転生した愛し子は幸せを知る

ひつ

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本編

キャワルンズの知らせ 1

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「入れて頂戴!!」
「緊急事態よ!」
「さっきとしなさいよ!!」


 ふひぃ~とお腹をポンポンしていると、聞き覚えのあるキンキン声が聞こえて来た。どうやらギルドの結界に拒まれ、入る為に許可を求めているようだ。


「ゲェッ!あいつらがなんで…」


〈うわー本当最悪。もう二度と見たくなかったのに。〉


 アルとスノウの尻尾がバシンバシンして不機嫌を表している。うん、私も声すら聞きたくなかったかな。


「ティアちゃん、急いで部屋に戻って。ごめんね、あの3人の行動は制限して会わないようにしてたのに。予定より早く戻ってくるなんて…」


 ユリアさんが慌てて私たちの所に来て言う。曰く、キャワルンズに任せた仕事(罰の雑用)を今日もさせていたらしいが予定より早く戻って来たらしい。街の異変に気付いてだとは思うらしいが…。てか、普通に今日も罰で強制依頼をさせられていたのか。あの3人ってそれなりにランクの高い冒険者じゃなかったっけ?作戦に参加してないの?

 なになに?協調性が無く、邪魔だから参加させるわけにはいかなかった?そ、そうなのか。ユリアさん最後の方はブツブツ呪詛のように恨み言呟いているけど、日頃から溜まってるストレスなんかがキャワルンズにありそうだね。詳しくは聞かないけど。


「ティア、行こう。」


「う、うん。」


 イスをぴょんと降りて用意されている部屋に戻ろうとした時、キャワルンズが気になる言葉を発した。


「いいから聞きなさいよ!」
「下水道になんか怪しい奴らがいるのよぉ」
「魔物を連れてたわ!なんかヤバそうな奴もいて、知らない道がいつの間にか下水道内に作られているのよ!」


 え?誰もキャワルンズを相手にしていなかったがその言葉を聞いて一同耳を傾けた。私も思わず足を止め振り向いた。


「詳しく聞かせて下さい!」


 ユリアさんはキャワルンズをギルド内に入れる事を判断し、招き入れた。ギルドにいた冒険者たちも険しい顔をして中央に集まり始める。


「ティア、早く戻ろう?」


「うん…」


 再び部屋へと戻る為、歩き出した時だった。ギルドに入ってきたキャワルンズが私に気付き、こちらを一瞬だが見て笑った気がした。慌てて視線をそらし、アルとスノウと早足に部屋へと戻った。なんだろう胸騒ぎがする…



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