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第1章 変化の始まり
評判と依頼 #2
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そのタイミングでグレモスとピギルーイがやってきて噂が変わった事について話し三人に改めてお礼を言い深く頭を下げて店内に戻って行った。
<また食費が浮いたな>
「そうだなー。あ、ギルレイ!食費払ってない。昨日の夜も今朝も」
今の今まで全く気付かなかった。
昨日の夜も今朝も気がついたらギルレイが作っていた。
それを自然と食べていて、食べ終わったら次の行動に移っていた。
『貰う気はない。取っとけ』
「なんで?」
世話になりっぱなしなので多めに払うことはあっても要らないと言われるとは思ってもいなかった。
『理由か?…そのうち話す』
言えないというよりは言いたくないようだ。
無理に聞き出すのも違うと思い呑み込む。
払わなくていい理由など思いつかないがあるらしいとの事で言われた通り取っておく。
「ありがとう」
『あぁ…それじゃそろそろダンジョンの調査の続きしに行くか』
**
ギルレイ、リミル、クライの三人は【始まりのダンジョン】入口付近の花畑に到着した。
ダンジョンに入りながら話す。
『リミル、さっきは言わなかったがお前に指名依頼があったぞ』
「態々依頼ボードを見て来てくれたのか?」
その確認には時間は掛からないし罪人の報告も直ぐに済んだはずだ。
何に時間がかかっていたのか気になりつつ教えて貰える訳もないのでリミルは無理やり気をそらす。
『いや、受付嬢のリリアンとマゼッタから報告と言うか。会うなら伝えて欲しいって頼まれたんだ』
<内容も聞いてきたのか?>
高位冒険者になると指名依頼があったりする。
依頼者との顔合わせや打ち合わせ何かはギルドの個室で行われるのだが、双方に出頭して貰う日時を決めるため、ギルドから連絡が入る。
連絡用の魔導具も高位冒険者のパーティリーダーに配られている。
が、リミルはソロなので持っていない。
ギルレイやギルド管理者が持っているものほど高度なものでは無いがそれでも決して安くは無いので五、六人のパーティにしか配られない代物だ。
指名依頼が人数の多いパーティに集中するからだろう。
高位になって日が浅い事もあるかも知れないが、リミルが指名依頼を受けたのは片手で数えられる人数だ。
普通の依頼で知り合った人達のうちの数人が気に入ってくれたようでその人達には何度も頼まれている。
今回の指名依頼はどうやら違う人のようだ。
いつもの人の誰かなら依頼者の名前を言ってくれただろう。
『ある程度はな。どうせ後で報告するならって纏めて聞かされたよ』
「新規か…取り敢えず話は聞きに行くとしていつとか言われた?」
リミルは計画的に動くタイプではなく、その日か前日にやりたい事ややっておかなくてはならないことを決めて行動するタイプなので、指名依頼があればギルドの方で話し合いの日時を決めてもらっていた。
この日は特訓、この日はレベル上げ、この日は依頼と決めている人たちもいる。
チームだとこの方が便利なのかも知れない。
リミルはソロなのでその辺自由が利くということもある。
安全マージンは取っているつもりだが、いつ死ぬかも分からない。
なので毎日、悔いが残らないよう自分のやりたいように直感的に動くのがリミルには性に合っている。
指名依頼はたまに入る"予定"だった。
『ああ。出来れば明日の昼2時頃来て欲しいと伝えてって言われたな』
「了解。明日の昼2時ね」
話しているうちに広いドーム状の場所へ着く。
エントランスとでもいうのか。
前日に入らなかった横穴の1つに入り進んでいくと狼や鼠や蝙蝠等の影獣が出てきた。
影獣は黒い靄の塊のような魔物で生まれやすく1番数が多い。
通常のオーバーフローでは大抵がこの魔物だ。
レベル帯は様々で、種類も多い。
『お、出たか』
「ここのは大抵10レベル以下だけど偶に15レベルくらいのやつも出てくる」
それを聞いてギルレイは早速鑑定で確認をしながら武器を構えた。
オーバーフローでは大剣だったが今は洞窟内で狭いため小剣を使うようだ。
一斉に襲いかかってきたが一閃で光となって消えドロップ品だけが残った。
レモナの実にローゼの元となるローズの実に他の紅茶の実が幾つかと果物。
『ここは実や果物がドロップするのか』
「ドロップ品って武器によって変わったりもするけどここは決まって実や果物だったな」
その時使っている武器や職業によってドロップ品が変わることがある。
武器や防具がドロップ品だとその違いは顕著だ。
ギルレイがちょこちょこ出てくる影獣を倒しながらリミルがドロップ品を回収しつつ奥に進んで行った。
最奥は少し広い空間だが特にこれと言って何も無い。
「この階層の横穴は残りは全部こんな感じでそのうちの1箇所に階段があるんだ。ここは下の階層からの帰還場所」
『そうか。じゃあ次の階層行くか』
帰還場所がある箇所がその階層の中では1番魔物が強い。
そこを見せておけばその階層の魔物の強さは分かりやすいということでリミルは時短を図った。
ギルレイもそれがわかり、他の調査は一人でも問題ないので注意点や大まかな事だけ確認し、その都度注釈を入れてもらう事にした。
<また食費が浮いたな>
「そうだなー。あ、ギルレイ!食費払ってない。昨日の夜も今朝も」
今の今まで全く気付かなかった。
昨日の夜も今朝も気がついたらギルレイが作っていた。
それを自然と食べていて、食べ終わったら次の行動に移っていた。
『貰う気はない。取っとけ』
「なんで?」
世話になりっぱなしなので多めに払うことはあっても要らないと言われるとは思ってもいなかった。
『理由か?…そのうち話す』
言えないというよりは言いたくないようだ。
無理に聞き出すのも違うと思い呑み込む。
払わなくていい理由など思いつかないがあるらしいとの事で言われた通り取っておく。
「ありがとう」
『あぁ…それじゃそろそろダンジョンの調査の続きしに行くか』
**
ギルレイ、リミル、クライの三人は【始まりのダンジョン】入口付近の花畑に到着した。
ダンジョンに入りながら話す。
『リミル、さっきは言わなかったがお前に指名依頼があったぞ』
「態々依頼ボードを見て来てくれたのか?」
その確認には時間は掛からないし罪人の報告も直ぐに済んだはずだ。
何に時間がかかっていたのか気になりつつ教えて貰える訳もないのでリミルは無理やり気をそらす。
『いや、受付嬢のリリアンとマゼッタから報告と言うか。会うなら伝えて欲しいって頼まれたんだ』
<内容も聞いてきたのか?>
高位冒険者になると指名依頼があったりする。
依頼者との顔合わせや打ち合わせ何かはギルドの個室で行われるのだが、双方に出頭して貰う日時を決めるため、ギルドから連絡が入る。
連絡用の魔導具も高位冒険者のパーティリーダーに配られている。
が、リミルはソロなので持っていない。
ギルレイやギルド管理者が持っているものほど高度なものでは無いがそれでも決して安くは無いので五、六人のパーティにしか配られない代物だ。
指名依頼が人数の多いパーティに集中するからだろう。
高位になって日が浅い事もあるかも知れないが、リミルが指名依頼を受けたのは片手で数えられる人数だ。
普通の依頼で知り合った人達のうちの数人が気に入ってくれたようでその人達には何度も頼まれている。
今回の指名依頼はどうやら違う人のようだ。
いつもの人の誰かなら依頼者の名前を言ってくれただろう。
『ある程度はな。どうせ後で報告するならって纏めて聞かされたよ』
「新規か…取り敢えず話は聞きに行くとしていつとか言われた?」
リミルは計画的に動くタイプではなく、その日か前日にやりたい事ややっておかなくてはならないことを決めて行動するタイプなので、指名依頼があればギルドの方で話し合いの日時を決めてもらっていた。
この日は特訓、この日はレベル上げ、この日は依頼と決めている人たちもいる。
チームだとこの方が便利なのかも知れない。
リミルはソロなのでその辺自由が利くということもある。
安全マージンは取っているつもりだが、いつ死ぬかも分からない。
なので毎日、悔いが残らないよう自分のやりたいように直感的に動くのがリミルには性に合っている。
指名依頼はたまに入る"予定"だった。
『ああ。出来れば明日の昼2時頃来て欲しいと伝えてって言われたな』
「了解。明日の昼2時ね」
話しているうちに広いドーム状の場所へ着く。
エントランスとでもいうのか。
前日に入らなかった横穴の1つに入り進んでいくと狼や鼠や蝙蝠等の影獣が出てきた。
影獣は黒い靄の塊のような魔物で生まれやすく1番数が多い。
通常のオーバーフローでは大抵がこの魔物だ。
レベル帯は様々で、種類も多い。
『お、出たか』
「ここのは大抵10レベル以下だけど偶に15レベルくらいのやつも出てくる」
それを聞いてギルレイは早速鑑定で確認をしながら武器を構えた。
オーバーフローでは大剣だったが今は洞窟内で狭いため小剣を使うようだ。
一斉に襲いかかってきたが一閃で光となって消えドロップ品だけが残った。
レモナの実にローゼの元となるローズの実に他の紅茶の実が幾つかと果物。
『ここは実や果物がドロップするのか』
「ドロップ品って武器によって変わったりもするけどここは決まって実や果物だったな」
その時使っている武器や職業によってドロップ品が変わることがある。
武器や防具がドロップ品だとその違いは顕著だ。
ギルレイがちょこちょこ出てくる影獣を倒しながらリミルがドロップ品を回収しつつ奥に進んで行った。
最奥は少し広い空間だが特にこれと言って何も無い。
「この階層の横穴は残りは全部こんな感じでそのうちの1箇所に階段があるんだ。ここは下の階層からの帰還場所」
『そうか。じゃあ次の階層行くか』
帰還場所がある箇所がその階層の中では1番魔物が強い。
そこを見せておけばその階層の魔物の強さは分かりやすいということでリミルは時短を図った。
ギルレイもそれがわかり、他の調査は一人でも問題ないので注意点や大まかな事だけ確認し、その都度注釈を入れてもらう事にした。
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