、それはわからない。わかっているのは兵庫がその恩恵を受けていたということ。不正の首謀者は理事を務めていた兵庫の叔父です。金がかなり動いている。恐らく兵庫の叔父は死罪かと。お琴の方の弟が金を管理していたようで、こちらも恐らく」
さすがに母上も沈黙した。
弟が死罪ということになったらお琴の方は寺で軟禁状態になるだろう。娘と息子が離縁される恐れもある。
「上様、ホントにお琴の方がお嫌いだったのね」
しばらくして母上は言った。
「淑女スタイルを出している出版社は週刊江戸春秋出してるから、いろいろと噂が入ってくる。中には記事にしたら発売禁止命令が出るような話もあってね。御台所様の血を引く今の上様に対して不敬の振舞があったとかね」
「お琴の方様がですか」
「まだ子どもだった上様が飼っていた犬に玉ねぎの入った肉団子を食べさせて獣医を呼ぶ騒ぎになったとかはまだ序の口、口に出せないような話があってね」
母上の語る話はテレビの「今日の上様」や「将軍様御一家」では絶対に出て来ない話だった。
「上様はよく我慢なさったのですね。将軍になる日がいつか来るとはいえ、子どもにはつらいことだったでしょうね」
それまで黙って聞いていた兄は言った。
「鳴かぬなら鳴くまで待とう、さ」
遺伝の力というものだろうか。
「待っている間に、虎視眈々と狙っていたわけね」
母上はうなずいた。
「兵庫はこっちの件ではさほど大きな役割を果たしていませんでしたが、鬼勘は兵庫の口を割らせて不正入試の関係者の名前を吐き出させたんです。火付盗賊改の捜査の裏付けがとれたので、理事を逮捕し、昌平黌や関係者宅の家宅捜索ができたのです。明日の朝のニュースはこれ一色になるはずです」
「学頭はどうなるの?」
「ここ数年体調を崩して入退院を繰り返していて特にここ一か月は悪化していて取調ができないが、解雇は確実だろう。一部理事たちの専横を止められなかった責任はあるから蟄居閉門、悪くすれば改易だな」
「不正で入学した人たちはどうなるの」
私の疑問に兄はあっさりと答えた。
「氏名が公表される。現在の役はそのままだ」
それは軽いように見えてかなり重い罰だった。名前を日本中に晒されるが、仕事はそのまま。降格されることはない。つまり、名門の学校を卒業して出世した者達の学歴は偽りだったということになるのだ。部下達の蔑みの目、世間の冷たい目に彼らは耐えられるだろうか。たぶん耐えられまい。辞職して隠居ができればいい。中にはそれでは済まない話も出て来るのではあるまいか。
「それじゃ兵庫は入試の不正で名前を晒された上に、公務員法度違反てわけ?」
「いえ、もう一つあります。不義密通未遂です」
兄の声は冷たい。当然のことだろう。
兄は真面目に勉強していたのだ。兵庫に勉強を教えてもらいながら。兵庫は貧しい御家人の子の兄が合格するはずがないと思っていながら教えていたのではないか。
私ははっとした。母上は内職で得た金銭を兵庫への謝礼として、兵庫の親に毎月支払っていたのだ。だが、母の苦労は報われなかった。その上、病に倒れ・・・・・・。
そういうことだったのだ。兵庫は母の命を間接的に奪った仇。
刃を交えずに兄は仇を討ったのだ。
馬鹿な兵庫。自分を仇と思っている男の妹に初めての恋心を抱くなんて。挙句にこじらせて不義密通の誘いをかけるとは。
「不義密通未遂って、何それ。笑いものになるだけよ。その上不正入学で公務員法度違反だし」
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