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第一章 聖剣に転生?
聖剣伝説と没落貴族
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――エルドラの聖剣伝説
エルドラ――その国は緑につつまれた美しい国だった。しかし、長い間平和だったその国に、ある日、闇の中から魔族が生まれた。人族と魔族は、それぞれ『昼世界』と『夜世界』に分かれ、互いにその生存を賭け争い続けた。人族は勇猛果敢に戦ったが、魔族の力は強く、つぎつぎに打ち負かされていった。もはや『昼世界』の統べる領域は僅かとなり、人族の命運も風前の灯、滅亡を待つばかりとなった。
その時である。
ひとふりの剣が、閃光とともに現れたという。
聖剣だ。
大地に深く突き刺さったその聖剣を、ひとりの勇者が引き抜くと、たちまち風が起こり、雷が落ち、炎が燃え上がった。すると剣の内より剣の精霊――剣霊が生まれた。剣霊が勇者ととともに戦うとき、その力は最大となり、魔族を斬りはらっていったという。
以来、後を追うように何本もの聖剣、そして剣霊が人の前に出現し人族を助けた。そうして魔族を夜の境界線の彼方へ追い返すことに成功したのだ。
これを聖剣伝説という。
しかし、この物語も今は昔のこと――魔族の消えた今となっては、聖剣は貴族たちが身分を示すアクセサリー、ステータスとなっていった。つまりは、大きく、華麗な聖剣こそが権力の象徴なのである。
聖剣に宿る剣霊はどうなったか?
ある者は剣に宿ったまま二度と姿を現さなかったが、何人かは剣に戻ることなく人の間に生きるようになった。貴族や神官、役者や音楽家になった者もいる。そして犯罪者となった者も……エルドラは新たな混とんを手に入れたのだ。
――これが、俺が、転生直後に行われた聖剣お披露目会を追放されてから約1年間でつかんだこの世界の情勢だ。それで……今の俺はどうしているかだって?
それは……
――ゴトッ
「ママ~これ使いにくいよ!」
小さな手が筆を持ち、なにやら書き物をしている。短剣な俺は紙の上に置かれていた。
「しょうがないでしょ~、それは文鎮じゃないんだから」
「ブゥ~文鎮買ってよ~」
「無理言わないの。あんな精密に真四角に加工されているという文鎮。高いんだから買えるワケないでしょう。その短剣の置物で我慢なさい」
「ちぇっ、この短剣、ほんとに使えないなあ~」
俺は、お披露目会追放のあと質流れ品のように、流れに流れ、とある没落貴族オルシュタイン家にたどり着いた。オルシュタイン家の末子であるロイのオモチャとしてあてがわれたのだ。今は、トーヨーのショドーとかいう、まあ書道の文鎮として使われている。
こうして……俺の文鎮転生物語が始まったのである……
「って違うわ! 違うし! 違うよね? ね? ね?」
けれど……そうだ。文鎮はまだマシなのだ。このロイというガキは悪ガキだった。ブンチンとなる前、短剣な俺を使って、いろいろなイタズラをしでかした。中でも許せないのは……
「コイツしょんべんかけたらキレーになるんじゃね? アモニア? だかで綺麗になるって聞いたし~」
ふ、ふざける……な!
――ジョボボボボォォオオ
だとか、犬の糞を……とか………
もはや思い出しただけで気分が悪くなる。しかし……それよりももっと気分が悪いことが起こった。
「オイ、貧乏ロイ! おめー聖剣もってるんだって? 嘘つくんじゃねーよ」
「う、嘘なんかじゃないし。持ってるし!」
これはロイの遊び友達……などではなく、いわゆるいじめっ子と言う奴だ。名をアルベルトという。この地域の領主を務める貴族の子で、まあ、身分を使って威張り散らしているどーしようもないガキだ。
「ふーん……じゃあ今度の土曜日にもって来い! 嘘だったり逃げたりしたらパパに言いつけてやるからな!」
「あ、ああ……」
エルドラは王族と貴族階級が支配する封建社会だった。徹底的な縦社会にあって、没落貴族オルシュタイン家の立場は極めて弱かった。ロイもまた、上級貴族の子供らにイジメられていたのだ。
「姉ちゃん姉ちゃん、何とかしてくれよ」
「ふに? 私に出きることなど、あるのかな? って、そりゃ失礼だろーがよーい!」
「……う、うん……期待は……してないんだけどね。も、もしかしたら……っていう望みにかけてみただけなんだけど……」
「ほほう~なんだい? このお姉ちゃんに言ってごらん!」
「う、うん……この剣、きれいになんないかな? 聖剣みたいに」
「無理だね」
「えー、即答?」
「あったりまえっしょよー。この腐れ、この錆れ、この苔ムシ、右から見ても、左から見ても、斜めに見ても、笑いながら見ても、どこから見てもただのガラクタ! ガラクタ剣だし~」
この、俺を完膚なきまでにディスる女子は、ロイの義姉リルルだ。リルルはすこし天然が入ってはいるが、可愛らしい……胸の大きな少女だった。
「そ、そんな~オルフェンおじさんが、これは間違いなく聖剣じゃ! 磨けば光るじゃろう~って言ってたじゃん」
「ロイくん、いーい? おじさんはね、ちょっとボケてるの! 同じようなこと言って押し付けられたモノが倉庫にどれだけあるか知ってるでしょーよ。あ、でも私はオルフェンおじさん嫌いじゃあないけどね、うん」
「そんなぁ~俺、困るよ~明日をも知れぬ身だよ~」
ロイが恐れるのも無理はない。これまでだって何度もアルベルトにはいじめられてきた。良いのか悪いのか分からないけれど、それは前の世界にもあった陰険なイジメというより、石や泥を投げつける、殴る、蹴る、など、イジメというより暴行に近いものだった。もちろん、下級貴族であるロイが逆らえるはずもない。
そして下級貴族と上級貴族を分けるもの、それが聖剣の有無だった。認定された聖剣を持っているだけで、下級貴族を脱することができる。だから追い詰められたロイが嘘をついたとしても責めるのは酷というものだろう。
「っていうか、俺だって聖剣だけどね! た、たぶん……」
神との会話……そして聖剣伝説における剣霊……どう考えたって、この剣は聖剣で俺様は剣霊のはず……なんだ。しかし……何度試しても剣の外へでることはできなかった。このまま永遠に剣の中だなんて……そりゃないぜ!
エルドラ――その国は緑につつまれた美しい国だった。しかし、長い間平和だったその国に、ある日、闇の中から魔族が生まれた。人族と魔族は、それぞれ『昼世界』と『夜世界』に分かれ、互いにその生存を賭け争い続けた。人族は勇猛果敢に戦ったが、魔族の力は強く、つぎつぎに打ち負かされていった。もはや『昼世界』の統べる領域は僅かとなり、人族の命運も風前の灯、滅亡を待つばかりとなった。
その時である。
ひとふりの剣が、閃光とともに現れたという。
聖剣だ。
大地に深く突き刺さったその聖剣を、ひとりの勇者が引き抜くと、たちまち風が起こり、雷が落ち、炎が燃え上がった。すると剣の内より剣の精霊――剣霊が生まれた。剣霊が勇者ととともに戦うとき、その力は最大となり、魔族を斬りはらっていったという。
以来、後を追うように何本もの聖剣、そして剣霊が人の前に出現し人族を助けた。そうして魔族を夜の境界線の彼方へ追い返すことに成功したのだ。
これを聖剣伝説という。
しかし、この物語も今は昔のこと――魔族の消えた今となっては、聖剣は貴族たちが身分を示すアクセサリー、ステータスとなっていった。つまりは、大きく、華麗な聖剣こそが権力の象徴なのである。
聖剣に宿る剣霊はどうなったか?
ある者は剣に宿ったまま二度と姿を現さなかったが、何人かは剣に戻ることなく人の間に生きるようになった。貴族や神官、役者や音楽家になった者もいる。そして犯罪者となった者も……エルドラは新たな混とんを手に入れたのだ。
――これが、俺が、転生直後に行われた聖剣お披露目会を追放されてから約1年間でつかんだこの世界の情勢だ。それで……今の俺はどうしているかだって?
