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2章
2-14
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クライヴ視点
俺は悩んでいた。
先日のニルーヴァとのデートで今まで知らなかった感情を彼に抱いてしまったのだ。
デートをしていると意識したからそういった感情を抱いてしまっただけかもしれないが…。
俺が世界で一番敬愛しているのは兄さんだ。それは間違いない。
今日もこうして兄さんが寝ている深夜の間に兄さんの家に忍び込んで兄さんの耳元で愛を囁いている。
兄さんは一度寝ると中々起きない。
起きている間は神経質だが、寝ている間は多少物音を立てようが体に触れようがまるで起きない。きっと仕事や研究で疲れているんだろう。
だからといって寝ている兄さんを襲うような真似は絶対にしない。
正直言えばこっそり忍び込んで寝ている兄さんを縛り上げ童貞を受け入れてもらうことは容易にできる。
しかしそんなことをして兄弟の縁を切られては元も子もない。俺は兄さんのことを愛しているけれど嫌われたいわけではないからだ。
こうしてすやすや無防備に寝ている兄さんを
眺め、部屋の掃除をし、飯の作り置きをするだけにとどめている。
そのことを兄さんは気持ち悪いと言っていたけれどどうしてか分からない。
俺は兄さんを愛しているしニルーヴァとデートした後もそれは変わることはない。だからこそ彼に恋心のような感情を抱いてしまったことに困惑していた。
複数の人間を同時に愛するのは不誠実だ。
兄さんにもニルーヴァにも申し訳が立たない。
いや、兄さんは全く気にしていないだろうが。
とにかく、日課の兄さんが脱いだ白衣の匂いを胸いっぱいに吸い込む行為をしながら悩んでいるのだ。
彼は俺のキスを拒まなかった。
仮に彼が俺のことを好きだとしよう、だとしたら俺は彼の気持ちに応えるべきだろうか。
俺は彼のことを愛らしいと思った。
初めて会った時は全身傷だらけでひたすら怯えていた彼が俺にむかってにこにこ笑いかけてくれたり顔を赤くして恥ずかしそうに俯く姿を可愛らしいと思った。
そして何より手作りの飯が美味かった。
また彼の作る飯が食いたい。彼と恋仲になったらまた作ってくれるだろうか?
いや、そんな安易な考えで恋仲になどなるものではない。そもそも彼が俺のことを好きかどうかすらも確定していないのだ。
「……お前、何をしている?」
「あ、おはよう兄さん」
いつのまにか起きていた兄さんが俺のことを何か汚いものを見るかのような目で見ていた。
「何をしている、と聞いているんだ」
「兄さんの白衣の匂いを嗅いでいる」
正直に答えると兄さんの眉間のしわが更に深くなり盛大なため息を吐かれた。
「いったいどこで育て方を間違えたのか…」
眼鏡をかけ、前髪をかき上げながらぶつぶつと呟いている。
「こんな時間に夜這いでもしに来たか?」
「えっ、していいのか!?」
「馬鹿者!どう解釈したらそうなるのだ!」
兄さんは側に置いてあった本を俺めがけてぶん投げる。
それを片手で受け止め、もう一つ投げられた本を受け止めた本で弾き落とした。
せっかく部屋の片付けをしたというのにまた散らかってしまう。
「ち、違うんだ兄さん。ニルーヴァのことで相談があって来たんだ」
「昼間に普通に訪ねて来い。間違っても深夜に鍵をこじ開けて侵入してくるな」
正論だ。しかし兄さんは昼間に訪ねて来ても全く相手にしてくれないじゃないか。
「例のエルフの小僧のことならさっさと抱いてやってモノにしてこい。性行為の指南書なら図書館にあるだろう」
「でも…付き合ってもないのにそんな…」
「うじうじと男らしくない奴だな…。ならば付き合ってみて体の相性を確かめればよかろう」
「兄さんって非道だ」
「今更だな」
そんな会話をした後俺は兄さんの家を追い出され騎士団の宿舎に戻る。
結局何も解決していないが…要は彼と性行為を行えばいいのか?
しかし彼は複数人の男に襲われて心が傷ついているはすだ。ヒールで体の傷は癒えても心の傷までは癒せない。
彼のことは大切にしたいと思っている。
怖がらせたくないし、泣かせたくない。
俺は…どうすればいいのだろう。
俺は悩んでいた。
先日のニルーヴァとのデートで今まで知らなかった感情を彼に抱いてしまったのだ。
デートをしていると意識したからそういった感情を抱いてしまっただけかもしれないが…。
俺が世界で一番敬愛しているのは兄さんだ。それは間違いない。
今日もこうして兄さんが寝ている深夜の間に兄さんの家に忍び込んで兄さんの耳元で愛を囁いている。
兄さんは一度寝ると中々起きない。
起きている間は神経質だが、寝ている間は多少物音を立てようが体に触れようがまるで起きない。きっと仕事や研究で疲れているんだろう。
だからといって寝ている兄さんを襲うような真似は絶対にしない。
正直言えばこっそり忍び込んで寝ている兄さんを縛り上げ童貞を受け入れてもらうことは容易にできる。
しかしそんなことをして兄弟の縁を切られては元も子もない。俺は兄さんのことを愛しているけれど嫌われたいわけではないからだ。
こうしてすやすや無防備に寝ている兄さんを
眺め、部屋の掃除をし、飯の作り置きをするだけにとどめている。
そのことを兄さんは気持ち悪いと言っていたけれどどうしてか分からない。
俺は兄さんを愛しているしニルーヴァとデートした後もそれは変わることはない。だからこそ彼に恋心のような感情を抱いてしまったことに困惑していた。
複数の人間を同時に愛するのは不誠実だ。
兄さんにもニルーヴァにも申し訳が立たない。
いや、兄さんは全く気にしていないだろうが。
とにかく、日課の兄さんが脱いだ白衣の匂いを胸いっぱいに吸い込む行為をしながら悩んでいるのだ。
彼は俺のキスを拒まなかった。
仮に彼が俺のことを好きだとしよう、だとしたら俺は彼の気持ちに応えるべきだろうか。
俺は彼のことを愛らしいと思った。
初めて会った時は全身傷だらけでひたすら怯えていた彼が俺にむかってにこにこ笑いかけてくれたり顔を赤くして恥ずかしそうに俯く姿を可愛らしいと思った。
そして何より手作りの飯が美味かった。
また彼の作る飯が食いたい。彼と恋仲になったらまた作ってくれるだろうか?
いや、そんな安易な考えで恋仲になどなるものではない。そもそも彼が俺のことを好きかどうかすらも確定していないのだ。
「……お前、何をしている?」
「あ、おはよう兄さん」
いつのまにか起きていた兄さんが俺のことを何か汚いものを見るかのような目で見ていた。
「何をしている、と聞いているんだ」
「兄さんの白衣の匂いを嗅いでいる」
正直に答えると兄さんの眉間のしわが更に深くなり盛大なため息を吐かれた。
「いったいどこで育て方を間違えたのか…」
眼鏡をかけ、前髪をかき上げながらぶつぶつと呟いている。
「こんな時間に夜這いでもしに来たか?」
「えっ、していいのか!?」
「馬鹿者!どう解釈したらそうなるのだ!」
兄さんは側に置いてあった本を俺めがけてぶん投げる。
それを片手で受け止め、もう一つ投げられた本を受け止めた本で弾き落とした。
せっかく部屋の片付けをしたというのにまた散らかってしまう。
「ち、違うんだ兄さん。ニルーヴァのことで相談があって来たんだ」
「昼間に普通に訪ねて来い。間違っても深夜に鍵をこじ開けて侵入してくるな」
正論だ。しかし兄さんは昼間に訪ねて来ても全く相手にしてくれないじゃないか。
「例のエルフの小僧のことならさっさと抱いてやってモノにしてこい。性行為の指南書なら図書館にあるだろう」
「でも…付き合ってもないのにそんな…」
「うじうじと男らしくない奴だな…。ならば付き合ってみて体の相性を確かめればよかろう」
「兄さんって非道だ」
「今更だな」
そんな会話をした後俺は兄さんの家を追い出され騎士団の宿舎に戻る。
結局何も解決していないが…要は彼と性行為を行えばいいのか?
しかし彼は複数人の男に襲われて心が傷ついているはすだ。ヒールで体の傷は癒えても心の傷までは癒せない。
彼のことは大切にしたいと思っている。
怖がらせたくないし、泣かせたくない。
俺は…どうすればいいのだろう。
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