32 / 99
俺、今、女子オタ充
俺、今、女子拉致られ中
しおりを挟む
俺は、下北沢花奈となった自分の視線の変化にとっさに対応できずに、何が起きたのか良く理解しないまま、目の前の光景を眺める。すぐ目の前には、喜多見美亜の顔があった。
その——あいつの——中には多分、下北沢花奈がいる。そして、彼女は、なんだか済まなそうな表情を浮かべながら俺のことを見ているのだった。
俺は……
突然自分に駆け寄ってきたこの子にキスをされ……?
入れ替わった?
うん——正解。
視線を横にずらすと、びっくりした様子の俺——向ケ丘勇の顔があった。
もとに戻すと、喜多見美亜の顔。
なるほど、俺の目の前にいるのが、俺の体と、喜多見美亜の体なら、消去法でいくと、残りは下北沢花奈しかない。
——俺は、どうやら下北沢花奈と入れ替わってしまったのだった。
しかし——なぜ?
なんの交流もなかった同じ高校女の子が、いきなり俺=喜多見美亜に駆け寄ってきて、キスをする?
何? この子?
喜多見美亜のこと好きなの?
レズなの?
もしかして喜多見美亜をずっと狙ってたの?
なら、どうすんの、俺? これ御免なさいするの?
いや、もしかして喜多見美亜は意外とこう言うのいける口だったらどうする? やっぱりあいつに、確認した方がいいのかな?
——君は、ゆるゆりですか、ガチゆりですか? って?
いやいや——まてまて……
よく考えろ。
落ち着け。
——俺はなんだか混乱してしまっている自分に言い聞かせる。
俺は、自分が入れ替わった女子に同性がアタックをかけてくると言う、定外の事態にパニクって、混乱の極みにあったのだった。様々な考えが次から次へと頭の中に無秩序に湧いてしまい、なんだか、さっぱり考えをまとめることができないでいたのだった。
しかし、
「こんなことして、ごめんなさい。でも、今、私、これしか手思いつかなくて……逃げるにはこれしかないって……限界なんです私」
いきなりの熱烈なキスを仕掛けてきた下北沢花奈は随分と落ち着いた様子で言う。
「……いきなり入れ替わらせてもらって……無責任だと思ってもらっても構いません……恨んでもらっても構いません。でも……」
なんだか、話は怪しげな雲行き。
何? この子は、もしかして、俺たちの事情に通じている?
俺が、そんな疑問が心に浮かんで、少し冷静になりかけるが、
「——後のことは頼みます。すみません」
「はい?」
その瞬間、ぺこりと礼をした下北沢花奈=喜多見美亜は、そのまま後ろを向くと、呆然としてその場に立ちすくむ俺たちを尻目に、脱兎のごとく駆け出すのだった。
「ひゃっほー! 自由だあああ!」
なんだかとっても嬉しそうに叫ぶ下北沢花奈=喜多見美亜を、ぽかんとして、見守る俺たちだった。
「何あれ?」
「…………わからん」
なんだったんだ、これ? と言うか、俺は下北沢花奈になってしまって、この後どうすりゃいいの?
どこに住んでいるか知らない。どんな性格で、普段どんな生活しているのかもわからない。どんな友達がいるのかもわからない。どう行動したら良いのかわからない。
正直、今、俺はこの後足をどっちに踏み出せば良いのか迷うほどに、自分がこの後どうすれば良いのかと途方に暮れていたのだったが……
それは、どうも余計な心配だったようだ。
「あっ、いたいた!」
「見つけたわよ花奈!」
突然俺の目の前に現れた、大学生くらいに見えるお姉様二人が突然俺(下北沢花奈)の両腕をがっしりと抱えながら言う。
「さあ、もう逃げようたってそうはいかないからね!」
「もうこれ以上遅れたら原稿間に合わないからね。あなた自分の筆が遅い自覚持ちなさいよね」
「そうよ! あなたは下北沢花奈である以前に、斉藤フラメンコなんだからね! 多くの読者の期待背負ってるんだからね!」
はい? 斉藤フラメンコ? さっきメイド喫茶で読んでた、あのバレーボール漫画を描いていた、俺のお気に入りの同人作家。
それが下北沢花奈? えっ? もしかして斉藤フラメンコの中の人って、下北沢花奈だったの?
