69 / 314
本編
お城へ行くそうです
しおりを挟む
「えっ!?エリック隊長もう一回言ってくれる?聞き間違いかな。明日、私もお城に行くって聞こえたんだけど。」
「言ったな。明日、ティアは俺と城へ行くって。」
「なんで~~~!?!?!?」
私はムンクの叫びの如きポーズで叫んだ。
夕方、グレイおじいちゃんとエリック隊長が帰って来て早々に言ったのは明日の予定だった。おかえりと言おうと出迎えた私にニコニコ笑顔を浮かべた2人に抱きつかれ「ただいま」と言うと逃がさないとでもいうかのように捕まえられたのだ。
「で、なんで私がお城に行く事になったの!?」
「最初はガルジール…陛下のお話に付き合っていただけなんだぞ。ただ、父さんがティアを自慢する自慢するでな…元々、俺が養子を取った時点で目をつけられていたんだが、父さんの話が決め手でティアに興味が湧いたようなんだ。」
つまりまとめると…グレイおじいちゃんが陛下に私の自慢(孫自慢)をするもんだから、陛下は私に興味を持って会いたいと言い出したというわけか。なんて事してくれるんだ!
「それにレオンハルト様が是非とも会いたいと言ったからな……」
「レオンハルト様?」
「第2王子だ。」
なんで王子様が私に会いたいわけ!?レオンハルト様と私に何にも接点ないよね!?
「というわけで断るわけにもいかないし俺もティアをあいつに…ゴホン、えっと陛下に自慢したいから頼む!!なっ?」
「儂からも頼むティア!あの若造……陛下がティアの可愛さを舐めておったんだ!「はいはい。可愛いんだね~」なんて適当に言いやがって!!許さん!ティアの可愛さにやられてしまえばいいんだ」
鼻息荒く感情的なグレイ。そしてグレイの言葉を聞いたジュリアンが黒い笑みを浮かべた。
「そう……ティアちゃんの可愛さを思い知らせなくてはね……とびっきり可愛くして目を覚ましてあげましょうねティアちゃん。」
ジュリアンおばあちゃん怖いっ!怖いよ!マリーさんやセバスさんも黒い笑みを浮かべてる。
「ティア、一緒に明日行ってくれるな?」
「……はぃ」
これ拒否の選択肢与えられてないのは確かだ。明日なんて来なければいいのに……
「それじゃあティアちゃん行ってらっしゃい!!」
「エリック!陛下にティアを思いっきり自慢して紹介してやれ!」
「「「ティア様行ってらっしゃいませ」」」
シクシク…明日とは望まなくてもやってきてしまうものなのだよ。ジュリアンおばあちゃん筆頭にマリーさん達に可愛らしいドレスを着せられましたよ。ふんわりレースの桃色のドレス。
馬車に揺られてお城へと向かっていると、私が持っているカゴが気になったのかエリック隊長が聞いてきた。
「何を持ってきたんだ?何か美味しそうな匂いがするが…」
「これはねカップケーキだよ。何も持ってかないのは失礼かなって思って出発する前にトムさんと作ったの!」
「何っ!?ティアが作ったカップケーキ。昨日、母さんが自慢してたやつか。勿論、俺のも分もあるんだよな!?」
そういえば昨日の夜、ジュリアンおばあちゃんがエリック隊長達に自慢してたな。大したものじゃないと思うけどな…私が作ったカップケーキを食べたと聞いて、自分達も食べたかったって嘆いてたもんね。ジュリアンおばあちゃんだけずるいと言われて、一緒に食べたマリーさん達はサッと目を逸らしてたな。
「勿論、エリック隊長の分もあるよ。今日のはね、もう一種類味が違うカップケーキも作ったんだ!!」
そう!今日はチョコのカップケーキも作ってみたんだよ。陛下のお口に合えばいいけど……って今気づいたけどそもそも食べてもらえるのかな!?
「エリック隊長!今、思ったんだけど陛下に食べて貰えるかな?王族だからこーゆう物ってダメかな?」
「毒味係を通すのが普通だな。もし、陛下が食べないと言うのなら全部俺が食べるから安心しろ。」
「ありがとうエリック隊長!」
たわいない話をしているとあっという間にお城が目の前に!!
「これはこれはエリック様!お疲れ様です。本日も王城にて用事ですか?」
城の門で、門番をしている兵士さんだ。
「ご苦労だな。今日も陛下に呼ばれてな。俺の可愛い娘を連れてきたんだ。」
エリックの言葉にギョッとした兵士はちらっとティアを見た。そしてエリックの横にいたティアも兵士を見た。ティアは兵士にぺこりと頭を下げるとにこりと笑った。
「可愛いですねぇ。この子が噂のエリック様の娘さんなんですね。娘さんが出来てエリック様が変わったと聞きましたが納得です。」
「それじゃあ陛下を待たせると面倒くさいから行くな。」
「はい」
「あ、門番さん!これあげる!良かったら食べて下さいね」
私はカゴからカップケーキを1個取り出すと門番の兵士に渡した。
「ありがとうございます。あとでいただきますね。」
私は門番の兵士さんにバイバイする。
「なんであいつにあげたんだぁ~ティアの手作りのカップケーキ!!俺もまだ食べてないんだぞ。俺の食べる分が減るじゃないかぁ」
「大丈夫だよ。今日は多めに作ってきたから1個や2個減ったぐらいで無くなったりしないから。」
エリック隊長よ、心が狭いよ笑
「おっ!馬車が止まったな。」
ついにお城の中に入るんだね!まぁすでにお城の中ではあるか、外だけど。
「近くで見るとやっぱり大きいね。こんな所に住んでるなんて王族はすごいね」
「ティアも城に住んでみたいと思うのか?」
「全然!!お城ってだけで落ち着いて過ごせないよ。まず広すぎて場所とか覚えるの大変そうだよ。」
「プハッ!理由がそれか(笑)。確かにそうだな。毎日ここで生活ってのも疲れそうだ。俺もこの城全体を把握するのに苦労したな。」
でしょでしょ!!
お城について話していると大きな扉の前にたどり着いた。
「エリック様とご息女ティア様ですね。」
「あぁ。陛下への取り次ぎを頼む。」
「かしこまりました。……ルーゼルト家エリック様とそのご息女ティア様が参りました。」
目の前の扉が開く。
さぁ、陛下とのご対面だ!!
「言ったな。明日、ティアは俺と城へ行くって。」
「なんで~~~!?!?!?」
私はムンクの叫びの如きポーズで叫んだ。
夕方、グレイおじいちゃんとエリック隊長が帰って来て早々に言ったのは明日の予定だった。おかえりと言おうと出迎えた私にニコニコ笑顔を浮かべた2人に抱きつかれ「ただいま」と言うと逃がさないとでもいうかのように捕まえられたのだ。
「で、なんで私がお城に行く事になったの!?」
「最初はガルジール…陛下のお話に付き合っていただけなんだぞ。ただ、父さんがティアを自慢する自慢するでな…元々、俺が養子を取った時点で目をつけられていたんだが、父さんの話が決め手でティアに興味が湧いたようなんだ。」
つまりまとめると…グレイおじいちゃんが陛下に私の自慢(孫自慢)をするもんだから、陛下は私に興味を持って会いたいと言い出したというわけか。なんて事してくれるんだ!
「それにレオンハルト様が是非とも会いたいと言ったからな……」
「レオンハルト様?」
「第2王子だ。」
なんで王子様が私に会いたいわけ!?レオンハルト様と私に何にも接点ないよね!?
「というわけで断るわけにもいかないし俺もティアをあいつに…ゴホン、えっと陛下に自慢したいから頼む!!なっ?」
「儂からも頼むティア!あの若造……陛下がティアの可愛さを舐めておったんだ!「はいはい。可愛いんだね~」なんて適当に言いやがって!!許さん!ティアの可愛さにやられてしまえばいいんだ」
鼻息荒く感情的なグレイ。そしてグレイの言葉を聞いたジュリアンが黒い笑みを浮かべた。
「そう……ティアちゃんの可愛さを思い知らせなくてはね……とびっきり可愛くして目を覚ましてあげましょうねティアちゃん。」
ジュリアンおばあちゃん怖いっ!怖いよ!マリーさんやセバスさんも黒い笑みを浮かべてる。
「ティア、一緒に明日行ってくれるな?」
「……はぃ」
これ拒否の選択肢与えられてないのは確かだ。明日なんて来なければいいのに……
「それじゃあティアちゃん行ってらっしゃい!!」
「エリック!陛下にティアを思いっきり自慢して紹介してやれ!」
「「「ティア様行ってらっしゃいませ」」」
シクシク…明日とは望まなくてもやってきてしまうものなのだよ。ジュリアンおばあちゃん筆頭にマリーさん達に可愛らしいドレスを着せられましたよ。ふんわりレースの桃色のドレス。
馬車に揺られてお城へと向かっていると、私が持っているカゴが気になったのかエリック隊長が聞いてきた。
「何を持ってきたんだ?何か美味しそうな匂いがするが…」
「これはねカップケーキだよ。何も持ってかないのは失礼かなって思って出発する前にトムさんと作ったの!」
「何っ!?ティアが作ったカップケーキ。昨日、母さんが自慢してたやつか。勿論、俺のも分もあるんだよな!?」
そういえば昨日の夜、ジュリアンおばあちゃんがエリック隊長達に自慢してたな。大したものじゃないと思うけどな…私が作ったカップケーキを食べたと聞いて、自分達も食べたかったって嘆いてたもんね。ジュリアンおばあちゃんだけずるいと言われて、一緒に食べたマリーさん達はサッと目を逸らしてたな。
「勿論、エリック隊長の分もあるよ。今日のはね、もう一種類味が違うカップケーキも作ったんだ!!」
そう!今日はチョコのカップケーキも作ってみたんだよ。陛下のお口に合えばいいけど……って今気づいたけどそもそも食べてもらえるのかな!?
「エリック隊長!今、思ったんだけど陛下に食べて貰えるかな?王族だからこーゆう物ってダメかな?」
「毒味係を通すのが普通だな。もし、陛下が食べないと言うのなら全部俺が食べるから安心しろ。」
「ありがとうエリック隊長!」
たわいない話をしているとあっという間にお城が目の前に!!
「これはこれはエリック様!お疲れ様です。本日も王城にて用事ですか?」
城の門で、門番をしている兵士さんだ。
「ご苦労だな。今日も陛下に呼ばれてな。俺の可愛い娘を連れてきたんだ。」
エリックの言葉にギョッとした兵士はちらっとティアを見た。そしてエリックの横にいたティアも兵士を見た。ティアは兵士にぺこりと頭を下げるとにこりと笑った。
「可愛いですねぇ。この子が噂のエリック様の娘さんなんですね。娘さんが出来てエリック様が変わったと聞きましたが納得です。」
「それじゃあ陛下を待たせると面倒くさいから行くな。」
「はい」
「あ、門番さん!これあげる!良かったら食べて下さいね」
私はカゴからカップケーキを1個取り出すと門番の兵士に渡した。
「ありがとうございます。あとでいただきますね。」
私は門番の兵士さんにバイバイする。
「なんであいつにあげたんだぁ~ティアの手作りのカップケーキ!!俺もまだ食べてないんだぞ。俺の食べる分が減るじゃないかぁ」
「大丈夫だよ。今日は多めに作ってきたから1個や2個減ったぐらいで無くなったりしないから。」
エリック隊長よ、心が狭いよ笑
「おっ!馬車が止まったな。」
ついにお城の中に入るんだね!まぁすでにお城の中ではあるか、外だけど。
「近くで見るとやっぱり大きいね。こんな所に住んでるなんて王族はすごいね」
「ティアも城に住んでみたいと思うのか?」
「全然!!お城ってだけで落ち着いて過ごせないよ。まず広すぎて場所とか覚えるの大変そうだよ。」
「プハッ!理由がそれか(笑)。確かにそうだな。毎日ここで生活ってのも疲れそうだ。俺もこの城全体を把握するのに苦労したな。」
でしょでしょ!!
お城について話していると大きな扉の前にたどり着いた。
「エリック様とご息女ティア様ですね。」
「あぁ。陛下への取り次ぎを頼む。」
「かしこまりました。……ルーゼルト家エリック様とそのご息女ティア様が参りました。」
目の前の扉が開く。
さぁ、陛下とのご対面だ!!
243
あなたにおすすめの小説
義弟の婚約者が私の婚約者の番でした
五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」
金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。
自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。
視界の先には
私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
愛する夫が目の前で別の女性と恋に落ちました。
ましゅぺちーの
恋愛
伯爵令嬢のアンジェは公爵家の嫡男であるアランに嫁いだ。
子はなかなかできなかったが、それでも仲の良い夫婦だった。
――彼女が現れるまでは。
二人が結婚して五年を迎えた記念パーティーでアランは若く美しい令嬢と恋に落ちてしまう。
それからアランは変わり、何かと彼女のことを優先するようになり……
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【本編完結】転生令嬢は自覚なしに無双する
ベル
ファンタジー
ふと目を開けると、私は7歳くらいの女の子の姿になっていた。
きらびやかな装飾が施された部屋に、ふかふかのベット。忠実な使用人に溺愛する両親と兄。
私は戸惑いながら鏡に映る顔に驚愕することになる。
この顔って、マルスティア伯爵令嬢の幼少期じゃない?
私さっきまで確か映画館にいたはずなんだけど、どうして見ていた映画の中の脇役になってしまっているの?!
映画化された漫画の物語の中に転生してしまった女の子が、実はとてつもない魔力を隠し持った裏ボスキャラであることを自覚しないまま、どんどん怪物を倒して無双していくお話。
設定はゆるいです
愛されなかった公爵令嬢のやり直し
ましゅぺちーの
恋愛
オルレリアン王国の公爵令嬢セシリアは、誰からも愛されていなかった。
母は幼い頃に亡くなり、父である公爵には無視され、王宮の使用人達には憐れみの眼差しを向けられる。
婚約者であった王太子と結婚するが夫となった王太子には冷遇されていた。
そんなある日、セシリアは王太子が寵愛する愛妾を害したと疑われてしまう。
どうせ処刑されるならと、セシリアは王宮のバルコニーから身を投げる。
死ぬ寸前のセシリアは思う。
「一度でいいから誰かに愛されたかった。」と。
目が覚めた時、セシリアは12歳の頃に時間が巻き戻っていた。
セシリアは決意する。
「自分の幸せは自分でつかみ取る!」
幸せになるために奔走するセシリア。
だがそれと同時に父である公爵の、婚約者である王太子の、王太子の愛妾であった男爵令嬢の、驚くべき真実が次々と明らかになっていく。
小説家になろう様にも投稿しています。
タイトル変更しました!大幅改稿のため、一部非公開にしております。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
愛する夫にもう一つの家庭があったことを知ったのは、結婚して10年目のことでした
ましゅぺちーの
恋愛
王国の伯爵令嬢だったエミリアは長年の想い人である公爵令息オリバーと結婚した。
しかし、夫となったオリバーとの仲は冷え切っていた。
オリバーはエミリアを愛していない。
それでもエミリアは一途に夫を想い続けた。
子供も出来ないまま十年の年月が過ぎ、エミリアはオリバーにもう一つの家庭が存在していることを知ってしまう。
それをきっかけとして、エミリアはついにオリバーとの離婚を決意する。
オリバーと離婚したエミリアは第二の人生を歩み始める。
一方、最愛の愛人とその子供を公爵家に迎え入れたオリバーは後悔に苛まれていた……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる