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第1章 変化の始まり
買い物と魔物 #3
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クライの元に行き、二人は椅子に腰掛ける。
「ペルルーイ?の目が合った時の視線が気になったんだが、意図までは分からなかった」
『俺には接客以上の意図はなかったがリミルには違ったのか?』
<俺は確認できなかった。近くにいなかったからな>
「うーん。何だろうな…こう、モヤッとするような…もう一度顔を合わせれば分かるだろ」
『グレモスを連れて来るだろう』
だがグレモスを案内したのは木人族のホステスだった。
給仕服から覗く脚や腕は茶色く木の表面のような見た目で、顔は木を切った断面のような色をしている。まるで木で作った仮面を付けているようだが、瞼も唇も眉も頬なども自然に動く。肌触りは流石に分からない。
女性に興味本位で触れるのは失礼過ぎるし、木人族の男性に肌を触らせてくれるような友達はいない。と言うか、リミルに友達と呼べる相手はギルレイくらいしか思い当たらない。
『ペルルーイに代わりスランがグレモスをお連れ致しました。給仕はこのまま私が勤めさせていただきます』
『ありがとう。俺は肉のコースを頼む』
「俺も肉のコースを」
<俺も肉が良いな。ただ、人と同じ量だと足りないから…>
『クライには3人分くらい必要じゃないか?』
「いつもは2人分で足りてるけど」
『じゃあ2人分とデザート多めにしとくか?』
<ああ、それで頼む>
『注文を確認します。お肉コースを4つと追加でデザートを…そうですね2つほどで宜しいでしょうか?』
『ああ、それで頼む。それと料理を作り終わったらグレモスにはこちらに来て欲しい。話したいことがある。食事も一緒にどうだ?』
ここに来てやっと豚獣人のグレモスが口を開いた。
『ギルレイ様、白いフェンリル連れの冒険者様、白のフェンリル様、本日の昼食に当店を選んでいただき誠にありがとうございます。こちらもお話したいことがありますので、ご提案を有難くお受け致します。スラン、僕の分は魚コースを作るのでこちらの席に運んでくれますか?』
『承知致しました。では先に失礼します』
『グレモス、こちらリミルとクライだ。リミル、クライ。こちらがグレモスだ』
『グレモスと申します。料理長をしております』
「よろしく、俺はリミルだ。ごめんな、敬語は難しくて…」
そう。この世界の敬語はとても難しい。
元々使う人も少なかったりするが、使えないと就けない職種もあったりする。
特にリミルは言葉自体覚えたてなため大人なら使える簡単な敬語すら使えない。
『全然構いませんよ。使わない者が殆どですし、冒険者であれば使う機会はないでしょうしね』
<俺はクライだ。従魔の言葉遣いは基本契主依存だ。フェンリルは話せる種族だからフェンリル特有の話し方も出来るが俺はリミルの言葉遣いが長いからな>
「へ~」
『そうなのか』
『知りませんでした。あ、よろしくお願いします。挨拶も済みましたので、私は一度厨房に戻ります』
そう言ってグレモスは店の中に入っていった。
「フェンリル特有の話し方って?」
<もっと偉そうな話し方だな。俺はする気はないぞ>
「偉そうなのは嫌だな…。それより、ピギルーイが見当たらないな」
『ペルルーイは奥で接客してるな』
<ここにいる竜人族はその二人だけか?>
『いや、確かもう一人いたと思うが女性だったな。今はいないようだが…』
「それにしてもこの店だけ客が少ないな。何かあったのか?噂のせいか?」
『グレモスの話ってのはその辺の事だろうな』
<スランがご飯持って来るぞ>
**
お腹が減っていたリミル達は黙々と食べ始めメインと共にやってきたグレモスも下品にならない程度に急いで食べ全員のデザートが運ばれて来た頃、漸く話を切り出した。
『クライ、お前器用だな』
<あ?犬のように食べると思ったのか。リミルと出会って間もない頃にリミルが作ったご飯を食べたら口の周りが汚れて気持ち悪かったからな。魔法で口元まで運ぶ事にしたんだ。人種は食器を使えるが俺には使えないからな>
「俺も出来るよ。真似して一緒に練習したからな。人前ではやらないけど」
『そうですね。その方がよろしいかと思います。大人としてのテーブルマナーは合格点だと思いますので。クライ様も魔法を使っての食事でとても上品に食べてらしたのでマナーとして問題ないかと』
「そっか、ありがとう。マナーは殆ど独学だからな嬉しいよ」
『そうなのか?アンリは?』
「食器の使い方とかは教えて貰ったけどマナーについては何も言われなかったな。見てて綺麗だなって思う食べ方の人を真似しただけだな」
