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本編
謁見しました
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扉が開くとエリック隊長と一緒に中へ入る。何故だか入る直前にエリック隊長に片手で抱っこされたんだよね。王座には1人の男性が座っていた。エリック隊長より少し年上かな?と思っていると顔を隠すように抱き抱えられた。ちなみにカップケーキのカゴはエリック隊長の片手にあるよ!
「よく来たな。」
「何がよく来ただ!お前が呼んだんだろ」
ちょっとちょっと!エリック隊長、相手はこの国の王様だよ?そんな態度取っていいの?
「そんな事より早くお前の娘とやらを見せろ。腕にいるのがティアとか言うお前の娘なんだろ?」
早く近くに来いと合図する陛下に側にいた人がため息をついた。
「陛下、そんな態度では怖がられて嫌われますよ?エリックさんも意地が悪いですよ。そんなに勿体ぶるように抱きかかえて顔を隠させるなんて……」
「ふん!ティアが可愛いって事を見せつける為だ。驚かせたいからな!!」
そんな事の為に今、私は抱えられていたのね。期待を裏切ったらどーするのさ。ハードル上げないで欲しいよ。
「エリック隊長…挨拶しないとだよ?」
「ほらお前の娘もそう言ってるぞ。降ろしてやれ。そして早く顔を見させろ。」
「僕もシェリアから聞いていたので今日を楽しみにしてたんです。早く見せて下さい。」
ん?シェリアさんの名前が出たような。もしかして…宰相をしてるって言う旦那さん?
「わかった、わかったよ。ティア、陛下達に挨拶してやってくれ。」
エリックはティアを下に降ろす。ティアは王座の方に振り返った。
今初めて陛下とシェリアさんの旦那さんらしき人を見る。
「はじめまして。ティア・ルーゼルトと言います。えっと、よろしくお願いします?」
よろしくで良いのか分からなくて首をかしげるようにして疑問形になっちゃった。
「「……可愛い(ボソッ)」」
2人は何かを呟くとエリック隊長に詰め寄るように話し出した。
「おいエリック!昨日のはルーゼルト公爵のただのじじバカじゃなかったのか!?なんだよ、めっちゃ可愛い子じゃないか!!」
「僕もシェリアからは聞いてましたがここまでとは…やはりこの前シェリアと一緒に会いに行けば良かったぁ!!」
「だから言っただろ?うちの子は世界一だって。」
そんな事言ってたんかい!!
「ティア、こっちに来い。」
陛下に手招かれてしまえば行くしかないよね?待たせるのもあれだし少し小走りで陛下の元へ向かう。陛下の前まで行くと、座っているとはいえ陛下の方が大きいわけで見上げる形になる。陛下も何を言うでもなく私を見つめているので何だろうと首を傾げるようにしていると、何を思ったのか手が伸ばして来て陛下の膝の上に乗せられた。そのまま頭を撫でられる。それが気持ち良くて目を細めて気持ちよくしていると…
「エリック、ティアをくれ。」
「やらねぇよ!!!」
「いいじゃないか!こんなに可愛い子お前には勿体ないし~」
ふざけるなとエリックが声をあげる。
「何?娘ってこんなに可愛いもんなの?」
「ティアだからに決まってるだろ。」
「お前もルーゼルト公爵と同じで親バカだな……」
冷めた目でエリックを見る陛下だった。
「えっと陛下、そろそろ降りてもいいですか?」
流石に国の王様の膝にずっとなんて恐れ多いし。何より側近さん達の視線が集まってまして…
「陛下だなんて…そうだ!私のことはガルと呼んでくれ。ガルジールでガルだ!!」
いやいやいや、陛下でしょ?せめてガルジール様にしてよぉ。
「……ガルジール陛下」
「ガル」
「……ガルジール様」
「ガル」
一歩も引いてくれない。いい笑顔で見てくるよ。
「……ガル様」
「よし」
負けましたよ。もう本人が良いって言ってるからいいよね。
「なら僕はルドルフ叔父さんって呼んでね」
「……ルドルフ叔父さん」
「そうだよ~」
こちらもいい笑顔だな!
「2人ともこれでは下の者達に示しがつかないぞ!」
ナイスエリック隊長!
「何を言う。お前が一番示しがついてないだろーが。この前までのお前なら納得したが今のお前は親バカで有名じゃないか。人が変わったかのようだってよく聞くぞ。雰囲気が柔らかくなったみたいだしな!それに、ここには私の信用のある者しかおらんのだからいいだろう。ルドルフなんて一人称が「僕」になってるくらいだぞ?」
「それは今関係なんじゃないですか!?僕は仕事ときちんと区別してるだけです!!今は公式の場ではないでしょう?だから僕は別にいいんです!」
ルドルフ叔父さんって一人称「僕」が素なんだね。宰相さんだから普段は「私」とか言ってるのかな?
