109 / 301
本編
古代遺跡6
しおりを挟む
ニールside
この古代遺跡に来てからというものティアさんの様子のおかしかった。やはり無理矢理にでもティアさんを遺跡の外へと連れ出すべきだった。
中心部に来てからというものティアさんはずっとこの場を確認していた。まるでこの場を知っているかのような、変わっていないかを確認しているように見えた。ティアさんがこの遺跡を昔から知っているはずがない。この遺跡はつい最近見つかったものであり、もう何百年も誰も足を踏み入れてない事は確かだった。
ティアさんは引き寄せられるように石碑の前にやってきた。私やオーディ教授など目もくれない様子に怖くなる。声をかけても反応がない。
石碑に一通り目を通しただろうティアさんは石碑に片手で触れた。そして……
「我、契約者なり。その契約者が命ずる。扉を開き、我が道をあけよ。€#○〆%$☆♪@**\#€ーーーーーーーー$〆#。」
「「え…?」」
今の驚きの声は私とオーディ教授のものだ。聞き取れたのは最初の方だけ。後半は私たちの知らない言葉。意味も分からない。ただ分かることはティアさんの今の言葉が何を起こしたか。我々の前に立ち塞がる大きな扉が開き出したのだ。異変を察知したエリックさん達が集まってくる。
「何事だ!?」
「…扉…開く…」
「解読できたのか?」
エリックさん、デュース、バンさんがいち早く警戒態勢に入る。
完全に扉が開ききった。ここからは未知の領域だ。
全員が神経を尖らせて扉の先を見つめる。すると横を通り過ぎる影が。
「ティアさん!!」
何の迷いもなく進み、扉の先へと足を踏み入れたティアさん。そのまま奥へと進み出す。慌てて全員がティアさんの元へと駆け寄る為に扉の先へと足を踏み入れた。
その瞬間!!多方面から攻撃が!!
各自、攻撃を避ける。そこにはゴーレム達が。これは普通のゴーレムではない。単純な動きでもなく規則性もない。間違いなく上位ゴーレムだ。マズイ。ティアさんが危ない。
「ティア!!危ないから動くな!」
エリックさんが必死にティアさんを呼ぶ。しかしティアさんは振り返らない。
ティアさんの近くにゴーレムが!!マズイ。ティアさんに攻撃が!!
「なっ!!」
ゴーレムはティアさんに攻撃するかと思われたが違った。跪き道を開けている。どう言う事だ。一同その様子に唖然とした。その間にもティアさんは1人奥へと進んで行き、見えなくなってしまう。
「…っ!どけよゴーレムども!ティアを追いかけなきゃいけないんだ。邪魔なんだよ!」
「落ち着けエリック!!」
今にも1人飛び出して行きそうなエリックさんをバンさんがおさえて止める。
〈マスターの…邪魔…させない……部外者…立ち去れ……これより先…進む者…敵とみなす…〉
「喋った!?このゴーレム今喋ったのか!?おいおい嘘だろ。こんなゴーレムが存在するのか?オーディ教授!!何か分かることあるか!?」
一気に緊張が走る。
「これは…分からない。命令されているゴーレム…なのか?このような古代遺跡は初めてだ。何もかも私の知らない事ばかりだ。」
このゴーレムたちに自我があるのだとしたら…厄介ですね。それに、似たゴーレムを私は見たことがある。エリックさんも思い当たる節があるのか目が合った。
「ニールさん。これって前にギルドでティアが作ったゴーレムにそっくりだよな。まるで自我を持っているようなゴーレム…」
「そう、ですね…あの時のは攻撃性のないゴーレムでしたが。用途は違えどそっくりです。ティアさんがこのようなゴーレムの作り方を知っていたという事でしょうか。そうでなければ…これらのゴーレムの作成者は…」
「ティアだとでも言うのか!ありえない!!そんな事あるわけない。」
私もあり得ないと思いますよ。何せこの遺跡は何百、何千、もしかしたら何万年以上も前のもの。人が踏み入れた形跡はなかった。ティアさんには不可能と言っても間違いないだろう。ただ、ティアさんに記憶がない以上、過去にここと関係なかったのか分からず、絶対に不可能とは言い切れないのが現実だ。
「それでこれからどうするんだい?ゴーレムたちは私達の判断を待っていてくれているようだよ。大人しく引き下がるなら今だ。」
「オーディ教授!!ティアを置いて行くと言うのか!」
「ここにいる全員が無事に助かるにはそれが最善だと思うさ。あのゴーレムたちの言葉通りなら契約者であるだろうお嬢さんに危険はないんじゃないかな?それ故の選択肢の一つだよ。」
オーディ教授は正しい。私でもそう言うだろう。しかし…
「私は進みます。一度戻り、再びここに入れるとは限りませんし。私はティアさんが大事なんです。私1人だろうとティアさんを迎えに行きます。」
今の私にティアさんを見捨てるなんて事は出来ない。彼女は私にとって特別な存在なのだ。ティアさんのいない日々を過ごすなんて堪えられない。
「俺も行く。ティアは俺の娘だ。娘を置いて引き下がる親がいるものか。絶対に連れて帰る。」
「はぁ…どうやらここにいるメンバーは皆んな同じ意見のようだ。最悪、私1人で進もうかと思っていたから良かったよ。この先に何が待っているのか私も知りたいからね。最後まで付き合うさ。」
私たちは前へ進むことを決め、ゴーレムたちに向き合う。
〈敵と…認識…攻撃態勢に入る…〉
「さぁ来るぞ!!こいつら倒して進むぞ!」
エリックさんの掛け声と共に戦闘が始まった。
待っていてくださいティアさん。必ずティアさんを見つけてみせますからね。
この古代遺跡に来てからというものティアさんの様子のおかしかった。やはり無理矢理にでもティアさんを遺跡の外へと連れ出すべきだった。
中心部に来てからというものティアさんはずっとこの場を確認していた。まるでこの場を知っているかのような、変わっていないかを確認しているように見えた。ティアさんがこの遺跡を昔から知っているはずがない。この遺跡はつい最近見つかったものであり、もう何百年も誰も足を踏み入れてない事は確かだった。
ティアさんは引き寄せられるように石碑の前にやってきた。私やオーディ教授など目もくれない様子に怖くなる。声をかけても反応がない。
石碑に一通り目を通しただろうティアさんは石碑に片手で触れた。そして……
「我、契約者なり。その契約者が命ずる。扉を開き、我が道をあけよ。€#○〆%$☆♪@**\#€ーーーーーーーー$〆#。」
「「え…?」」
今の驚きの声は私とオーディ教授のものだ。聞き取れたのは最初の方だけ。後半は私たちの知らない言葉。意味も分からない。ただ分かることはティアさんの今の言葉が何を起こしたか。我々の前に立ち塞がる大きな扉が開き出したのだ。異変を察知したエリックさん達が集まってくる。
「何事だ!?」
「…扉…開く…」
「解読できたのか?」
エリックさん、デュース、バンさんがいち早く警戒態勢に入る。
完全に扉が開ききった。ここからは未知の領域だ。
全員が神経を尖らせて扉の先を見つめる。すると横を通り過ぎる影が。
「ティアさん!!」
何の迷いもなく進み、扉の先へと足を踏み入れたティアさん。そのまま奥へと進み出す。慌てて全員がティアさんの元へと駆け寄る為に扉の先へと足を踏み入れた。
その瞬間!!多方面から攻撃が!!
各自、攻撃を避ける。そこにはゴーレム達が。これは普通のゴーレムではない。単純な動きでもなく規則性もない。間違いなく上位ゴーレムだ。マズイ。ティアさんが危ない。
「ティア!!危ないから動くな!」
エリックさんが必死にティアさんを呼ぶ。しかしティアさんは振り返らない。
ティアさんの近くにゴーレムが!!マズイ。ティアさんに攻撃が!!
「なっ!!」
ゴーレムはティアさんに攻撃するかと思われたが違った。跪き道を開けている。どう言う事だ。一同その様子に唖然とした。その間にもティアさんは1人奥へと進んで行き、見えなくなってしまう。
「…っ!どけよゴーレムども!ティアを追いかけなきゃいけないんだ。邪魔なんだよ!」
「落ち着けエリック!!」
今にも1人飛び出して行きそうなエリックさんをバンさんがおさえて止める。
〈マスターの…邪魔…させない……部外者…立ち去れ……これより先…進む者…敵とみなす…〉
「喋った!?このゴーレム今喋ったのか!?おいおい嘘だろ。こんなゴーレムが存在するのか?オーディ教授!!何か分かることあるか!?」
一気に緊張が走る。
「これは…分からない。命令されているゴーレム…なのか?このような古代遺跡は初めてだ。何もかも私の知らない事ばかりだ。」
このゴーレムたちに自我があるのだとしたら…厄介ですね。それに、似たゴーレムを私は見たことがある。エリックさんも思い当たる節があるのか目が合った。
「ニールさん。これって前にギルドでティアが作ったゴーレムにそっくりだよな。まるで自我を持っているようなゴーレム…」
「そう、ですね…あの時のは攻撃性のないゴーレムでしたが。用途は違えどそっくりです。ティアさんがこのようなゴーレムの作り方を知っていたという事でしょうか。そうでなければ…これらのゴーレムの作成者は…」
「ティアだとでも言うのか!ありえない!!そんな事あるわけない。」
私もあり得ないと思いますよ。何せこの遺跡は何百、何千、もしかしたら何万年以上も前のもの。人が踏み入れた形跡はなかった。ティアさんには不可能と言っても間違いないだろう。ただ、ティアさんに記憶がない以上、過去にここと関係なかったのか分からず、絶対に不可能とは言い切れないのが現実だ。
「それでこれからどうするんだい?ゴーレムたちは私達の判断を待っていてくれているようだよ。大人しく引き下がるなら今だ。」
「オーディ教授!!ティアを置いて行くと言うのか!」
「ここにいる全員が無事に助かるにはそれが最善だと思うさ。あのゴーレムたちの言葉通りなら契約者であるだろうお嬢さんに危険はないんじゃないかな?それ故の選択肢の一つだよ。」
オーディ教授は正しい。私でもそう言うだろう。しかし…
「私は進みます。一度戻り、再びここに入れるとは限りませんし。私はティアさんが大事なんです。私1人だろうとティアさんを迎えに行きます。」
今の私にティアさんを見捨てるなんて事は出来ない。彼女は私にとって特別な存在なのだ。ティアさんのいない日々を過ごすなんて堪えられない。
「俺も行く。ティアは俺の娘だ。娘を置いて引き下がる親がいるものか。絶対に連れて帰る。」
「はぁ…どうやらここにいるメンバーは皆んな同じ意見のようだ。最悪、私1人で進もうかと思っていたから良かったよ。この先に何が待っているのか私も知りたいからね。最後まで付き合うさ。」
私たちは前へ進むことを決め、ゴーレムたちに向き合う。
〈敵と…認識…攻撃態勢に入る…〉
「さぁ来るぞ!!こいつら倒して進むぞ!」
エリックさんの掛け声と共に戦闘が始まった。
待っていてくださいティアさん。必ずティアさんを見つけてみせますからね。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
3,843
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる