転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

文字の大きさ
47 / 314
本編

可愛すぎて (マリー視点)

しおりを挟む
 私はこの日天使に出会ったのです。天使はこの世に存在していたようです。エリック様が養子にするつもりでいるという子どもを公爵家に連れてくるという話を聞いた時は驚いたものです。エリック様はお相手の女性を今まで作らずに居ましたから。もしや、何処ぞのお方と出来た子かとも思いました。ですがいざ現れたのはエリック様とは似ても似つかない女の子!

 
 て・ん・し!天・使!!エンジェルなのです!!!私ことマリーはこの世に生まれて来て良かったと心から思いました。

 自己紹介では緊張していたのでしょう。噛んで語尾が「…でしゅ」となったのです。そこいらのお嬢様方より何倍も威力があるのです。顔を赤くしてエリック様の足にぴたっと引っ付くなんて…反則級の可愛さだと思いませんか?あ、今思い出しても鼻血が……


 その後、旦那様と奥様を冷めた目で見ていた所を見られてしまいました。怖がられたくないのですぐに笑顔に戻しましたよ。目が合ったのをいい事にちゃっかり私の事も紹介させてもらいました。ちなみに順番はセバスに先越されましたがね。ちくしょー!







 それは夕食の場へと向かおうとしていた時でした。お風呂上がりのティア様が廊下におられました。ティア様も夕食の場へと向かっていらっしゃったのでしょう。場所はお伝えしていましたのでどうやら1人で向かっている模様。「一緒に行ける、ラッキー!!」と思えど表情には出さず案内を申し上げようとしました。しかし、ティア様を見た瞬間、私は声を我慢出来ませんでした。

「天使…」

 思わず声に出してしまったではないですか!目をぱちくりさせるティア様。尊い……ティア様という存在にぴったりの天使のお姿。マリーは、マリーは感激ですわ!!興奮しすぎて鼻血が……い、いけないわ。このような姿をティア様に見せられない。少しでも見苦しい姿を見せない為それはもう全速力で走りましたわ。鼻をおさえてしまった所は見られたのは仕方ないとしてその理由鼻血はバレていないはず…


 夕食後、部屋にはシェリア様とティア様を除く旦那様、奥様、エリック様そしてセバスと私が残りました。私の鼻にはティシュが…誰も問いただしたりしませんが理由はわかっているようです。セバスは私が夕食時に居なかった理由を察して溜め息をつきやがりましたよ!私は知ってるんですからね?あなたもティア様のパジャマ姿を見て悶えていたのを!!



 とりあえず、皆さまのテーブルに新しくお茶を入れなおします。一口飲んだ後、ティア様についての話し合いが始まりました。


 ティア様の本来のご家族は訳ありのようです。今の父親は素晴らしい方のようですが前の方はどんな方だったのでしょう。このような天使に対しどんな行為をなさっていたのです?場合によってはマリーは許しませんわ!

 私がティア様の前のお家族にそう思っていた時に爆弾発言が。エリック様曰く今の父親という方からお小遣いを貰っているそうなのですが、なんと白金貨だったのです。これには流石に驚きました。お小遣いって白金貨を渡すものでしたっけ?違うに決まってるでしょう!せめて金貨…いや金貨でも多いかしら。そんなものをお小遣い扱い…さらにアイテムボックス持ち。これは狙われますね。


 まだまだ続く爆弾発言。ティア様の属性は全属性。信じられません。奥様もこればかりは冗談だと言いますが、エリック様のお顔は真剣で嘘を言っていないのは確かです。だとすると疑問点があるのです。たしかに複数属性の方は居りますが例外があるのです。白魔法と黒魔法は対極関係にあるのです。白魔法とは光の力であり、黒魔法は闇の力と呼ばれています。これらは相交えないはずなのです。故にどちらかしか持つことはできないはずなのです。一体ティア様は何者なのでしょうか。謎は深まるばかりです。



 次の日、休憩時間中に侍女達が集まって話し合っていたので何事か聞いてみますと、ティア様が可愛すぎるというものでした。何を当たり前な事をと思いましたが詳しく聞くと、寝起きのティア様は舌ったらずで毛布をきゅっと抱きしめていたそうなのです。ティア様は朝に弱い…とメモメモ。そしてその後ティア様を着せ替え人形のようにして、あの美しい金髪をいじったですって!?羨まし過ぎるでしょう!寝起きのティア様とか私も見たいわよ。そして、「マリーしゃん……おはよぉ……」とか言われたいわよ!!想像したら、、、鼻血が出そう。








 ティア様が一度騎士寮に戻ることになり、癒しが足りない日々が続きます。あぁ、早くお帰り下さい。マリーはティア様がルーゼルト家にお戻りする日を楽しみにしております。




















ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 はい、マリーさんの回でした!どうでしたか?マリーさんは出来る女のように思われていますが可愛いもの好きなんです。ティアが可愛すぎて鼻血を出していたんですね。ここまで来るととちょっと危ない人…いや、マリーさんなら許されるはず!!

 次は騎士寮に戻った所からになります(о´∀`о)
しおりを挟む
感想 169

あなたにおすすめの小説

義弟の婚約者が私の婚約者の番でした

五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」 金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。 自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。 視界の先には 私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。

どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~

涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!

愛する夫が目の前で別の女性と恋に落ちました。

ましゅぺちーの
恋愛
伯爵令嬢のアンジェは公爵家の嫡男であるアランに嫁いだ。 子はなかなかできなかったが、それでも仲の良い夫婦だった。 ――彼女が現れるまでは。 二人が結婚して五年を迎えた記念パーティーでアランは若く美しい令嬢と恋に落ちてしまう。 それからアランは変わり、何かと彼女のことを優先するようになり……

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する

ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。 きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。 私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。 この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない? 私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?! 映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。 設定はゆるいです

愛されなかった公爵令嬢のやり直し

ましゅぺちーの
恋愛
オルレリアン王国の公爵令嬢セシリアは、誰からも愛されていなかった。 母は幼い頃に亡くなり、父である公爵には無視され、王宮の使用人達には憐れみの眼差しを向けられる。 婚約者であった王太子と結婚するが夫となった王太子には冷遇されていた。 そんなある日、セシリアは王太子が寵愛する愛妾を害したと疑われてしまう。 どうせ処刑されるならと、セシリアは王宮のバルコニーから身を投げる。 死ぬ寸前のセシリアは思う。 「一度でいいから誰かに愛されたかった。」と。 目が覚めた時、セシリアは12歳の頃に時間が巻き戻っていた。 セシリアは決意する。 「自分の幸せは自分でつかみ取る!」 幸せになるために奔走するセシリア。 だがそれと同時に父である公爵の、婚約者である王太子の、王太子の愛妾であった男爵令嬢の、驚くべき真実が次々と明らかになっていく。 小説家になろう様にも投稿しています。 タイトル変更しました!大幅改稿のため、一部非公開にしております。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

愛する夫にもう一つの家庭があったことを知ったのは、結婚して10年目のことでした

ましゅぺちーの
恋愛
王国の伯爵令嬢だったエミリアは長年の想い人である公爵令息オリバーと結婚した。 しかし、夫となったオリバーとの仲は冷え切っていた。 オリバーはエミリアを愛していない。 それでもエミリアは一途に夫を想い続けた。 子供も出来ないまま十年の年月が過ぎ、エミリアはオリバーにもう一つの家庭が存在していることを知ってしまう。 それをきっかけとして、エミリアはついにオリバーとの離婚を決意する。 オリバーと離婚したエミリアは第二の人生を歩み始める。 一方、最愛の愛人とその子供を公爵家に迎え入れたオリバーは後悔に苛まれていた……。

処理中です...