20 / 21
召喚士
第19話 潜入調査の準備
しおりを挟む
前書き
前回のあらすじ
誓いのキスをする主人公
本文
エレノアさんと共に地下に繋がる道の入り口の蓋を外し、中に入る。入ってすぐ蓋を閉じてセメントを塗りたくる。乾くまで時間がかかるのが難点だが、これはばかりは仕方ない。
「疲労回復、そして万力の指輪。どれも肉体労働にもってこいの宝具ですね。それに、このセメント、今後も活躍しそうです。」
セメントを塗るのが楽しいのか分からないが、弾んだ声で感想を述べるエレノアさん。セメントならこの世界でもありそうだけど...どうなんだろうか。
「俺の故郷にも宝具があれば、とても重宝していただろうね。この宝具をめぐって戦争になっていたかもしれないな...」
「エルさんの故郷って、この世界にあるのですか?」
「えっ?どうしてそう思ったんだ?」
「宝具の存在を知らなかった。いえ、存在しない。そして、この世界にある魔道具でもない未知の技術らしき物。例えば、エルさんが持っている光を発する物とか...」
エレノアさんが作業に集中出来るよう、灯りを照らしていた。その灯りは、懐中電灯であり、魔道具でもなんでもない。
「まぁ、そうだね。この世界にないものだよ。俺の故郷は、この世界に存在しない。もう帰れない。正直、ここがどこなのかすら分からない。」
「エルさん、どうして早く教えてくれなかったのですか?」
悲しそうな目をして見つめてくるエレノアさんに対して俺は、素直に答える。
「この世界にいるもの全て信用していないからだよ、エレノアさん。はぁ。俺は、この世界の魔法使いに身勝手な理由で召喚された。俺の全てが無くなった瞬間でもある。色々あるけど、この話は別の機会にしよう。あっ、でも、これだけは言える。今、この世界で信用出来る唯一の人はエレノアさんだけだよ。」
「ふふふふっ。それが聞けただけで私は満足ですよ。話して頂きありがとうございます。」
「いえいえ。セメントの方は終わった?」
俺に纏わる話しは一旦止め、作業の進捗を確認する。
(俺の話しなんて大したことないし...)
「はい。作業完了しました。セメントの作業に合わせて、釣り糸も仕込みました。もし迷ったらこの糸を辿れば戻れますね。」
「またこの場所に戻るということにならなければいいんだけど...もし戻るとなると、アクシデントが起きた時だね。」
「はい...エルさん。私、1つ考えがあるのですが、聞いていただけますか?」
神妙な面持ちで聞かれると俺も誠意をもって返事をしなくてはいけない。
俺が話しを進めるよう頷く。
「私を召喚することは可能ですか?」
「えっ?やる?どうなるか分からないけど...」
「エルさん、怖くないのですか?」
エレノアさんの頬に汗が流れる。それだけでなく呼吸が荒れている?
「エルさん、召喚される私はいつの私か分からないのですよ!なんで、なんでそんなに平然としていられるのですか!!?」
「フッ、フッはははははは。何を悩んで怖がっているのか知らんが心配するな。俺が信用している人を召喚するなんて造作もない!」
俺から後ずさるエレノアさん。そして、膝がおれ地面に尻がが着く。
「な、何を根拠があって...」
口元が上がり三日月になる。目を細め、声を低くして、
「召喚...」
「待って、心の準備がっ!」
「召喚、俺の愛する信仰者であるエレノア」
エレノアさんがいる地面に魔法陣が展開され光に包まれ俺の方に手を伸ばす姿が消える。数秒間であったが、エレノアさんが俺の目の前に手を伸ばす姿で出現したため、俺の股間を手が当たっている。
「ぉう...エレノアさん、大胆なのね。」
何度も目を閉じたり開けたりして顔を周囲を確認している。ただ、伸ばした手で股間を掴むのをやめて欲しい。
「あ、あ、ああ。成功した!ふふふふっ、召喚する際、私を表現した言葉とても良かったです。あと、男性のここ柔らかいのですね。」
エレノアさんの手を跳ね除け、俺は1歩後ろに下がる。
後書き
次回 潜入調査
前回のあらすじ
誓いのキスをする主人公
本文
エレノアさんと共に地下に繋がる道の入り口の蓋を外し、中に入る。入ってすぐ蓋を閉じてセメントを塗りたくる。乾くまで時間がかかるのが難点だが、これはばかりは仕方ない。
「疲労回復、そして万力の指輪。どれも肉体労働にもってこいの宝具ですね。それに、このセメント、今後も活躍しそうです。」
セメントを塗るのが楽しいのか分からないが、弾んだ声で感想を述べるエレノアさん。セメントならこの世界でもありそうだけど...どうなんだろうか。
「俺の故郷にも宝具があれば、とても重宝していただろうね。この宝具をめぐって戦争になっていたかもしれないな...」
「エルさんの故郷って、この世界にあるのですか?」
「えっ?どうしてそう思ったんだ?」
「宝具の存在を知らなかった。いえ、存在しない。そして、この世界にある魔道具でもない未知の技術らしき物。例えば、エルさんが持っている光を発する物とか...」
エレノアさんが作業に集中出来るよう、灯りを照らしていた。その灯りは、懐中電灯であり、魔道具でもなんでもない。
「まぁ、そうだね。この世界にないものだよ。俺の故郷は、この世界に存在しない。もう帰れない。正直、ここがどこなのかすら分からない。」
「エルさん、どうして早く教えてくれなかったのですか?」
悲しそうな目をして見つめてくるエレノアさんに対して俺は、素直に答える。
「この世界にいるもの全て信用していないからだよ、エレノアさん。はぁ。俺は、この世界の魔法使いに身勝手な理由で召喚された。俺の全てが無くなった瞬間でもある。色々あるけど、この話は別の機会にしよう。あっ、でも、これだけは言える。今、この世界で信用出来る唯一の人はエレノアさんだけだよ。」
「ふふふふっ。それが聞けただけで私は満足ですよ。話して頂きありがとうございます。」
「いえいえ。セメントの方は終わった?」
俺に纏わる話しは一旦止め、作業の進捗を確認する。
(俺の話しなんて大したことないし...)
「はい。作業完了しました。セメントの作業に合わせて、釣り糸も仕込みました。もし迷ったらこの糸を辿れば戻れますね。」
「またこの場所に戻るということにならなければいいんだけど...もし戻るとなると、アクシデントが起きた時だね。」
「はい...エルさん。私、1つ考えがあるのですが、聞いていただけますか?」
神妙な面持ちで聞かれると俺も誠意をもって返事をしなくてはいけない。
俺が話しを進めるよう頷く。
「私を召喚することは可能ですか?」
「えっ?やる?どうなるか分からないけど...」
「エルさん、怖くないのですか?」
エレノアさんの頬に汗が流れる。それだけでなく呼吸が荒れている?
「エルさん、召喚される私はいつの私か分からないのですよ!なんで、なんでそんなに平然としていられるのですか!!?」
「フッ、フッはははははは。何を悩んで怖がっているのか知らんが心配するな。俺が信用している人を召喚するなんて造作もない!」
俺から後ずさるエレノアさん。そして、膝がおれ地面に尻がが着く。
「な、何を根拠があって...」
口元が上がり三日月になる。目を細め、声を低くして、
「召喚...」
「待って、心の準備がっ!」
「召喚、俺の愛する信仰者であるエレノア」
エレノアさんがいる地面に魔法陣が展開され光に包まれ俺の方に手を伸ばす姿が消える。数秒間であったが、エレノアさんが俺の目の前に手を伸ばす姿で出現したため、俺の股間を手が当たっている。
「ぉう...エレノアさん、大胆なのね。」
何度も目を閉じたり開けたりして顔を周囲を確認している。ただ、伸ばした手で股間を掴むのをやめて欲しい。
「あ、あ、ああ。成功した!ふふふふっ、召喚する際、私を表現した言葉とても良かったです。あと、男性のここ柔らかいのですね。」
エレノアさんの手を跳ね除け、俺は1歩後ろに下がる。
後書き
次回 潜入調査
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
チート魔力を持ったせいで世界を束ねる管理者に目を付けられたが、巻き込まれたくないので金稼ぎします
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる