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1章
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本部から派遣された冒険者サイド
私は本日何度目か分からないため息を吐いた。
私は普段はソロで活動しているAランク冒険者だ。
ゴブリンの集落が見つかったが人手が足りないということで本部からこの町に派遣されたのだが、本部で組まされた他のパーティメンバーに頭を悩ませていた。
「ゴブリンなんて俺たちのてきじゃないぜ。なぁルキ?」
「そうだよなバルド。ちゃっちゃと済ませて王都に戻って酒でも飲もう」
筋肉隆々で前衛型、斧を武器にする戦士のバルド。そして魔法で敵を広範囲で殲滅する魔法使いのルキ。この二人が問題だった。
王都を出てから二人で慢心した発言をし、ひたすら他の者などいないかのように二人の世界に入りイチャイチャ。
あと一人は短剣を武器にしたレンジャーのシグレがいるが、自己紹介の時にしか喋らず後はずっと黙ったままだ。
バルドはAランク、ルキとシグレはBランク冒険者だ。それはいい。問題はいざゴブリンの群れを前にして統率が取れるかという点だ。
出会った時から二人でイチャイチャしてるバルドとルキと組むのは不安だと本部に申し出たが、今は人手が足りないからとゴリ押しされた。
組む相手を選ぶことも一流の冒険者になるには必須のことだ。戦闘中もイチャついて周りが見えなくなるようなら仲間の俺とシグレにも迷惑がかかる。
「見ろよこの筋肉、また育ってきたぜ?」
「わぁ、カッコいい!いいなぁ」
「ルキはそのままが一番可愛いんだよ」
馬車から降り、町に入っても二人は二人の世界のままだった。
この二人は何を言っても無駄だと思い早々にギルドに向かうと、大変歓迎された。
そして申しにくそうに、発見から時間が経っているのでもしかしたらゴブリンの集落が大規模なものになっているかもしれないと告げられた。
私はシグレと相談し、もし危険な状態になったら撤退することを決めた。
バルドとルキは一応聞いていたようだが…大丈夫だろうか。特にバルドのような脳筋は引き際をわきまえず特攻するから心配だ。
そうして俺たち四人はゴブリンの集落があるという森の中へ向かった。
森へ入ってから約30分、道中はぐれゴブリンを倒しながら進み意外と近い場所に集落を見つけた。
他の三人の実力はさすがといったところか、はぐれの4、5匹程度相手なら引けを取らなかった。
茂みに隠れて集落の様子をうかがう。
目視で確認できる程度でザッと100体はいた。
これは本当に大規模なものになっているらしい。ゴブリンたちを統率する高ランクのゴブリンジェネラルやゴブリンキングがいることを想定した方が良さそうだ。
まず遠くの場所にルキの魔法を撃って何匹か陽動し、守りが薄くなったところから俺とバルドで斬り込みにかかる。
ゴブリンは一匹一匹は弱い。
怖いのは慢心と油断だけだ。
バルドの斧と俺の剣でゴブリンたちをバッサバッサと斬り倒して行く。
少し離れた場所でシグレは暗殺者のように俊敏な動きでゴブリンの喉を斬り裂き、ルキは離れた茂みの中から魔法で援護していた。
このまま倒していけば問題ないだろう。
問題はジェネラルとキングだ。
半分ほど倒して地面が血に染まっていく。
突然ゴブリンたちが道を開けた。
ゴブリンジェネラルのお出ましだ。
ジェネラルが杖を掲げて火の魔法を撃ち出す。
それをバックステップでかわして、一気に側面へ回り込み斬りかかった。
私の剣はジェネラルの腕を斬り落とし、ジェネラルは醜い悲鳴を上げる。
その瞬間、後ろの方で小さくルキの悲鳴が聞こえた。
慌てて後ろを振り向くと、ルキが三体のゴブリンに囲まれ地面に押さえつけられていた。
「ルキ!?」
バルドが叫ぶ。
その隙にジェネラルは氷の魔法を放ち、バルドの足を凍らせた。
しまった、後方まで目がいかなかった。
バルドが動けなくなるのを見てすぐさまシグレが走りルキを押さえつけているゴブリンを一気に二体蹴散らす。
「シグレ後ろだ!」
しかしその後ろに隠れていたゴブリンが振り下ろした棍棒がシグレの後頭部を捉え、フラついたシグレの腹にゴブリンの棍棒が抉りこみシグレは吹っ飛ばされた。
ジェネラルが次の魔法を準備している。
すぐさま炎の魔法を最大出力にしてバルドの足元へ放つ。
あちち!なんて言っていたがそのまま凍りついて動けないままサンドバッグにされるよりは軽い火傷の方がマシだろう。
ジェネラルの次の魔法に寸前のところで間に合った俺たちは飛び退いて魔法をかわした。
解放されたルキはシグレを庇ったままどんどん増えていくゴブリンを相手に戦っている。
ゴブリンたちは気絶したシグレにターゲットを絞り、苗床にしようとしているのだ。
早くジェネラルを倒さないとシグレとルキが危ない。
そう思った矢先、突然バルドがルキへ向かって走り出した。
その行動に驚愕する。
恋人を助けたい気持ちは分かるが今目の前には強敵がいる。
私を信じての行動ならまだしも、きっと何も考えず私に押し付けただけだ。
