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第二部 自由国ダグラス
第七十四話 ママ……?
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「何言ってるんだお前!? エルフリーデはお前の母親じゃないだろ?」
「ママ、ママー!」とアレスの言葉も聞かないで、ロードはエルフリーデのお腹に抱きついた。
「お前……」
「違うのよ! この子は私の子じゃないわ! だからね、ちょっと離れてもらえるかしら」
ギャバンは軽蔑するかのような目でエルフリーデを見つめると、彼女は必死に否定してロードに離れてもらおうとしたが、「いやッ!!」と言って離れなかった。
その様子をリードは顎髭を触りながら見てある結論に至った。
「そうかそう言うことか。ロードは捨てた母親の顔が記憶のどこかにあったんだろうな…… そして、顔が似ているエルフリーデを見て母親だと思ったのだろう」
「そうよ彼の言う通りだわ、私は子供なんて持ったこともないし、そいうことだって経験ないもの」
「だってよロード、もう離れろよ、嫌がっているだろ」
「そうなのママ……?」
ロードが涙目でエルフリーデを見つめるので、彼女も強く出れなくて黙ってただロードの頭を撫でることにした。
「それじゃあお前たちの部屋に案内するからついてこい」
ギャバンの先導で二階に案内されたロード達は個人部屋があてがわれた。
アレスとメリナは個人部屋が与えられたことに歓喜してすぐに部屋に入っていった。
エルフリーデも自分の部屋に入って休憩しようとしたが、部屋にロードも入ってきた。
「言ったでしょ私はアナタのママじゃないって、どうしてそんなに私にくっついてくるのよ」
「だってだって、ママはママだもん。僕は昔、親に捨てられて兄さんに育てられたから親のことは知らないんだもん」
「てことは、アナタは私をママにしたいの?」
「うん」
そう言うと、ロイドの手が出てきてロードのほっぺたをつまんだ。
「痛いよロイド」
「なによその腕……」
「ええとね、これはロイドの手だよ」
「ロイド? 誰よそれ」
エルフリーデは顔をロードに近づけてロイドの手をまじまじと見つめていた。
「カオスの第十遺子のロイドだよ、僕の中にいるんだ。あと第九遺子ディーンもね」
「ええええええええ!!」
その言葉を聞いてエルフリーデは驚きのあまり、足がカクついて地面に尻もちをついた。
「大丈夫、ママ?」
「本当なのそれ……? カオスの遺子って魔界に君臨する十人の王よね、、アナタが倒したの?」
恐る恐る事の詳細をロードに尋ねるエルフリーデは、倒れて無様な格好になっていることなんてお構いなしだった。
「僕一人じゃないけどね。ここに来たのも、僕たちがカオスの遺子と戦うためだから」
「ええええええええ!!」
また、エルフリーデは声を荒げた。
「だって、私はアナタたちはクーデターを起こした軍の長官の一人スヲウを捕らえるための援軍で来たんじゃ……?」
「え? そうなの?よく分かんないや。それよりママ、遊ぼうよ」
ロードは倒れてるエルフリーデの手を引っ張って立ち上がらせると、何で遊ぶか聞いた。
「いや、私は別に……」
「いいのいいの! 遊ぼうよ!」
「はあ~しょうがないわね」
しつこく迫って来るロードに折れたエルフリーデは渋々遊びに付き合うことにした。
「はい、私の勝ちー!」
「うわああ負けたああ!」
二人は部屋にあったすごろくゲームをして遊んでいた。
ルールは簡単、さいころを振って出た目の分マスを進ませて最初に到着した者が勝者となる。
(何が面白いのかしら……? 単純すぎてつまらないわ)
ロードは楽しくさいころを振って出た目を見て一喜一憂しながらゲームを楽しんでいる一方、エルフリーデはただの単純作業に徐々に嫌気がさしてきて、ロードに何で兵士になったのか尋ねた。
すると、ロードは過去のトラウマになりそうな記憶を持ってきて兵士になるまでと兵士になってからのことを話し始めた。
「さっきも言ったけど、僕は捨てられた子だったんだよ。そこを兄さんが拾ってくれて十一歳になるまで育ててくれたんだ」
(え? 十一歳……? てっきり八歳ぐらいの歳かと思ってたのに…… 言動が幼いからそう見えるのかしら)
「それで、うう… あの日が来ちゃったんだ」
ロードは手を止めて、少し下に向いてコリンとの出会いと別れ、そこから兵士への道を進み始めたことを話した。
「そう…… 災難だったわね」
「うん。でも、そこから僕は今の仲間たちに出会ったんだ」
「一緒に笑って、遊んで、泣いて、怒って、寝て…… すごく楽しい思いでだよ、でも…カオスの遺子との戦いで守ってた町は消えて、戦友たちも次々と亡くなっていったんだ……」
言葉に詰まりながらもロードはすべてのことを話そうと頑張っていた。
エルフリーデも手を止めて、ロードの話を頷きながら聞いていた。
「それでね、、僕たちは誓ったんだ、すべての遺子を僕が倒すまで戦おうって。そうすれば、きっとみんな平和に暮らしていけるはずだから」
すべての話を聞いたエルフリーデは、ロードの境遇の過酷さと幼いながら数多の悲劇を乗り越えてきた彼に尊敬の念と見守ってあげたいという思いが溢れてきた。
そうして、彼女はロードの体をギュッと抱きしめると、「悲しい思いをいっぱいしてきたわね。でも大丈夫、私がアナタの心のママになってあげるから、辛くなったらいつでも私の所に来なさい」と優しく声をかけた。
「うん分かったよママ」
こうして、エルフリーデはロードの心のママとなった。
翌日、ロード達は朝食を食べ終わると二人の案内役が町を案内するため、それぞれエルフリーデ、ロード、メリナとギャバン、アレス、リードの三人ずつに分かれて町を観光することになった。
「ママ、ママ! あっちあっち!お菓子売ってるよ」
「はいはい、それじゃあ、今度はあっちに行ってみましょうか」
ロード達はエルフリーデの案内というよりは、ロードが気になった店を見て回っていた。
(フフフ、親子みたい……)
メリナはロードがエルフリーデに甘えている微笑ましい光景に邪魔しないように少し距離を取った場所でそれを見ていた。
「次はどこへ行きたい~?」
「お菓子買っちゃたから、どこかで休もうよ」
「公園で休みましょう、メリナもいいわよね?」
「もちろん」
三人は町の中央にある公園へと歩き始めた。
一方、アレスたち三人はギャバンから観光案内をしてもらっていた。
「あの古い家はオッドハウスと言われるこの町で呪われた家として有名なんだ」
二人は町には似つかわない廃れた家を見上げていた。
「ただのぼろい家じゃん、汚いし取り壊せよ」
「俺に言うなよ。それにこれは重要な観光地なんだ、入ってみるか?」
「やだよ、呪われそうじゃん。早く他のところに行こうぜ」
アレスはただのぼろ屋だと言い張って次の場所に案内するように言うと、スタスタとオッドハウスから離れていった。
「ビビッてるのか?」
アレスは足を止めた。
「ああ? 誰がビビッてるって?」
「お前だろ、ただのぼろ屋にビビッて足を巻こうとしてるのは」
「なら俺が今から一人で入るからお前たちは入って来るなよ!」
「了解了解」
「クソ、こんなのただの家だ。呪われるわけない、呪いなんてあるわけない」
アレスはそうブツブツ呟きながらオッドハウスに入っていった。
少しすると、中からアレスの叫び声が聞こえてきた。
「おいおい大丈夫か」
「安心していいぞ、オッドハウスはただのお化け屋敷なんだから」
ギャバンのネタ晴らしにリードは、「はぁ?」と何を言ってるか分からずに困惑した。
「この家は古いことは確かだが、この家で誰かが死んだなんてことはないし… 売れ残った人気のない家を市長が安く買い取って、お化け屋敷としてオープンしたんだ」
「要するに、呪われるっていう話は嘘なんだな」
「ああ、その噂も市長が客を呼び込むために流したデマだからな。アホな観光客がわんさかやって来るから、儲けはいいようだが」
「ふーん。ところで、何でそんな嘘をついたんだ?」
ギャバンは満面の笑みを見せて答えた。
「だって、そのほうが面白いじゃん!」
「とんでもねえ野郎だなお前は」
「クク、あんたもそうだろ」
「そうかもな……」
そうして、リードとギャバンはアレスが出てくるのを待っていた。
その夜、観光を終えみんなでテーブルを囲んで夕食を食べていた。
「あははは! そんなことあるわけないじゃない!」
「本当なんだって! 入ったらお化けができたんだよ!幽霊に金もとられるし、子供の幽霊が泣いているのを親の幽霊があやしているのも見たんだ! 俺は呪われてしまったかもしれない!!」
アレスはオッドハウスで起きたことをみんなに話したが、メリナたちは冗談だと思って真面目に取り合わなかった。
それでもなおアレスが真面目に語っているので、おかしくてメリナは笑っていた。
「ねえママ、お菓子食べていい?」
「ご飯をちゃんと食べたらね」
「いやいやッ! 今から食べたいー!」
テーブルに置いたお菓子を手に取ったロードをエルフリーデが手を掴んで止めるが、手足をバタバタさせて不満をあらわにした。
「言うこと聞かない子は森に捨てちゃうわよ!」
「うん…… 言うこと聞く」
「いい子いい子」
言うことを聞いたロードの頭をエルフリーデは撫でた。
「なら、俺が貰っちゃおうかな~お菓子」
そう言うと、ギャバンはロードのお菓子を自分の方へ寄せた。
それを見たロードはとられたことに怒って手を伸ばして取り返そうとした。
すると、ディーンの腕が現れてギャバンの頭をテーブルに叩きつけた。
「きゃああ!」と驚いているエルフリーデとは対照的にアレスたちは、「あ~あ、やっちゃた」とあまり驚いている様子ではなかった。
「ってえな、放せよ」
ギャバンは押さえつけているディーンの腕を掴んで払いのけた。
騒然とした空気が張り詰めている中、リードがテーブルを叩いて一言、「黙って食え」と言うと、ディーンも手を引っ込めて、みんな黙々と食べ始めた。
「ママ、ママー!」とアレスの言葉も聞かないで、ロードはエルフリーデのお腹に抱きついた。
「お前……」
「違うのよ! この子は私の子じゃないわ! だからね、ちょっと離れてもらえるかしら」
ギャバンは軽蔑するかのような目でエルフリーデを見つめると、彼女は必死に否定してロードに離れてもらおうとしたが、「いやッ!!」と言って離れなかった。
その様子をリードは顎髭を触りながら見てある結論に至った。
「そうかそう言うことか。ロードは捨てた母親の顔が記憶のどこかにあったんだろうな…… そして、顔が似ているエルフリーデを見て母親だと思ったのだろう」
「そうよ彼の言う通りだわ、私は子供なんて持ったこともないし、そいうことだって経験ないもの」
「だってよロード、もう離れろよ、嫌がっているだろ」
「そうなのママ……?」
ロードが涙目でエルフリーデを見つめるので、彼女も強く出れなくて黙ってただロードの頭を撫でることにした。
「それじゃあお前たちの部屋に案内するからついてこい」
ギャバンの先導で二階に案内されたロード達は個人部屋があてがわれた。
アレスとメリナは個人部屋が与えられたことに歓喜してすぐに部屋に入っていった。
エルフリーデも自分の部屋に入って休憩しようとしたが、部屋にロードも入ってきた。
「言ったでしょ私はアナタのママじゃないって、どうしてそんなに私にくっついてくるのよ」
「だってだって、ママはママだもん。僕は昔、親に捨てられて兄さんに育てられたから親のことは知らないんだもん」
「てことは、アナタは私をママにしたいの?」
「うん」
そう言うと、ロイドの手が出てきてロードのほっぺたをつまんだ。
「痛いよロイド」
「なによその腕……」
「ええとね、これはロイドの手だよ」
「ロイド? 誰よそれ」
エルフリーデは顔をロードに近づけてロイドの手をまじまじと見つめていた。
「カオスの第十遺子のロイドだよ、僕の中にいるんだ。あと第九遺子ディーンもね」
「ええええええええ!!」
その言葉を聞いてエルフリーデは驚きのあまり、足がカクついて地面に尻もちをついた。
「大丈夫、ママ?」
「本当なのそれ……? カオスの遺子って魔界に君臨する十人の王よね、、アナタが倒したの?」
恐る恐る事の詳細をロードに尋ねるエルフリーデは、倒れて無様な格好になっていることなんてお構いなしだった。
「僕一人じゃないけどね。ここに来たのも、僕たちがカオスの遺子と戦うためだから」
「ええええええええ!!」
また、エルフリーデは声を荒げた。
「だって、私はアナタたちはクーデターを起こした軍の長官の一人スヲウを捕らえるための援軍で来たんじゃ……?」
「え? そうなの?よく分かんないや。それよりママ、遊ぼうよ」
ロードは倒れてるエルフリーデの手を引っ張って立ち上がらせると、何で遊ぶか聞いた。
「いや、私は別に……」
「いいのいいの! 遊ぼうよ!」
「はあ~しょうがないわね」
しつこく迫って来るロードに折れたエルフリーデは渋々遊びに付き合うことにした。
「はい、私の勝ちー!」
「うわああ負けたああ!」
二人は部屋にあったすごろくゲームをして遊んでいた。
ルールは簡単、さいころを振って出た目の分マスを進ませて最初に到着した者が勝者となる。
(何が面白いのかしら……? 単純すぎてつまらないわ)
ロードは楽しくさいころを振って出た目を見て一喜一憂しながらゲームを楽しんでいる一方、エルフリーデはただの単純作業に徐々に嫌気がさしてきて、ロードに何で兵士になったのか尋ねた。
すると、ロードは過去のトラウマになりそうな記憶を持ってきて兵士になるまでと兵士になってからのことを話し始めた。
「さっきも言ったけど、僕は捨てられた子だったんだよ。そこを兄さんが拾ってくれて十一歳になるまで育ててくれたんだ」
(え? 十一歳……? てっきり八歳ぐらいの歳かと思ってたのに…… 言動が幼いからそう見えるのかしら)
「それで、うう… あの日が来ちゃったんだ」
ロードは手を止めて、少し下に向いてコリンとの出会いと別れ、そこから兵士への道を進み始めたことを話した。
「そう…… 災難だったわね」
「うん。でも、そこから僕は今の仲間たちに出会ったんだ」
「一緒に笑って、遊んで、泣いて、怒って、寝て…… すごく楽しい思いでだよ、でも…カオスの遺子との戦いで守ってた町は消えて、戦友たちも次々と亡くなっていったんだ……」
言葉に詰まりながらもロードはすべてのことを話そうと頑張っていた。
エルフリーデも手を止めて、ロードの話を頷きながら聞いていた。
「それでね、、僕たちは誓ったんだ、すべての遺子を僕が倒すまで戦おうって。そうすれば、きっとみんな平和に暮らしていけるはずだから」
すべての話を聞いたエルフリーデは、ロードの境遇の過酷さと幼いながら数多の悲劇を乗り越えてきた彼に尊敬の念と見守ってあげたいという思いが溢れてきた。
そうして、彼女はロードの体をギュッと抱きしめると、「悲しい思いをいっぱいしてきたわね。でも大丈夫、私がアナタの心のママになってあげるから、辛くなったらいつでも私の所に来なさい」と優しく声をかけた。
「うん分かったよママ」
こうして、エルフリーデはロードの心のママとなった。
翌日、ロード達は朝食を食べ終わると二人の案内役が町を案内するため、それぞれエルフリーデ、ロード、メリナとギャバン、アレス、リードの三人ずつに分かれて町を観光することになった。
「ママ、ママ! あっちあっち!お菓子売ってるよ」
「はいはい、それじゃあ、今度はあっちに行ってみましょうか」
ロード達はエルフリーデの案内というよりは、ロードが気になった店を見て回っていた。
(フフフ、親子みたい……)
メリナはロードがエルフリーデに甘えている微笑ましい光景に邪魔しないように少し距離を取った場所でそれを見ていた。
「次はどこへ行きたい~?」
「お菓子買っちゃたから、どこかで休もうよ」
「公園で休みましょう、メリナもいいわよね?」
「もちろん」
三人は町の中央にある公園へと歩き始めた。
一方、アレスたち三人はギャバンから観光案内をしてもらっていた。
「あの古い家はオッドハウスと言われるこの町で呪われた家として有名なんだ」
二人は町には似つかわない廃れた家を見上げていた。
「ただのぼろい家じゃん、汚いし取り壊せよ」
「俺に言うなよ。それにこれは重要な観光地なんだ、入ってみるか?」
「やだよ、呪われそうじゃん。早く他のところに行こうぜ」
アレスはただのぼろ屋だと言い張って次の場所に案内するように言うと、スタスタとオッドハウスから離れていった。
「ビビッてるのか?」
アレスは足を止めた。
「ああ? 誰がビビッてるって?」
「お前だろ、ただのぼろ屋にビビッて足を巻こうとしてるのは」
「なら俺が今から一人で入るからお前たちは入って来るなよ!」
「了解了解」
「クソ、こんなのただの家だ。呪われるわけない、呪いなんてあるわけない」
アレスはそうブツブツ呟きながらオッドハウスに入っていった。
少しすると、中からアレスの叫び声が聞こえてきた。
「おいおい大丈夫か」
「安心していいぞ、オッドハウスはただのお化け屋敷なんだから」
ギャバンのネタ晴らしにリードは、「はぁ?」と何を言ってるか分からずに困惑した。
「この家は古いことは確かだが、この家で誰かが死んだなんてことはないし… 売れ残った人気のない家を市長が安く買い取って、お化け屋敷としてオープンしたんだ」
「要するに、呪われるっていう話は嘘なんだな」
「ああ、その噂も市長が客を呼び込むために流したデマだからな。アホな観光客がわんさかやって来るから、儲けはいいようだが」
「ふーん。ところで、何でそんな嘘をついたんだ?」
ギャバンは満面の笑みを見せて答えた。
「だって、そのほうが面白いじゃん!」
「とんでもねえ野郎だなお前は」
「クク、あんたもそうだろ」
「そうかもな……」
そうして、リードとギャバンはアレスが出てくるのを待っていた。
その夜、観光を終えみんなでテーブルを囲んで夕食を食べていた。
「あははは! そんなことあるわけないじゃない!」
「本当なんだって! 入ったらお化けができたんだよ!幽霊に金もとられるし、子供の幽霊が泣いているのを親の幽霊があやしているのも見たんだ! 俺は呪われてしまったかもしれない!!」
アレスはオッドハウスで起きたことをみんなに話したが、メリナたちは冗談だと思って真面目に取り合わなかった。
それでもなおアレスが真面目に語っているので、おかしくてメリナは笑っていた。
「ねえママ、お菓子食べていい?」
「ご飯をちゃんと食べたらね」
「いやいやッ! 今から食べたいー!」
テーブルに置いたお菓子を手に取ったロードをエルフリーデが手を掴んで止めるが、手足をバタバタさせて不満をあらわにした。
「言うこと聞かない子は森に捨てちゃうわよ!」
「うん…… 言うこと聞く」
「いい子いい子」
言うことを聞いたロードの頭をエルフリーデは撫でた。
「なら、俺が貰っちゃおうかな~お菓子」
そう言うと、ギャバンはロードのお菓子を自分の方へ寄せた。
それを見たロードはとられたことに怒って手を伸ばして取り返そうとした。
すると、ディーンの腕が現れてギャバンの頭をテーブルに叩きつけた。
「きゃああ!」と驚いているエルフリーデとは対照的にアレスたちは、「あ~あ、やっちゃた」とあまり驚いている様子ではなかった。
「ってえな、放せよ」
ギャバンは押さえつけているディーンの腕を掴んで払いのけた。
騒然とした空気が張り詰めている中、リードがテーブルを叩いて一言、「黙って食え」と言うと、ディーンも手を引っ込めて、みんな黙々と食べ始めた。
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