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召喚士
第10話 偵察
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前書き
前回のあらすじ
筋肉痛になる主人公
本文
日が暮れる。夕日が綺麗だな...この世界は夜空が綺麗に見えるから結構好き。日本だと、田舎でないと中々星が見れない。ただ...不気味な笑いがなければ最高なんだけどね。
「フフフフフフっ。いい色した毒です。くふふふ...」
(やべぇ、やべぇよ。毒が入っている瓶を見て笑っているとか頭おかしいだろ。使い捨ての刺突武器に塗りたくって何使うのか...聞くまでもないか。)
「聞き忘れたんだけど、エレノアさん、レジスタンスのエルフたちに顔を見られた?」
顔を横にふり否定する。それならフードを被って歩かなくても大丈夫だな。
俺とエレノアさんは、魔道具と宝具を身につけ宿を出る。それではぼちぼち敵を探りますか。
「エルさん、エルさん。」
市街を歩いているとエレノアさんに肩を叩かれ呼び止められる。
「どうした?」
頬を染め上目遣いで俺を見て言う。
「恋人みたく手を繋ぎませんか?」
「...あ、ああ。いいよ。」
俺は、エレノアさんに手を差し出すとその手を恋人繋ぎをしてきた。少し恥ずかしい...
「えっと、ありがとうございます。ふふふ。」
「どういたしまして。それにしても、この街広いよね。走り回ったはずなのにまだ通っていない道がある。」
手を繋いで沈黙が嫌だったのでエレノアさんに話しをふる。
「ふふっ。良いではないですか。こうやって手を繋いで知らない道をエルさんと歩ける、とても幸せなことです。ただ、ここにいる人間、エルフ、獣人が邪魔ですね...毒殺出来たらどんな声で苦しむのか、くふっ。きっといい声を鳴くのでしょうね。」
手を握る力が少し強まる。憎しみ、怒り、様々な感情が胸の内に巡っているんだろう。俺がもし虐げられる環境だったら、とっくに発狂している。エレノアさんはよく耐えていると思う。
「俺は、エレノアさんについて行くよ。この目でしっかり見届けたい。この街だけでなく首都ガドルを含む街、村にいる騎士団やレジスタンスを壊滅させるその日まで。」
「はい!復讐が終わっても私は貴方に一生ついていきますから...末永く宜しくお願いします。」
(はぁー。一生か...それって結婚?どういう関係になっているのか...)
「ヨロシク。」
俺って押しに弱いのかもしれないと思いながら適当に周囲を見渡す。怪しい者はいない、怪しい店もない、頼りない灯りではあるが街灯が道に沿って設置してある。どういう仕組みなのかさっぱりだ。知らないことが多すぎる。それも当然、まだこの世界に来たばかり。
「ねぇ、エレノアさん。蘇らせたい人いる?」
「ッ!と、突然どうしたのですか?」
「そういう魔法や宝具があるかもしれない。俺のスキルで召喚出来れば...」
顔を横にふって、小さな声で返事をする。
「エルさん、もしそういうものがあったとしても私は...蘇生を望みません。だって、この憎しみは消えない。怒りが収まるわけでもありません。蘇った人が私を止めるかもしれません。私は、あの日、家族を目の前に殺され、友人が犯されるところを見たあの瞬間から壊れてしまったのです。絶望を、恐怖を与えねばなりません。これは決定事項です。あれ?ちゃんと伝わっていますか?」
「想いなら伝わったよ。軽率な発言だったかも。ごめん。でも、俺が死んだら蘇生させてね。俺を殺したやつを殺したいから。寿命で死んだのであれば生き返らさなくてもいいけど。」
「ふふっ。分かりました。私も生き返らせて下さい。エルさんが安らかに息を引き取るその日までそばに居たいですから。」
「りょーかい。あっ、ねぇ、あれ怪しくない?」
口元を隠してフードをかぶっている人間?が早歩きで俺たちの横を通り過ぎていく。その人間?をエレノアさんも視認したのを確認後、感ずかれないような距離を保ちつつ尾行していく。
「明らかに怪しいですね...囮なのか、馬鹿なのか。」
「うーん...人材不足?3日前の抗争で使える奴が死んだのか、怪我を負ったのか。俺たちだけじゃないな、他にもあいつをつけている男がいる...」
「私も視認しました。人間、騎士団関係の人ですかね?」
「そうじゃなくても俺たちの敵ということ間違いない。尾行している男を尾行した方がいいのかも。漁夫の利を狙うか。」
「漁夫の利?」
「敵対しているもの同士が戦っていたとする。それに介入して利益をかすめ取る?みたいな感じかな。圧倒的に人数的に不利だしね。少しは楽をしたい。レジスタンスならリーダー格。騎士団なら隊長格を狙う。」
「ふふっ。それ良いですね。」
口元を隠しフードを被った人間?は廃屋に入っていく。それを見届ける尾行男。それを更に見届ける俺たち。傍から見ると笑える光景だな。
後書き
次回 偵察2
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日が暮れる。夕日が綺麗だな...この世界は夜空が綺麗に見えるから結構好き。日本だと、田舎でないと中々星が見れない。ただ...不気味な笑いがなければ最高なんだけどね。
「フフフフフフっ。いい色した毒です。くふふふ...」
(やべぇ、やべぇよ。毒が入っている瓶を見て笑っているとか頭おかしいだろ。使い捨ての刺突武器に塗りたくって何使うのか...聞くまでもないか。)
「聞き忘れたんだけど、エレノアさん、レジスタンスのエルフたちに顔を見られた?」
顔を横にふり否定する。それならフードを被って歩かなくても大丈夫だな。
俺とエレノアさんは、魔道具と宝具を身につけ宿を出る。それではぼちぼち敵を探りますか。
「エルさん、エルさん。」
市街を歩いているとエレノアさんに肩を叩かれ呼び止められる。
「どうした?」
頬を染め上目遣いで俺を見て言う。
「恋人みたく手を繋ぎませんか?」
「...あ、ああ。いいよ。」
俺は、エレノアさんに手を差し出すとその手を恋人繋ぎをしてきた。少し恥ずかしい...