その事実に内心舌打ちをし、また魔法の準備を始めるジェネラルを睨み付け剣を握り締めた。
私は本日何度目か分からないため息を吐いた。
私は普段はソロで活動しているAランク冒険者だ。
ゴブリンの集落が見つかったが人手が足りないということで本部からこの町に派遣されたのだが、本部で組まされた他のパーティメンバーに頭を悩ませていた。
「ゴブリンなんて俺たちのてきじゃないぜ。なぁルキ?」
「そうだよなバルド。ちゃっちゃと済ませて王都に戻って酒でも飲もう」
筋肉隆々で前衛型、斧を武器にする戦士のバルド。そして魔法で敵を広範囲で殲滅する魔法使いのルキ。この二人が問題だった。
王都を出てから二人で慢心した発言をし、ひたすら他の者などいないかのように二人の世界に入りイチャイチャ。
あと一人は短剣を武器にしたレンジャーのシグレがいるが、自己紹介の時にしか喋らず後はずっと黙ったままだ。
バルドはAランク、ルキとシグレはBランク冒険者だ。それはいい。問題はいざゴブリンの群れを前にして統率が取れるかという点だ。
出会った時から二人でイチャイチャしてるバルドとルキと組むのは不安だと本部に申し出たが、今は人手が足りないからとゴリ押しされた。
組む相手を選ぶことも一流の冒険者になるには必須のことだ。戦闘中もイチャついて周りが見えなくなるようなら仲間の俺とシグレにも迷惑がかかる。
「見ろよこの筋肉、また育ってきたぜ?」
「わぁ、カッコいい!いいなぁ」
「ルキはそのままが一番可愛いんだよ」
馬車から降り、町に入っても二人は二人の世界のままだった。
この二人は何を言っても無駄だと思い早々にギルドに向かうと、大変歓迎された。
そして申しにくそうに、発見から時間が経っているのでもしかしたらゴブリンの集落が大規模なものになっているかもしれないと告げられた。
私はシグレと相談し、もし危険な状態になったら撤退することを決めた。
バルドとルキは一応聞いていたようだが…大丈夫だろうか。特にバルドのような脳筋は引き際をわきまえず特攻するから心配だ。
そうして俺たち四人はゴブリンの集落があるという森の中へ向かった。
森へ入ってから約30分、道中はぐれゴブリンを倒しながら進み意外と近い場所に集落を見つけた。
他の三人の実力はさすがといったところか、はぐれの4、5匹程度相手なら引けを取らなかった。
茂みに隠れて集落の様子をうかがう。
目視で確認できる程度でザッと100体はいた。
これは本当に大規模なものになっているらしい。ゴブリンたちを統率する高ランクのゴブリンジェネラルやゴブリンキングがいることを想定した方が良さそうだ。
まず遠くの場所にルキの魔法を撃って何匹か陽動し、守りが薄くなったところから俺とバルドで斬り込みにかかる。
ゴブリンは一匹一匹は弱い。
怖いのは慢心と油断だけだ。
バルドの斧と俺の剣でゴブリンたちをバッサバッサと斬り倒して行く。
少し離れた場所でシグレは暗殺者のように俊敏な動きでゴブリンの喉を斬り裂き、ルキは離れた茂みの中から魔法で援護していた。
このまま倒していけば問題ないだろう。
問題はジェネラルとキングだ。
半分ほど倒して地面が血に染まっていく。
突然ゴブリンたちが道を開けた。
ゴブリンジェネラルのお出ましだ。
ジェネラルが杖を掲げて火の魔法を撃ち出す。
それをバックステップでかわして、一気に側面へ回り込み斬りかかった。
私の剣はジェネラルの腕を斬り落とし、ジェネラルは醜い悲鳴を上げる。
その瞬間、後ろの方で小さくルキの悲鳴が聞こえた。
慌てて後ろを振り向くと、ルキが三体のゴブリンに囲まれ地面に押さえつけられていた。
「ルキ!?」
バルドが叫ぶ。
その隙にジェネラルは氷の魔法を放ち、バルドの足を凍らせた。
しまった、後方まで目がいかなかった。
バルドが動けなくなるのを見てすぐさまシグレが走りルキを押さえつけているゴブリンを一気に二体蹴散らす。
「シグレ後ろだ!」
しかしその後ろに隠れていたゴブリンが振り下ろした棍棒がシグレの後頭部を捉え、フラついたシグレの腹にゴブリンの棍棒が抉りこみシグレは吹っ飛ばされた。
ジェネラルが次の魔法を準備している。
すぐさま炎の魔法を最大出力にしてバルドの足元へ放つ。
あちち!なんて言っていたがそのまま凍りついて動けないままサンドバッグにされるよりは軽い火傷の方がマシだろう。
ジェネラルの次の魔法に寸前のところで間に合った俺たちは飛び退いて魔法をかわした。
解放されたルキはシグレを庇ったままどんどん増えていくゴブリンを相手に戦っている。
ゴブリンたちは気絶したシグレにターゲットを絞り、苗床にしようとしているのだ。
早くジェネラルを倒さないとシグレとルキが危ない。
そう思った矢先、突然バルドがルキへ向かって走り出した。
その行動に驚愕する。
恋人を助けたい気持ちは分かるが今目の前には強敵がいる。
私を信じての行動ならまだしも、きっと何も考えず私に押し付けただけだ。
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