側近さん達もクスクスしてるし本当にここにいる人達は信頼されてる人ばかりなんだね。
「そうだ!エリック隊長カップケーキ!!」
「ティア、こいつらに本当にあげるのか?」
そんなに嫌そうな顔しちゃダメだよ。
「エリック、ティアが言っているのはお前が持ってるカゴの中身か?」
「チッ…そうだ。ティアの手づくりお菓子だ。」
「ほぉ。ティアが作ったのか!よこせ!」
本当に食べるの!?
「いけませんよ陛下。まずは他の者が食べてからです。この場に今、毒味係はおりませんので私が僭越ながら味見…毒味させていただきます。」
「おいルドルフ!お前こーゆう時だけ宰相モードになりやがって。しかも取り繕ったが毒味とか言いつつ味見って言ったよな?」
「何をおっしゃいますか。決してティアちゃんの手作りお菓子が食べたいからではありませんよ。陛下を思っての事です!」
「嘘つけ!!!いつもなら私がお菓子なんかをつまみ食いしても何も言わないじゃないか!!」
いや、ガル様つまみ食いはダメだよ。そんな事してるの?
「さぁエリックさん、ティアちゃんのカップケーキを渡して下さい。」
「ルドルフならいいか…だが一個だけだぞ!俺のもあるんだから。」
「分かりましたよ。」
エリック隊長は渋々カゴから一つカップケーキを取り出してルドルフ叔父さんに手渡した。
「それではいただきますね。」
もぐもぐ
「……!!これは!?」
一瞬、固まったルドルフ叔父さん。
「これは凄い!カップケーキとはこのようなものでしたっけ?今まで僕が食べてきたカップケーキが何だったんだって思えます。」
どうやらルドルフ叔父さんは気に入ってくれたようだ。
「そんなにか!?俺も食べたい!おいガルジール!客間に移動しよう。そこで食べようじゃないか!」
「賛成だエリック!ルドルフだけいい思いをしていてムカつくしな。」
ガル様は私を抱っこしたまま立ち上がると「行くぞ!」と言い移動し始めた。
客間に行くんだね。…………あの、一ついいですか?ガル様、私を離して下さい。まさかこのまま移動するんですかあぁぁぁ!!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いつもより少し長めに書けたかな?王子も登場させなきゃ!!ᕦ(ò_óˇ)ᕤ
「よく来たな。」
「何がよく来ただ!お前が呼んだんだろ」
ちょっとちょっと!エリック隊長、相手はこの国の王様だよ?そんな態度取っていいの?
「そんな事より早くお前の娘とやらを見せろ。腕にいるのがティアとか言うお前の娘なんだろ?」
早く近くに来いと合図する陛下に側にいた人がため息をついた。
「陛下、そんな態度では怖がられて嫌われますよ?エリックさんも意地が悪いですよ。そんなに勿体ぶるように抱きかかえて顔を隠させるなんて……」
「ふん!ティアが可愛いって事を見せつける為だ。驚かせたいからな!!」
そんな事の為に今、私は抱えられていたのね。期待を裏切ったらどーするのさ。ハードル上げないで欲しいよ。
「エリック隊長…挨拶しないとだよ?」
「ほらお前の娘もそう言ってるぞ。降ろしてやれ。そして早く顔を見させろ。」
「僕もシェリアから聞いていたので今日を楽しみにしてたんです。早く見せて下さい。」
ん?シェリアさんの名前が出たような。もしかして…宰相をしてるって言う旦那さん?
「わかった、わかったよ。ティア、陛下達に挨拶してやってくれ。」
エリックはティアを下に降ろす。ティアは王座の方に振り返った。
今初めて陛下とシェリアさんの旦那さんらしき人を見る。
「はじめまして。ティア・ルーゼルトと言います。えっと、よろしくお願いします?」
よろしくで良いのか分からなくて首をかしげるようにして疑問形になっちゃった。
「「……可愛い(ボソッ)」」
2人は何かを呟くとエリック隊長に詰め寄るように話し出した。
「おいエリック!昨日のはルーゼルト公爵のただのじじバカじゃなかったのか!?なんだよ、めっちゃ可愛い子じゃないか!!」
「僕もシェリアからは聞いてましたがここまでとは…やはりこの前シェリアと一緒に会いに行けば良かったぁ!!」
「だから言っただろ?うちの子は世界一だって。」
そんな事言ってたんかい!!
「ティア、こっちに来い。」
陛下に手招かれてしまえば行くしかないよね?待たせるのもあれだし少し小走りで陛下の元へ向かう。陛下の前まで行くと、座っているとはいえ陛下の方が大きいわけで見上げる形になる。陛下も何を言うでもなく私を見つめているので何だろうと首を傾げるようにしていると、何を思ったのか手が伸ばして来て陛下の膝の上に乗せられた。そのまま頭を撫でられる。それが気持ち良くて目を細めて気持ちよくしていると…
「エリック、ティアをくれ。」
「やらねぇよ!!!」
「いいじゃないか!こんなに可愛い子お前には勿体ないし~」
ふざけるなとエリックが声をあげる。
「何?娘ってこんなに可愛いもんなの?」
「ティアだからに決まってるだろ。」
「お前もルーゼルト公爵と同じで親バカだな……」
冷めた目でエリックを見る陛下だった。
「えっと陛下、そろそろ降りてもいいですか?」
流石に国の王様の膝にずっとなんて恐れ多いし。何より側近さん達の視線が集まってまして…
「陛下だなんて…そうだ!私のことはガルと呼んでくれ。ガルジールでガルだ!!」
いやいやいや、陛下でしょ?せめてガルジール様にしてよぉ。
「……ガルジール陛下」
「ガル」
「……ガルジール様」
「ガル」
一歩も引いてくれない。いい笑顔で見てくるよ。
「……ガル様」
「よし」
負けましたよ。もう本人が良いって言ってるからいいよね。
「なら僕はルドルフ叔父さんって呼んでね」
「……ルドルフ叔父さん」
「そうだよ~」
こちらもいい笑顔だな!
「2人ともこれでは下の者達に示しがつかないぞ!」
ナイスエリック隊長!
「何を言う。お前が一番示しがついてないだろーが。この前までのお前なら納得したが今のお前は親バカで有名じゃないか。人が変わったかのようだってよく聞くぞ。雰囲気が柔らかくなったみたいだしな!それに、ここには私の信用のある者しかおらんのだからいいだろう。ルドルフなんて一人称が「僕」になってるくらいだぞ?」
「それは今関係なんじゃないですか!?僕は仕事ときちんと区別してるだけです!!今は公式の場ではないでしょう?だから僕は別にいいんです!」
ルドルフ叔父さんって一人称「僕」が素なんだね。宰相さんだから普段は「私」とか言ってるのかな?
側近さん達もクスクスしてるし本当にここにいる人達は信頼されてる人ばかりなんだね。
「そうだ!エリック隊長カップケーキ!!」
「ティア、こいつらに本当にあげるのか?」
そんなに嫌そうな顔しちゃダメだよ。
「エリック、ティアが言っているのはお前が持ってるカゴの中身か?」
「チッ…そうだ。ティアの手づくりお菓子だ。」
「ほぉ。ティアが作ったのか!よこせ!」
本当に食べるの!?
「いけませんよ陛下。まずは他の者が食べてからです。この場に今、毒味係はおりませんので私が僭越ながら味見…毒味させていただきます。」
「おいルドルフ!お前こーゆう時だけ宰相モードになりやがって。しかも取り繕ったが毒味とか言いつつ味見って言ったよな?」
「何をおっしゃいますか。決してティアちゃんの手作りお菓子が食べたいからではありませんよ。陛下を思っての事です!」
「嘘つけ!!!いつもなら私がお菓子なんかをつまみ食いしても何も言わないじゃないか!!」
いや、ガル様つまみ食いはダメだよ。そんな事してるの?
「さぁエリックさん、ティアちゃんのカップケーキを渡して下さい。」
「ルドルフならいいか…だが一個だけだぞ!俺のもあるんだから。」
「分かりましたよ。」
エリック隊長は渋々カゴから一つカップケーキを取り出してルドルフ叔父さんに手渡した。
「それではいただきますね。」
もぐもぐ
「……!!これは!?」
一瞬、固まったルドルフ叔父さん。
「これは凄い!カップケーキとはこのようなものでしたっけ?今まで僕が食べてきたカップケーキが何だったんだって思えます。」
どうやらルドルフ叔父さんは気に入ってくれたようだ。
「そんなにか!?俺も食べたい!おいガルジール!客間に移動しよう。そこで食べようじゃないか!」
「賛成だエリック!ルドルフだけいい思いをしていてムカつくしな。」
ガル様は私を抱っこしたまま立ち上がると「行くぞ!」と言い移動し始めた。
客間に行くんだね。…………あの、一ついいですか?ガル様、私を離して下さい。まさかこのまま移動するんですかあぁぁぁ!!!
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いつもより少し長めに書けたかな?王子も登場させなきゃ!!ᕦ(ò_óˇ)ᕤ
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