「どっちにしても、もう半日も私たちから逃げ回って休養は十分なはずよね」
「これからたっぷりと働いてもらうので覚悟しなさい」
「……って、待って。俺は下北沢花奈でも、斉藤フラメンコでも……」
「はあ? 何を言ってるの? ふざけたことを言わないで。もう逃がさないわよ」
「問答無用!」
「……うわっ! 待って!」
「言い訳は仕事場で聞いてあげるから——行くわよ!」
「俺は……俺は……!」
俺は、下北沢花奈ではないと必死に説明しようとするのだが、小柄な彼女の体では足を踏ん張ってもズルズルと引きずられ……
なら……
うん——頼む。
ろくに抵抗もできずに、お姉様二人にどこかに連れていかれる俺は、喜多見美亜にアイコンタクトをする。
すると、首肯するあいつ。
うん——多分あいつはわかってくれたはずだ。
喜多見美亜に喜多見美亜の体を探して欲しいって。
それが俺に残された、最後の希望。今の俺に取って、喜多見美亜は、その時には、まだよく分かっていなかった、この先に待つ地獄から、俺を出口に導いてくれる、唯一の案内人であったのだった。
*
俺が拉致されてタクシーに乗せられて連れ込まれたのは、秋葉原からそう遠くない、場所にある年季の入ったアパートであった。
俺はそこに着くなり正座させられて、二人の怖いお姉様に説教されているところだった。
「まさか二階の窓から縄をつたって降りるとわね。気分転換で外の空気吸いたいっていうから許したら、まさかそんなもの用意してるとは思わなかったわ」
「この子、中学校時代は体操部だったって言うじゃない? 鈍臭そうに見えて実は身軽。盲点だったわ。我々をずっと欺いていたなんて、これは孔明もかくやというものね」
「ジャーンジャーンジャーン!」
「げえっ 関羽」
「はは、違う違う! この子は関羽みたいな義は無いでしょ」
「じゃあ董卓」
「無理無理。この子に悪逆非道働くようなそんな度胸あるわけないじゃないの」
「じゃあ黄忠」
「なんで一番若い子を老将にするのよ」
「ははそうねじゃあ……」
「………………」
俺に、説教していたはずが、いつのまにか三国志談義に華が咲く二人であった。
で話題は、すぐに武将同士のカップリングの話になって、甲高い声で、ヒヒヒ言って……これはあれだな。まごうかたなき、オタクなお姉様方だな、と俺は思った。
ぱっと見はそんな風に見えない、今時女子大生二人だが、中身は——オタク高校生の俺が言うのもなんだが——かなりきてるなこれ。オタク度高い。
まず喋りかたでわかるよな。早口で、高い声で、モニョモニョ喋って、相手の反応確かめずに勝手に一人で盛り上がる。
でも、格好は随分と女子大生然としていて、多分普段はうまく周りに紛れこんでるタイプ。と言うか容姿だけ見たら結構レベル高い二人だった。
セミロングのさらさらヘアに切れ長の目、柳腰のしなやかな体付きだが出るところ出ている、怪しい感じのセクシーお姉さん。こちらが代々木公子。都内のお嬢さま女子大に通う二十一歳。
もう一人はショートヘアで均整のとれた体つき、活発スポーツ女子大生風の健康優良少女のふりをして、心の中はドロドロのカップリング 厨の暗黒女子大生。こちらが赤坂律。都内私立大学理系に通う二十歳。
もし街ですれ違っても、絶対オタク女子だなんて思わない、普段は厚い仮面を被ってうまく学生生活をエンジョイしてそうな二人であった。
だがいまこの密室では、
「ねえ、花奈くんよ——君は自分の責任わかってるのかよ——」
「うわっ、怖いですぞー。こうなった公ちゃん怖いですぞー」
なんだか丸出しの二人であった。
それは精神的なものだけでなく。
「ああ、それはともかく、暑ちーねー、もう夏だね」
「うんそうだけど、やっぱりこの部屋、エアコン壊れてない?」
この部屋に入ったらさっさと上着を脱いだだけならまだいいが……そのまま下着姿になってしまうお姉様二人であった。
女だけだからって、遠慮なく涼んでいるのだろうけど。俺は、どうにも直視できずについつ俯く、と言うか今は女なんだから必要もないのに前かがみとなってしまうのだった。
「ともかく花奈は心入れ替えて、夏コミ用の作品を完成させなさいよ分かった?」
俺が目をそらしているには、説教をしっかり聞いてないのだと思って、したから覗き込むように俺の目を見ようとする公子さんであった。すると、なんだかぶら下がったタワワが、ぶるんぶるんときて××××××××ぶっ!
「何? 真面目に聞いてるの花奈?」
今度は律さんが、少し怒ったような、でもまあ、ふざけたような感じで、後ろから密着して俺の首を後ろからしめて……すると、なんだか程よくしまって弾力のあるゴムまりのような××××××××ぶっ!
俺は思わずビクッと、逃げるように少し前に出る。
すると、その様子をみた公子さんが、首を傾げながら言う。
「なんだか変だな? 花奈、今日おかしくない?」
いや、おかしくないです。男子高校生的には正常な反応です。
でも、
「絶対変だよね。なんだか——花奈っぽくない」
「そうだよね、まるで童貞男子っぽい反応っていうか……」
「ああ、それそれ! むっちりすけべで興味津々だけど怖がって当まきにしか眺められないみたいな——」
「うん、うん。わかるー!」
うるせえ! 童貞むっつりスケベで悪かったな!
俺は心の中で叫ぶ。
でも、女子高生の体の中にいたからって、その崇高なマインド、——童貞くささは消えるわけもなく、
「花奈? 今日具合でも悪いの?」
「逃げたりできるくらいだから元気なのだと思ったけど」
さらにぐっとくっついてくるお姉様方にますます心はドキドキとして、ますます俺は(精神的)前のめりとなるのだが、
「あれ?」
——ピンポーン!
呼び鈴の鳴る音。
俺は、——期待した。
これは! もしかして、もう、喜多見美亜が、あいつの体に入って逃げた下北沢花奈を捕まえて連れてきてくれたのかも、って。
でも、その期待も虚しく、
「誰かしら?」
「ああ、ピザさっき取っておいたから」
と言うとさっとジャージを着て入り口に向かう公子さん。
そして、
「うん。じゃあ糧食も来て備えも万端なんだから……今夜は、このまま修羅場っちゃおうね!」
と、テーブルに置かれた三缶目のビールを開けながら律さんは言うのだった。
その——あいつの——中には多分、下北沢花奈がいる。そして、彼女は、なんだか済まなそうな表情を浮かべながら俺のことを見ているのだった。
俺は……
突然自分に駆け寄ってきたこの子にキスをされ……?
入れ替わった?
うん——正解。
視線を横にずらすと、びっくりした様子の俺——向ケ丘勇の顔があった。
もとに戻すと、喜多見美亜の顔。
なるほど、俺の目の前にいるのが、俺の体と、喜多見美亜の体なら、消去法でいくと、残りは下北沢花奈しかない。
——俺は、どうやら下北沢花奈と入れ替わってしまったのだった。
しかし——なぜ?
なんの交流もなかった同じ高校女の子が、いきなり俺=喜多見美亜に駆け寄ってきて、キスをする?
何? この子?
喜多見美亜のこと好きなの?
レズなの?
もしかして喜多見美亜をずっと狙ってたの?
なら、どうすんの、俺? これ御免なさいするの?
いや、もしかして喜多見美亜は意外とこう言うのいける口だったらどうする? やっぱりあいつに、確認した方がいいのかな?
——君は、ゆるゆりですか、ガチゆりですか? って?
いやいや——まてまて……
よく考えろ。
落ち着け。
——俺はなんだか混乱してしまっている自分に言い聞かせる。
俺は、自分が入れ替わった女子に同性がアタックをかけてくると言う、定外の事態にパニクって、混乱の極みにあったのだった。様々な考えが次から次へと頭の中に無秩序に湧いてしまい、なんだか、さっぱり考えをまとめることができないでいたのだった。
しかし、
「こんなことして、ごめんなさい。でも、今、私、これしか手思いつかなくて……逃げるにはこれしかないって……限界なんです私」
いきなりの熱烈なキスを仕掛けてきた下北沢花奈は随分と落ち着いた様子で言う。
「……いきなり入れ替わらせてもらって……無責任だと思ってもらっても構いません……恨んでもらっても構いません。でも……」
なんだか、話は怪しげな雲行き。
何? この子は、もしかして、俺たちの事情に通じている?
俺が、そんな疑問が心に浮かんで、少し冷静になりかけるが、
「——後のことは頼みます。すみません」
「はい?」
その瞬間、ぺこりと礼をした下北沢花奈=喜多見美亜は、そのまま後ろを向くと、呆然としてその場に立ちすくむ俺たちを尻目に、脱兎のごとく駆け出すのだった。
「ひゃっほー! 自由だあああ!」
なんだかとっても嬉しそうに叫ぶ下北沢花奈=喜多見美亜を、ぽかんとして、見守る俺たちだった。
「何あれ?」
「…………わからん」
なんだったんだ、これ? と言うか、俺は下北沢花奈になってしまって、この後どうすりゃいいの?
どこに住んでいるか知らない。どんな性格で、普段どんな生活しているのかもわからない。どんな友達がいるのかもわからない。どう行動したら良いのかわからない。
正直、今、俺はこの後足をどっちに踏み出せば良いのか迷うほどに、自分がこの後どうすれば良いのかと途方に暮れていたのだったが……
それは、どうも余計な心配だったようだ。
「あっ、いたいた!」
「見つけたわよ花奈!」
突然俺の目の前に現れた、大学生くらいに見えるお姉様二人が突然俺(下北沢花奈)の両腕をがっしりと抱えながら言う。
「さあ、もう逃げようたってそうはいかないからね!」
「もうこれ以上遅れたら原稿間に合わないからね。あなた自分の筆が遅い自覚持ちなさいよね」
「そうよ! あなたは下北沢花奈である以前に、斉藤フラメンコなんだからね! 多くの読者の期待背負ってるんだからね!」
はい? 斉藤フラメンコ? さっきメイド喫茶で読んでた、あのバレーボール漫画を描いていた、俺のお気に入りの同人作家。
それが下北沢花奈? えっ? もしかして斉藤フラメンコの中の人って、下北沢花奈だったの?
「どっちにしても、もう半日も私たちから逃げ回って休養は十分なはずよね」
「これからたっぷりと働いてもらうので覚悟しなさい」
「……って、待って。俺は下北沢花奈でも、斉藤フラメンコでも……」
「はあ? 何を言ってるの? ふざけたことを言わないで。もう逃がさないわよ」
「問答無用!」
「……うわっ! 待って!」
「言い訳は仕事場で聞いてあげるから——行くわよ!」
「俺は……俺は……!」
俺は、下北沢花奈ではないと必死に説明しようとするのだが、小柄な彼女の体では足を踏ん張ってもズルズルと引きずられ……
なら……
うん——頼む。
ろくに抵抗もできずに、お姉様二人にどこかに連れていかれる俺は、喜多見美亜にアイコンタクトをする。
すると、首肯するあいつ。
うん——多分あいつはわかってくれたはずだ。
喜多見美亜に喜多見美亜の体を探して欲しいって。
それが俺に残された、最後の希望。今の俺に取って、喜多見美亜は、その時には、まだよく分かっていなかった、この先に待つ地獄から、俺を出口に導いてくれる、唯一の案内人であったのだった。
*
俺が拉致されてタクシーに乗せられて連れ込まれたのは、秋葉原からそう遠くない、場所にある年季の入ったアパートであった。
俺はそこに着くなり正座させられて、二人の怖いお姉様に説教されているところだった。
「まさか二階の窓から縄をつたって降りるとわね。気分転換で外の空気吸いたいっていうから許したら、まさかそんなもの用意してるとは思わなかったわ」
「この子、中学校時代は体操部だったって言うじゃない? 鈍臭そうに見えて実は身軽。盲点だったわ。我々をずっと欺いていたなんて、これは孔明もかくやというものね」
「ジャーンジャーンジャーン!」
「げえっ 関羽」
「はは、違う違う! この子は関羽みたいな義は無いでしょ」
「じゃあ董卓」
「無理無理。この子に悪逆非道働くようなそんな度胸あるわけないじゃないの」
「じゃあ黄忠」
「なんで一番若い子を老将にするのよ」
「ははそうねじゃあ……」
「………………」
俺に、説教していたはずが、いつのまにか三国志談義に華が咲く二人であった。
で話題は、すぐに武将同士のカップリングの話になって、甲高い声で、ヒヒヒ言って……これはあれだな。まごうかたなき、オタクなお姉様方だな、と俺は思った。
