変態ビッチの襲われ日記

紙吹雪

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高校で先生に犯された話。後編

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 先生の車に乗り込むと、エンジンをかける前の静かな状態で、真剣な顔で先生は言った。

「あいつの事、怖いか?」
「…はい。」
「それが続くのは嫌か?」
「嫌です。」
「ツラい経験になるかもしれないが、その後いくらかマシになる方法はある。」
「え?」
「でも、今俺が何もしなくてもお前なりに乗り越えられる可能性だってある。どうする?」
「…どうするんですか?方法を聞いてからじゃ…」
「ダメだ。それだと意味が無い。」
「………お願いします。」
「…分かった。寄り道するぞ。」

 先生は詳しく教えてくれないまま車を出した。しばらく走って建物の駐車場に車を停めると、自動ドアを入っていく。ボクはどうするのか想像もつかないのにそれでも考えずにはいられず、一抹の不安を感じながらも先生について行った。

 そして、誰にも会うことなく、1つの扉の前に到着し、中に入る。
 靴を脱ぎ、部屋に入ると、ソファ、テーブル、その前にはテレビ、その奥に大きなベッドが置いてある部屋だった。一見ただの部屋かと思い、先生の住む部屋なのかと思ったけれど、テーブルの上にはメニュー表があったり、ベッドの枕付近には幾つものポップの付いた箱が置いてある。

 もしかして…これがラブホ?

 ボタンを押して鍵を受け取っていたのでそういうシステムのマンションか何かかと思った。でも、それにしてはロビーが思ったより狭く、受付の人もいない。

 今更気づいても、もう…遅い。

 ベッドに座らされ、鞄をソファに置いている先生を眺めながら、何故?という言葉しか出なかった。

「な、んで?…ここってラブホってやつじゃ…?」
「落ち着いてよく聞け。お前が襲われるのは恐らくアイツだけでは終わらない。だから、俺がお前の心を守る。やり方は酷いかも知れないが、これしかわからないんだ。ごめんな。」

 そう言って先生は傷付いた笑顔でボクの頭を撫でた。
 そんな顔をするなら何故…。
 疑問が浮かぶけれど、服を脱がされ、慌てて抵抗した。

「先生!止めて!何で!?お願い止めて!先生!」
「もう、止められない。すまない、こんな方法しか思いつかなくて。」

 ずっと止めてと叫び続けて喉が痛い。
 叫ぶのは止め、首を左右に激しく振って泣いて首や目元も痛い。
 抵抗をしていた手は先生の着ていたパーカーで縛られている。
 もう全力での抵抗には疲れてしまった。
 それでも掠れた声で小さく首を動かしながら『嫌だ、止めて』というのは続けた。

 先生がボクに優しく触れながら言うんだ。

「悪いのは俺だ。快感を教える俺が悪い。嫌がっているお前は悪くないんだ。だからどれだけ感じても良い。仕方ないんだ。襲う奴が悪い。嫌がってるお前がどれだけ感じたって罪悪感を感じる必要なんてない。悪いのは襲っている俺なんだから。」

 ずっとボクに快感を教えながら繰り返し言われ続けた。元々どちらかというと敏感だった身体は素直に快感として感じるようになっていった。

 本当は怖かったんだ。嫌なはずなのに感じてしまうのが。感じていない振りをするのは苦しかったし、自分が変わってしまうのがツラかった。

 ボクはボクの身体がおかしいんじゃないかと思った。知らない人に触られて自分が作り変えられている気がしたのも、あの人がそれを喜んでいることにも、本当はきっと興奮していたんだ。
 それを認めたくなかった。それに、両親に見つかって、両親の態度を見て、これはダメな事なんだって思った。

 先生はきっと分かってるんだ。ボクの気持ちを。だからこんなことをしているんだ。

「気持ち良さそうだな。…一通り快感を教えてやるから、今後誰に襲われても、気持ち良くなってしまうのは俺が教えてしまった所為だ。だから、お前は悪くない。」



 ナカに埋められていた3本の指が抜かれ、先生の陰茎が押し当てられた。その感覚にもゾクゾクと何かが背筋を通っていく。
 カクつくボクの腰を先生の手が抑える。先程までクリクリとなぞられていた腰骨を抑えられたことでビクンと身体が跳ねた。

 先生は、ボクの身体を労わるように、ゆっくりと入ってきた。

「んっ…ふぅ…ぅぁあっ…あ、んっ…。」
「そう、ゆっくり、息をして。」
「ふ、ぅ…ぁあんっ…は、ぁぁ…ぁあっ…。」

 先生の陰茎が息をするのに合わせて動き、ゴリゴリと良い所を刺激してくる。
 好き勝手に動かれたあの時よりもずっと感じてしまう。でも先生は、嫌がっていればボクは悪くないと言ってくれる。感じてしまうのは仕方の無い事だと。

「嫌だっ…ぁ…い、やぁっ…ぁぁあっ…。」
「そうだな。でも、俺はとても気持ちいい。お前が嫌がりながらも気持ち良さそうな顔をするのも凄くクル。俺がそうさせていると思うとゾクゾクする。だから、お前は悪くない。」

 先生が何度も『お前は悪くない』と言ってくれるのがまるで呪文のように脳に染みていく。
 嫌がっていながらも気持ち良くなってしまうボクを肯定してくれるのが嬉しい。
 気持ち良くなってしまうのはボクがおかしいんじゃなくて、相手がそうさせているんだ。

 本当に?

 アイツは好き勝手していただけだ。ボクを気持ち良くしてやろうとか思ってなかった。ただ、ボクの身体が変わっていくことに自分がやってやったと思い込んでいるだけだった。
 ボクはあの時、こんな世界もあるのだと知ったに過ぎない。
 ボクの身体が本当に変わるのは今、先生の手によってだ。

「俺のせいであってお前は悪くない。」

 タイミングよく囁かれた言葉が、確信となって脳に沁みたのはその時だった。

 同時に2人の陰茎から熱が迸っていた。





 あれからしばらくして先生は学校を辞めた。

 先生の居場所を知ったのは大学4年の時だ。あれからちょうど6年。先生から手紙が送られてきた。差出人の住所を見て驚いた。刑務所からだった。

 ようやく気持ちの整理がついた。
 ずっと申し訳なく思っていた。
 放り出すような真似をしてすまない。
 自分の罪を償いたかった。
 法的にはもうすぐ許される。
 だが、今度は直接お前に償いたい。
 酷いことをした俺だが、会ってくれるか。

 ボクはすぐに会いに行った。出所後に会いに行こうと思うと書かれていたが、待てなかった。



 刑務官と共に面会室に現れた先生を見て大きな声を出してしまった。

「先生!」
「会いに来てくれたのか。」
「そもそも、ボクは先生が罪を犯したとは思ってません。あれはボクのためにやったことじゃないですか。被害者が被害者って思ってないのに…。」

 泣けてきてしまって、それでも話したいことが沢山あって、出所までの数ヶ月の間何度か面会に行き、ようやく出てきた。
 出所の時、迎えに行って、そのまま一人暮らしをする部屋に連れていった。春から社会人になると言うと、近くに部屋を借りて仕事場も近くで見つけると言ってくれた。





「あの時は先生が居なくなったことが理解できなかった。でも、あれから何度も襲われたのにつらくなくて、先生のお陰だって実感してます。城崎先生も保健医の先生も気にかけてくれて、卒業式では担任では無かったのに城崎先生わんわん泣いてたんですよ。」
「熱い人だからな。刑務所にいる俺にも会いに来てくれてたんだ。それでお前がまだ実家だって知って手紙をな。」
「大学のとき、城崎先生に会いに行ったんですよ。でも、その時ボクには教えてくれなかったなぁ。」
「俺が口止めしてたんだ。気持ちの整理がついてなくて。」
「先生が辞めてすぐの頃ですけど、城崎先生、ボクが洗脳されてるんじゃないかって言ってきたことがあったんです。」
「実際そうだろ?俺がそうさせたんだ。お前の心が守られてるならそれで良い。」
「先生は優しすぎます。ボクのせいで教師の職も追われたのに。」
「お前のせいじゃない。俺の選択だ。もっと他にやりようはあったのかもしれない。でも俺は他に思いつかなかった。それだけだ。それにここの方が俺は居心地が良い。バーをやるの夢だったしな。」
「先生ってバーのマスターになりたかったの?初耳なんだけど。でも滅茶苦茶似合ってるよ。マスター。」
「だろ?サンキュ、常連さん。仕事忙しくても直々来いよ。」
「うん。ホントは入り浸りたいんだけどね。」

 ボクは今、ゲイバーに来ている。ここ以外のゲイバーもバーも知らない。
 先生マスターがいるここゲイバーが、1番心を許せる場所だ。
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