チート異世界転生したら火炙りになってま死た。

旺璃

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チュートリアル

VS兵士⑥

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 ラブリエルが羽ばたき対空する直上からきらきらと何かが集まっていく。恐らくはあの神殿に流れていた光だろう。神々しく輝く指先はオレを指差し──光が、放出された。ごく近くに雷が落ちたような激しい破裂音と視覚効果に身をすくめたが、痛みも衝撃もなく、代わりにじわりと、そこから虫が這うような疼きが全身へ広がっていく。

「あっ」

 間の抜けた声から一呼吸おいて、駄目押しするかのように幾つもの光の矢が容赦なく突き刺さった。風を切る音はしたが派手な演出を伴わないそれと、ヤバい、という呟きで、また何かやらかしたんだろうなぁ、と思いながら、ようやく死ぬことが出来た。天使が優勢であると見て沸き立つ民衆とは裏腹に、三度みたび蘇ったオレを見ているラブリエルの顔に先程までの余裕はなさそうだ。

「……あの」
「──沈黙サプレッション封印シーリング隠蔽ハイディング!……えーとえーとえーと……座標418、転送ポータル!」

 怒涛の詠唱に何が起こっているかもわからないまま翻弄されたようである。まばたきをした次の瞬間には、人気のない森の奥、茂みの上に突然放りだされ、どさ、と落ちた。とりあえずでいいから服が欲しい。背中のひりひりとした感触で、木の枝やらなにやらで傷が出来たことを察する。元の世界向こうで死んでからまだ一度も服を着ていない。

 物事の変化を認識するまで少し時間がかかるので、幼少の頃からノロマと言われることが多かった。立ち上がろうとしたところで、己の身体が透明になっている事に気付く。詠唱内容のうちのいくつかは別のゲームでも聞いたことがある気がする。日本においてはどのゲームでも当たり前に日本語が標準で、英語が魔法に使われがちといったところだが、この世界にも西洋文化への憧れは当てはまるらしい。意図はわからないが、姿を消す魔法をかけられたのだろう。自分の姿が見えないというのは奇妙な感覚だった。

 しばらくその場に立ったまま、ラブリエルが来るのを待つ。……待っていて、いいはずだ。……チュートリアルが終わっているようには思えないので、とりあえず待っていた。姿が透明なためか、森の生き物も、こちらを気にしていないのは幸いである。イノシシやリスの形と似ているが、それぞれ、本来の姿と違うパーツがあるので、恐らくは魔物モンスターなのだろう。少なくとも、元の世界では、あんな凶悪なを抱え込んだ巨大なリスは知らない。愛らしい見た目をした本体より大きいのがエグさを際立たせている。主人公が搾精される側ならモンスターの全てが凸凹の凹側だろうと思っていたが、そういうわけではないようだ。
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