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田舎に住む つきあってるさけむす
ネクタイ
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眠い目を擦って、リビングに行くと伊織がネクタイを首に引っかけて、先端の方を口に咥えていて一気に目が覚めた。
「⁉」
「結くん。おはよう」
「ど、どーしたの? 今日はベルトじゃないの?」
「今日は本社から視察が来るから形だけでもネクタイしてろってオーナーに言われてさ」
「ぶきっちょ……」
「ボーイの制服も以前はネクタイだったけど、あれはピンで止められたからねぇ」
かわいい。ネクタイはそうならない。できないんだ。料理とかは何でもできるのに、ネクタイはできないんだ。かわいい。
「もしかして、ハーネスベルトをつけているのってネクタイできないからなの?」
「ううん。おっぱい揺れるからつけてる」
「おっ……」
普通、男の人におっぱいはないけど伊織にはある。ドキドキしてしまう。確かにこんなに筋肉ついていたら走ったりしたら揺れるかも。
「見過ぎ。嘘だよ」
「あう、あうう」
「結くん、ネクタイやってほしいな」
「う、うん。俺も人にはしたことないけど」
はいって、ネクタイを差し出してきた伊織。俺が背伸びして首の後ろに通そうとしているのに屈んでくれない。
「伊織、しゃがんで?」
「結くんに抱っこをせがまれているみたい」
そのまま、腕の中に閉じ込められてしまった。ネクタイ、結べない。顔中にちゅーされて流されそうになってしまう。
「伊織、ネクタイ……」
「うん。もうちょっと」
「うわっ!」
俺をだっこして、ソファーに寝転んだ伊織が下から俺を見上げる。
「これなら結くんもやりやすいでしょ?」
伊織の上に乗っかって、ネクタイするのは非常に恥ずかしいのだけど、さっきよりやりやすいのは確かだ。視線を感じながらネクタイを結ぶ。緊張して何度か間違えたけど、なんとかできた。
ネクタイをきゅっと締めて、伊織の肩を叩く。それから、仕上げに口先にちゅってした。いつもやられっぱなしだから仕返し。
「できたよ」
「……俺、毎日ネクタイにして、毎日結くんにやってもらおうかな」
「きょ、今日は特別!」
「そっか。なら、結くん。もう一回。んー」
「時間遅れるよ」
「ん。なら、帰ってきたらいっぱいキスするね」
「そういうこといわなくていいから」
顔が真っ赤になった俺のおでこに伊織がもう一回ちゅーをした。それから鞄から銀縁の眼鏡を取り出して掛けた。
「⁉」
「ああ、真面目に見せろって言われてるから。伊達だけどね」
「しゃしん、とる……」
「いいけど。一枚につき、結くんからちゅー一回してもらおうかな。視察は今日から一週間だけど」
「俺、ネクタイ買ってくる!」
「視察にきてくれたのに、ほぼ毎日惚気てごめんね。聞いてくれてありがとう」
「んで、結局ネクタイにするのか」
「いや、ハーネスベルトは恋人が無意識みたいだけど気に入ってるみたいで、時折とろんとした顔でみてくるのは捨てがたいから、こっちかな」
「ああ、じゃあ、いらなくなったネクタイで縛って遊んだり?」
「肌白くて、痛いのにも弱いんだ。あの子の場合、縛ったりしたら赤いの目立っちゃうから可哀想だししないかな。ああ。でも昨日縛られた」
「女王様タイプ?」
「いや、ずっとハグしてたら、禁止令だされちゃって」
「⁉」
「結くん。おはよう」
「ど、どーしたの? 今日はベルトじゃないの?」
「今日は本社から視察が来るから形だけでもネクタイしてろってオーナーに言われてさ」
「ぶきっちょ……」
「ボーイの制服も以前はネクタイだったけど、あれはピンで止められたからねぇ」
かわいい。ネクタイはそうならない。できないんだ。料理とかは何でもできるのに、ネクタイはできないんだ。かわいい。
「もしかして、ハーネスベルトをつけているのってネクタイできないからなの?」
「ううん。おっぱい揺れるからつけてる」
「おっ……」
普通、男の人におっぱいはないけど伊織にはある。ドキドキしてしまう。確かにこんなに筋肉ついていたら走ったりしたら揺れるかも。
「見過ぎ。嘘だよ」
「あう、あうう」
「結くん、ネクタイやってほしいな」
「う、うん。俺も人にはしたことないけど」
はいって、ネクタイを差し出してきた伊織。俺が背伸びして首の後ろに通そうとしているのに屈んでくれない。
「伊織、しゃがんで?」
「結くんに抱っこをせがまれているみたい」
そのまま、腕の中に閉じ込められてしまった。ネクタイ、結べない。顔中にちゅーされて流されそうになってしまう。
「伊織、ネクタイ……」
「うん。もうちょっと」
「うわっ!」
俺をだっこして、ソファーに寝転んだ伊織が下から俺を見上げる。
「これなら結くんもやりやすいでしょ?」
伊織の上に乗っかって、ネクタイするのは非常に恥ずかしいのだけど、さっきよりやりやすいのは確かだ。視線を感じながらネクタイを結ぶ。緊張して何度か間違えたけど、なんとかできた。
ネクタイをきゅっと締めて、伊織の肩を叩く。それから、仕上げに口先にちゅってした。いつもやられっぱなしだから仕返し。
「できたよ」
「……俺、毎日ネクタイにして、毎日結くんにやってもらおうかな」
「きょ、今日は特別!」
「そっか。なら、結くん。もう一回。んー」
「時間遅れるよ」
「ん。なら、帰ってきたらいっぱいキスするね」
「そういうこといわなくていいから」
顔が真っ赤になった俺のおでこに伊織がもう一回ちゅーをした。それから鞄から銀縁の眼鏡を取り出して掛けた。
「⁉」
「ああ、真面目に見せろって言われてるから。伊達だけどね」
「しゃしん、とる……」
「いいけど。一枚につき、結くんからちゅー一回してもらおうかな。視察は今日から一週間だけど」
「俺、ネクタイ買ってくる!」
「視察にきてくれたのに、ほぼ毎日惚気てごめんね。聞いてくれてありがとう」
「んで、結局ネクタイにするのか」
「いや、ハーネスベルトは恋人が無意識みたいだけど気に入ってるみたいで、時折とろんとした顔でみてくるのは捨てがたいから、こっちかな」
「ああ、じゃあ、いらなくなったネクタイで縛って遊んだり?」
「肌白くて、痛いのにも弱いんだ。あの子の場合、縛ったりしたら赤いの目立っちゃうから可哀想だししないかな。ああ。でも昨日縛られた」
「女王様タイプ?」
「いや、ずっとハグしてたら、禁止令だされちゃって」
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