転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

処遇(エリック視点)

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~エリックside~

 あの生意気なガキ~!!!ティアを無事送ってきてくれた事には感謝しきれないが、何なんだ!!アルベルタってガキ、完全に俺に喧嘩売ってたよな!?ティアもまた面倒くさそうなのに目をつけられたもんだ…レオンハルト様だけでいっぱいいっぱいだっつーの!まぁ、アルベルタのガキはレオンハルト様と違い、ティアへの想いが何なのかはっきり自覚はしていないみたいだし獣人としての本能的なものだ。………それもそれで問題だな!?



「いい加減にしろよ?大事な娘を彼氏にとられた時の残念な父親のようだぞ!」


「「「嫁にはやらん(やりません)!!」」」


「いやなんで、エリック以外も食いついてくるんだ!?」


 俺以外にも自称保護者勢が声を荒げた。ニールさんなんて目が本気ガチだ。怖えぇえー!きっと俺より審査が高難度だぞ。認めないつもりで見極めるタイプだ!味方につければ心強い仲間ではあるが。父ながら娘のティアが本当に結婚出来るか心配になる。


「もういいや。早くこのキャワルンズの件を終わらせるぞ。俺は仕事が溜まってるんだ…」


 テルボーさんは気怠げに話す。


「では…キャワルンズの3人に言い渡す。冒険者ランクの降格、並びに2週間の無償労役を命ずる。」

 テルボーさんがギルドマスターらしく振る舞う姿に違和感が半端ない。


「ふざけんじゃないわよ!」
「意味わかんないしぃ~」
「従う理由がないわ!」


 こいつら自分たちが悪いと微塵も思っていない。


「ねぇ、お兄さんたち、こんなプレイがお好みなの?」
「もっといい事を私達としましょうよぉ。」
「そぉそぉ!そんなちびっ子の子守とか面倒で大変でしょう?私たちが相手してあげる」


 コイツらマジで苛つかせるのが上手いな。頬を赤らめ身体をクネクネさせやがって。そんな姿を見せられても何とも思わねぇよ。


「俺はな、お前らをもっと重罪に処す事も出来るんだぞ。むしろ死罪にさせようと思えば法的に出来ない事もない。何故かって?俺はこの国の第1騎士団の隊長であり、公爵家の者だ。わかるか?王族の次に偉い立場にあたるんだよ。その娘にお前らは暴言吐いたんだ。しかも一時とは言え、行方不明にまでなっていた。その原因であるお前らに温情なんて要らないだろう?それとも何か?知らなかったで済まそうとしているのか。だとしたら馬鹿にしているにもほどがある。」


 このどうしようもない怒りをどうしてくれる?お前らに償いの機会を与える必要なんてあるのか?ふざけるなよ。俺は今、お前らに…いや、俺自身に怒っているんだ。怪しいと思いつつも信用してこの3人に任せたのは俺らだ。スノウもいる事だし、危険があっても多少は大丈夫だろうと、たかを括っていたのは紛れもない俺たちだ。だから今回は俺らにも反省すべきところがあるのだ。




「分かったか?今回の決定は優しい方なんだよ。降格と短期労役で済むんだ。感謝しかないだろ。」


 テルボーさんが額に汗を掻いて言う。静かになった3人に少しは自身らの行いを悔い改めたかと思った。だが…


「感謝?するわけないじゃない!降格に労役なんて最悪よ」
「隊長だの貴族だの関係ないっつーの!」
「子ども1人に熱くなっちゃって恥ずかしー」


 こいつら根が腐ってやがる。


「テルボーさん、どうやら彼女らの罰は軽いみたいですので私の方でも処理しても?冒険者稼業で2度とやっていけないように手回ししておきましょう。きっと、どこのギルドに行っても依頼が受けられなくなるでしょうね。あぁ、でもそれでは優しいですよね。私の人脈を使って…」


「ニール、それはやり過ぎだから落ち着け⁉︎王都ギルドから手回しされたらマジで冒険者稼業じゃやっていけなくなるから!優しくないから!さらにお前の人脈使われたら、それこそ社会で生きていけなくなるレベルだから!お前の人脈凄いの知ってるからな!?自分ではそうでもないとか思っているかもしれないが、1人1人が影響力を莫大に持っている奴等ばっかりじゃねーか!」


 ニールさんも相当ご立腹のようだ。テルボーさんが可哀想なくらい動転している。


「俺の肩書きも使え。第2騎士団隊長も伊達ではないからな。」


「…同じく…使って…」


 バンもデュースも明らかにキレている。俺らの気迫に野次馬共はさっさと解散してやがる。皆、自分の身が可愛いのだ。その判断は正しい。



「やめだやめ!エリック達も実行しようとするな!冒険者ランクを2降格、1ヶ月の無償労役、罰金を追加し金貨60枚で許してやってくれ。」


 テルボーさんの必死な頼みに俺らは顔を見合わせる。テルボーさんが出した罰は、冒険者としては重い方になる。2ランク降格すれば受けられる依頼内容も変わってくるし、稼ぎもこれまでと同様とはいかないだろう。さらに1ヶ月無償労役。これは依頼で誰もしたがらないものをやらされるのだ。それを無償で。これほどキツイものはない。罰金はCランクパーティであれば難しくない金額だ。貯金くらいしているだろう。…してるよな?稼いだらすぐ消費なんてことしていなければ問題はないはずだ。一つ溜息をこぼす。


「わかった。ただ、2度とキャワルンズと関わらないようにしたい。その為の取り計らいは今後も任せる。」


「ギルド職員が監視に付くはずだから上手く対応しておくよう伝えておく。」


 最後の最後までガミガミ喚いているキャワルンズが、テルボーさんと騒ぎを聞きつけて駆けつけたシャインさんによって引っ張って退場するまで俺たちは害虫でも見るかのようにキャワルンズを見続けた。













 


 
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