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第1章 出会い
把握すべきこと #2
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念の為ギルドマスターの部屋に入って話すことになりそのままルシノに続いて入室する。
ルスタフのギルドマスター部屋は3人がけのソファが3つルシノの執務机を囲むように配置されていた。
ソファの真ん中には机は置かれておらずクライが1つのソファの前に座る。
話しやすいよう、その他の2つのソファに2人ずつ角に集まるように座った。
『改めて聞くが本当にღ50なのか?』
『はい!ステータスを見る限りは…』
『鑑定してもいいか?』
『はい!大丈夫です』
ルシノは即座に《鑑定》を唱え隠蔽のされていない詳細なステータスを見る。
するとルシノにはこう見えた。
☆☆☆☆☆
*名前 クロト(黒澤 大翔)
*種族 渡人族_ღ50(解放されていません)
*性別 ♂(♂♂)
*契魔 なし
*状態 少し緊張
*職業 戦士_ф32(条件を満たしていないため使用不能)
攻撃系魔法詠唱者_ф30 (条件を満たしていないため使用不能)
防御系魔法詠唱者_ф30 (一部使用可能)
支援系魔法詠唱者_ф30 (一部使用可能)
薬師_ф50 (条件を満たしていないため使用不能)
錬金術師_ф50 (条件を満たしていないため使用不能)
鍛冶師_ф50 (条件を満たしていないため使用不能)
料理人_ф50 (一部使用可能)
*称号 異世界から来た者、リミルの被保護者
☆☆☆☆☆
ルシノは黙り込んだ。
絶句とも言えるがクロトのステータスは常軌を逸していた。
リミルから聞いていたので種族や称号については呑み込めたが、レベルのカッコ書きについては見たことがなかった。
まだ使えないとは言えこちらに来てすぐだと聞いているのに初期レベルもおかしい。
だからこそのカッコ書きだろうとは思う。
しかしそれについてもまだ分かっていない。
ハルバーからこちらに来た経緯については通信で聞いていたのだがハルバーには鑑定はしなかったので任せると言われていた。
何故かは分からないが使用制限がある分には暴走の危険性がないので安心出来る。
『全てに使用制限がかかっている。それと種族レベルも解放されていないとかで恐らくレベルの恩恵は全くないだろう。魔力量は分かるか?』
『えと…どうやって見んの?』
聞かれたリミルは訂正する。
「見るじゃなくて感じ取るんだ」
『え、数値で見れるわけじゃねぇの?』
恐らくゲームではそうなのだろうとあたりを付けリミルはその考えを改めさせる。
「それはゲームだろ?ここは現実だ」
『そうだな…似てるからつい。感じ取るってどうやるんだ?』
リミルは少し考えてルシノに視線を合わせると頷かれたのでクロトの背後に移動した。
魔力は核と呼ばれる部位にあり本来なら子どもの間にそれを把握する。
しかしほとんど大人の身体に近い状態でこちらに来たためそれが出来ないらしい。
核はレベルアップとともに成長して行くのだが元々ღ50の大きさでいきなり使えるようにするのは危険だ。
リミルは複雑な形に成長しているはずの核を、クロトの背中に当てた手を介して魔力を送り探った。
その枝分かれしている1部に魔力で触れクロトに認識させる。
「これが核の1部。触れてるのはわかるか?」
『うーん…ぼんやりとだけど、何かが何かに当たってる気がする』
「俺が魔力で触れてるのが核って言って魔力が貯められる所だ。ここに意識を向ければ魔力量が分かるはずだ」
『核?臓器みたいなもん?』
『臓器というより血管に近い。が、物質として存在するわけではないから魔力でしか触れられないんだ。俺みたいな神格の者は全身に核が蔓延っている』
それから少しの間核を意識させるとその後は話に戻り、神格についてクロトが質問するのでこの世界の種族についての常識を皆で教えた。
あくまで常識の範囲内で。
『ところで二人はギルド登録はどこでするのか決まったのか?』
『俺は生産職でやっていきたいからこの街が良いかな…って思ってる』
『あたしはお世話になるリミル君と同じとこの方が都合が良いかなって…』
3人がリミルを見るので良いんじゃないか?と言いかけて少し考える。
「そう言えば未成人のものの試験は保護者同伴だっけ?」
『『そうなの?』』
『ああ。規則でな』
「ならクロトが成人するまでは同じとこで同時に試験の方が楽だな…俺とは時期もズレるからどっちの街でも良いし、2人で決めてくれ」
話し合うまでもなくルスタフのギルドで登録することに決まった。
ニーナが直ぐに譲った形で。
『なら明日試験して登録だな。今夜も泊まってくだろ?』
「え、良いの?」
<部屋数足りなくないか?>
クロトとニーナは驚いていたがそれが気にならないくらいリミルは喜んでいた。
その様子に呆れつつクライも乗り気なので部屋の心配をした。
『問題ない。家をいじればいい話だからな』
建築屋を呼ぶ事を考えてふと思い至る。
<持ってるのか…>
クライは声に出てしまっていたがリミルと同じ考えに至ったようだ。
『まあな』
どうやら生産職だけでなく建築士も持っていたらしい。
建築士は造作者が職業改変した上位職でなかなか手に入れにくい職の一つだ。
<なら遠慮なく泊まらせてもらおう>
「ありがとう」
『『あ、ありがとう』』
『ああ』
ルスタフのギルドマスター部屋は3人がけのソファが3つルシノの執務机を囲むように配置されていた。
ソファの真ん中には机は置かれておらずクライが1つのソファの前に座る。
話しやすいよう、その他の2つのソファに2人ずつ角に集まるように座った。
『改めて聞くが本当にღ50なのか?』
『はい!ステータスを見る限りは…』
『鑑定してもいいか?』
『はい!大丈夫です』
ルシノは即座に《鑑定》を唱え隠蔽のされていない詳細なステータスを見る。
するとルシノにはこう見えた。
☆☆☆☆☆
*名前 クロト(黒澤 大翔)
*種族 渡人族_ღ50(解放されていません)
*性別 ♂(♂♂)
*契魔 なし
*状態 少し緊張
*職業 戦士_ф32(条件を満たしていないため使用不能)
攻撃系魔法詠唱者_ф30 (条件を満たしていないため使用不能)
防御系魔法詠唱者_ф30 (一部使用可能)
支援系魔法詠唱者_ф30 (一部使用可能)
薬師_ф50 (条件を満たしていないため使用不能)
錬金術師_ф50 (条件を満たしていないため使用不能)
鍛冶師_ф50 (条件を満たしていないため使用不能)
料理人_ф50 (一部使用可能)
*称号 異世界から来た者、リミルの被保護者
☆☆☆☆☆
ルシノは黙り込んだ。
絶句とも言えるがクロトのステータスは常軌を逸していた。
リミルから聞いていたので種族や称号については呑み込めたが、レベルのカッコ書きについては見たことがなかった。
まだ使えないとは言えこちらに来てすぐだと聞いているのに初期レベルもおかしい。
だからこそのカッコ書きだろうとは思う。
しかしそれについてもまだ分かっていない。
ハルバーからこちらに来た経緯については通信で聞いていたのだがハルバーには鑑定はしなかったので任せると言われていた。
何故かは分からないが使用制限がある分には暴走の危険性がないので安心出来る。
『全てに使用制限がかかっている。それと種族レベルも解放されていないとかで恐らくレベルの恩恵は全くないだろう。魔力量は分かるか?』
『えと…どうやって見んの?』
聞かれたリミルは訂正する。
「見るじゃなくて感じ取るんだ」
『え、数値で見れるわけじゃねぇの?』
恐らくゲームではそうなのだろうとあたりを付けリミルはその考えを改めさせる。
「それはゲームだろ?ここは現実だ」
『そうだな…似てるからつい。感じ取るってどうやるんだ?』
リミルは少し考えてルシノに視線を合わせると頷かれたのでクロトの背後に移動した。
魔力は核と呼ばれる部位にあり本来なら子どもの間にそれを把握する。
しかしほとんど大人の身体に近い状態でこちらに来たためそれが出来ないらしい。
核はレベルアップとともに成長して行くのだが元々ღ50の大きさでいきなり使えるようにするのは危険だ。
リミルは複雑な形に成長しているはずの核を、クロトの背中に当てた手を介して魔力を送り探った。
その枝分かれしている1部に魔力で触れクロトに認識させる。
「これが核の1部。触れてるのはわかるか?」
『うーん…ぼんやりとだけど、何かが何かに当たってる気がする』
「俺が魔力で触れてるのが核って言って魔力が貯められる所だ。ここに意識を向ければ魔力量が分かるはずだ」
『核?臓器みたいなもん?』
『臓器というより血管に近い。が、物質として存在するわけではないから魔力でしか触れられないんだ。俺みたいな神格の者は全身に核が蔓延っている』
それから少しの間核を意識させるとその後は話に戻り、神格についてクロトが質問するのでこの世界の種族についての常識を皆で教えた。
あくまで常識の範囲内で。
『ところで二人はギルド登録はどこでするのか決まったのか?』
『俺は生産職でやっていきたいからこの街が良いかな…って思ってる』
『あたしはお世話になるリミル君と同じとこの方が都合が良いかなって…』
3人がリミルを見るので良いんじゃないか?と言いかけて少し考える。
「そう言えば未成人のものの試験は保護者同伴だっけ?」
『『そうなの?』』
『ああ。規則でな』
「ならクロトが成人するまでは同じとこで同時に試験の方が楽だな…俺とは時期もズレるからどっちの街でも良いし、2人で決めてくれ」
話し合うまでもなくルスタフのギルドで登録することに決まった。
ニーナが直ぐに譲った形で。
『なら明日試験して登録だな。今夜も泊まってくだろ?』
「え、良いの?」
<部屋数足りなくないか?>
クロトとニーナは驚いていたがそれが気にならないくらいリミルは喜んでいた。
その様子に呆れつつクライも乗り気なので部屋の心配をした。
『問題ない。家をいじればいい話だからな』
建築屋を呼ぶ事を考えてふと思い至る。
<持ってるのか…>
クライは声に出てしまっていたがリミルと同じ考えに至ったようだ。
『まあな』
どうやら生産職だけでなく建築士も持っていたらしい。
建築士は造作者が職業改変した上位職でなかなか手に入れにくい職の一つだ。
<なら遠慮なく泊まらせてもらおう>
「ありがとう」
『『あ、ありがとう』』
『ああ』
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