「えっと、ありがとうございます。ふふふ。」
「どういたしまして。それにしても、この街広いよね。走り回ったはずなのにまだ通っていない道がある。」
手を繋いで沈黙が嫌だったのでエレノアさんに話しをふる。
「ふふっ。良いではないですか。こうやって手を繋いで知らない道をエルさんと歩ける、とても幸せなことです。ただ、ここにいる人間、エルフ、獣人が邪魔ですね...毒殺出来たらどんな声で苦しむのか、くふっ。きっといい声を鳴くのでしょうね。」
手を握る力が少し強まる。憎しみ、怒り、様々な感情が胸の内に巡っているんだろう。俺がもし虐げられる環境だったら、とっくに発狂している。エレノアさんはよく耐えていると思う。
「俺は、エレノアさんについて行くよ。この目でしっかり見届けたい。この街だけでなく首都ガドルを含む街、村にいる騎士団やレジスタンスを壊滅させるその日まで。」
「はい!復讐が終わっても私は貴方に一生ついていきますから...末永く宜しくお願いします。」
(はぁー。一生か...それって結婚?どういう関係になっているのか...)
「ヨロシク。」
俺って押しに弱いのかもしれないと思いながら適当に周囲を見渡す。怪しい者はいない、怪しい店もない、頼りない灯りではあるが街灯が道に沿って設置してある。どういう仕組みなのかさっぱりだ。知らないことが多すぎる。それも当然、まだこの世界に来たばかり。
「ねぇ、エレノアさん。蘇らせたい人いる?」
「ッ!と、突然どうしたのですか?」
「そういう魔法や宝具があるかもしれない。俺のスキルで召喚出来れば...」
顔を横にふって、小さな声で返事をする。
「エルさん、もしそういうものがあったとしても私は...蘇生を望みません。だって、この憎しみは消えない。怒りが収まるわけでもありません。蘇った人が私を止めるかもしれません。私は、あの日、家族を目の前に殺され、友人が犯されるところを見たあの瞬間から壊れてしまったのです。絶望を、恐怖を与えねばなりません。これは決定事項です。あれ?ちゃんと伝わっていますか?」
「想いなら伝わったよ。軽率な発言だったかも。ごめん。でも、俺が死んだら蘇生させてね。俺を殺したやつを殺したいから。寿命で死んだのであれば生き返らさなくてもいいけど。」
「ふふっ。分かりました。私も生き返らせて下さい。エルさんが安らかに息を引き取るその日までそばに居たいですから。」
「りょーかい。あっ、ねぇ、あれ怪しくない?」
口元を隠してフードをかぶっている人間?が早歩きで俺たちの横を通り過ぎていく。その人間?をエレノアさんも視認したのを確認後、感ずかれないような距離を保ちつつ尾行していく。
「明らかに怪しいですね...囮なのか、馬鹿なのか。」
「うーん...人材不足?3日前の抗争で使える奴が死んだのか、怪我を負ったのか。俺たちだけじゃないな、他にもあいつをつけている男がいる...」
「私も視認しました。人間、騎士団関係の人ですかね?」
「そうじゃなくても俺たちの敵ということ間違いない。尾行している男を尾行した方がいいのかも。漁夫の利を狙うか。」
「漁夫の利?」
「敵対しているもの同士が戦っていたとする。それに介入して利益をかすめ取る?みたいな感じかな。圧倒的に人数的に不利だしね。少しは楽をしたい。レジスタンスならリーダー格。騎士団なら隊長格を狙う。」
「ふふっ。それ良いですね。」
口元を隠しフードを被った人間?は廃屋に入っていく。それを見届ける尾行男。それを更に見届ける俺たち。傍から見ると笑える光景だな。
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