異世界に転生したがそこは性的なことに寛容な世界だった!

羊ひつじ

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2章

2-13

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ニルーヴァ視点




「クリストフがクライヴとデートの約束取り付けてくれたよ」

そう言って親指を立てるエドウィンさんの言葉の意味が理解できなくて僕はしばらくの間目をパチパチさせて無言でエドウィンさんを見つめていた。

「デ…デート…?」

「うん、デート」

聞き間違いじゃなかった。
この人は確かにデートと言った。

「ぼ、僕そんなつもりじゃ…!ただ改めてお礼を言いたかっただけで…」

「そうなのかい?でも向こうはもうそのつもりみたいだよ」

「えっ…!?」

それを聞いて頰が赤く染まる。
クライヴさんが僕とデートすることを承諾してくれただなんて。…少し期待してしまう。

少しでも僕に対して興味を抱いてくれているのかな、なんて。

「あーあ、そうなったら独り身は俺だけかー」

「ルディさん!別にまだお付き合いしてるわけじゃ…!」

「まだ?」

「あ…」

再度顔が赤くなる。
そうなったらいいな、なんて思ってることが口から出てしまった。

そんな僕の様子をルディさんは楽しそうに眺めてニヤニヤしている。

「さ、そうと決まったらオシャレしないとな!服屋見に行こうぜ!」

「う、うん…」

アキラとエドウィンさんに見立ててもらいデートに着ていく服を新調した。

フリルやリボンがついていたりちょっと女の子っぽい服なんだけど…アキラの趣味かな…?

相手をドキドキさせるテクニック?とかいうのを教えてもらったり料理を教えてもらったりしながら過ごしていると、あっという間にデート当日になった。

髪を下ろした方が色っぽいからと言われ髪を下ろし、新しい服を着てお弁当が入った大きめのバスケットを持って時計塔の前で待つ。

楽しみすぎて30分も早く着いてしまった。
クライヴさんはまだ来てないみたい。

今日の僕、変じゃないかな?
みんな可愛いって言ってくれたけど、どうしても不安になってしまう。

クライヴさんにも可愛いって思って欲しいな。

そわそわしながら待つこと15分、向こうの方からクライヴさんらしき人が歩いてきた。

その人は僕に気付くと、小走りでこちらに向かってくる。

「すまない、待たせた」

そう言って目の前に立つクライヴさんはこの前会った時とは違って私服で、騎士団の鎧とは違うかっこよさにくらっときた。

「い、いえ、今来たところです…!」

直視できなくて恥ずかしくなって頰を赤らめながら下を向く。

それでもこれだけはきちんと言わなければ!と、パッと顔を上げてクライヴさんを見上げた。

「あ、あの…この前は本当にありがとうございました。貴方が助けてくれなかったらあの後どうなっていたことか…」

「ん、あぁ。気にしていない、仕事だから。…しかし、もっと早く助けられなかったものかと心苦しく思っている」

「そんな!助けてもらっただけでも嬉しいです…!」

クライヴさんが少し暗い顔をして俯いたので慌てて近寄って上目遣いで顔を覗き込む。

するとクライヴさんはマジマジと僕の顔を見た後、ふいっと顔をそらした。

あれ、何かまずいことしたかな…?

「どうかしました…?」

不安になっておずおずと聞くと、クライヴさんは目を泳がせながらもごもごと口を開く。

「可愛らしいなと思って」

「…えっ!?」

「いや、こんなこと軽々しく口にするものではない。すまない」

ボッと顔が赤くなる。
他の誰に言われるよりも嬉しくて、心がぽかぽかと暖かくなった。

「飯でも食いに行こう。腹が減った」

誤魔化すように言われて歩き出そうとする。
ハッとしてバスケットを差し出した。

「あの、お弁当作ってきたんです。よかったら…」

上手くできてるか不安だけどエドウィンさんに監督してもらったし、多分大丈夫なはず…。

「そうか、ありがとう。では向こうで食べよう」

そう言って連れられてきたのは噴水広場。
周りにはカップルと思わしき人たちがたくさんいる。

木陰にシートを敷いてお弁当を広げる。
クライヴさんは美味しい美味しいと言って食べてくれた。

クライヴさんも例に漏れずよく食べる。
たくさん作ってきておいてよかった。

僕たちもカップルに見られてるのかな?
…ううん、年齢差があるみたいだし兄弟に見られてるかも。

そういえばクライヴさんはクリストフさんの弟さんだって聞いたけど、クリストフさんの話題は絶対に出すなとエドウィンさんに言い聞かされていた。

お兄さんの話題を出しちゃいけないなんてよっぽど仲が悪いのかな?

それから二人でぶらぶら散歩をしたりオカリナを吹いたりショッピングしたり、充実した一日を過ごしたけれどびっくりするぐらいクライヴさんは何もしてこなかった。

クライヴさんはその気だって聞いていたから、てっきり木陰に連れ込まれて…だ、抱かれたり、キスの一つでもしてくるかと身構えていたけど指一本すら触れてこなかった。

僕が前にあんな目に遭っていたから気遣ってくれているのかもしれないけど…。

夕方になり、空が赤く染まっていく。
クライヴさんは仕事に戻らないといけないと言い、騎士団本部まで一緒について行った。

もうすぐお別れしなくちゃいけないのが寂しくて無言になる。

このまま手すら繋がないままデートが終わるのかと思っていると、突然前を歩いていたクライヴさんが立ち止まって振り向いた。

どうしたんだろう?と思っていると、そっと肩に手を置かれてジッと見つめられる。

いつのまにか辺りには人気がなく、僕たち二人だけになっていた。

真剣な表情で見つめられて胸がドキドキと高鳴った。

するとクライヴさんは驚くことを言った。

「今から君に、キスをしようと思う」

「…え?」

そりゃデートでキスもしないのかと思っていたけれど、改めて言われると恥ずかしくなってしまう。

カァァ、と顔が赤くなるのを感じる。

わざわざこんな雰囲気でキスするのを宣言するなんて、慣れてないのかな…?

「付き合ってもいないのにキスするなんてと思っていたが、今俺は君にキスしたいと思っている。嫌なら言ってほしい」

クライヴさんの表情は読み辛いけど、少し頰が赤い気がした。

「…嫌じゃ、ないです。貴方になら…」

そう言って肩に置かれた手に自分の手を重ねる。

夕陽に照らされたクライヴさんの顔がゆっくりと近付いてくる。

ドキドキしながら目を閉じると、クライヴさんの少しカサカサした唇がそっと僕の唇に触れた。


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