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はじまりの村 アストレア
勇者ラブリエル①
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飛んだ先はごく一般的な村の、井戸の裏だった。相変わらずまともな服は着ていない。井戸の向こう側には村人と思われる人々がちらほらと歩き回っているため、さすがにこの姿で歩き回るわけにもいかないだろう。……この世界の常識として、この変態的な衣装が特に法に触れることがない可能性も、正直あり得ない話ではないが、一応村人たちはまともな服を着ている。
ふと思い付いて、井戸の影に隠れたまま手元に小さめの四角を描いた。さっきまでのメニュー画面は戦闘に特化していたが、非戦闘中なら別の画面が開くと思ったのだ。思った通り、そこにはある程度一般的な、『道具』や『装備』などのメニューが並んでいる。ある程度。画面左下端に映る『ちんポ:250P』や、メニューにしれっと紛れ込んでいる『自慰』という文字列を無視して装備を確認する。
「……服、着れるじゃん!」
小さくガッツポーズをしながら思わず声に出してしまった。慌てて周りを見るが村人には気付かれなかったようだ。装備欄は頭、右手、左手、身体、足、アクセサリーが2つに分かれている。そのアクセサリーの1つに『ドすけべスーツ』という大変に頭の悪い名前の装備が入っている以外は空欄だった。文字が操作不能になっているためあまり期待はしていなかったが、外れるか試してみた。ダメだった。
「わ!変質者!」
「うわぁ!!」
背後から声が聞こえ慌てて振り向くと、ラブリエルとヒルトが立っていた。ラブリエルはまた別の年齢になっているようだ。始めに見た幼さの残る姿と、粛清に来た時の姿の中間くらいだろうか。若々しい姿だが華奢ではなく、また頼もしいほどの筋肉もない、美青年らしい美青年だった。おおよそ同じくらいか、それより少し若い20代前半くらいの見た目だろうか。純白の衣装ではなく、いわゆる冒険初心者のような、粗末な装備に変わっていた。ゆるいウェーブがかった金色の髪は後ろでひとつ結びになっている。
「……ず、随分庶民的な出立ちで……」
「ほんとだよ~!これもぜーんぶ貴方のために装備してるんですからね!もっと感謝してください!」
くるくるとその場で回ってみせるラブリエルと、それに真顔で拍手する、こちらは特に代わり映えしないヒルト。ほぼ裸の変質者。イベント会場でもあまり見かけないちぐはぐな編成である。
ふと思い付いて、井戸の影に隠れたまま手元に小さめの四角を描いた。さっきまでのメニュー画面は戦闘に特化していたが、非戦闘中なら別の画面が開くと思ったのだ。思った通り、そこにはある程度一般的な、『道具』や『装備』などのメニューが並んでいる。ある程度。画面左下端に映る『ちんポ:250P』や、メニューにしれっと紛れ込んでいる『自慰』という文字列を無視して装備を確認する。
「……服、着れるじゃん!」
小さくガッツポーズをしながら思わず声に出してしまった。慌てて周りを見るが村人には気付かれなかったようだ。装備欄は頭、右手、左手、身体、足、アクセサリーが2つに分かれている。そのアクセサリーの1つに『ドすけべスーツ』という大変に頭の悪い名前の装備が入っている以外は空欄だった。文字が操作不能になっているためあまり期待はしていなかったが、外れるか試してみた。ダメだった。
「わ!変質者!」
「うわぁ!!」
背後から声が聞こえ慌てて振り向くと、ラブリエルとヒルトが立っていた。ラブリエルはまた別の年齢になっているようだ。始めに見た幼さの残る姿と、粛清に来た時の姿の中間くらいだろうか。若々しい姿だが華奢ではなく、また頼もしいほどの筋肉もない、美青年らしい美青年だった。おおよそ同じくらいか、それより少し若い20代前半くらいの見た目だろうか。純白の衣装ではなく、いわゆる冒険初心者のような、粗末な装備に変わっていた。ゆるいウェーブがかった金色の髪は後ろでひとつ結びになっている。
「……ず、随分庶民的な出立ちで……」
「ほんとだよ~!これもぜーんぶ貴方のために装備してるんですからね!もっと感謝してください!」
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