『左様ですか。失礼ですが、お二人はどのような関係なのでしょう?』
「ペルルーイ?の目が合った時の視線が気になったんだが、意図までは分からなかった」
『俺には接客以上の意図はなかったがリミルには違ったのか?』
<俺は確認できなかった。近くにいなかったからな>
「うーん。何だろうな…こう、モヤッとするような…もう一度顔を合わせれば分かるだろ」
『グレモスを連れて来るだろう』
だがグレモスを案内したのは木人族のホステスだった。
給仕服から覗く脚や腕は茶色く木の表面のような見た目で、顔は木を切った断面のような色をしている。まるで木で作った仮面を付けているようだが、瞼も唇も眉も頬なども自然に動く。肌触りは流石に分からない。
女性に興味本位で触れるのは失礼過ぎるし、木人族の男性に肌を触らせてくれるような友達はいない。と言うか、リミルに友達と呼べる相手はギルレイくらいしか思い当たらない。
『ペルルーイに代わりスランがグレモスをお連れ致しました。給仕はこのまま私が勤めさせていただきます』
『ありがとう。俺は肉のコースを頼む』
「俺も肉のコースを」
<俺も肉が良いな。ただ、人と同じ量だと足りないから…>
『クライには3人分くらい必要じゃないか?』
「いつもは2人分で足りてるけど」
『じゃあ2人分とデザート多めにしとくか?』
<ああ、それで頼む>
『注文を確認します。お肉コースを4つと追加でデザートを…そうですね2つほどで宜しいでしょうか?』
『ああ、それで頼む。それと料理を作り終わったらグレモスにはこちらに来て欲しい。話したいことがある。食事も一緒にどうだ?』
ここに来てやっと豚獣人のグレモスが口を開いた。
『ギルレイ様、白いフェンリル連れの冒険者様、白のフェンリル様、本日の昼食に当店を選んでいただき誠にありがとうございます。こちらもお話したいことがありますので、ご提案を有難くお受け致します。スラン、僕の分は魚コースを作るのでこちらの席に運んでくれますか?』
『承知致しました。では先に失礼します』
『グレモス、こちらリミルとクライだ。リミル、クライ。こちらがグレモスだ』
『グレモスと申します。料理長をしております』
「よろしく、俺はリミルだ。ごめんな、敬語は難しくて…」
そう。この世界の敬語はとても難しい。
元々使う人も少なかったりするが、使えないと就けない職種もあったりする。
特にリミルは言葉自体覚えたてなため大人なら使える簡単な敬語すら使えない。
『全然構いませんよ。使わない者が殆どですし、冒険者であれば使う機会はないでしょうしね』
<俺はクライだ。従魔の言葉遣いは基本契主依存だ。フェンリルは話せる種族だからフェンリル特有の話し方も出来るが俺はリミルの言葉遣いが長いからな>
「へ~」
『そうなのか』
『知りませんでした。あ、よろしくお願いします。挨拶も済みましたので、私は一度厨房に戻ります』
そう言ってグレモスは店の中に入っていった。
「フェンリル特有の話し方って?」
<もっと偉そうな話し方だな。俺はする気はないぞ>
「偉そうなのは嫌だな…。それより、ピギルーイが見当たらないな」
『ペルルーイは奥で接客してるな』
<ここにいる竜人族はその二人だけか?>
『いや、確かもう一人いたと思うが女性だったな。今はいないようだが…』
「それにしてもこの店だけ客が少ないな。何かあったのか?噂のせいか?」
『グレモスの話ってのはその辺の事だろうな』
<スランがご飯持って来るぞ>
**
お腹が減っていたリミル達は黙々と食べ始めメインと共にやってきたグレモスも下品にならない程度に急いで食べ全員のデザートが運ばれて来た頃、漸く話を切り出した。
『クライ、お前器用だな』
<あ?犬のように食べると思ったのか。リミルと出会って間もない頃にリミルが作ったご飯を食べたら口の周りが汚れて気持ち悪かったからな。魔法で口元まで運ぶ事にしたんだ。人種は食器を使えるが俺には使えないからな>
「俺も出来るよ。真似して一緒に練習したからな。人前ではやらないけど」
『そうですね。その方がよろしいかと思います。大人としてのテーブルマナーは合格点だと思いますので。クライ様も魔法を使っての食事でとても上品に食べてらしたのでマナーとして問題ないかと』
「そっか、ありがとう。マナーは殆ど独学だからな嬉しいよ」
『そうなのか?アンリは?』
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『左様ですか。失礼ですが、お二人はどのような関係なのでしょう?』
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