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2章
2-3 暴力、無理やり
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ニルーヴァ視点
その日はいつもより早起きできて、小鳥のさえずる清々しい朝だった。
隣のベッドを見るとアキラはまだ寝ていたので起こさないようにそっと身支度を整えて部屋を出る。
朝食をパンで済ませ、今日は何をしようかと考えていた。
王都に到着してからというもの、アキラと服屋を見て回ったりエドウィンさんと本屋さん巡りをしたり、ルディさんと食べ歩きしたり楽しいことばかりだ。
そろそろ冒険者ギルドの依頼を受けに行こうかな?でもアキラはまだ寝てるし、今日は一人で行ってみよう。
大丈夫、フードをかぶって耳は隠してるしエルフだってバレなければ前みたいなことは起きないはずだ。
そうと決まれば出発だ!
朝の気持ちいい日差しを浴びて僕は冒険者ギルドに向かった。
受注した討伐依頼も無事に終わり、帰路に着く途中森の中から誰かの悲鳴が聞こえた気がした。
どうしよう、誰かが魔物に襲われてるのかもしれない。助けないと。
そう思った瞬間僕はフードが取れるのも構わず悲鳴が聞こえた方向へ走っていた。
息を切らしながらその場所へ向かうと、誰か男の人が茂みの中でうずくまっているのを見つけた。
「大丈夫ですか…!?」
外傷は見たところ見当たらないけど、見えない箇所に怪我をしているのかもしれないと、その人に駆け寄ってヒールを唱えた。
男の人を眩い光が包み込む。
「ああ、ありがとうございます。急に魔物に襲われて…」
「その魔物は今どこに?」
「あそこの木の後ろに…」
そう言って男の人が指をさす方向に目をやると、不意に手首をガシッと掴まれた。
そしてそのまま後ろへ引きずり倒され、視界がぐるんと回り目の前に空が広がった。
何が起こったか分からずぽかんとしていると、その男の人が下品な笑みを浮かべる。
「へっへっへ、エルフがかかるとは幸先良いぜ」
その言葉を合図にするかのように周りから複数人の男の人が現れ、ようやく自分は嵌められたのだと理解した。
「おい、エルフなら抑制石をつけておけよ」
「分かってるって」
そう言って僕の腕を掴んでいるその人は僕の手首に紫色の石がはめ込まれた腕輪を装着した。
「さぁて…楽しませてくれよ?淫乱エルフ君」
男がぺろりと舌なめずりをするのを見てサァッと血の気が引く。逃げないと。多少乱暴な手を使ってでも。
瞬時に魔力を練り上げ氷の魔法を発動する。
いや、発動させようとした。
「あ…あれ…?」
おかしい、何度やっても発動しない。
魔法はエルフの十八番のはずなのに。
焦る僕の様子を見て察したように男たちは声を上げて笑った。
「坊ちゃん、魔力抑制石って知らねえのか?魔力の放出を抑える石のことさ。それを着けられた今のお前は抵抗する術のないただのガキだ」
ケラケラ笑いながら言う男の声を聞いて呆然とする。そんな物があるなんて知らなかった。
「おい、さっさと剥いじまえ」
リーダー格の男が指示を出すと、周りの男が僕の服を脱がしにかかった。
「や、やだ…!離して!」
咄嗟に振り払った腕が隣にいた男の顔にぶつかる。
「いてぇ!こいつ…!」
激昂した男は握り拳を作ると、それを振りかぶり僕の肩に振り下ろした。
「い゛っ…!ぁ…」
鈍く重い痛みを受け止めて骨が軋む。
男は一発だけでは飽き足らず、再度腕を振り上げると僕の頰を、腹を殴った。
「ぃ…っだい…っぐす、やめ…っ!」
また振り上げられる拳を見て咄嗟に体を丸める。
するとリーダー格の男がなだめるように僕の背中を撫でた。
「いいかい?お兄さんたちはね、ちょっと君の体で性欲処理したいだけなんだ。君が抵抗しなければ暴力は振るわないよ。でも抵抗すれば…分かる、ね?」
「ぅぐ…っ」
他の男が丸まった僕の背中を蹴り上げて痛みに呻き声が漏れる。
もう一度リーダーは、わかる、ね?と言って僕の首に手をかけ、ゆっくりと力を込めて僕の首を絞め上げる。
その行為に大きな恐怖を感じ涙をこぼしながら咄嗟にこくこくと小さくうなずくと、リーダーは満足げに一つうなずいて手を離した。
「じゃあ服を脱ごうか。自分でできるよね?」
言われるがままに震える手で一つ一つ服を脱いでいく。脱いだ衣類は男がひったくって遠くへ投げ捨てた。
自分の体には殴られた箇所に痣がついていた。下手に騒いで彼らの神経を逆撫でするのが怖くてじくじくと疼く鈍痛に耐える。
その日はいつもより早起きできて、小鳥のさえずる清々しい朝だった。
隣のベッドを見るとアキラはまだ寝ていたので起こさないようにそっと身支度を整えて部屋を出る。
朝食をパンで済ませ、今日は何をしようかと考えていた。
王都に到着してからというもの、アキラと服屋を見て回ったりエドウィンさんと本屋さん巡りをしたり、ルディさんと食べ歩きしたり楽しいことばかりだ。
そろそろ冒険者ギルドの依頼を受けに行こうかな?でもアキラはまだ寝てるし、今日は一人で行ってみよう。
大丈夫、フードをかぶって耳は隠してるしエルフだってバレなければ前みたいなことは起きないはずだ。
そうと決まれば出発だ!
朝の気持ちいい日差しを浴びて僕は冒険者ギルドに向かった。
受注した討伐依頼も無事に終わり、帰路に着く途中森の中から誰かの悲鳴が聞こえた気がした。
どうしよう、誰かが魔物に襲われてるのかもしれない。助けないと。
そう思った瞬間僕はフードが取れるのも構わず悲鳴が聞こえた方向へ走っていた。
息を切らしながらその場所へ向かうと、誰か男の人が茂みの中でうずくまっているのを見つけた。
「大丈夫ですか…!?」
外傷は見たところ見当たらないけど、見えない箇所に怪我をしているのかもしれないと、その人に駆け寄ってヒールを唱えた。
男の人を眩い光が包み込む。
「ああ、ありがとうございます。急に魔物に襲われて…」
「その魔物は今どこに?」
「あそこの木の後ろに…」
そう言って男の人が指をさす方向に目をやると、不意に手首をガシッと掴まれた。
そしてそのまま後ろへ引きずり倒され、視界がぐるんと回り目の前に空が広がった。
何が起こったか分からずぽかんとしていると、その男の人が下品な笑みを浮かべる。
「へっへっへ、エルフがかかるとは幸先良いぜ」
その言葉を合図にするかのように周りから複数人の男の人が現れ、ようやく自分は嵌められたのだと理解した。
「おい、エルフなら抑制石をつけておけよ」
「分かってるって」
そう言って僕の腕を掴んでいるその人は僕の手首に紫色の石がはめ込まれた腕輪を装着した。
「さぁて…楽しませてくれよ?淫乱エルフ君」
男がぺろりと舌なめずりをするのを見てサァッと血の気が引く。逃げないと。多少乱暴な手を使ってでも。
瞬時に魔力を練り上げ氷の魔法を発動する。
いや、発動させようとした。
「あ…あれ…?」
おかしい、何度やっても発動しない。
魔法はエルフの十八番のはずなのに。
焦る僕の様子を見て察したように男たちは声を上げて笑った。
「坊ちゃん、魔力抑制石って知らねえのか?魔力の放出を抑える石のことさ。それを着けられた今のお前は抵抗する術のないただのガキだ」
ケラケラ笑いながら言う男の声を聞いて呆然とする。そんな物があるなんて知らなかった。
「おい、さっさと剥いじまえ」
リーダー格の男が指示を出すと、周りの男が僕の服を脱がしにかかった。
「や、やだ…!離して!」
咄嗟に振り払った腕が隣にいた男の顔にぶつかる。
「いてぇ!こいつ…!」
激昂した男は握り拳を作ると、それを振りかぶり僕の肩に振り下ろした。
「い゛っ…!ぁ…」
鈍く重い痛みを受け止めて骨が軋む。
男は一発だけでは飽き足らず、再度腕を振り上げると僕の頰を、腹を殴った。
「ぃ…っだい…っぐす、やめ…っ!」
また振り上げられる拳を見て咄嗟に体を丸める。
するとリーダー格の男がなだめるように僕の背中を撫でた。
「いいかい?お兄さんたちはね、ちょっと君の体で性欲処理したいだけなんだ。君が抵抗しなければ暴力は振るわないよ。でも抵抗すれば…分かる、ね?」
「ぅぐ…っ」
他の男が丸まった僕の背中を蹴り上げて痛みに呻き声が漏れる。
もう一度リーダーは、わかる、ね?と言って僕の首に手をかけ、ゆっくりと力を込めて僕の首を絞め上げる。
その行為に大きな恐怖を感じ涙をこぼしながら咄嗟にこくこくと小さくうなずくと、リーダーは満足げに一つうなずいて手を離した。
「じゃあ服を脱ごうか。自分でできるよね?」
言われるがままに震える手で一つ一つ服を脱いでいく。脱いだ衣類は男がひったくって遠くへ投げ捨てた。
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