地味で根暗で残念ですが、直視できないくらいイケメンで高スペックな憧れの先輩に溺愛されそうなので、全力で逃げています。

藤 慶

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第2章 人の人生を変えるなら、人に人生変えられるかくご位してやがれ

CROWNは、その日開店5周年を迎えました。前編<100>

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魚ののこりの骨身は素揚げにして刺身と一緒に出して、刺身では食べきらない量の切り身はムニエルと竜田揚げにしてしまった。








「久しぶりですね。似合いますよ、石崎さんが厨房で料理を作っているのってこのお店に」

「そんな事ないよ。センちゃん冬野さんもとっても素敵で私なんか見劣りしているって」




冬野さんとセンちゃんと3人でお店に立つのが、最初センちゃんが来た時は当たり前の事だったのに、今はそれを懐かしく思った。




「お前、ここで働いたらどうだ? お前に普通に会社勤めが務まるなんていまだに信用できんからな」

「何を根拠に」

「今、ここで言って良いのか?」

「え、俺聞きたいです」



突然、傍らか冬野さんが近づいてきてそういった。

どうやら、私と竹中さんの会話をずっと聞いていた様だ。




「やめて下さいよ、二人とも」




魚の調理と後片付けを終え、竹中さんに料理を提供し始め様かという時だった。



丁度、センちゃんとお父さんが仕事帰りに飲みに訪れ、何の因果か竹中さんと意気投合しだした。



「いや、今日は母さんが同窓会で、夕飯がないから、この店で軽く飲んで娘と帰りに外食でもと思って」

「お父さん、私ここで賄い食べて帰ってるから」

「でも、お父さんが食べている間、お茶かケーキなら入るだろう?」

「良かったら、お食事されていきませんか? ねぇ、竹中さん」




私は竹中さんに出す料理をそのままもう一つ、センちゃんのお父さんに提供した。

前菜は、トマトときゅうりで作るゴロゴロポテトのポテトサラダ。

ポテトを潰さず、酢を強めに聞かせてあっさり仕上げたのは竹中さんがあまりマヨネーズが好きではないからだ。

オリーブオイルとお酢とコンソメと粒マスタードで味を調えたピリ辛風味だ。

鳥のほぐし身を加えても、あっさりしていて、ヘルシーに食べられる。




「悪いね。石崎さん」

「いいえ、今日の食事は竹中さんのおごりで良いんですよね?お酒はお店のですから有料ですけど」

「あぁ、食材は全部、俺んだしな」

「お言葉に甘えて、今度美味しい大吟醸、もって来ますんで」

「それはそれは楽しみだ。良いスタッフさんが来てくれてよかったな」



センちゃんのお父さんなんかお店に打ち解けている。

竹中さんも、意外とこんなしっとりして落ち着いたバーで、場末の居酒屋のノリで振舞ったりしないで打ち解けているし、案外みんな愛称良いのかもな。



そんな事を考えながら、早炊きで炊いたご飯を茶碗によそって湯気が落ち着いてから半割の明太をのせたご飯を出した。



「冬野さんが、余った明太子は、土曜の5周年記念の時に、パスタにしてみなさんに提供して良いか聞いてますけど?」

「あぁ、構わん。そうだ、千波さん、貴方もぜひ土曜の5周年記念には店に飲みに来られませんか」

「娘が来てもかまわないなら、ぜひ行きたいですね」



メインのクエの薄造りを出す。

頃合いを見計らって、冬野さんの親せきが送って来た野菜でけんちん汁を付くって出した。
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