それは……
――ゴトッ
「ママ~これ使いにくいよ!」
小さな手が筆を持ち、なにやら書き物をしている。短剣な俺は紙の上に置かれていた。
「しょうがないでしょ~、それは文鎮じゃないんだから」
「ブゥ~文鎮買ってよ~」
「無理言わないの。あんな精密に真四角に加工されているという文鎮。高いんだから買えるワケないでしょう。その短剣の置物で我慢なさい」
「ちぇっ、この短剣、ほんとに使えないなあ~」
俺は、お披露目会追放のあと質流れ品のように、流れに流れ、とある没落貴族オルシュタイン家にたどり着いた。オルシュタイン家の末子であるロイのオモチャとしてあてがわれたのだ。今は、トーヨーのショドーとかいう、まあ書道の文鎮として使われている。
こうして……俺の文鎮転生物語が始まったのである……
「って違うわ! 違うし! 違うよね? ね? ね?」
けれど……そうだ。文鎮はまだマシなのだ。このロイというガキは悪ガキだった。ブンチンとなる前、短剣な俺を使って、いろいろなイタズラをしでかした。中でも許せないのは……
「コイツしょんべんかけたらキレーになるんじゃね? アモニア? だかで綺麗になるって聞いたし~」
ふ、ふざける……な!
――ジョボボボボォォオオ
だとか、犬の糞を……とか………
もはや思い出しただけで気分が悪くなる。しかし……それよりももっと気分が悪いことが起こった。
「オイ、貧乏ロイ! おめー聖剣もってるんだって? 嘘つくんじゃねーよ」
「う、嘘なんかじゃないし。持ってるし!」
これはロイの遊び友達……などではなく、いわゆるいじめっ子と言う奴だ。名をアルベルトという。この地域の領主を務める貴族の子で、まあ、身分を使って威張り散らしているどーしようもないガキだ。
「ふーん……じゃあ今度の土曜日にもって来い! 嘘だったり逃げたりしたらパパに言いつけてやるからな!」
「あ、ああ……」
エルドラは王族と貴族階級が支配する封建社会だった。徹底的な縦社会にあって、没落貴族オルシュタイン家の立場は極めて弱かった。ロイもまた、上級貴族の子供らにイジメられていたのだ。
「姉ちゃん姉ちゃん、何とかしてくれよ」
「ふに? 私に出きることなど、あるのかな? って、そりゃ失礼だろーがよーい!」
「……う、うん……期待は……してないんだけどね。も、もしかしたら……っていう望みにかけてみただけなんだけど……」
「ほほう~なんだい? このお姉ちゃんに言ってごらん!」
「う、うん……この剣、きれいになんないかな? 聖剣みたいに」
「無理だね」
「えー、即答?」
「あったりまえっしょよー。この腐れ、この錆れ、この苔ムシ、右から見ても、左から見ても、斜めに見ても、笑いながら見ても、どこから見てもただのガラクタ! ガラクタ剣だし~」
この、俺を完膚なきまでにディスる女子は、ロイの義姉リルルだ。リルルはすこし天然が入ってはいるが、可愛らしい……胸の大きな少女だった。
「そ、そんな~オルフェンおじさんが、これは間違いなく聖剣じゃ! 磨けば光るじゃろう~って言ってたじゃん」
「ロイくん、いーい? おじさんはね、ちょっとボケてるの! 同じようなこと言って押し付けられたモノが倉庫にどれだけあるか知ってるでしょーよ。あ、でも私はオルフェンおじさん嫌いじゃあないけどね、うん」
「そんなぁ~俺、困るよ~明日をも知れぬ身だよ~」
ロイが恐れるのも無理はない。これまでだって何度もアルベルトにはいじめられてきた。良いのか悪いのか分からないけれど、それは前の世界にもあった陰険なイジメというより、石や泥を投げつける、殴る、蹴る、など、イジメというより暴行に近いものだった。もちろん、下級貴族であるロイが逆らえるはずもない。
そして下級貴族と上級貴族を分けるもの、それが聖剣の有無だった。認定された聖剣を持っているだけで、下級貴族を脱することができる。だから追い詰められたロイが嘘をついたとしても責めるのは酷というものだろう。
「っていうか、俺だって聖剣だけどね! た、たぶん……」
神との会話……そして聖剣伝説における剣霊……どう考えたって、この剣は聖剣で俺様は剣霊のはず……なんだ。しかし……何度試しても剣の外へでることはできなかった。このまま永遠に剣の中だなんて……そりゃないぜ!
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