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1章
1-8
しおりを挟む午前中に薬草採取依頼を終わらせた俺たちは昨日と同じ店で昼食を取った。
今回は鳥の照り焼き、シーザーサラダ、黒パン、オニオンスープだった。
またしても量が多かったので、半分ほどエドウィンさんに食べてもらう。
しかしエドウィンさんよく食うな。
見た目はほどよく筋肉が付いていていい体をしているのに見た目よりもたくさん食べる。
食費が大変そうだと思ったが、そもそもこの世界で出される料理は安くて量が多いものばかりだった。食べた分だけ筋肉に回るのだろうか。
今回は自分で稼いだお金があるので払うと言ったのだが、エドウィンさんはいつのまにかスマートに会計を済ませていた。やり手だ。
その後俺の武器を買いに行くと言っていたので、インベントリからナイフを取り出して見せるとどこに持っていたのかと聞かれた。
なので正直?にインベントリって思ったらなんか出てきたと答えたら少し呆れた顔をされた。
それでも身を守るには不十分だとのことで、渋々武器屋へ連れてこられたのだった。
「ショートソード、ロングソード、槍や弓なんかもあるけど扱えそうな武器はあるかい?」
変態神からの加護の【身体強化】があるとはいえ前世でも武器を持ったことがない俺は正直に首を横に振る。
すると初心者でも持ちやすい軽いショートソードを見繕ってくれた。
「ここは僕が払います!払わせてくれないと…拗ねます!」
ぷくっと頰を膨らませて見せると、エドウィンさんはぶふっ、と吹き出して顔を赤くしてぷるぷるした。美少年だからいけると思ったが失敗だったか。
しかしエドウィンさんは折れ、ここは俺に支払わせてくれた。1500ガルの出費だ。
外に行く時だけ腰に差し、普段はインベントリにしまっておくことにした。
どうやらインベントリのスキル持ちは珍しいらしく、身を守る術が見つかるまでは人前で使わない方がいいと言われた。
インベントリ目当てで拉致され商人に奴隷のように扱われたり、オークションにかけられたりするようだ。特に君のような可愛い子なら尚更だ、とも。
本当にエドウィンさんは息を吐くように俺を褒める。しかし昨日のことから下心があるのは見え見えなので、軽くスルーしておいた。
今日は討伐依頼を受けることにした。
今の俺は最低ランクなので、角ウサギかスライムの討伐依頼しかない。
スライムには嫌な思い出があるので、角ウサギの討伐を受けた。
二人で町を出て森の中に入る。
スライムに連れ去られそうになったあの森だ。角ウサギはこういう森の浅いところにいるらしい。
しばらく薬草を摘みながら探していると、茂みの中から一匹の角ウサギが飛び出してきた。
「アキラ君、構えて!角ウサギは速いけど動きは単調だ。突っ込んできたところを落ち着いて避けて首を飛ばせばいけるよ!」
「はい!」
初めての魔物との実戦だ。剣を握り締める。
エドウィンさんの言う通り角ウサギは助走をつけて真っ直ぐに突っ込んできたのでその場から横に飛び退いて避け、目標を見失って戸惑っている隙を突いて剣を角ウサギの首を狙って思い切り振り下ろした。
ズシャッ
角ウサギのアタマが地面に落ちる。
初めて生き物を殺した不快感に冷や汗が流れた。
「お疲れ様、凄く筋が良かったよ。もしかして記憶を失う前は剣で戦ってたのかな?」
「どうでしょう…でも魔物を殺すのは初めてな気がします。気持ち悪い…」
血だまりの中に転がる角ウサギの頭が視界に入り目をそらした。
そんな俺を見てエドウィンさんは角ウサギの頭から耳を剥ぎ取ってくれる。それが討伐証明になるらしい。
それと魔物の心臓部には魔石という魔力がこもった石が生成されているらしく、お金になるからとこれも剥ぎ取ってくれた。
その後俺は角ウサギを4匹、エドウィンさんはスライムやヴァイパーという蛇の魔物など合計10匹を倒して帰路に着いた。
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