ぱっと見はそんな風に見えない、今時女子大生二人だが、中身は——オタク高校生の俺が言うのもなんだが——かなりきてるなこれ。オタク度高い。
まず喋りかたでわかるよな。早口で、高い声で、モニョモニョ喋って、相手の反応確かめずに勝手に一人で盛り上がる。
でも、格好は随分と女子大生然としていて、多分普段はうまく周りに紛れこんでるタイプ。と言うか容姿だけ見たら結構レベル高い二人だった。
セミロングのさらさらヘアに切れ長の目、柳腰のしなやかな体付きだが出るところ出ている、怪しい感じのセクシーお姉さん。こちらが代々木公子。都内のお嬢さま女子大に通う二十一歳。
もう一人はショートヘアで均整のとれた体つき、活発スポーツ女子大生風の健康優良少女のふりをして、心の中はドロドロのカップリング 厨の暗黒女子大生。こちらが赤坂律。都内私立大学理系に通う二十歳。
もし街ですれ違っても、絶対オタク女子だなんて思わない、普段は厚い仮面を被ってうまく学生生活をエンジョイしてそうな二人であった。
だがいまこの密室では、
「ねえ、花奈くんよ——君は自分の責任わかってるのかよ——」
「うわっ、怖いですぞー。こうなった公ちゃん怖いですぞー」
なんだか丸出しの二人であった。
それは精神的なものだけでなく。
「ああ、それはともかく、暑ちーねー、もう夏だね」
「うんそうだけど、やっぱりこの部屋、エアコン壊れてない?」
この部屋に入ったらさっさと上着を脱いだだけならまだいいが……そのまま下着姿になってしまうお姉様二人であった。
女だけだからって、遠慮なく涼んでいるのだろうけど。俺は、どうにも直視できずについつ俯く、と言うか今は女なんだから必要もないのに前かがみとなってしまうのだった。
「ともかく花奈は心入れ替えて、夏コミ用の作品を完成させなさいよ分かった?」
俺が目をそらしているには、説教をしっかり聞いてないのだと思って、したから覗き込むように俺の目を見ようとする公子さんであった。すると、なんだかぶら下がったタワワが、ぶるんぶるんときて××××××××ぶっ!
「何? 真面目に聞いてるの花奈?」
今度は律さんが、少し怒ったような、でもまあ、ふざけたような感じで、後ろから密着して俺の首を後ろからしめて……すると、なんだか程よくしまって弾力のあるゴムまりのような××××××××ぶっ!
俺は思わずビクッと、逃げるように少し前に出る。
すると、その様子をみた公子さんが、首を傾げながら言う。
「なんだか変だな? 花奈、今日おかしくない?」
いや、おかしくないです。男子高校生的には正常な反応です。
でも、
「絶対変だよね。なんだか——花奈っぽくない」
「そうだよね、まるで童貞男子っぽい反応っていうか……」
「ああ、それそれ! むっちりすけべで興味津々だけど怖がって当まきにしか眺められないみたいな——」
「うん、うん。わかるー!」
うるせえ! 童貞むっつりスケベで悪かったな!
俺は心の中で叫ぶ。
でも、女子高生の体の中にいたからって、その崇高なマインド、——童貞くささは消えるわけもなく、
「花奈? 今日具合でも悪いの?」
「逃げたりできるくらいだから元気なのだと思ったけど」
さらにぐっとくっついてくるお姉様方にますます心はドキドキとして、ますます俺は(精神的)前のめりとなるのだが、
「あれ?」
——ピンポーン!
呼び鈴の鳴る音。
俺は、——期待した。
これは! もしかして、もう、喜多見美亜が、あいつの体に入って逃げた下北沢花奈を捕まえて連れてきてくれたのかも、って。
でも、その期待も虚しく、
「誰かしら?」
「ああ、ピザさっき取っておいたから」
と言うとさっとジャージを着て入り口に向かう公子さん。
そして、
「うん。じゃあ糧食も来て備えも万端なんだから……今夜は、このまま修羅場っちゃおうね!」
と、テーブルに置かれた三缶目のビールを開けながら律さんは言うのだった。
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる